2001-12-18 アルバカーキ紀行 その３。
2001-12-18 アルバカーキ紀行 その２。
2001-12-18 アルバカーキ紀行 その１。
2001-12-15 餃子天国。
2001-12-13 試験が終わり。
2001-12-10 お祭り。
2001-12-08 こんぼーい。
2001-12-05 旅の薫り。
2001-11-30 ハンバーガー。
2001-11-28 ソケット。

で、今回の旅行の本当の目的は、今日の午後からのミーティング。教授が二人も一緒に来ているので、私はただにこにこしながら頷いていればいいかなと、思っていたのですが（＜-冗談ですよ、もちろん）出発直前に、「発表用のスライドを用意して来るように」とのこと。前日の夜に、慌てて印刷し直してきた。話す準備はまったくしていなかったんだけど、割と楽に話せた。会議室で、小人数だったから緊張の仕様もないのだけど。相当量の質問があったけれど、ボス二人が上手いことフォローを入れてくれたのでなんとか綺麗にまとまりました。ちょっと安心。

もう３年近くなるけれども、まだ、時々、英語が分からないときがあるから、こういうさりげないフォローは有り難く感じます。特にセロリ教授は、私が急いで論文を書いたり、スライドを作ったりするたびに、「しゃどうの英語、ＢＡＤ！」と、叱りにきます。わかっちゃいるんだけど、改めて言われると、意外とショックです。疲れてるのにいちいちうるさいな、なんて腹がたつこともあります。でも、英語が話せる、書ける、といっても、マイノリティーのサバイバル英語ではなくて、きちんとした英語が定着するように心がけなきゃいけない。だから、いい加減な英語を使ったときに、いつもいつも、口うるさく忠告してくれる存在は、有り難いの、本当はね。おかげで、だいぶ上達したし。（それでも、まだ下手だけどね）

予算の分配、私のバックグラウンドなど、もろもろの話をしたあと、相手方の未来ボス（？）がにやりっとして、「ふふふ、あれもやりたい、これもやりたい。みっちりトレーニングしてあげるからね！ い〜っぱい、習ってもらうことがあるからね〜♪ 眠らせないよ〜！」と。・・・トレーニングのし甲斐があるということでしょうか？ 何も知らなそうだから、たっぷり教えがいがあるということ？ さて、さらにプロジェクトが増えて、来年は更に忙しくなりそうです。

というわけで、しばらくテキサスへ、放浪の旅にでかけます。（充電中）

しゃどう。

先頭 表紙

そしてしばらく大人しく走っていると、小さなロッヂに到着した。「ここでスキーを借りておいで」と言いながら、セロリはいそいそと、スキー板を車から取りだし、サクサクと着替え、嬉しそうにそこら辺を滑りはじめた。これが楽しみで、あんなにスピードを出していたようである。「スキーなんて１３年以上してないし」と、渋りがちだったトマトも、スノーモバイルが借りれると聞いておおはしゃぎ。私も車の中で着替えを済ませ（さすがに外で着替えられるほどワイルドじゃない）、さっそく板を借りに行ったのでした。

クロスカウントリー用の小さなトレイルエリア。山奥にあるのと、シーズンが早いせいが重なってか、お客は私達だけ。山小屋みたいなところに、小屋の真ん中には木を燃料にした暖炉がある。髭と髪の長い、いかにも「山に住む人」みたいなおじさんが、サイズのあう靴と、板を、手際良く出し、装着するまで、丁寧に面倒を見てくれました。

いざ、トレイルに。気温は推定氷点下。雪用のジャケットを着込んでサカサカと滑る。クロスカウントリーは初体験。今までは、ダウンヒルのみだったので、基本は似ているんだけど、滑り心地はぜんぜん違う。結構体力いるのね、っと、思いながら滑っていた。

