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揚水の「人生薔薇色計画」

僕のハンドルは「ようすい」ではなく「あげみ」と読みます。表記はaghemiとしています。

妻の海月は「くらげ」と読みます。



ふりぃのかうんた

yesterday ふりぃのかうんた today ふりぃのかうんた


自分が何者であるか今よりももっとわからず身悶えしていた学生の頃、何をしたらいいのかについて友達と話しに話した。
結論は出なかった。どころか何をしてもいいんだということにすらなった。
ただし、本当に何をしてもいいというのではなかった。
一つだけ基準がある。
それは俺の、俺たちの、ひいてはほかの人たちの人生を薔薇色にするか、その一点。
時々それを思い出しては行動する。
それが僕たちの人生薔薇色計画。



    よそいき仕事日記   

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2009-08-03 余録
2009-08-02 二重に馬鹿
2009-08-01 斜め上
2009-07-31 カウントダウン・ゼロ
2009-07-28 カウントダウン・スリー
2009-07-26 日曜夕食のささやかな幸せ
2009-07-24 カウントダウン・フォー
2009-07-23 カウントダウン・ファイブ
2009-07-22 日蝕
2009-07-22 危険人物 1


2009-08-03 余録

 
 
あ  づ  い


東海地方も梅雨明けたんですか?
消毒と刈込のふた現場回っただけで溶けそうになりましたよ。



昨日親方と僕二人、さらに仕事仲間を二人加えて四人で滋賀まで剪定に出張してきました。
往き帰り車の中で若い衆のネタがぼろぼろ出てくる出てくる。立場と機会の多さからほとんど僕一人が叱り飛ばしていましたが、みんな似たようなこと感じてたんだなあ。一人怒ってた自分が馬鹿みたいですが、親方は叱ってばかりもおれないし、うちの会社でない人間は、叱る、つまり教える義理も立場も必要もありません。
若い衆は僕や親方でなく他の人間にすり寄っていましたが、彼らが叱ったり怒ったりしないことにそういう理由があることを彼が知る由もなかったんでしょう。
四人でどう考えても、彼がなぜあそこまでものがわからないのか、わかりもしないのに「はい」と返事ができるのか、とうとうわからずじまいでした。
「東洋の神秘」、「極東の不思議」、しまいには彼の出身地から「岡山の珍獣」とまでの呼称が出る始末。
ひどいこと言ってますが、だってわかんないんだもん。

わかったことは、彼が「はい」と返事する時は指示を理解しておらず、「うぃす」と返事する時は理解しているということくらいです。

「うぃす」と返事することもみんな気づいていてそれぞれちりちりしていたようです。
部活じゃねえんだからよ、「うぃす」はないよなあ。そういう雰囲気とか、それでOKな職場もあるだろうけどさ、君にはちょっと許されることじゃなかったみたいだね。誰も何も言わなかったけどね。

その車の中での会話の時、若い衆が丸太で親方の足指を詰めた日の昼に、おじさんが「今日揚水さんが○○ちゃん(若い衆)のこと三回くらい怒ってたけど、なんでだかわかってるの?」とその当の若い衆に尋ねたところ、首を傾げながら「……わかんないす」と答えたということをわざわざおじさんが親方に話していた、ということが話に出ました。

目くそ鼻くそを笑うだなあ。
嗤っていたのかどうかは知らないけれど、できない人間ができない人間のへまを人に話すのはどうなんだよ。俺も自戒しよう。

ただまあ、その事を聞いて頭の中でずっこけました。それも相当派手に。


わ  か  っ  て  な  か  っ  た  ん  か  よ  !


