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揚水の「人生薔薇色計画」

僕のハンドルは「ようすい」ではなく「あげみ」と読みます。表記はaghemiとしています。

妻の海月は「くらげ」と読みます。



ふりぃのかうんた

yesterday ふりぃのかうんた today ふりぃのかうんた


自分が何者であるか今よりももっとわからず身悶えしていた学生の頃、何をしたらいいのかについて友達と話しに話した。
結論は出なかった。どころか何をしてもいいんだということにすらなった。
ただし、本当に何をしてもいいというのではなかった。
一つだけ基準がある。
それは俺の、俺たちの、ひいてはほかの人たちの人生を薔薇色にするか、その一点。
時々それを思い出しては行動する。
それが僕たちの人生薔薇色計画。



    よそいき仕事日記   

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2009-03-30 まばらな、すね毛
2009-03-19 世間は狭い
2009-03-15 壁を作る
2009-01-09 寒中見舞い申し上げます
2008-11-23 81
2008-11-22 ハンネの日記
2008-11-20 なーにー、電気消したの誰ぇ?
2008-11-19 スクラップブック
2008-11-18 疾走(はし)る漢(おとこ)
2008-11-15 飛来物注意


2009-03-30 まばらな、すね毛

僕のすね毛は、薄い。
二十歳を越えるまですねにもふくらはぎにもふとももにも、毛らしい毛は一本もなかった。
二十歳を越えていくらか経った頃、ある時自身のすねに細くまばらな毛が生えていることに気づいて何とも言いようのない感慨にとらわれた。
嬉しくも悲しくもなく、ただ妙に感じ入った。
今でも太ももの表側には毛らしい毛は生えていない。そしてその頃からいくばくか濃くなっただけで、相変わらず僕のすね毛は薄い。


とあるひまじんライターさんがひまじんの日記で、一代で年収数億という立場を築き上げたお知り合いに『お金持ちになったな』って実感したのはいつ? と尋ねたところ、『かみそりの刃を毎日替えるようになった時』と答えが返ってきた、と書かれてあった。
それが妙に印象深かった。
足同様、当然、僕は髭も薄い。
鼻の下と上唇の間、下唇の下のくぼんだ所、顎の先、たったそれだけの場所にしかもまばらにしか生えない。
かつて伸ばしっぱなしにしていた僕のひげを見た知人に「なにそれ、カビみたい」と言われたこともある、まこと貧相な髭である。
世界では髭を蓄えないと一人前の男とは認められない風習のある地域もあると聞く。そんなところに放り込まれたら、僕は一生涯半人前のままだ。
ただしそうやって僕を小馬鹿にした知人の髭もカビのようなもので、僕が正月明けの餅についたカビなら、彼方は机の中に入れっぱなしにしておいた給食のパンについたカビという程度の違いでしかないと、今でも僕は思っている。

それはさておきかみそりである。
そのように、僕の髭はかなり薄いので、特に濃い方でない一般日本人男性程度すら、かみそりの刃は傷まないものと思われる。毎日刃を替えるなんて、たとえ年収数億だろうが数十億だろうがとんでもない話だ。
しかし僕の年収なんて、ほんにしれたものである。彼のひまじんライターさんのお知り合いとは逆に、どれだけ自分が貧乏なのかを実感するのが関の山。そう考えて替え刃式のかみそりの刃がどれだけもつものか試すことを思い立った。
それを実行に移したのが、去年の八月のいっ日からなので、「ああ、もう半年過ぎたな」と思ったのももう過去の話、明日でもうまるまる八ヶ月になってしまう。

どんだけ貧乏性なんだ。

ここまでくれば一年もたせてやろうという野望が起こらないこともないのであるが、最近少し剃ったあとの肌が何か引っかかるような気がしてきた。
のであるが。
ある時いつもより丁寧にかみそりの刃を濯いでみたところ、その引っかかりもまたなくなってしまった。