雪は今まで見たことのないような、さらさらのパウダースノー。手袋ごしに触ると、さらさらっと、そのまま流れていってしまうほど。風が吹いて木の間から、雪が太陽に反射されながら、キラキラと舞い下りてくる。雪は舞い下りた後、そのままふわっと座ったままで。本当に静かで、時折、車が通過する音はあるものの、風の音以外はなにも聞こえない。誰も踏み入れたことのない雪の上を、誰にも気兼ねすることなく、後をつけて滑る。んー、なんて贅沢！ 適度な運動が、体を温めて、血の巡りを良くして、外気が熱を静めてくれる。雪の上で転げまわっても、雪が解けないから、ぜんぜん濡れないの。


セロリ「熊が出たら、熊と戦って教授を護るのは、学生の義務だ！ いいね！」

しゃどう「・・・（あなた達の方が、熊よりも手強いわよ）」


小一時間程楽しんだ後、トマトと合流。３人で記念写真。デジカメのバッテリーが弱っていたので、車のアダプターから充電しながら撮ってもらう。その後、着替えるまもなく車に飛び乗って、残り３００マイル（４８０キロ）の道筋を急いだのでした。ホテルで、部屋に落ち着いたのは、２３時。シャワーを浴びて、すぐに寝ました。長い一日でした。

しゃどう。

先頭 表紙

ミーティングは無事に終わりました。終わった途端、現地解散。長旅（？）を共にした仲間たちは、家路に（８００キロあるのに・・・今から帰ると、到着するのは真夜中になるのに・・・）、更なる旅路に、それぞれ散っていきました。今は、アルバカーキのホテルから。まだ午後の５時をまわったばかり。アルバカーキには、大学が真ん中にあるくらいで、本当になんにもありません。観光は午前中に１〜２時間で終わってしまった。

暇・・・。

残りの半日は、ボーっとしたり、手紙を書いたりして過ごそうかと思っています。こういうのもいいかな。明日はどこにいこうかな？ 雪深いところに入りたくないので、テキサスの南の方でも探索しようかしら。ボスも別れ際に、「気が済んだら帰っておいで」と言ってくれているので、何時帰るかはまだ決めていません。そんなに長くは資金が続かないけどね。

朝８時半に待ち合わせをして、ＣＯＮＶＯＹは、はじまりました。もちろん、３人で３台の車。とっても不経済です。でも、これが意外と楽しい。車の中では、完全なプライバシー空間で、好き勝手なことをしながらも、なんとなく連なっている、気分は一体。サボテン砂漠から荒れ地に変わり、それから何にもないキャニオンに変わり、空が広くなる。地平線の先まで道がまっすぐに続いていて、対向車もほとんどない。太陽が東側から照らし出し、ゆっくり南に移動し、そして沈んでいく。夜になって広がる満天の星空。車のライトで、少し見えにくくなっているのを差し引いても、どこまでも深い空の色。星の密度が、いつもよりも濃くみえた。

途中で、雪を探してクロスカウントリースキーをしようということになっていたので、洲道を途中で抜け、山道を選ぶ。ここ最近の冷え込みで、気温は氷点下。日の当たらないところは、まだ雪が残り、スリップしやすくなっている。それでも豪快に飛ばすセロリの後を、好調に追いかけていたら、つるりと滑って、車ごと１８０℃回転。山壁の手前の雪の固まりの中にがしゃんとぶつかって止まった。後輪が滑って、制御を失ったとき、視界が忙しく動いた。止まるまでたぶん数秒あったとは思うけど、滑っているときにブレーキを踏んだら、余計回転するよなぁ、ハンドルも下手に刺激しない方がいいんだろうな・・・あぁ、やば、マワッテルヨ・・・で、ドン！ あぁ・・・やっちゃった。

数秒して我に返りました（さすがにちょっと動揺してました）。エンジンを掛け直すと、とりあえず動いたので、違うところに移動し、ダメージを確認すると、フェンダーのプラスティック部分が壊れていました。幸い、他の部分はダメージなし。ちょっと青ざめて駆け寄ってくれたセロリもトマトも、「あぁ、ただのプラスティックだね、すぐ直る！」とあっさり。何事もなかったように旅は続いたのでした・・・。もちろん、スピードはダウンしたけど。・・・安全第一です。

