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ナライフの「怒涛の映画&サッカー日記」

サッカーも映画も前世紀に大いなる飛躍を遂げました。さて、この新世紀、この2つはどう進んでいくのでしょうか?誰も分かりません。でも好きなんです。

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2003-08-27 アメリカ映画を愛すること
2003-08-06 レアル、ベッカム、FC東京
2003-07-08 CGと映画と。 〜その3〜
2003-07-08 CGと映画と。 〜その2〜
2003-07-07 CGと映画と。 〜その1〜
2002-12-18 azzurriさんとトヨタカップを観る!
2002-12-05 トヨタカップ観戦記 第一弾!
2002-11-19 予想しちゃいました
2002-10-18 北野武監督の『Dolls』を観る
2002-10-02 どうしたバイエルン!!


2003-08-27 アメリカ映画を愛すること

 中東地域での乱暴狼藉の限りが許されるものでないとしても、アメリカ映画を愛する姿勢だけは崩さぬつもりでいる。アメリカ映画はとうの昔に「国連決議」など無視して地球規模での一国支配を貫徹しているのだが、そのことさえ、映画のためにはよいことだと強弁する心の準備もできている。にもかかわらず、「アメリカ映画は面白い」と断言するにふさわしい作品が、9.11以降あまり見あたらない。スコセッシやスピルバーグの新作も、こうした大言壮語を正当化し得るとはとても言い難い。
 幸いなことに、そんな当惑を晴らしてくれる作品が東海岸からやってきた。トッド・ヘインズ監督の『エデンより彼方に』。主演のジュリアン・ムーアがやたらと評判がよいが、この作品を話題にしつつ「だからアメリカ映画は面白い」と大っぴらに吹聴できるのは、ヘインズのあなどりがたい演出の力による。製作は、女性プロデューサーのクリスチーヌ・ヴァション。大学で映画記号論を一緒に専攻していた戦友のヘインズとヴァションは、独立プロを軌道に乗せ、満を持して発表したこの新作でついにハリウッドをひざまづかせた。
 題材を名匠ダグラス・サークから借りた50年代風のメロドラマを今頃リメークするというあざとさを、真っ当な真剣さで処理してみせたその姿勢は驚愕ものである。低俗なコメディになりかねない題材でありながら、構図を意識させないショットを滑らかにつなぎ、いざという瞬間には途方もないクレーン撮影や深いフェイドアウトで物語にアクセントを添えるという演出には、タランティーノやウォシャオスキーのような軽薄さなど影すらも無い。主題のあざとさは、演出の真摯さによって初めて人の心をうつという古典的ハリウッド映画の矛盾律がいまなお有効に機能しうることを、ヘインズは、郷愁に足をすくわれることなく律儀に立証してみせた。
 この映画が題名の書体までをもモデルとしている『天はすべてを許し給う』(55)は、50年代の地方都市を舞台にした悲恋物語である。撮影時には同時代的な現象だった保守的な階級社会をシニカルに批判し、季節や樹木の魅力を巧みにあしらったサークのオリジナルは文句なしに素晴らしい。ただ、ジェーン・ワイマンのヒロインが魅力に欠けていただけに、その役にジュリアン・ムーアを抜擢した当作には素直に喝采を贈りたい。彼女がまとうドレスや髪型からインテリアの調度品、自動車にいたるまでの贅をつくした50年代調は、パロディーの一歩手前で踏みとどまる監督の自制心によって、リメイクがオリジナルを超えるという貴重な例外を立証してみせている。
 そして、さらに重要なのは、『エデンより彼方に』が、戦争とも征服とも抗争とも無縁に自国の歴史を描いた数少ないアメリカ映画の一つだということだ。『シカゴ』や『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のように、郷愁や好奇心である一時期を再現するのは「時代劇」でしかないが、これはまぎれもない「歴史映画」なのである。1950年代という、ハリウッド映画が崩壊し始め、ニコラス・レイやジョゼフ・ロージーといった屈折した天才を生んだ変容の歴史を、距離の意識をこめたメロドラマとして描いたヘインズの大胆な繊細さには、深い驚きと嫉妬を禁じえない。
 私の最も愛するアメリカ映画は1930年代を頂点として、既に1960年代初期に崩壊していたのだが、それでも未だに傑作を生んでいる。たとえその頻度が落ちてもやはり私にとっての映画の原点はアメリカにある。年老いたアクションスターが知事に立候補しようが、中東に新たな帝国覇権を築こうが、その1点のみにおいて、私はアメリカ映画を愛する。