        ∧∧
       ヽ(・ω・)/   ズコー
      \(.\ ノ
   、ハ,,、  ̄
    ̄



上記AAを思い出し、同時にドリフの「チャッチャラッチャチャーチャ」というずっこけ効果音が流れました。

ズチャチャズチャチャララララ〜ン。

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2009-08-02 二重に馬鹿

365日一年かけて出した結果、得た教訓が「替刃式かみそりの刃は、交換せずに一年使うものではない」、ということ。

当たり前だ(笑)。

替え刃を替えずに一年使い続けるのは馬鹿のすることだと思った。
考えるまでもなく普通に、当然、ということをわざわざ、やってみないことにはわからないだろうと実行するのは、馬鹿のする事だと思った。

左右の口髭を一年使い続けた刃と新品の刃で剃り分けて「やはり違う」と唸った。当たり前だ。これも馬鹿のすることだと思った。

二重ではなく馬鹿三重苦。言い募ればさらに四重苦五重苦と増えはしないか。
バカスパイラル。

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2009-08-01 斜め上

結論からいえば、おじさん、くずでした。

今朝、ぎりぎり間に合ったというか丁度というか。
来ないなあと思って時計を見て集合時間丁度に車がやってきたので厳密には遅刻ですが。
でもその程度でくずとは言い過ぎですよね。

僕は今日一人でよその外構屋の土工の手伝いに、親方は一人親方でやってる仕事仲間とおじさんを連れて剪定に行きました。

事務所に帰ってきたら、「おじさんさ、もう来ないんじゃない」と親方が言います。
「なにがあったの?」





以下伝聞。

うんこしたいからと言うので、コンビニに行かせたそうなんですよ。
いつまで経っても帰ってこないから迷子にでもなったかと思って心配して様子を見に行ったそうですよ、わざわざ。車で。
ぼけーっと煙草吸ってたそうですよ。
帰したらしいですよ、その場でその時。ぽんぽーん、と荷物放り出して。
雨の中親方ともう一人は必死こいて働いてんのにさ。
「い、今吸い始めたとこで…」
知るかボケ。

で、以降電話も何もなく。だいたいやる気あるならほんとに帰らんだろ。



僕も親方も夜方に事務所にいる時、親方のお義母さんがさっき預かったといって手紙の入った紙袋を持ってきてくれました。中には僕と親方が貸した造園関連の本。
いや俺らここに居るし。なにやってんのおじさん。
手紙も奮ってます。

迷惑を掛けたので「辞めさせてください」でなく「辞職を決意しました」←てめえが決めるな。

「私のカッパは処分してくださいませ(ほぼ原文ママ)」←お前のごみを俺らに捨てろと?

挙句締日以降の給料は下記口座に「振り込んでいただけませんか」ですらなく「振り込み願います」←いや取りに来いよ。

そもそも、しんどいので休ませて貰えないかと尋ねる頭もないのかしら。「随分かかったね」とか言われたら「だいぶお腹痛くて」とでも答えればいいとでも思ったのかしら。遣り口が姑息だ。鬼じゃないんだからきちんと自己申告してくれれば余分の休憩くらい取らせてくれるよ。

ってのか、謝罪も辞意の表明も手紙で済ませるの? おじさん?
姑息で一方的で卑怯だ。
親方宛てのみで俺にはひとこともなしかいと思いはしましたが、いやそんなことじゃなくて、うちの親方にきちんと謝罪しろ。こんなんじゃあんまり気の毒だ。「ムカつく」って、ほんとに字義通り胃のあたりがむかむかするんだな。
いやもうどうでもいいことか。

昨夜僕が、その場のことを知らなかった親方に、彼のおそらく嘘であろう言い訳のことを報告説明して、二人で彼の扱いについて話し合ったばかりです。直後翌日こんなことになってしまって、突っ込み所満載でどうしていいかわかりません。
こういうのを予想のはるか斜め上と言うんだなとぼんやり考えました。
お話がありますもへったくれもあったもんじゃありません。僕は何も言う必要はありませんでした、彼が勝手に退場していきましたから。

こういう人物はいずれ何しでかすかわからないので、実害が出る前に辞めてくれてよかった。
今更だけど僕が現場に連れてって二人で草刈りやってた時も「大便しに行かせてください(本当にこう言った)」と言ったきりずいぶん帰ってこなかったな。

