![](http://img.himajin.net:8080/c309/33.jpg)
月記になっています。
最近、かなりローテンション気味。
決して、落ち込んでいるとか、ネガティブになっているとかじゃなくて、低いところで、真っ直ぐなペースで進んでいるという感じ。
寝不足極限状態でもナチュラルハイになることもなく、時には、周りの雑談や街の騒音も邪魔になるくらい淡々とした流れの中での言動と行動。
結構、これが心地よくて好きなペースなのです、情緒安定で。
巷はワールドカップで盛り上がっているのに、「非国民」とまで言われてしまう自分。
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そんな流れの中でふと感じた、広川泰士写真展「TIMESCAPES − 無限旋律」。
砂漠の巨大な奇岩と星の軌跡を被写体として、昼の光で岩肌と風景を、月のない夜に星の軌跡を1枚のフィルムに映し込んだプロジェクト。
荘厳な自然が何億年もの時間によって生み出した砂と岩と空と風。
何億年もの時間とつながる、人知を越えた壮大な中で、たかだか100年ばかりの人間の生は一瞬のまばたきにすぎない。
無限とも思える時間の造形物を前に、時間と空間に飲み込まれ、自分が溶けていくような気分になる。
天と地との間に恐ろしいほどぽっかりと現出する空っぽの空間からの中で、宇宙の星屑のひとつとなり、岩石の声、天空の音楽を聴く。
それは、昼の光を吸い、夜の光を集積して螺旋状に過ぎていく時を沈殿させていく。
荘厳な自然をただ賛美するわけでもなく、畏敬の念を抱いて求めたわけでもなく、そこには悠久の時間と空間が耽美に芳醇なゼラチン・シルバー・プリントに刻み付けられていた。
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この類の鑑賞って、その時の肉体的・精神的コンディションでかなり左右されますが、展示物が今までのコンディションを覆すこともあります。
それが、真実を語っているにしろ、人為的に作り出された虚偽のものであっても。
鑑賞の醍醐味です。
そして、相変わらずローテンションを引き摺るアタシ。梅雨も重なって。 |