2002-05-06 飛翔願望。
2002-05-05 忍び込んで眠る。
2002-05-04 気になるあいつ。
2002-05-03 戸惑いの夜更け。
2002-05-02 今夜も熱く。
2002-05-01 あともう少し。
2002-04-19 噛まないで、その後。
2002-04-17 噛まないで。
2002-04-14 二匹をとめて。
2002-03-30 ありがと。

昼間、しゃどう猫が、しきりに興奮して、何かを訴えていた。外に誰かが居るわけでもなく、部屋に誰かが居るわけでもなく、「どうしたの？ 遊んで欲しいの？」と、ちょっとだけおどかすつもりで、背中をガシッとつかんでからかった。

しゃどう猫、驚きのツボにはまったのか、何も言わず、無言で飛んだ。

垂直に跳んで、それから３０ｃｍくらい、空中で移動した。

音もなく、静かに空中を移動していた。

これも、成長の一貫と、静かに見守っているべきなのだろうか？


夕方からセロリ亭でのパーティーがあった。セロリ亭の中庭には、そこそこ大きなプールがある。最近の日差しは、焼けるように暑苦しいのに、プールの水は、ほのかに冷たい。オトナ軍団は、プールに脚を突っ込んでビールを飲みながら談笑。コドモ軍団は、水着に着替え、いそいそと飛び来んでいった。わたしも、実は混ざってボール遊びをしたかったのですが、水着がなかったので、我慢してオトナ軍団の中に混じって、世間話をしていた。

実は、わたし、未だに、コーラやペプシの缶、を誰かに手渡しする時、目の前でよくよく振ってからでないと、渡せない。いや、渡せるんだけど、振り損ねると、なんだかものすごく物足りなくて、体がむずむず、してしまうのだ。そして彼、もしくが彼女が蓋をプシュッと空けるまで、未練がましく目で追ってしまう。どうしても大人になりきれない面がある。講義の時に配るおやつも、残った分は、回収しに行かないと気が済まない。たかだか、クッキー数枚のことなんだけど、むきになってしまう。二十代、三十代のいい大人が、「おい、これは俺のクッキーだ！ おまえいっぱい、食べたじゃないか！」と、小競り合いしているのを、微笑ましいと思いますか？ 情けないと思いますか？

今日も、真面目な話を書こうと思っていたのに、どういうわけか、話が逸れてしまった。二日連続は、しゃどうには無理なようだ。というわけで、また今度。

しゃどう＠写真は、ぶんむくれ顔のしゃどう猫。ライバルの縞猫を見て、彼なりに想いを巡らしているよう。仲良くなるのは、しばらく無理のようです。

＃＃しゃどうの夕食は、パーティーのサンドウィッチ、と、イチゴと西瓜。小腹がすいたので、たぶん、あとで何かつまむつもり。しゃどう猫は、昨日と同様、牛肉と肝臓の猫まんまでした。

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隣りの芝生は至福色？

縞猫。

最近の、仕事のテーマ、というか、プロジェクト、というか。かなりの量になってきた。いつもいつも、他の学生か、ポスドクでも雇うから、仕事の量も減るし、ひとつのテーマに集中できるようになるから、と、言われつつも、不景気のおかげで研究費が足りない。だいたい、今いる学生に、払うお金も足りないほどの経営難。

わたしの仕事は、サイエンスといっても、理論派ではなく、実際に物を作るファブリケーション派。パソコンの前に座って、頭を使っていれば、なにかができるような物ではなく、実際に動いて、手を動かして、目にみえる結果をださなければならない。しかも、やればできる、という確信はなく、常に、失敗し続け、改良し続け、っという、根気のいる作業。それなのにね、片手の数以上のプロジェクトを抱えていて、夏休みには、学会に５つものアブストラクトを送られ、更に、毎週、「もっと、もっと！」と、発破を掛けられると、いくら好きで遣っている事とはいえ、時には誰かに、不満をいいたくもなります。

で、まだファイナル試験も終らない時期に、またまた、猛烈な勢いで発破を掛けてくるトマト。負けずに仕事を依頼するセロリ。「あれも、これも、いっぺんにそんなにできるかぁ！」、と、久々の八つ当たり相手は、いつものように、愛しのトマトボスに向かいました。

んで、散々、文句を言った後の翌日、トマトから、こんなメイルをもらいました。

I hope that after all this pressure and heat you will come as good as gold and will know that your experience in my group was rewarding and challenging. Eat good and stay away from the cat!!