つづく。

しゃどう。

先頭 表紙

「餃子（ちゃおず）を作るから、遊びに来ない？」

っとチャイニーズの同僚からお誘いを受けた。皮は手作りできないけど、具は本格の中華餃子！ んー、もうっ！ 最高！ と、いそいそ、と出掛けました。ちょうどお腹が空いて、車の中から、餃子、餃子、と、浮かれて。

時間きっかりに辿り着くと、「さっ、始めようか！」

渡されたのは、大きな包丁と、籠いっぱいの白菜。・・・あれ？ あっ、そうか、作るところから参加できるのね。すっかり、食べるだけのつもりでいたわ。働かざるもの食うべからず、っていうもんね。キッチンで、中華料理の話をあれこれしながら、白菜を、微塵切りに、刻む、刻む、刻む。大きな出刃包丁だったので、手が疲れてくる。そしたら、右手から左手に持ち替えて（実は両効きなのです）、ダンダン、ダンダン・・・横で凄い音を立てて切っている同僚をちらりとみると、飽きてきたのか、まな板を切り刻む勢いで、叩き切っている。・・・豪快。

挽肉、野菜、調味料を入れて、ひとしきり混ぜたら、次は、一番楽しいだんぶりんぐ。実を言うと、物心がついてから、餃子づくりの手伝いなんてしたことなかったから、これがほぼ初めての餃子包み。皆の手つきを観察しながら、皺を丁寧に合せていきます。中華風は、ずんぐり、むっくり、で、座りがいいのが、格好いいらしい。何十個も作っていくうちに、私も、ちょっとは、格好いいのができるようになった。

料理法は、つるりんの水餃子、作りはじめて２時間後。皿に山盛りの水餃子・・・あれ？ 今日の献立は餃子だけですか？ あっ、よかった。焼き豆腐も！ 鍋から次々と上がってくる水餃子が、お皿の上で蒸気を勢い良く立てている！ んー、美味しそう！ お腹空いたな〜って、早速つまみ食いしたら、「お行儀悪い！」って笑われてしまった。中国では、全部の料理が食卓に揃うまでは、食べはじめちゃいけないんだって。んー、出来立てが、一番美味しいのにぃー。でも、我慢。

山のような餃子を食べまくって、お腹がいっぱいになった後は、しばらく、お喋りに華を咲かせていた。同僚の彼女は、渡米してから始めての学期。最初は、ほんとに大丈夫かなあ？ ってくらいだったけど、彼女の横顔には、少しだけど、逞しい表情が加わっていた。「そうだね、だんだん、良くなっていくんだよ」なんて先輩ぶって喋ってたけど、２年前の自分を想いだして、なんでかわからないけど、ちょっとだけ、切なくなった。

「しゃどう猫ちゃんに、餃子（ちゃおず）お土産に持ってかえってあげて！」と、猫ずきの同僚が、袋いっぱいに餃子を持たしてくれた。家に帰って猫のお皿にひとつ乗せてみたけど、翌日になっても、ひとくちも口をつけていなかった。固くなった餃子がそのまま残っていて、そして、しゃどう猫は、ちょっと不機嫌で、ギロッと睨まれてしまった。残りの餃子は、油でいためて、狐色になったところを今夜、ひとりで美味しく頂きました。明日の夕ご飯も餃子です。今度はゴマ油で炒めようかな？

グンット冷え込んできて、車にはびっちり霜が降りていた。北の方には雪が降りつもり、ふかふかの新雪で、あさっては気持ちよくスキーができるでしょう。３人で、３台の車でconvoy! 餃子の日、「詳しい話をしたいからすぐに電話して下さい。」とセロリ教授から留守電が入っていた。早速電話したら、眠そうな声で、「今、何時だと思ってるんだ！」と叱られてしまった。・・・はぁ、ごめんなさい。

しゃどう。

先頭 表紙

やっと、今学期の試験（持ち帰り）が全て終了。後は提出するだけ。なかなか取り掛かる時間がなくて、結局、直前になっちゃったけど。試験が終わったら、今度は溜まっていた山のようなリサーチの仕事が待っている。けど、今年ももうすぐ終わりで、ある意味、ひと区切りがついて、とにかく、とりあえず、嬉しい。お疲れ様でした。