どんだけ毛薄いんだ。

まあとにかく僕のすね毛は今日もまばらなままだ。
そしておそらく明日も明後日も。

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バニー(笑)。すね毛剃ったことはないですねえ。一時期頭は毎日銭湯で剃ってたことはありますが。見知らぬおじさんに修行道場から脱走してきた青年僧と勘違いされてオロナミンCを奢っていただきました(笑)。しかしバニー(笑)。 / 揚水 ( 2009-04-01 22:41 )
すね毛かぁ、私も濃いほうではないですね。15年前くらいに今の会社に入社したとき、歓迎会で芸をしろと言われて、バニーガールの扮装をした時に、すね毛を剃りましたが、それ以来、剃ることもなく、そのままです(笑) / てじお ( 2009-04-01 12:32 )

2009-03-19 世間は狭い

昨日はよその会社の手伝いに駆り出され、さらにそこの会社がまた別の会社の手伝いをしているところの外構の手伝いに行かされておりました。
二重派遣だ(笑)。
行く予定だった青年が大事な用事で休むのに急遽回されたらしいと思われます。

おじさんが一人でミニユンボで土間コン打ちの鋤取りをしている間に、門柱前の手鋤取りをしたり側溝の蓋を全部めくり上げて掃除して据え直したり門柱以外の場所の門扉の柱を立てたりとまあ、ごさごさ仕事を片付ける役回りでした。

で。

10時の休憩に話をしておりました。
以下その概要。

「改めまして揚水(実際は本名苗字)です」
「珍しい苗字だけど、生まれは?」
「ああ、九州、長崎です」
「僕はそこらにある普通の、Sです」
「Sさんは生まれどこなんです?」
「僕? 僕は三河」
「ああ、三河ですか。僕昔O(村)に住んでたことありますよ」
「へえ、Oに」
「はい。Sさん三河って、三河のどこなんですか?」
「ああ、I(町)だよ」
「へえ、Iなら昔現場で行ったことありますよ。あ、いや造園屋じゃなくて当時は林業やってたんで、その現場で」
「そんなとこで働いてたの? Iで?」
「や、Iじゃなくて。A(町)です、Oに住んでAに通ってたんですよ」
「へえ、Aなら僕の在所だ」
「へ? Iじゃないんですか?」
「婿入りしてA出たんだよ。僕の兄貴はAでまだ山やっとるよ」
「Aで? Sさん、Aのどこの出なんですか?」
「T(字名)だよ」
「へええ。……ひょっとしてお兄さんA(苗字)さんじゃないですか?」
「ピンポーン、って、なんでわかるの?」
「TっていったらAさん多いですしね。……で、ひょっとしてH(下の名前)さん?」
「なんでわかるの?」
「いやー、あんまり直接かかわりなかったですけどもね、僕Aの森組(しんくみ、と読む。森林組合のこと)にいたんですよ。出し(伐倒した木の出材)の現場を少し勉強がてらお手伝いさせてもらったことがあります」
「へええええ、奇遇だねえ、いや世間は狭いねえ」
「ほんとですねえHさんの弟さんかあ、こりゃ今日は一層頑張らねばならないですねえ」
「ははは」
「ははは」

そんな感じでびっくりしてなんだかそして嬉しくなって頑張ってしまいました。

生きてりゃ色んなことがあるもんだ。色んな人に会うもんだ。思わぬところでつながりがあるもんだ。
面白いなあ。

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うん、狭い。一昨日うちらの学校の後輩が縁あってうちの会社の面接に来たんだけど、学生時代おいらがこっ恥ずかしい子供っぽい振る舞いで放り出されたバイト先でバイトしてた子だったよ。世間は狭いとこの時も思ったけど、おんなじ学校のバイト先ならそれもあるよな。やっぱH・Aさんの弟さんのが狭いか。 / 揚水 ( 2009-03-30 23:21 )
何それ。世間狭過ぎ。 / ばばんばばんの ( 2009-03-28 19:22 )

2009-03-15 壁を作る

ご無沙汰のうちにいろんなこともあったような気もしますが、書かないでいるうちに日が過ぎてしまいました。

自分ちにこんなん作ってました。
Do it yourself.