最後のセンテンスだけは余計ですが、メイルを読んだ時、なんだか、この人にはかなわないなぁ、っていう安心した気分と、つかえが取れたような気分になりました。

やっぱり、もうちょっと踏ん張ってみよう。

しゃどう。

＃＃縞猫の夕食は、しゃどう猫のカリカリ。また家の中に走りこんできて、食べておりました。しゃどう猫の夕食は、牛と肝臓の猫まんま。しゃどうの夕食は、手作りのグラタン、でした。海老も刻んで入れたら、ぷりぷりの歯ごたえ。でも、作りすぎたので、またしばらくはグラタンになると思います。

先頭 表紙

誰だよ、こいつ！？

しゃどう猫。

しゃどう車のエンジン音を聞き分けられるらしい。駐車スペースに入っただけで、少し離れたところまで走り寄ってくる縞猫。車は怖くないのかしらね？ 今日も、小走りで家の中に走りこんできたけど、洗濯物を取りにいっている間に、しゃどう猫に小言でも言われたのか、再びドアを開けたら、そのまま出ていってしまいました。しゃどう猫は勝ち誇ったように寝ています。

今日は、朝からセロリボスから、モーニングコール。

「おはよう、しゃどう。仕事用の溶液がとどいたよん。」

本当は今週初めにする予定の実験だったのですが、溶液の中にいた生き物が（動物系じゃないぞ）バクテリアに襲われて前の晩に死んでしまったので、今朝まで延期になっていたのだ。で、今日はちゃんと元気に生きている、というので、朝早くからたたき起こされて、仕事に向かった。

んで、ペンネロープ一号で、休みなく働く事、４時間。

３０分掛けてメインキャンパスに向かい、特別な顕微鏡に当てて結果を見る。

「失敗！」

・・・これくらいじゃ、めげないわよ。

夕方から例のトマトボスに促されてリサーチレビューのプレゼン。時間は無制限。時間がなかったので、先週の日曜日、朝から次の日の朝方まで、パソコンの前からほとんど動かずにひたすら作り続けた。もちろん、少し前から隙をみて少しずつは手を掛けていたんだけど、まぁ、使える時間は、最後の５分まで使えっていうし。

で、とにもかくにも、話し始めたのですが、トマトボス、一枚一枚のスライドに、質問と、コメントと、解説を（他にもグループの学生がいたので）丁寧にいれながら、嬉しそうに喋りだす。質問も、本当に質の良い核心についた所を聞いてくれるので、答えながら、自分が思ってもいなかった事、まとめ方が下手で上手く伝えられない事でも（英語下手だし）、言葉を引き出してくれるのだ。自分は、自分で知っていると思っている以上のことを、知っているのだな、と、思えるほど。このいわゆる、「How to talk」は、今の私には徹底的に欠けている事なので、改めて確認して、練習を積み重ねていく事は、大事だな、と思った。時間、ある、ない、に関わらずに。そういう意味でも、こういう機会を与えてくれたトマトには感謝しなくては。

といいつつ、全部で５０枚あったので、プレゼンは２時間近くにも及びました。（修論の時よりも長い）でも、勉強になりました。

ただ、このディスカッションにインスパイアされて、しゃどうの夏の仕事が、「更に」増えはじめたのは、言うまでもありません。

しゃどう。


＃＃しゃどう猫の夕食は、ターキー猫まんま、今日も奴、は、家に入ってきたけど、追いかけて追い出しちゃいました。なんかこいつ、気に入らないし。しゃどうの夕食は、海老とカニの海鮮ライススープ（外食、ベトナミーズ）でした。

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写真の縞猫、彼（彼女？）が、近所に住む噂の猫。しゃどう猫が喧嘩したがっている、奴、です。毎日見掛けるので、撫でてやっていたら、すっかり仲良くなった。今では、車から降りた途端、ドアの所まで走って挨拶にやってくれるくらい、打ち解けていたのですが、当然、しゃどう猫は焼きもちをやいています。

今日も、いつものように帰ってきたら、縞猫チャン、しっかりと尻尾を立てて、横を歩き、ドアを開けたら、当然のように中に入ってきてしまった。威嚇しながら、追い掛け回すしゃどう猫ですが、大人しい猫のようで、本当の喧嘩にはならず、遠くから見詰め合っては、時々、唸ったり、叫んだりしている。とばっちりを受けたくなかったので（また噛まれたら大変）、私は遠くから眺めるだけにしているのだけど、ドアを開けても、縞猫チャン、外に出ていく気もないらしい。部屋の片隅の、椅子の下にもぐりこんで、唸っているうちに、疲れたのか気持ち良さそうに眠り込んでしまった。

ソファの上から、恨めしそうに縞猫チャンを見つめるしゃどう猫。それでもだんだん眠くなってきたのか、とろめで威嚇しながら、船を漕いでいる。さて、どうしたものか？ と、困るしゃどう、の１日は、今日も終ろうとしている。

たぶん、つづく。

しゃどう。

＃＃夕ご飯は、鶏の足のバター焼きの残りと、ツナとポテトの焼き物（これも残り物）と、新鮮な生野菜。しゃどう猫は、ターキー猫まんま。

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あぁ、大変だぁ、っと、どんなに緊迫したムードを出してみても、部屋の一部では、ふにゃにゃんムードを醸し出す奴、がいて、ついついカメラを片手に、にやにやしてしまう。どうも集中力が足りないようだ。もちろん、極上のワンショットを撮れた後には、あごの辺りの毛皮の筋にそって、そそそっと、指を這わし、しゃどう猫に「うんぐ〜っ」と、文句を言わして喜んでいる。猫中毒、まっしぐらである。

期末試験に限らず、テストシーズンが始まると、メインキャンパスの講義のあるビルディングの廊下では、仮眠を取る学生が、ごろごろと、寝転がっている。男の子だったり、女の子だったり、いろいろですが、講義ノートとテキストのいっぱい詰まったリュックを枕に、人通りの多い廊下に沿って、それはそれは気持ち良さそうに寝ている。それも、上手い事、邪魔にならない場所を選んで、静かに、自然に熟睡しているのだ。ちょっと、びっくりするのだけど、通る人も、やっぱりあんまり気にもせずに歩き去ってゆく。

それを見て、「これが、本当に、若いっていうことなのかな。」と。さすがに、私もいい年になってきたので、学校で眠くてしようのないときは、家に帰るか、どうしても仮眠を取りたい時は、オフィスに鍵を掛けて、こっそり眠る。たぶん、私が廊下で転がっているのを知り合いが見つけたら、やっぱり青ざめた顔で、心配げに起こしに来るだろう。そして、きっと、「働きすぎだよ、家に帰ってのんびりしなよ」と、暖かい言葉をかけてくれるだろう。もし、私よりも遥かに年上の、ポスドクや教授が、同じ事をやったら、人だかりができ、無言で脈を取られ、救急車を呼ばれるだろう。

ただ、あるがままに転がっていられる、あっ、寝てる、時には微笑ましくも感じる自然体、無防備さ。これが、「若い」という代名詞なのかもしれない。


でも、やっぱり、私はベッドとお布団で気持ちよく睡眠をとりたい。


しゃどう。

＃＃しゃどうの夕食は、カニシューマイ（冷凍）と、クスクスのみそ汁風味。冷凍のカニシューマイは、お鍋にアルミホイルを敷いて、蒸しました。いい具合にホックリ仕上がり、蕩けそうな舌触りでした。クスクスは、水分を多めにした方が、柔らかくて舌触りがよいみたい。しゃどう猫は、海鮮白身魚の猫まんま。

先頭 表紙

噛まれた手は、順調に腫れが引き、今は、噛み傷が小さく残る程度まで快復しました。なかなか治らず、１０日間は抗生物質を飲み続けていました。手の甲の、親指と人差し指の繋ぎめあたりに深い噛みを、いれたしゃどう猫。思い通りに動かない手と傷を眺めて、

「しゃどう猫ちゃん、狩りの才能があるのね。咄嗟に、最悪の場所を噛んだんだから。なんて頭がいいんでしょうっ！」

と、親ばかブリを発揮していたのだけど、友達はみな、あきれていたようだ。

先ほど、やっと分光学の宿題が終りました。全部で９０ページの大作。疲れました。

問題数は、全部で６５問、結構考えさせられる問題が多いので、ひとつにつき、数時間考える事も。ひっくり返りそうなほど頭を使ったような気がする。なにせ、基本がなってないのだから、問題の意味を理解して、言葉の意味を理解して、基本事項を軽く身につけて、応用問題に取り組む、というスタンスで進めてきました。スクラッチペーパーに書きなぐりながら、ボールペンも、二本、終らせました。少しは賢くなったかな？

残すところ、プレゼンテーションが２つ、片方はリサーチ分野のリビュー、これもスライド４９枚の大作、なかなか格好よくできたけど、あと、もう少し論文を読んで付け加えるつもりだ。もうひとつは、原子間力顕微鏡のクラスの結果報告。もうちょっとデータが欲しいなと思っているので、もう少し実験して付け加えるつもりである。それから、ファイナルに、簡単なテストがひとつ。（そういえば、いつなんだろう？） それで、今学期は終わりである。

それが終ったら、授業の課題のおかげで、遅れがちな研究に、ご機嫌斜めに差し掛かっている、愛するアドバイザー達をなだめるため、また洞窟に篭るのだ。一段落したら、休みとって、のんび〜り〜、呑ん美〜り〜、するつもりである。

IRS（税務署）から、分厚い封筒が来た。間違えてるから、やり直せって。あの簡単な報告書をどうやって間違えるかっていう、突っ込みはなしね。ちょっとした勘違いがあったみたい。いやいや打ち直した。明日、送るつもり。納税額、思っていたよりも増えました。なけなしのお金なんだから、是非とも、大事に使って欲しいものである。

気分転換に、しゃどう猫の写真をたっぷり撮ったので、しばらく、更新頻度は高まるかも。今日は、丸まって眠るしゃどう猫。どこが顔か、わかるかな？

しゃどう。

＃＃夕食は、鳥の腿肉のバター焼きと、生野菜のサラダ。そろそろ健康食に戻さないといけません。しゃどう猫は、海の白身魚猫まんま、である。

先頭 表紙

やっと通院解除、が、でた。腫れはほぼ引き、指も動くようになりました。まだ、はさみを使ったりとか、高度な作業はできないけど、とりあえず、痛くはなくなった。

抗生物質で、膿を取り除いていたのだけど、豪勢に出る出る。４日目の今日も、ちょろちょろと、まだ続いています。頻繁にヘルスセンターに通っていたおかげで、病院のスタッフに、すっかり覚えられてしまい、「あぁ、CAT BITEの娘ね！」と、ちやほや、ちやほや、してもらいました。腫れは結構、思ったよりも重傷で、お医者さんはかなり心配してくれていたのですが、薬が効きはじめて、快復してくるにつれ、嬉しそうに他のお医者さん（研修中か？）を連れてきては、いろいろ解説していました。なかなか、珍しいケースだったらしい。

ちなみに、傷口にまくガーゼと包帯は、ドレッシング、傷口から溢れてくる液体は、ドレイン、と、いうようだ。膿と腫れの患部は、そのままインフェクションと呼んでいました。最初、傷口にサランラップでドレッシングをするから、と、言われ、オイルでもぶっ掛けられるんじゃないかと、不安な想いをしたものです。「良くなって来たから、今日でお終い！」と、お医者さんが部屋を出ながらいうと、看護婦さんが、ワーッて、歓声をあげ、手を振って送ってくれました。プチ有名人の気分である。抗生物質入りの軟膏（使い掛け）と、バンドエイド、綿棒も、サービスでたっぷりもらってしまいました。