冬休みは、ニューメキシコに行くんだよ〜っと言うと、誰もが怪訝な顔をします。バケーションじゃなくてビジネスなんだけど、っていうと納得。何があるの？ 何にもないの。でも、なにもなければ、のんび〜り、できるじゃない。今の私にとって、最高の贅沢は、旅に出て、何もないところに行って、何もする事がなくて、暇を弄ぶこと。

今、寒波が訪れて、アリゾナの山々は、雪化粧を始めました。北の方では、良質の雪でスキーができるかも。今年は、板を買いに行く余裕がなかったので、とりあえずレンタルで、でも、絶対に滑るつもりです。防寒具、買いに行かなきゃね。会議が終わったら、そのあと、数日間、ニューメキシコやテキサス、コロラド付近を放浪するつもり。行く先も決めずにその場まかせ、パソコンと携帯電話、車から充電できるＡＣアダプターも手に入れたので、オフィスワークもばっちり。頭と心を落ち着けて、今まで気になっていた論文を読んだり、報告書をかいたり、いろいろしながら、ぶらり旅でもしようかな、と。どうせやらなきゃいけないのなら、家に篭っているよりも、どこか違うところで、気分を一新させながらやりたいのです。そして、もちろん、気が向かなかったら、やらない。

今日は、昼休みのパーティーで、鍵をちゃらちゃら鳴らしながらジングルベルを唱えるサンタクロースに遭遇。明日は（今日か）友達のおうちにお呼ばれで、本格中華料理を頂く予定。冬休み中のどこかの週末には、グランドキャニオンにハイキングに行きます。今の時期、凄く寒そうだけど、天気が良ければ、キャニオンから見る星空、最高だろうな。

所々で気は抜いていたけど、本当に大忙しの年でした。カリフォルニアに、ハワイに、ニューメキシコに、合せて６回。年が明けて駐車違反切符で始まったロス、ひどい質問者にいじめられたビーチ学会、無難に終わったサンディエゴ学会、猫を膝に乗せて頑張った論文提出、最終試験（発表）前日の夕方に、教授に「結論と、序論を代えなさい、それからここが違っているよ！」と言われ、朝方まで必死にパソコンに向かって直したスライド、前夜祭に、卒業式、その次の日から研究室が変って新しい研究分野に挑戦し、遅くまで実験をしながら、それでも追いつけなくて参考文献や、辞書を片手に奮闘し、ただ終わっていった夏。パパイヤ中毒のハワイ、授業が始まって、更に忙しくなり、重ねてやってきたサンディエゴ学会。そういえば、新聞も、あったっけ。

て、連ねてみると、色々ありましたね。こなしている時は、もう、ときどきなにがなんだかわからなくなるけど、でも、今年は、ちょっと、頑張ったかなっと、思っています。いや、書いて見ると結構、頑張ってますね。ひまじん日記に書いておいてよかった。でも、まだまだ、追いつかない事、いっぱいあるから。今、確かにいえる事は、一年って、短いようで長いから、その気になれば、まだまだ、いろんな事ができるんじゃないかってこと。

来年は、更に忙しくなる、忙しいって言葉、あんまり好きじゃないから、する事がいっぱいある、くらいにしとこうかな。でも、チャンスは、いつでも受け入れられるように、研ぎ澄ました自分でいたい。

試験が終わって嬉しいです。

しゃどう。

先頭 表紙

４ｔｈ Ａｖｅｎｕｅで、お祭りがあった。小さな店が、ストリートの真ん中に所狭しと ならんでいる。インディアンアート、アクセサリー、Ｔシャツ、ジェム、焼き物、のお店が主。アーティストのお祭り。出店からは大きな肉の塊が、じゅーじゅー焼ける匂い。綿飴にホットドック、コーンドック。年に二回の恒例の催し物らしいのですが、３年近く住んでいたのに、今の今まで、全く気がつかず。

今回は、行き付けのベトナム料理屋で知り合った、地元のアーティストからのお誘い。なんでこんなに天気のいい日曜日にラボで働いているんだ？ ちょっと出ておいで、というわけで、ランチがてらに、散歩に行ってきた。