なんか昨日辞めた人といい今日辞めた人といい、情けなくて、真剣に考えて向き合うと涙が出てきそうだ。

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みなみさんありがとうございます、救われます。では僕は煙草吸ってきます(嘘)。 / 揚水 ( 2009-08-02 22:48 )
せっかく若い衆が居なくなったと思ったら……いや、おっさんももう居なくなってしまったんですか!  それは涙を流して祝いましょう。情けなさに泣いている場合じゃないですよ。前向きに喜んでしまいましょう。ねっ。では、大便してきます(嘘)。 / みなみ ( 2009-08-02 01:45 )

2009-07-31 カウントダウン・ゼロ

祝、替え刃式かみそり交換せずに一周年!

びんぼくせえ(笑)。

明日はさすがに、忘れなければ交換します。
口髭の左右を新旧で剃り分けて具合の違いを確認してみようと思います。
忘れなければ。


ところで危険な若い衆は今日が最終日です。
現場では僕から「なにやってんだよ! 帰るか? 帰れ、もう歩いて帰れ!」とまで言われました、とうとう、最終日なのに。明るく送り出すこともできませんでした。
今日一番良かったことが、彼が辞めることで明日から作業が安全になるという後ろ向きな喜び。

そんな後ろ向きな自分が悲しい。
一周年の喜びで自分を誤魔化しています。

しかし彼はこの先どうするんだろう?
正味、心配というより野次馬根性でそう思います。が、この先は彼自身が気付くべきことなのでこんなおっさんがとやかく言うことでもありません。
新人のおじさんが入って一ヶ月も経たないうちから10回近く、それも時には20〜30分遅刻することの方がこれからの僕には問題です。

昨日7時15分集合に15分遅刻してきて開口一番、
「すいません、時間勘違いしてました」
と言ってきて、ああ、このおっさんは嘘を吐くんだなと思いました。
いつの段階でその勘違いに気付いたんだ? という話です。

早めに気付いたのならその時点で連絡を入れるべきだし、7時半集合と勘違いしていて到着するまで気付いていなかったというのであれば、まだこちらが何も言う前から前述のように言うのは矛盾しています。間に合ってるんだから。
これまでにも何回も遅刻しているからなおのこと、嘘を吐いてるんだな、と思われても仕方ありません。
仮に。
仮に時間を勘違いしていたのが本当であるのならば、それはそれで45歳も越えてそんな理由で遅刻することが通ると思ってるのは恥ずかしい限りです。まさか通るとは思ってはいないでしょうが。そして、時間を勘違いすること自体、いい歳した大人のすることではありません。どちらにせよみっともない。
彼はこれまでにも何か言うと「やりましたよ」などの返事が目立ちました。
親方に対しても何回も続くので横から僕が「反論しないようにしましょう」と口を出しましたが、本音では「口答えすんなよ」なんですよ。
彼はこれまでの「口答え」に加えて、「言い訳」というアイテムまで手に入れたようです。ひょっとすれば「嘘」も。

今日ちゃんと間に合うように来るのであればもう少し堪えようと考えていましたが、彼は今朝も3分遅刻しました。たかが3分ではありません。これまでの蓄積があった上で、昨日の今日での3分です。
次回10分以上遅刻したら「話があります」と切り出さねばならないと考えています。そういった年齢でずぶの素人から仕事を覚えるという状況をよく考えねばなりません。時間が限られている分、人一倍の覚悟と頑張りが要求される筈です。誰に、ということでなく、他ならない彼自分自身の人生から。

やだなあ。めんどくさいなあ。でもどうせすぐまた10分くらい、簡単に遅れてくるんだろうなあ。

そういう時は社訓を思い出さねば。

「いつも笑顔で明るく楽しく元気よく」

ああでもやだなあ。
日々の積み重ねもやらずに言葉で後から取り繕うような人物は、見え透いた嘘でやり過ごそうとするような人物は、仕事しない人物は、できないことをできないままにして無為に時間を潰して覚えようともしないような人物は、嫌いだ。それでも嫌いで切り捨てて済ませるわけにもいかないので話さなくっちゃなあ。
しかしこちらの目につく他人の欠点は自分自身の短所であることが多いからな、自戒せねば。