学校でも、白い包帯が目立つのか、会う人、会う人、みな、「それどうしたの〜？」と聞いてくる。せっかくなので、噛まれた時の状態から、腫れがでて、治療して、ドレインがたっぷり出てきた過程を色彩豊かに詳細に、いかに痛かったか、ひとりひとりに丁寧に語ってあげました。どの人も、どの人も、キャーイヤーッて、同情してくれたけど、なんだか面白がっていたようです。笑い堪えていた人の方が多かった。まったく、本当に痛かったんだから！ 猫に噛まれて通院中のしゃどう、プチ有名人の日々、でした。

めでたし、めでたし。

しゃどう。

＃＃夕食は、昼食の残りの中華料理の残りでした。しゃどう猫はチキン猫まんま。写真は、寝そべって毛繕いする横着しゃどう猫の、ピンぼけ写真。

先頭 表紙

木曜日の午後、ボーっとドアを開けたら、しゃどう猫、脱走。近所に住む、しゃどうのお気に入りの縞猫ちゃんを見掛けて、興奮しはじめた。縞猫は知らん振りで私とじゃれていたんだけど、しゃどう猫、またしても喧嘩を吹っかけた。あんまり興奮しているので、さっさと抱き上げて家の中に入れようと、後ろから噛まれないように捕まえて、運んだまでは良かったんだけど、ドアを開けようともたもたしていたら、ついうっかり、放してしまった。また捕まえようと押さえつけたら、怒って、ガブリっ、と噛まれた。

しゃどう猫に、まともに噛まれたのは始めて。皮膚にはパンチホールが二つ。この場合は、私が悪い。興奮した猫を、子猫に扱ってしまったから。しゃどう猫は、もう立派な猛獣。仮にも虎の子。その時は、やられた〜、くらいにしか思わなくて、しっかり消毒して、血もじきに止まったから、自然に治るのを待っていた・・・のだけど。

金曜日の夕方くらいから、傷口あたりが、腫れ始めたのだ。しかもかなり、痛い。猫の口にはかなりの割合で細菌が住み着いているから、噛まれた人の９０％くらいは、軽重はあれ、傷口が、感染してしまうのだと、後から言われた。私のは、思ったよりも、深く噛まれていたらしい。

月曜日の朝、さっそく大学のヘルスセンターに行くと、看護婦さんが、腫れ上がった手を見て、きゃーっと、すぐにアポイントメントを入れてくれた（いつも、ひどく待たされるのだけど）。どうやら、かなりひどく化膿していたらしい。早速、抗生物質を投与、塩水をまいたガーゼを手に巻いて、水分をキープしながら、患部を温める。こうする事で、抗生物質がアタックした菌を、体中に広まらないようにするのだ。夕方、少しずつ手がずきずきと、また痛みはじめる。でも、腫れは引きはじめた。

翌日、早速、また病院にいってまた様子を見てもらいにいった。看護婦さんがソーッとガーゼをはがすと、きゃー、ガーゼには、血と、膿と、透明な液体が、ごーっそりついていて、手は前よりもしぼんでいた。そして、傷口からは、古い膿がどくどくと、這い出してくるのだ。道理で痛いはずである。一度、血で凝固した傷口を突き破って、ものすごい量の液体が、小さな穴から吹き出しているのである。

もう一度、今度は乾いたガーゼで包帯をし、抗生物質を引き続き投与、の予定。

噛み付いた張本人のしゃどう猫。まったく覚えていないようだ。アリゾナでは、動物に噛まれた場合、アニマルコントロールに報告するのが義務、とか。嫌そうにしていたら、看護婦さんがさっさとダイヤルして、病院から報告。んーむ。おかげで、しゃどう猫、前科つきになってしまった。そして翌朝、７時。けたたましい玄関のブザーに叩き起こされる。