それにしても、週末に働いているからって、可哀相というのは、ちょっといただけない。画家は日曜日に絵を描いちゃいけないのかい？ 週の間は、授業があったり、宿題や試験とか、いろいろやらなきゃいけないから、実験できる時間が減っているの。その分を取り戻すのも兼ねて、好きでやってるんだから、別にいいじゃない！ 確かにやらなきゃいけない時もあるけど、たいていは好きでやってるんです！ まったくもう！

って、いう主張はおいといて、アートショウ、いったいどこからこんなに人が集まって来るんだろうってくらい混んでいましたが、可愛らしいアクセサリーや、風に晒されて賑やかな音を醸し出す風鈴、３ＤじかけのＴシャツ、ユニークな感性の彫刻、風で頭が揺れる亀や馬の人形とか、わくわくするような小店がたくさんあり、存分に楽しんできました。１時間ちょっとで戻ろう、なんてけちな事を考えていたのですが、結局、ランチを含めて３時間、歩き回ってきました。

あんまり買っていないけど、ひと際めについたのが、このビールの空缶で造った戦闘機。目もついてるし、コックピットも、羽も尾翼も、細かいところまで凝った造り、プロペラもちゃんと風にそよいで、勢い良く回るんですよ。店長の親父さんはタイ出身で、カリフォルニアにギャラリーを持っているのだそう。（記念撮影は、実験室のホットプレートの上で。温度は、４０度に設定してあります。）もうひとつ、手に入れたのは、輪ゴムの連射機能付きハンドガン、と、強化輪ゴムセット。空缶を並べて射撃して遊ぼうと。集中力の訓練にいいですな。

ところで、先日、日記にも書いた、５０＄札。財布を見たら、他には１＄札しか入っていなかったので、えーい、使っちゃえ！ っと、飛行機を買う時に渡してしまいました。お釣をたっぷりもらい、またしてもガサガサっと、そのまま財布の中にしまって、歩き出しました。その後、またラボでお財布を確認すると、そこには、またしても違う５０＄札が！・・・今回は１０＄札と間違えてしまったようです。妙な事って続けて起きるんですね。お祭りは今日で終わりだし、おじさんに会える当てもないし・・・どうしたものか？

でも、またしても、のんびりしてしまった。試験は、Take Home 版。ひとつの方は、ほぼ終わったので、あと、もうひとつの試験、残り５問。さて、間に合うかな？

しゃどう。

＃＃ お昼は、メキシカンで、ビーフエンチラダを。夜は突然食べたくなったフライドチキンをスーパーで買ってきて、軽く焼き直して食べました。サイドにはポテトとツナの焼き物と、生トマト、トマトスープ。しゃどう猫も、フライドチキンをかじって大喜びしていました。

先頭 表紙

先日書いた旅の薫りですが、セロリの提案で、convoy になりそう。convoyとは、車が連帯してドライブする、あれ、です。セロリは、荷物が大量にあること（機械とか自転車とか）、等を理由に、絶対に自分専用に車をキープしたい。と主張。それから、終わった後、どっかにこっそり消えていきたいみたい。孤高の人なの。喩えれば、悟りがちょっと開きかけた仙人か、天狗タイプ。あちこちに隠れ家があるみたい。いつも教えてくれないのだけど。神秘に溢れた人だ。昔、学会で一緒にお昼をとった時、同席になったセロリの仕事仲間が、セロリが席を外したときに、一言だけ私にぽつり、っと、言った言葉が印象的だった。

「彼は、いつも雲の上から僕らを見ているんだよね・・・」

・・・よくもわるくも、かな？ 私はこういうマイペースなひと、好きなのですが。

トマトは、その直前まで、往復６日かけてボストン往復ドライブをするにもかかわらず、まだまだ運転したいと主張。アメリカ大陸を縦横に往復横断して、それでもまだ走り足りないのだから、よっぽど好きなのでしょう。彼の運転は荒い。スピードは出す、車間距離は詰める、急発進、急停車、よく道に迷う・・・。ちょっと込み合った高速道路で車線を変えるときには、「ひゃっほー、いやっほぉ〜！」と、いちいち奇声を上げて大喜び。今まで、一度も事故ったことがないのだから、よっぽど運がいいんだろうな。