去年の6月に土間コンクリートの縁切って、はつって、穴開けてヤマボウシ植えて以来、やっと完成が見えてきました。

駄菓子菓子。

完成が近い、というより予定ではすでに完成しているのに、予定外の植栽枡の材料にレンガを買い込み、さらに玄関の前にもポストを組み込んだ袖壁と門柱の中間のような壁を作る計画を始め、門灯とインタホンを組み込むために屋根裏に上がって配線のチェックまで始める始末有り様。
アプローチに黒御影ピンコロ敷設考えたり海月の苔や草々の植え場所考えたり。

妄想暴走が止まんねー。


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DIIYって俺…。 / 揚水@未ログイン ( 2009-03-20 01:08 )
や、pirucolさん、大したことではないんですよ。実を云いますと僕本職なんです。といっても、剪定や庭工事がメインでかつ外構工事もやる造園屋なんで、外構仕事左官仕事はなんちゃって程度の似非本職ですが。DIIYならすごいかもしんないですが、プロならちょっと恥ずかしい仕上がりです。まあ似非だからこそ嬉しくなってこんなこと載せちゃうんでしょうね(笑)。 / 揚水 ( 2009-03-20 00:19 )
これ自作ですか・・・。すごいですね / pirucol ( 2009-03-18 14:42 )

2009-01-09 寒中見舞い申し上げます

もう松も取れました。
今年の年賀状はこんな感じでしたが、もう寒中見舞いですねえ。

年末は剪定剪定剪定剪定に追われて更新もせず、正月中は二人でちびちび飲んでは陸丸の散歩に行き胡麻鯖を転がしては更新もせず寝ておりました。
いろいろ思う所や感じるところもありましたが既に大半は忘却の彼方。


遅ればせながら今年もよろしくお願いいたします。


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2008-11-23 81

今年の9月1日から今日までの新聞小説「親鸞」81話、誕生日に買ってもらったスクラップブックに今晩一気に貼りました。

気持ちがよろしい。

これが達成感だ。

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2008-11-22 ハンネの日記

僕はハンドルのことをハンドルネームと言うことが多いのですが、人によってはこれをハンネと略することもあるみたいですね。

もともとは「ハンドル」に「あだ名」というほどの意味があって、この言葉自体に名前の意が含まれるので「ハンドルネーム」は誤りだ、と言う人もおられるようです。
あまり上手い譬えでなはありませんが、「頭痛症」とかそういった感じなんでしょうか。

僕としてはもともととか本来とか声高に言うこと聞かされることは苦手なので、意味が伝わればどれでもいいようにも思います。

で、僕の「揚水(あげみ)」というハンネなんですが、それはもう当然のように「陽水(ようすい)」とタイピング+変換+読まれるんですね。まあこんな紛らわしい名前を考えた自分のせいなんだろうなあと思って笑えます。
間違いを誘発するような真似をして申し訳ないです。
逆に井上陽水さんのことをブログ等で「揚水」と誤って書かれている方も、ちらほら見受けられます。

で、あれ、そういえば「井上ようすい」って「陽水」でいいんだよな?
と思いググってヒットしたのがWikiでした。
やはり「陽水」でいいのだ、うん、間違っていない。
と、彼の「井上陽水」は本名で、読み方は「あきみ」というのだということをそのWikiの「井上陽水」の項目で初めて知りました。

へええ。

読み方まで紛らわしいことしてたんだな、俺。

話がえらい飛ぶようですが、僕は二回廃屋を借りて手直しして住んだ経験があります。

そしてちなみに僕のハンネの由来は、その一回目の家で井戸の水を水道配管で汲み上げるために生まれて初めて買った浅井戸ポンプの段ボール函に「浅井戸揚水装置」と書かれてあったのが目についてかっこいいなあと思ったところからきています。
読みが「ようすい」はまんまでいやだなあと思って「あげみ」を思いついたのですが、それが井上陽水(ようすい)と同じ読みだとは最初気付きませんでした。間抜け。

で今回「あきみ」と「あげみ」、読みまで近かったことをおととい初めて知った次第です。

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2008-11-20 なーにー、電気消したの誰ぇ?