制服を着た、いかついおじさんが、しゃどう猫の様子を見に来たのだ。

「この猫？」

「そう、普段は大人しいんだけど・・・」

「・・・んー、猫ちゃん、猫ちゃん〜！」

「・・・（脅えるしゃどう猫）」

「・・・（苦笑いのおやじ）」

実は、この地域で、メキシコから渡ってくるコウモリが運んでくる、ラビィという伝染病が広まり始めているので、その心配がないか確認しに来ただけのようでした。

「あなた、かなり調子よさそうだし、大丈夫でしょう！」

と、簡単な確認事項を終えて、帰っていきました。しかーし、しゃどう猫は、罰として、１０日間の、自宅謹慎を言い渡されました。（そうでなければ、カゴ行き、だって）

猫にも、法律があるようだ。噛まれるような事をした、しゃどうも悪いのだけど、まったく、人騒がせなしゃどう猫である。

しゃどう。

先頭 表紙

昼頃、郵便物を取りに玄関を開けたら、意気揚々としゃどう猫、脱走。小さな花壇の側で居眠りをしていた近所の猫を威嚇しに走っていった。あっさりと威嚇負けし、耳を伏せながら、とりあえず唸ってみるしゃどう猫。形勢が悪くなった途端、しゃどうの後ろに隠れて得意げに尻尾をなびかせていた。親ばかなしゃどうは、やっぱり、しゃどう猫の加勢。とりあえず、シャーっと、言って威嚇してみたら、逃げていってしまった。この勝負、しゃどうの勝ち。

しばらくは、ご機嫌で走り回っていたのですが、しばらくして、玄関先でまたもや、しゃどう猫の叫び声。犬にでも追いかけられたのかしら？ と、迎えに行くと、あまりの暑さにショックでへたり込んでいるしゃどう猫がいました。私の顔みて、シャーっ！！！ 開けろっ！！ 頼みかたがなっていないわね、開けてください、ゴロニャン、でしょう？ って言ったんだけど、無視されました。シャー、シャーっ！ と家の中に入ってきて台所のタイルに転がってお腹を出してひっくり返る。外の気温は、いつのまにか９７Ｆを超えていました。これから、どんどんと、暑くなる。また、溶鉱炉の季節がやってきたようだ。

春先は気持ちがよかった。卸し売り店で買った、ハワイアンドレス（ワンピースみたいな繋ぎの柔らかい生地なのですが、体中の隅々まで風が行き渡って気持ちがいいのだ）を家では着て、ドアを全開にして（スクリーンドア、の鍵は掛けてます）、風を受け、鳥の声と、インディアン風鈴を聞きながら、惚けーっとしていると、天国にいるような心地だった。だけど、もう、終ってしまったのね。また、次の季節までお預けです。あと数ヶ月は、とにかく、とにかく暑〜いのです。

ここ数週間の生活は、なんともタフで、久々にこたえました。あと２週間はこんな感じなんだけど、今日はちょっと中休みを入れてみました。昨日は寿司を食い、部屋に転がって映画を見て、むふーっといった感じ。もうすぐで夏休み。少なくとも授業はなくなる。授業の宿題、課題に追われていると、自分がいかに研究が好きか、わかるというものです。自分の為になるのは、わかるのだけど、やっぱり、学ぶ、というのは受け身なのだな、と。でも、体系だてて学ぶ機会というのは、なかなか得られないものだから、その中でも新しい発見や、学ぶ喜びというのもあるのだけど、やっぱりね。そんなに面白くはない。まぁ、今更だけど、学校の授業、面白くてしょうがない、という方が、珍しいのでしょう。