何度か同乗したときには、横や後ろに座って、ずーっとブツブツ文句攻撃をかけていたのですが、まったく効果なし。トマトは、気前が良くて、面倒見がよく、みんなで一緒に何かをするのが大好きなタイプ。「じゃぁ、わたくし、所要がありますので。」とこっそりひとりで消えようとすると、「待て！」といって、ついて来るか、引き止めるか、と、なかなかひとりにしてくれないくらい。大人しくしていれば、行きたいところの道順から、ホテルの手配から、飲み物から食べ物から、なんでも面倒見てくれる、親切な人なのだ。でも、ハンドルは絶対に手放さない。ガキ大将なおっかさんタイプ。

・・・でも、私は、あんまり構われすぎると、逆に気疲れしてしまうので、放っておかれる方がいいかな。一緒にいると楽しいんだけどね。私も、大のドライブ好きだし、ニューメキシコは、まだ走ったことがないから、自分の車を出したいのが本音。サンタ・フェとかも、行ってみたいし。

やっぱり、車はひとり一台、バイクのツーリングみたいに連なって、荒野を走るのかしら。それもいいかも。

しゃどう＠試験終わってないのに、気分だけ先にのんびり。

＃＃夕食は、鮭雑炊に。溶き玉子と、お餅を加えました。ねぎとほうれん草は別茹でにした方が、美味しゅうございます。しゃどう猫は、お魚系ねこまんまでした。でも、どうやら気に入らないらしい。半分以上残っています。

先頭 表紙

今日で講義も全て終了。残すは期末テストのみ。今年はお疲れ様でした。

先月、セロリ教授（しゃどうのもうひとりのアドバイザー、ボスが二人もいるのです）が、大きなグラントを取ったので、急遽、今月半ばにニューメキシコへ出張！ が決まりました。そこの研究所の人達と、セロリ、トマト、しゃどうの面々で、私の論文のテーマを決めるのが目的。特別手当も少しつくようになるので、私のささやかなお給料も少し、上がります。

粗相のないように、正装した方がいいのかしら？ なんて、ちょっとドキドキしていたら、セロリ教授からメイル。

「一緒に行こうよ。で、ニューメキシコまでの道のりで雪があったら、スキーしない？」

「雪が降るように祈ってましょう。今日は寒いから今のところ大丈夫かな？ 日本には雪寄せの踊りとかないの？ 猫を寒いところにおいておくといいんだってね。」

ね、猫？？？ 猫のくだりは、よく分からないので放っておいたら、
数時間後にまたメイル。

「やっぱり、猫が効くんだよ、外に猫を出しておきなさい。」

いいな、猫だぞ、猫！ だそうです。返事が欲しかったみたい。すっかり遠足気分ではしゃいじゃってます。でも、なぜに猫なのか？

ついでだから、トマト教授も誘っておくか、と、ただいまボストンに出張中のトマトに「一緒に来る？」と、簡単にメイルを入れておいた。

１５分後・・・

「行く行く。俺が運転する、へぇ、スキー！！！」

びっくりマークが三つくらい並んでいて、興奮具合が伝わってきた。それにしても、なんて返事が早いんだろう。他の事を聞いたときは、なかなか返事をよこさないのに。

英国紳士のセロリ（５０代半ば）と、中東紳士のトマト（３０代半ば）、大和撫子（忍者の方が似合っているかも）のしゃどう（２０代半ば）。というわけで、奇妙な組み合わせの３人旅。

今度はどんな事が起こるんでしょうか？

しゃどう。

先頭 表紙

ファーストフードのドライブスルーでハンバーガーを買った。
レジの兄ちゃんが顔を出して、

「クレジットカード、間違ってちょっとオーバーチャージしちゃった・・・
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ多いの、でもちゃんと現金で返すから・・・」