暗くなりかける時刻、この一本を終わらせないと帰ることができない、と、焦ってヒノキの剪定をしていました。
見えねーよチクショウ。
意識して瞳孔を開くようなつもりで鋏を使っていましたところ。

ふっ、といきなり世界の光の量が少なくなりました。
もともと暗かったんですが、一瞬で世界の明度が落ちました。

振り返ってそれまでちょうど背にしていた西の空を見ると、なるほどつい今しがた太陽が地平線とその上の建物の向こうに姿を消したところなのでしょう、透明な暗い色のグラッシを掛けたように昏い家々の上に、ほの暗い黄金色の空が、確かに暗いのに、輝いています。そこに透明度が低いのに冴えたグレーの雲が刷毛引きされています。

部屋の中にいたのに誰かに電気を消されてしまった時のように、ふっ、と暗くなったのに気付くなんて。これまでその瞬間を意識したことはありませんでした。
暗い暗い光が足りない見えない見えないと思いながら鋏を使っていた時だったので気付いたものでしょうか。

帰りの車でうちの若い衆にその話をしたら、奴も気づいていたようです。
彼はサルスベリを摘まんでいました。

世界から光がひとときに減る瞬間を意識せずに知覚しうる。
いい経験をしました。

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そうですね、綺麗でした。少しでもその情景が伝わったのであれば幸いです。ありがとうございます。 / 揚水 ( 2008-11-26 20:17 )
いいですねー、素敵ですねー、絵みたいな瞬間。遅ればせながらお誕生日おめでとうございます。 / みなみ ( 2008-11-23 20:09 )
え、いやいやそんな…(照)。ありがとうございます。 / 揚水 ( 2008-11-22 22:44 )
情景の描写がきれいですてきですね^^ こういう文章力に憧れます〜。 それと遅れましたが、お誕生日おめでとうございました! / ひなたショーゴ ( 2008-11-21 01:41 )

2008-11-19 スクラップブック

新聞4コマ「ちびまる子ちゃん」の切り抜きを貼り続けて、A5版のノートが5冊目に突入しました。
楽しいです。
今秋九月から五木寛之氏の新聞小説「親鸞」が始まり、それも切り抜いています。
が、貼る先がない。
今日現在で77話になりますので、重ねて4つ折りにしているのもほぼ固まりといってよい状態になってきました。

で、今日帰宅すると、海月が一升いりの「いいちこ」をくれました。
わーい。
今夜も酒が飲めるぞう。

それから、青い包装紙に包まれた大ぶりな平べったいものもくれました。
なんだろう?
開いてみると、A3版のスクラップブックが2冊も。

嬉しいです。これで「親鸞」も貼れますね。

僕は今日38歳になりました。
人に歳を聞かれる度に「今年で38になる」と答えていたので、もうとっくになっていたように錯覚してましたが、やっとです。
そろそろ四十路倶楽部の入会資格も手に入るなあ。