なにが一番、面白くないかというと、授業の為に使う時間が多すぎて、リサーチの為の時間が、少なくなってしまうことだ。あれもしたい（しなきゃいけない？）、これもしたい（しなきゃいけない？）、と、アイデア（と、プレッシャー）は、たくさんあるのに、あぁ、時間がねぇよっ！と、怒り出してしまう、まだまだ未熟なわたし。リサーチのトピックはというと、ナント、先月の終わり頃から、さまざまなテクニカルなメディアに掲載され始めた。取材と講演の嵐（？）で、大忙しのトマトと、ムフムフっと笑う、ご機嫌なしゃどう、である。

夏休みになったら、部屋の大掃除をしたいなぁ、と、切に思います。あと、もうちょっと、頑張ろう〜っと。

昨日の夕食は、寿司、と、枝豆。しゃどう猫は、鳥の猫まんま。今日のブランチは、ホットケーキと昨日の寿司の残り。コーヒー飲んで、またスクールガール（もうガールって、年じゃないわね、スクールレィディにしよう）に戻ります。

しゃどう。

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お誕生日のメッセージ、ありがとうございます。当日に、更新はできませんでしたが、嬉しく読ませていただきました。しゃどうも今年で２５歳になりました。（たまに年齢の事を書いていたので、だいたいの方は気がついているのかな？）

普段通りに過ごした後、大学のラボメイトと、バーに繰り出し、屋外でビールを飲みながら、ささやかなお祝いをしてもらいました。夕方からは、暑い日差しも弱まり、赤い光が弱まって夜になり、湿気交じりの涼しい風を受けながら、屋外演奏を片耳に、飲むギネスビールの味は最高でした。ピッザにオニオンリング、鶏の手羽先バーベキューソース味、と、アメリカンなバー晩餐を楽しみました。その後に友人の家に立ち寄ったら、不思議な壷をくれた。

「２５歳になるって、どんな感じ？」って聞かれた。

「そうねぇ、not too old, not too young, んー、悪くないよ。」

翌日（今日）、いつもより早く起きてキャンパスを歩いた。朝は、少しだけ風が動いていて、気持ちがよかった。心持ち、いつもより背筋を伸ばして歩いた。いつも、誕生日が来て、年を一つ取るたびに、少しだけ戸惑って、新しく手に入れた年齢を弄ぶような、少しくすぐったいような感覚が訪れる。そういうなんとなく落着かないような気持ちが、好きだ。昔から年上の人に憧れがちで、早く大人になりたい、年を取りたい、って、いつも思ってた。

年を重ねるごとに、物事が深く見えるように、今まで見えなかった事、知らなかった事、気付かなかったことが、少しずつ、わかってくる。もう、ただ、真っ直ぐに突っ走って、ぶつかっていく事だけしか知らなかった（牙飛ばし猫、でした。近くを通るだけでも噛み付く。触っても噛み付く。若〜い頃は、もっともっと激しかったのよん）、昔ほどピュアな心は持っていないけど、ちょっとだけ斜めに構えて落ち着いた、今の自分も悪くないなと、思っている。２５歳か、響きは硬派、うん、なんとなく、しっくりくるね。

来年の今ごろは、どんな事を思っているのだろう？

今年の抱負をひとつ。たまにスマイル。どんなに忙しくても、青筋立てるほど気が立っていても、通りすがりに声を掛けてくれた人、親切にしてくれた人、身近な人には、爽やかスマイルを投げかける。心がけていても、余裕がなくなると、ついつい後回しにしてしまうのよね。スマイルにはスマイル返し。ひいては、不機嫌な人からでも、スマイルを引き出してしまうような、必殺スマイル（殺さないけど）を、身につけようと思っている。いつもニコニコ、爽やか、かわいいって柄ではないし（無理だし、けじめがつかないし）、それじゃ、「硬派しゃどう」の名がすたる。だから、「いつも」ではなく「たまに」、でも、心からのスマイルを。

さて、どうなるかな？

しゃどう。

＃＃今日の晩飯は、うに入りカルボナーラ。ヨーグルトケーキ（そろそろ古くなってきたかも）と、トマト（古くなってふよふよでしたが、味は変わらず）。しゃどう猫は、肝臓と鳥肉の猫まんま、でした。ただいま、虫、を、観察中です。

先頭 表紙