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2009-07-28 カウントダウン・スリー

今年の3月末頃、替え刃式のかみそりの刃がどれだけもつものか試すのがまるまる八ヶ月になってしまうと書きましたが。

あと三日で丸一年です。

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2009-07-26 日曜夕食のささやかな幸せ

今日の夕餉。

冷麦。
カツオのたたき。
きゅうり。
アジの塩焼き、全長約6cm。



午前中二人でスーパーへ食材の買い出しに行った。
7〜9cmくらいの小アジが一パック100円。嬉しくなってカゴに入れたけれど、さらに進むと30cmくらいのサバが1尾100円なのを発見。アジをサバに変更しようと近づくと、サバの口から何やら出ている。

小アジです。

見ると氷に漬けられたサバの1/4〜1/3ほどが口から小アジの尾を出していますよ。
吟味の末、サバ本体もアジの尾も立派な1尾を選び帰宅。

海月の食材整理を手伝って僕がサバを三枚におろし、お弁当のおかず材料にストック。

夕食に件のアジは焼いて食べました。
旨かった。

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で? いつ来るの(笑)? / 揚水 ( 2009-07-30 21:02 )
こんど3人でかいだしに行きましょうよ。え!?よかったら夕食も?はい、喜んで♪ / つね ( 2009-07-27 00:23 )

2009-07-24 カウントダウン・フォー

今日の彼は一度も、危険なことをしたとして怒鳴られなかった。

あからさまに人の怪我や命にかかわることをやらなかったので、怒鳴らなかった。相も変わらず間抜けなことばかりやってはいたけれど。低木のみの植栽と芝貼りで危険なことをしようもなさそうではあるが、そこで危険なことを行うのが、うちの若い衆の真骨頂である。それなのに怒鳴られなかったのだから、これは大したものだ。

怒鳴られはしないながら、泥で汚れた道路をホースで洗い流していた親方にそれに合わせて流れきれない泥水を竹ぼうきで掃いていた俺が、掃くに邪魔なホースを「頭の上通すよ」と、大縄跳びの要領で回そうと声を掛けた時、「はい」と返事をした。

若い衆が。親方でなく。
少し離れたところで何するでなくぼーっとしてた若い衆が。いやお前の体とホース、影響ないから。

「………お前、普段から何も聞かんで返事しとんのバレバレだがや…」
「?」
何を言われているのか分からず、困ってにそにそ笑っている。
親方が出さなくてもいい助け船を出す。
「今の、揚水さん、俺に話しとんだぞ?」
「?」
凄いな、まだわかんねえんだ、こいつ。
「なんで内容もわからんのに『はい』なんて言えるん?」
呆れて尋ねる俺を見て、若い衆を見て、親方は笑っていた。
こっちゃもう、嗤えはしても笑えやしねえっての。
そりゃ言われたことすらまともにできないのも当然だ。聞いてないんだもの。
「……頼むで俺を発狂させんといてくれ」
「?」
あー、もういいや、わかんないんだもんね。そのうすら笑い見てるとなんか力抜ける。言葉に出して怒ったり叱ったりしなければ万事うまくいくというのならそうする。だが申し訳ない。当方閾値が低く、溜めると破裂する。誰が好んで怒りの感情を引き起こすものか。
だがしかし今日は平穏であった。