先頭 表紙

今年はやっと2作を映画館で観ました。来年はもっと増やそうかな。やっぱ、ビデオだとシッカリ映画は観れないからね。 / 夢樂堂@御祝いメッセージありがとう ( 2003-12-03 10:45 )
りゃん吉様、お疲れ様でした。ロナウド!お世辞でも嬉しいです。有難うございます。足、やっと普通に歩ける状態にはなりましたが、まだサッカーは難しいようで、リハビリ中です。そう言えば、ロナウドも怪我を克服したので、僕も… / ナライフ ( 2003-10-23 11:38 )
この間フットサルでお疲れさまでした。 ナライフさんの突破力・・ロナウドを彷彿させます。ところで足は完治されたんですか?  / りゃんきち ( 2003-10-22 22:51 )
夢樂堂様、その3作、どれも面白いですね。いわゆる古典的なハリウッド映画が崩壊しかけている時代を象徴するような作品ですね。 / ナライフ ( 2003-10-21 09:23 )
夢樂堂のアメリカ映画との出会いは『暴力教室』、『波止場』、『ハスラー』など。まだ、幼児なのに叔父に付き合わされて行きました。東映や東宝系の邦画上映館は遊び場、でも洋画館では神妙になっていたのはなぜだろう。 / 夢樂堂 ( 2003-10-17 17:40 )
フィー子さん、是非観てくださいね。撮影も見事なので出来ればスクリーンの方が楽しめますが、もちろんTV画面でも! / ナライフ ( 2003-09-09 09:24 )
ナライフさんらしい文章を読むだけで嬉しくなってしまうのは私だけではないはず。映画館に行かれないので先になってしまいますがいつか必ず見ます!! / フィー子 ( 2003-09-05 18:44 )
エスカルゴ様、アジアは、『英雄(HERO)』みたいな派手なものも例外的にありますが、日本で接している限り、アメリカやフランスより遥かに水準が高いと思います。中でも僕にとっては台湾のホウ・シャオシェン監督とエドワード・ヤン監督、そしてイランのアッバス・キアロスタミ監督は別格の存在です。また、数ヶ月前に公開されていたパレスチナ映画『D.I.』が、マトリックスばりのアクションを見せる驚異的な映画でしたよ。 / ナライフ ( 2003-08-28 15:10 )
ガス欠コイン様、1940年代も勿論好きです。天真爛漫で完璧な傾向の30年代に比べると、戦争の影響でしょうが、一癖変わった作品が現れ始めたのが40年代という印象を持っています。また、戦争を避けて渡米してきた欧州映画人が活躍しましたね。 / ナライフ ( 2003-08-28 15:06 )
azzurri様、有楽町でやっているようですよ。是非行って下さいね。 / ナライフ ( 2003-08-28 15:02 )
最近のアメリカ映画は「派手」なのが多くて苦手です。スケールの大きさは認めますがそれに頼りきっているような気がしてなりません。案外、「質素」なアジア映画が結構お気に入りです。 / エスカルゴ@PH ( 2003-08-28 14:00 )
見事な文章にぐいぐい惹きつけられました。『エデンより彼方に』か。一見の価値ありですね。僕は1940年代のアメリカ映画が好きかな。成人してから、アメリカは戦争中にこんな映画をつくっていたのかと愕然とさせられたものでした。 / ガス欠コイン ( 2003-08-28 13:26 )
この夏、どの映画よりも一番観たいと思ったのが『エデンより彼方に』でした(まだ観ていませんが)。ナライフさんの日記を読んで、さらに観に行きたくなりました。ヴィデオデッキを接続したら、一番に古い映画が観たいな〜、、、 / azzurri ( 2003-08-28 12:54 )

2003-08-06 レアル、ベッカム、FC東京

 えてしてその道に通じた者たちには通じた者同士の目配せとでもいうべき共犯者意識が芽生え、無意識的にせよ、通じていない者たちを自然によそ者扱いし、「分かる奴には分かる」という排他的集団を有形無形に組織しがちであることは、こと日本に限ったことなのか、全世界的に共通のことなのかは定かでないが、どうやら通常のことのようで、ある時まで一部の「通じた者たち」の間でしか流通していなかったテーマが、急激にメジャー市場に流通し始めたりすると、「通じた者たち」は決まって苦虫をつぶしたような表情を浮かべながら、「あいつらは分かっていない」と言いたげな若干の侮蔑と「俺は昔から通じていたんだ」と言いたげな若干の自尊とを奇妙にブレンドさせた複雑な心情を抱くようである。
 「俺はワールドカップを○○年の大会から見始めているんだよね。」という言葉がかりにあった時に、○○の空欄に「98」という2文字が入るようでは、恐らくこの排他的集団には入れないだろう。あるいは例え見始めたのが98年でも「あの大会の最高のゴールは、オランダVSアルゼンチン戦のベルカンプの決勝ゴールだと思う。」などと言えば、発言者はたちどころにその集団に歓迎されるだろう。(ねえ、フィー子さん!)こういった「分かる奴には分かる」という感覚は、恐らく誰もが自分の得意分野で持っているものなので、その感情の発露自体の良し悪しを言う気はさらさらないのだが、さて昨夜の「ドリームマッチ」にはどんな思いが交錯しただろうか。
 メジャー路線の視点に立てば、とにかくベッカムを主語として、彼のサッカーも含めた全ての言動に焦点を当てることになるが、「分かる奴には分かる」路線に立てば、主語はレアルのサッカーということになり、更には、前者の過激な盛り上りