2002-06-17 二泊三日
2002-06-16 本好きへの50の質問　　21-30
2002-06-15 炉端に集う男達
2002-06-14 本好きへの50の質問　　11-20
2002-06-14 本好きへの50の質問　　01-10
2002-06-13 やがて来る未来に託す手紙
2002-06-13 ご開帳
2002-06-12 時節を知る
2002-06-12 こっちの水は
2002-06-12 試食

ステンレス溶接のバイトで、埼玉まで行って来ます。

先頭 表紙

21. “本は人の（　　　）である”。（　）のなかに適当な単語を当てはめてください。

垢。

22. 短篇の名手だと思う作家、長篇の名手だと思う作家の名前と作品名をお願いします。

短編の名手、杉浦日向子さん。
長編の名手、京極夏彦さん。

23. 女性は男性に、男性は女性に「読んで欲しくない」と思う様な本はありますか？　作品の題名と理由を教えてください。

そんなものはありません。ばんばん読めばいいのです。自分と異なる性の持ち主の醜さも含めて踏まえて。

24. 完結しているけれど続きを読みたい、外伝を読みたい……そんな作品はありますか？

池波正太郎さんの次作。

25. 情景描写が魅力的だと思う作家を、教えてください。

山本文緒さん、杉浦日向子さん、内田春菊さん、薄井ゆうじさん、夏目漱石氏、太宰治氏、たくさんいらっしゃいます。

26. 心理描写が巧みだと思う作家を、教えてください。

これもたくさんいらっしゃるのですが、とりあえずおひとりだけ。
梁石日さん。

27. 生理的に受け付けない本は、ありますか？

アニメ絵あるいは劇画調の、どう見ても強姦なのにそのうち女性がよがり出すエロ漫画。馬鹿かお前。

自分が誤った考えを披瀝しているとは毫も疑わない、「論壇」で「活躍」している（と本人思い込んでいる）人が書いた文章。

他人を「教化」する目的で書かれた文章。

28. 本の内容・世界を舞台にした夢を見たことがありますか？　あるとしたら、それはどんな夢でしたか。

たくさんあって思い出せません。

29. 本に登場するキャラクターの中で、外見や性格が最も自分に似ているのは？

京極夏彦さんの「京極堂シリーズ」の関口巽氏でしょうか。

30. 主人公の成長を扱った物語と言われたとき、まっさきに浮かぶ本の題名は？

筒井康隆さんの「旅のラゴス」


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先頭 表紙

いつ頃からそうなったのか今となってははっきりしませんが、僕は自分のことで「悲しい」と感じることが少なくなりました。
他人の話に悲しくなることはあっても、自分のことで悲しむことがほとんどありません。

この先何か悲しいことがあったならば、悲しみに対しての免疫がうすくなってしまった僕は、死んでしまうかもしれません。
寂しくて死んでしまうというウサギのように。

今日は昼過ぎに海月が来ることになっていました。
けれど彼女は体調を崩してしまって、来られなくなってしまいました。
とても残念です。少し心配です。
残念で心配ですが、早く海月がよくなって、元気な彼女に逢えるようになるのが楽しみです。

今日は消防団の僕が属する班の、月一回の夜警の日です。
いつもは夜警の後公民館でささやかな飲食をするのですが、班長に今夜は僕の家でやらないかと持ちかけてみました。
僕がこの村のこの字に住んで早４年余りだというのに、これまで彼らのうち一人としてまともに僕の家に上がったことがありませんでした。
僕は入社前の暇な身で時間はたくさんあります。

「たまには少し手の込んだものでも食べようよ、俺作るからさ」

了承して貰いました。
みんなに海月を紹介するいい機会だとも思いましたが、そちらは叶いませんでした。
みんなが海月の美しさに驚くであろうことが楽しみだったのに。
早くよくなってね。

料理の下拵えはもう済みました。

サーモンと玉葱とシメジのトマト煮込みはもう煮込んであります。
タコとトマトと玉葱のマリネも漬け込みました。
あとはみんながうちに来てから刺身用のサーモンの冊を切り、肉を焼いて食べる予定でいます。

今月の夜警は何人来るかな。

先頭 表紙

11. 読んだ本について、感想を述べあうことはありますか。それは誰とですか？

あります。その時々で色んな人と。

12. 身近に本が好きな人は居ますか？　居るならば、あなたはその人の影響を受けていると思いますか？

さあ？　いるのでしょうか？

13. 乗り物の中で、近くに本を読んでいる人が居るとき、その人が何を読んでいるのか気になりますか？

気になります。乗り物酔いを押してまで読むなんてどんなに面白い本なんだろう？

14. 読んでいる本にカバーは付けますか？　付ける・付けない……その理由を教えてください。

付けません。
「地球に優しい」というキャッチフレーズを心の底から憎んでいながらも、もったいないと思うから。

15. 書店で買う・図書館で借りるのが恥ずかしかった本はありますか？　本の題名と理由をお願いします。

データハウス刊、「５０人のひとりＨ」他。
女性のオナニーの赤裸々な（とされている）告白本、それも５０例も書かれた本を買う男をどう思います？

16. 内容は分かっているのに題名が思い出せず、もどかしい。そんな本はありますか？　ある場合は、内容を要約して教えてください。

ありません。

17. 「この題名は、いい！」。そんな題名があったら、教えてください（未読でも可）。

松浦理英子さんの「親指Ｐの修業時代」
酒見賢一さんの「語り手の事情」
デズモンド・モリスさんの「マン・ウォッチング」（原題は違うのかな？）
ジョージ・リッツァさんの「マクドナルド化する社会（邦題）」
その他諸々。

18. 読んだことはないけれど、気になっている本の題名はありますか？　ある場合は、タイトルをお願いします。

ありません。気になるのであればそのうちに読みます。

19. （18の回答について）それは、どんな内容の本だと思いますか？

回答なし。

20. いままでに読んだ中で、最も長い作品のタイトルを教えてください。

タイトルであれば「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」、「緑色の濁ったお茶あるいは幸福な散歩道」
作品の長さでいえば「カラマーゾフの兄弟」、「ガラスの仮面」


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先頭 表紙

やってみました。


01. あなたの好きなジャンルについて、その分野ならではの魅力を簡単に述べてみてください。

小説全般。
事実は小説より奇なりとはいえ、奇であろうとなかろうと人の想像・創造する力が僕から見て現れやすいと思われるから。虚構でいいのです。

02. この作品を読まない間は、この分野（作家）のファンとは名乗れないと思う……そんな作品はありますか？

筒井康隆さんの「霊長類 南へ」
井上ひさしさんの「吉里吉里人」
石川達三さんの「最後の共和国」
江川達也さんの「ＢＥ ＦＲＥＥ」
井沢元彦さんの「恨（ハン）の法廷」
夏樹静子さんの「ドーム」
………

ああもうきりがないや。

03. 「この分野（作家）の作品は読んだことがない」という人に本を貸すことになったら、どんな順で本を貸していきますか？

自分が面白かったもの。

04. 人に薦められて夢中になった作家はいますか？　作者名と、きっかけになった本の題名を教えてください。

池澤夏樹さんの「母なる自然のおっぱい」。三年以上奨められた池澤さんとは別の人物を奨められたと勘違いしていた。本屋で奨められたものとは異なる池澤さんの本の背表紙に呼ばれてそれを買って、読んで初めてそのことに思い至った。

05. 人に本を貸して、「面白かった」と言われたときのあなたの反応を教えてください。

「でしょー？」

06. 逆に、「面白くなかった」と相手に言われたときの反応は。

「ああ、そっか」

07. とても欲しくて、でも手に入れることが出来なかった本はありますか。

思い出せません。

08. 手放した・紛失したことを後悔している本はありますか。

たくさん。

09. 本や作品にまつわる思い出をひとつ、教えてください。

「ひとつ」なんて挙げられません。

10. 「もっと若い頃に出会いたかった！」と思う本がありますか？　あれば教えてください。

特にはありません。


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先頭 表紙

息子よ。
君がこの手紙を読む時には、君はいくつになっているのだろう。

もしも、明日世界が滅びるとしたら。

君には最期の時を共に迎えたいと思えるただ一人の人がいるだろうか。
息子よ、僕にはそうした人がいる。いや、いた。
君のお母さんその人こそが、僕にとってのそうした人だった。

彼女に出会い彼女に恋して、彼女とお互いに気持ちを通じ合わせるようになった僕は、そんなことを考えるようになった。かつてないことだった。彼女こそが、そのただ一人の人であると、強く思った。
その頃はもちろん、まだ君は産まれていなかった。

けれどその時は、まさかそれが現実のことになろうとは夢にも思わなかった。最期の時を彼女と迎えること、それだけに心を砕いて生きる時がくるとは。

他に望みは何もなかった。毎日が苦しいことばかりの、つらい日々だった。それでも、僕は幸せだったと言える。
胸を張って。
ただ、こんなことになるとは思っていなかった。僕たちはいずれ結婚し、子をなし普通に年老いて死んでいくものとばかり思っていた。

けれど、いいのだ。これでいい。年老いるまで彼女と共に生きることは叶わなかったけれど、僕は彼女と最後の最後まで愛し合って、そして死んでいくことが出来る。

そう思うことはわがままだろうか。
僕は死を迎えるその時まで彼女を愛し続けることが出来るが、遺される彼女はそれが叶わない。
やはり、わがままなのだと思う。
彼女や君を遺して自分だけが先に往くことを考えると、もうやがて訪れるであろう自身の死そのものよりもつらく、恐ろしい。