今週頭頃、親方に「次の仕事の就職活動どうしてる?」と尋ねられて「考え中です」と答えていた。
いや、そこは考えどこじゃなくて行動するところだろ、と心の中で突っ込んでいたが、何も言わなかった。
明日の土曜は就職活動のために休ませてくれ、と前々から言っていたらしいのだが、
二人で事務所に戻って事務をやっていると、親方が俺に
「あの子フジロック行くんじゃないかと思う」
といきなり言う。
「? なにそれ? そんな時期かねえ」
車の中にフジロックフェスティバルのパンフレットかチラシかなんかが無造作に置かれていたらしい。さすがにそれは…と言いかけてやめた。じゅうぶんあり得る。
「まあ、別に行こうが行くまいが、構わんことだけどね」
そりゃまあ就職活動してるからって特に誉められることでもなければ、フジロックに行ったからといって特に責められることでもなかろう。俺らには誉める権利も責める義理もない。

「ほんじゃさ、月曜日訊いてみりゃええんだがね」
「なにを」
「『どのバンドが一番よかった?』ってさ」
「ああ」
まあ訊こうが訊くまいが、これもどうでもいい話。

火曜も休みの予定らしい。
あと4日。

先頭 表紙

あ、ラジオ体操! / 揚水 ( 2009-08-01 21:49 )
ごめんなさい。一日5分の会の時は別の名前で出てたんでした、私。 / ど〜にゃ ( 2009-08-01 12:24 )
えーと、ど〜にゃさん、はじめましてでよかったでしょうか。お久しぶりですなら申し訳ありません。僕のこの性格を血のせいにしてしまえば、多くの九州人に失礼かなあ(笑)。おっしゃる通り忍耐強い方もたくさんおられるでしょうから。簡単で楽ですけどもが。強いて言えば父の血ですね、たぶん。それでも父は僕に比べればずいぶん穏やかです。ってこたあ、僕のパーソナルキャラクターですか。穏やかにでなくても普通に振る舞えるようにならなければ。修行修行、忍忍。 / 揚水 ( 2009-07-30 21:14 )
直情径行は九州人の血でしょうか?(いや、忍耐強い人もたくさんいるでしょうけど)私も腹立つと、とてもじゃないけど、穏やかにしゃべれませんです。 / ど〜にゃ@ラジオ体操休止中 ( 2009-07-27 12:06 )

2009-07-23 カウントダウン・ファイブ

 
 
ま  た  や  ら  か  し  ち  ま  っ  た  よ


怒鳴り飛ばした。

マンションの植栽の枯木伐採と伐採と高木の下枝打ちの現場。
昼休憩前、園路に散らばったごみを小熊手で掻き集め、熊手と左手で大雑把に取った。
近くに「箕(み。塵取りみたいなもの)」も「シート(1800mm四方くらいのブルーシート。ゴミをくるんで運搬する)」もなく、ただ、若い衆が持ってきているのは視界の隅で見えていたので、来てシートを拡げるのを待っていた。
俺の足元に箕を置き、どけ、シートを丸めたまま置き、どけ、うろうろうろうろしている。
溜め息を吐き熊手と手でごみを挟んだままごみを積む車に向って歩き出した俺に、若い衆にシートを広げるよう言ったらしい親方が、「おい、おい、そんなんこぼれるって。怒るな、現場の雰囲気悪くなるだろう」と叱る。
また溜め息を吐いて拡げられたシートにごみをおろした。

それから俺が離れた別の場所を掃いていると、若い衆が悲壮な顔をしてすっ飛んでくる。
「さっきはすいませんでした」
「………何が?」
「あの、ごみの…」
「俺が怒っとんのはそんなんじゃないわ」
「?」
「わからんのか。あっちのことがあったでだわ」
俺は午前中もっと早いうちに作業をしていた方を指差す。
「わかりません」
溜め息が出る。
「あの、僕、正直わからないので、教えてください」
何でもかんでも教えてもらえると思ってやがる、教えても理解も反芻も反省も覚えも改めもしないくせに。
「や  だ  ね  !!」
泣きそうな顔してやがる。俺も情けなくて泣きたいよ。
「毎日毎日危ないことすんな言われても言われても……」
ぶつくさ言ってるうちに激昂しそうだ。その場その時にぐちぐち言う暇もなくタイミングでもなかったので、今言わなきゃならんだろうな。