お父さんお母さん生んでくれて育ててくれてありがとう。

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君に薔薇薔薇ハァトっはっあっかっいっ薔ー薇〜さん、あーっす。こんだけおっさんになって一歳も一歳半もたいして変われしませんて(笑)。 / 揚水 ( 2008-11-22 22:43 )
誕生日おめでとうございます。私より一年半も若いんですね。半年後、一足先に四十路倶楽部でお待ちしております。 / 「もうすぐ40」と答えるぺーたー ( 2008-11-22 19:02 )
てんきう、まこ。成人か?おめでとう。 / 揚水 ( 2008-11-21 00:27 )
お誕生日おめでとサン★ / mako ( 2008-11-21 00:18 )
ええと、ありがとうございます、てじおさん。そうなんです。しかもちょうど10日違いなんですよ。そんなところに運命を感じてしまったのは、僕の勝手です。いろんな意味で勝手な奴だなあ、自分。 / 揚水 ( 2008-11-20 22:33 )
あざーっす、かずえもんさん(あえて、以下略)。カレセン? ググってみた。いやあ、そんないいもんじゃないです。三崎漁港のマグロの味に興味があるうちは枯れてないでしょうとも(笑)。旨いの(笑)? ちなみに僕はウレセンになるんですかね。そんな言葉あるんかいな? / 揚水 ( 2008-11-20 22:30 )
あざーっす、(あえて)かなこさん(と呼んでみました、今回)。どういたしまして(笑)。いいちこは気無しでいると長く楽しめないです。すぐ空になる(笑)。で、よーく洗ったオイスターソースの壜に秤の上でいいちこを注いで180mlの位置を出して、10日もたせようといじましい努力をしております。二人で一日一合でも十日でなくなる勘定ですねえ。ハンドルはお好きな方で願います。その時々の。なんか切り替わるのも楽しそうです。 / 揚水 ( 2008-11-20 22:26 )
あざーっす、まーこさん。継続は力なりですが、習慣は苦になりません。物は云い様言葉は遣い様でしょうか。えーと、北校の創立年が確か南校の3年遅れで、僕が南の26回生でまーこさんが……(笑)。 / 揚水 ( 2008-11-20 22:20 )
お誕生日おめでとうございます^^ ご夫婦で11月生まれなんですね / てじお ( 2008-11-20 22:20 )
おお!!おめでとうございます♪カレセンの私には、よだれものです(爆) / ca こと かずえもん ( 2008-11-20 18:48 )
おめでとうございます&生まれてきてくれてありがとうございます。どちらも長く楽しめそうなプレゼントですね!素敵。そしてここに書き込むときはいつもハンドルをどっちにしようか悩みます。 / lim,@かなこ ( 2008-11-20 08:58 )
お誕生日おめでとうございます。「ちびまるこちゃん」の切り抜き・・続いてるのですね。凄いです。やはり継続って言うのは素晴らしい。私は歳を聞かれたら「忘れました」と答えます・・w / まーこ ( 2008-11-20 00:59 )

2008-11-18 疾走(はし)る漢(おとこ)

名古屋高速を走っていると、ビルの頭が遮音壁の上に突き出す風景の中に「漢(おとこ)エクスプレス」の文字を見つけて眠気が飛んだ。
というか頭が冴えてそれまで軽くぼんやりしていたことに気づいた。

ビルの屋上に据えられたオレンジ色の看板だった。肩に荷物を担いで駆ける男のシンボルマークは、漢にふさわしいと感じた。

のだが。

よくよくみると「湊(みなと)エクスプレス」だった。
やはりぼんやりしていたらしい。

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16日の日曜日に友人一家が来てどえらげにゃあ楽しかったのですが、その報告はいつ書けるだろうか。漢エクスプレス程度のことならすぐ書けるのですが。 / 揚水 ( 2008-11-18 22:49 )

2008-11-15 飛来物注意

朝現場に向かう途中、交差点を越えたところで、僕の運転する車の十数メートルほど先に、反対車線から単車とお兄ちゃんが飛んできた。

驚いたのなんのって。
対向車線の直進レーンが混んでいて、そこに面する駐車場から出ようとしていた車にだれか親切な人が停まって譲ってあげたんですね、おそらく。
譲ってもらったもので恐縮して急いで出てきた、と。
そこへ右折レーンを勢いよく単車がやってきた、と。
ドーンとぶつかってスパーンと吹っ飛んだ、と。