と、申し分けなさそうに。仕方ないのでＯＫして、サインしようと領収書を受け取ると、なんと、５３．６０＄、ケタひとつ間違えたのね。それにしてもたいそうな値段の昼飯だこと。サインすると、兄ちゃん、ガサガサってレジをあさって、たくさんの紙幣を返してくれた。急いでいたので、ろくに確かめずに助手席に置いて、走り去ったのですが。

オフィスに戻って、残りのバーガーを食べ追えた後（我慢できないので、車の中で大半は消えてしまう）、なにげなくお釣の額を確認したら、５０＄紙幣が一枚混ざっている・・・？ 計算してみると、＄２０札と、＄５０札がすりかわっているみたい・・・。

こういう場合はどうしたらいいのでしょう？ 返しにいくにも、半端に遠い距離にあるし、違う人に事情を話したら、あの兄ちゃん、余計に怒られそうだし。それにこの５０$札、顔の所に落書きがあって、何だかみすぼらしいんだよね（関係ないけど）。

というわけで、数時間が経過した今、財布に入れかねた５０＄札が、机の上に転がっています。

しゃどう。

＃＃昼ご飯が遅かったので、夕食は、軽めに掛けそばと、ねぎ。玉子も落としました。しゃどう猫は、まぐろと海の魚の猫まんま。

先頭 表紙

ラボに戻ったら、早速、機械の修理がまっていた。付属のポンプが未だにごねている、高級機械のジョニー君。前のポンプがうんとも、すんとも反応しなくなったので、しかたなく違うポンプと交換することに。１０インチの大きなポンプ、目方は１３５ポンド、モンスターだ。４人掛かりで、ぎゃーぎゃー騒ぎながら交換したものの、まだ、なにやらうまく働かない。ポンプ内部に汚れが溜まっているせいなのか、それとも絞めが甘くて空気がもれているのか、もしくは、ポンプそのものが壊れているのか？

ってところでサンクスギビング休暇が始まってしまったのだ。休みが明け、他の学生は授業の最終週が近づき、大忙し（私だってそうだ。）、トマトボスは、出張でボストンに。しかも３日かけて車で行くつもりらしく、昨日、大騒ぎしながら出掛けていってしまった。で、にわか技師しゃどうが、ひとりで作業しているのである。そういえば、ポンプを付けるとき、サイズの合うソケットが見つからず、結局、レンチで代用したのを思い出した。それでネジの絞めが甘いのでは？ 試しに、レンチを持ち出して、思いっきり動かして見たら、私の力でも、少し動いた。ポンプの位置が低いので、上手いことレンチが入らず、滑って上手く力が出ない、だから、ちゃんとしたソケットが手に入れば、きちっと締まるかも。しかしながら、サイズがほんの少し規格（？）より大きいのか、エース（ハードウェアのお店）では売っていなかった。

そこで、頼れるスーパー技師、スピナッチ君に電話で相談。

しゃ：「あの、でかいソケットもってる？ 売ってるところしらない？」

スピ：「ソケットってなに？ 言っていることがわからないんだけど。。。」

しゃ：「だから、あのドライバーをぶっさしてカチカチスクリューをまわすやつ。」

スピ：「ん・・・？」

しゃ：「だから、ソケット、ｓｏｃｋｅｔ！」

スピ：「あぁ、もしや、スァーッケット！？」

しゃ：「・・・スァーッケット！・・・」

まだまだ発音の悪い、偽技師しゃどうでした。

スピナッチ君には、いつも感謝しております。

−−−

その後、別の部屋に入ると、またしても現れた、気になる水溜まり。今学期に入ってから、４度目の漏水、ひたひた、っと、溢れた水が、床に溜まっていく・・・。

発見が早かったから、池にならずに済んだのね。前回は、隣りの部屋まで溢れていました。今回は、チューブとパイプを繋いでいる個所のネジが緩んだだけだったので、ぎりりっと締めて修理完了。

「わったしは〜♪ 可愛い街の修理屋さん〜♪」

誰もいなかったので、自作の変な歌を歌いながら、溢れた水の掃除をしていました。

−−−
しゃどう＠今日は（も）ちゃんと働きました。

＃＃夕食は、まーぼう豆腐と、サラダ。しゃどう猫は鱈猫まんまでした。

先頭 表紙