その時、とは。

6〜7mの木を伐採するのに、周囲に工作物や植栽があって根元で直接伐倒できず、登って上から順に刻んでいた。下に声を掛ける。
「落とすよー」
「いいよー」
親方が返事をする。親方が若い衆に声を掛けているのが聞こえる。
「ほら、ぼーっとしとらんで、奥に荒ごみあるからそれ出して」
「はい」
「(今から揚水さんが払う木が)落ちてくるですぐ下通らんであっち回ってな」
「はい」

ははは。
もうほんと笑うしかないやな。

いきなり落とすと下にいる人間が危ないのでチェーンソーであらかた切っておいて、親方が若い衆に声を掛けている時俺は、残りを手鋸で挽いていた。

そ の 真 下 に 飛 び 出 し て き や が る (笑)


「お い ! ! ! ! !」


木の上から大声で叫ぶと、おたおた踊っている。

泣ける。




「お前さ、『落とすぞ』言っとるのに、親方も『そこ通らず向こう周れ』言っとんのに、言われた瞬間そこ飛び出してきとるがや」
「……すいませ…」
「伐った木が落ちる、お前怪我する。………俺が怪我を『させる』!? 冗談じゃねえぞこら!!」

人を怒鳴るとこめかみがしくしく痛む。




今日の仕事が終わって一人で明日の植木を取りに行く際、親方に謝罪の電話を入れた。
「毎日毎日、こんなんでごめんなさい」
「あー、いいよ。怒りたい気持ちもわかるよ。でもあのくらいでさ…」
「いやさすがに掃除の不手際くらいじゃないよ。『落とす』、『通るな』言われて、その端にあれだ」
「だとしたら、そこんところは言わなかん」
「昼怒鳴った時に言ったんだわね」
「そうか」

苦労掛けます、ごめんなさい。

あと5日。
 

先頭 表紙

「あーもうっ」ってなるっての、リアルですねえ(笑)。……とほほのほ。 / 揚水 ( 2009-07-26 21:32 )
まぁ薔薇はトゲがあるものということでw後輩を怒るって結構怒った後気をつかうというか軽い自己嫌悪になることがありますよねぇ・・・。ヘラヘラして知らん顔してもいいんだけど「あーもうっ」ってなる。 / pirucol ( 2009-07-26 09:45 )
まだ名古屋弁で怒ってるうちはいいです。長崎弁で怒りだしたら気違いみたいになって止まりません、たぶん。ちっとも薔薇色じゃないね! こんなんじゃだめだね! 頑張らなくちゃだね! ……はあ………。 / 揚水 ( 2009-07-23 22:48 )

2009-07-22 日蝕

新聞やなんや、そこここに「やっちゃダメだ」と書いてあったけども、朝時間がないにもかかわらず、カラーネガフィルムの黒い部分を切り取り、ポケットに忍ばせて仕事に行った。

曇っていたし半ば忘れていたのに、10時半まわった頃、少し薄雲越しに陽が差し、木洩れ日が。

あ。

三日月型には見えないなあ。
そうだ。

ここでフィルムの登場です。
親方と若い衆と最近入ったおじさんと変わりばんこに欠けていく太陽を見た。
「あんまじっくり見ちゃだめだよ」
とみんなに注意したくせに、自分もついじっくり見そうになった。

ほんとに欠けんのな、あれ。
楽しかったです。

先頭 表紙

2009-07-22 危険人物 1

※仕事の愚痴です。
その場その場で怒気は吐いていますが、それでも澱のように溜まっています。もう垂れ流さないと目から耳から鼻から口から肛門から尿道口から全身の毛穴から悪い汁になって溢れそうです。
書いておきながらあまり読むことをお勧めできないような内容です。
それを流せない自分にも相当腹が立ってます。







昨日の若い衆

傾斜地で下に親方が屈みこんで伐採して枝を払った部分の転がりにくい幹を起こしては転がし運んでいた。
その上から直径50センチ強、長さ1m超の、重さ推定70〜80kgはあるであろう、こちらは枝の跡も何もない転がりやすい丸太を転がし、手を離した。
親方のさらに下にいた俺がすっ飛んでって勢いがつき始めた丸太を蹴飛ばして止めた。そして若い衆は俺に怒鳴られる。