驚いてハザードランプ焚いて停車して吹っ飛ばされたお兄ちゃんに近づいて声をかけると、よかった、生きてる。動いてる。半キャップも眼鏡も帽子も靴も吹き飛ばされてるけど、頭は打ってなさそうだ。
「どこが痛い? ここ危ないで動かすよ。肩の下に手回すけど大丈夫か?」
「脚が痛い、脚が痛いです」
こんだけ返事できるなら大丈夫だろう。

お兄ちゃんを撥ねた当人と二人で道の端にお兄ちゃんを運ぶ。
僕の車の同乗者も降りて単車をどかし、通行の整理をしている。

道の反対側で携帯で話しているおじさんがいる。
渡って声を掛ける。
「消防署? 警察署?」
「消防消防」
そりゃそうだ、そっちが先だ。
「ほんじゃ俺警察掛けるわ」
おっさんは軽く手を挙げて応える。
道を渡り戻りながら110番通報していると撥ねた兄ちゃんが撥ねられたお兄ちゃんを介抱しながら
「僕が掛けます」
と言うので、警察が出る前に切った。

交差点を越えてすぐのところに停めた僕らの車は、最初のうちこそ撥ねられたお兄ちゃんをガードする役割もしていたはずだが、ずっとこのままでは邪魔だな。

車道の隅に移動させたお兄ちゃんに声を掛ける。
「お兄ちゃん、痛いとこ悪いけどもう一回動かすでね。歩道の上、いやそこの店の駐車場まで上げるわ。このままじゃ危ないでね」

お兄ちゃんをまた撥ねた兄ちゃんと抱える。
恐縮する撥ねられたお兄ちゃん。
「すいません、すいません」
なに謝ってんだよ、おまえは全然とは言わんが、あんまり悪くないぞ。今俺と一緒にお前を抱えとるこの兄ちゃんのほうが、おまえより存分悪いんだよ。

ファミリーレストランの駐車場に撥ねられたお兄ちゃんを移した。
「冷えるとつらいで、これ尻の下に敷いときゃあ」
タオルを半分に折ったものを2枚お兄ちゃんの尻の下に敷く。
それを見て、撥ねた兄ちゃんがジャケットを脱ぎだした。
「これ敷いてください」
そうそう、そうするべきなんだけど、動転しとって思い付かんわな。タオルを見せられて気付くだけ上等だ。

撥ねられたお兄ちゃんに声を掛ける。
「ここにおれらの車停めとると邪魔で危ないで、もう行くでね」
「すいません」
だから謝るなっての。
命に別条なさそうで、ひとまずよかった。

でもあとからぞっとしたけど、車2台分くらい先走ってたら、目の前に吹っ飛んできて轢き殺してたかもしらん。
本当にぞっとする。
お兄ちゃん、痛かっただろうけど、痛そうで可哀そうだけど、なんにせよ死なんでよかったがや。
その時わかんなくても実は頭打ってた、とかじゃないといいんだがなあ。

先頭 表紙

まーこさん、目の前は初めてでした。数台前でいきなり道路脇の店舗に入ろうと左折した車の横腹に、停まったり進んだりを繰り返すのろのろとした車の列の横をすり抜けていった単車のお兄ちゃんが突っ込んで吹き飛んだのを見た時の方が悲惨だったんですが、その時より驚きました。 / 揚水 ( 2008-11-18 22:45 )
ひなたショーゴさん、気をつけてください。車側から見て相当ビビりますが、何より自身が危ないです。 / 揚水 ( 2008-11-18 22:42 )
動いてて・・話せて良かった。私は2回目の前で見たけど、飛んでった人が動いてると安心した記憶が・・・。 / まーこ ( 2008-11-15 23:33 )
ひえぇ… おそろしいですね。自分は原付で勝手にころんで隣の車をびびらせてしまったのですが、停車中でなかったらどうなっていたことか… 気をつけねば。 / ひなたショーゴ ( 2008-11-15 23:31 )

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