君が健やかに育つことを祈っている。

人に嫌われることは実に簡単だ。その人の望むことをせずに、望まないことをすればいい。
そうしたことがあっても好きでいてくれる人も中にはいるだろう。けれど逆にそうしたことをせずとも嫌われることもある。
誰にでも好かれる人になって欲しいというのではない。
嫌われるよりも好かれるに越したことはないが、全ての人に好かれようというのは、それは、不可能だ。

けれど、好かれることもまた簡単なのだ。
その人のことを、好きであればいい。誰かを愛して生きていって欲しい。
君の行く先に、喜びや悲しみをも分かち合う友や、共に生きたいと願う恋人となるような、そうした人々が生き延びている世界が拓けていくことを望む。

死が僕をどこかへ連れ去るその時まで、僕は君の幸せを願っている。わがままな僕を許して欲しい。僕は、死んでしまう。
まだ産まれて間もない君を遺して。
息子よ、おまえは、生きろ。
生きてお母さんと僕が望みながらも出来なかった、愛する人と共に普通に年老いていく暮らしをして、子をなし、そうして死んでいって欲しい。

この手紙は、お母さんに託しておく。
やがて君が大きくなり、彼女がこれを君に読ませるにふさわしい時期が来たと判断した時に、君はこの手紙を読むことになるだろう。

忘れないで欲しい。僕は君のお母さんを愛していた。心の底から愛していた。お母さんも僕のことを愛してくれていたものと信じている。
君はその二人の間に産まれた、愛の子なのだ。
君の成長する時間を共に過ごすことが叶わない僕が君に残せるものは、この言葉だけだ。

息子よ、君は、愛の子なのだ。

息子よ、僕はもうじき往く。
僕は、幸せだった。

先頭 表紙

暇だなあ。

塞いでしまった囲炉裏でも開けよう。

うちの囲炉裏は、もとからの囲炉裏があった場所に、半ば壊れてその上に畳が張られていたのであろう以前のものを崩して、僕が作りました。
床も畳もありませんでしたから、作ったのは囲炉裏に限ったことでもありませんが。

僕が作った囲炉裏は、畳の高さより一段低くなっています。
もともとは冬に足下が温かくなるようにとの意図があったのですが、人がたくさん集まる時に炭火で何かを焼くくらいの用しか為さないようになってしまっていました。
火の入らない囲炉裏は、却って冷気の入り口になるばかりです。
そもそもうちに人が集まるような機会が、ほとんどない。

だから塞いでしまっていた。

囲炉裏を開けるためには部屋をまず片付けねばなりません。
広い空間は逆にデッドスペースを作る余裕になってしまう。

だから囲炉裏でも開けよう。

先頭 表紙

一昨日、今年初めてブトに喰われた。
痒い。痛痒い。
やっと梅雨になったと思っているところなのに、夏の吸血昆虫が既に活動を始めていやがる。

今日寝る前に歯を磨いて口を濯いでいて思ったこと。

蛙の臭いがする。

今年もうちの井戸に落ちて登れなくなった蛙がいるものとみえる。
それとも好んで泳ぎ回っているものか。

梅雨、なのだな。

先頭 表紙

ひょっとすると甘いのかもしれない。

帰宅した時には、辺りはもうすでに暗くなっていた。
陸丸と散歩に出掛けた。

昨日梅雨入りの声を聞いたと思ったのに、今日は晴れ間があって暑かった。
夜歩く方が却って涼しくて丁度いい、などとも思う。気持ちがよくて、いつもより長く、遠くまで歩いた。

蛍が、飛び交い始めている。
数は少ないながら、美しい。

数え切れないくらいの蛍が舞うには未だ少し時期が早いようだ。
これはこれでいいものだ、と思う。

先頭 表紙

今日の朝食はご飯と味噌汁。
なめこはやっぱり赤味噌ね。

昨夜は風呂に入る前に下拵えをした料理を、入浴中も合わせて一時間以上煮込んでいた。

トラウトサーモンの切り身がお安くなっていましたので、これに塩胡椒を振って馴染ませます。
琺瑯引きの鍋にオリーブオイルを引き、大家さんにいただいたゴルフボール大の小振りな玉葱を、ホールのまま皮をむき、放り込みます。
焦がさないように注意しながら、香ばしさを。水を適量だぷんと加えます。
沸き立つ直前に中火にします。
ある程度火が通った頃を見計らってサーモンを加えます。それに合わせて火をもう少し弱めます。酒を振っておきます。
しばらくことこと。

ここで真打ちの登場。

海月が作って冷凍庫に入れてくれておいたトマトピューレを解凍しておいたので、それを加えます。
で、弱火にして、一時間以上ことこと。

朝食時に味見。
しばらくお酒を買うのを控えようと思っていたのですが。

サンタ・リタのソーヴィニョン・ブラン、買ってこようかしら。

先頭 表紙