さらに今日の若い衆

朝車の中で俺から昨日なんで怒られたか分かるかと尋ねられ、へどもどする。
なんだやっぱわかってないんかいな。

キャタピラ駆動の高所作業車を通すため、4人でぬかるみに昨日伐採した適当な太さの枝や幹をつくねてた。
昨日ほどの太さではさすがにないとはいえ、親方の足指の上に幹を落とす。
というか気無しに放り投げた先に親方の足があって、下にあった幹との間で親方足指を挟む。滅多に怒られない親方に怒られる。
俺に誰か怪我させる前にもう帰ったらと言われ、それに対して無言。
お前昨日やったことに対して朝もう危ないことすんな気を付けろ言われたばっかりだがやと怒鳴られる。




怒る叱るのは構わないと親方から俺が言われる。
ただ、不機嫌になって現場の雰囲気を悪くするな、と。

もっともだと思う。
雰囲気を悪くしないようにできずに申し訳ないと思う。

だがしかし毒を吐く。
仕事ができないのは、この際仕方ないとする。
だがしかし。

3m以上ある脚立の上に人がいるのに、その脚がはさんでいる枝を引き抜こうとする。

人が振っているエンジントリマ(植え込みを刈り込むバリカンのお化けだと思ってください)の前に飛び出して来る。

高所作業車で枝を払っている下に何の注意も払わずに入ってくる。
さっき入るなと言われてはいと返事して入ってくる。

他人の背中10〜20cmのところでトリマを振る。

気がつくと人の真後ろで草刈機を振っている。

道路の掃除をしていて後ろも見ずに中央に出てくる。

何度言っても、草刈り機を使っている人間に近づく。

何度言っても、チェーンソーを使っている人間に近づく。

何度言っても、上から幹や枝が落ちてくる場所に近(ry

回転している草刈り機の刈り刃を人の腹に向ける。

重いモミジを複数で抱えていて、こっち押すなよと言われはいと返事してすぐに押して穴と根鉢で人を挟む。

重いホルトノキを2人で持とうとしてそっち先に起こすと持ち上がらないからな、こっちが持ち上げたと思ったら持ち上げろと言われはいと返事してすぐに持ち上げて穴と根鉢で人を挟む。

土場(資材置き場)について道路脇に停めた車から前も後ろも見ずにドアを開放的に開いて降りる。後方から来た車に気付かない。
道路に飛び出してはいけませんって、お前幼稚園児かよ?

土場に停めた自分の車を出す。往来の車に派手にクラクションを鳴らされる。

喩えて言えば人に鋏を渡す時に刃先を向けるようなところがある。


簡単に思いつくまま思い出せるものだけでこれだけある。

先頭 表紙

たぶん彼の中には怒られた内容じゃなく、怒られた、ということだけが残ってきたんでしょうね。そして萎縮する。ただでさえ指示を聞き取れないところに萎縮してさらに聞き逃す、怒られる、萎縮する、の悪循環。興味があるからとやってきたんで教えようと考えていましたが、木の本を貸しても結び方の本を貸しても読まず覚えないのが今なら納得です。納得ですが、教えて覚えなかったのは確かに彼のせいでなくこちらのせいです。 / 揚水 ( 2009-07-23 22:44 )
危険人物を読みましたが、怒られているうちが花だってのを、今の子は分かっていないのが現状です。でも、思うのですが、仕事にしろ何にしろ、育ちって出るんですよ。「育ちが悪い」って言われるの、私は結構傷付くんですよね。(言われたこと無いけど)育ちだ悪いって=親が悪いってことじゃないですか。私は、今の子が悪いんじゃなく、今の子を育てた人が悪いと思います。この先もそういわれないように注意します。 / かずえもん ( 2009-07-23 18:21 )

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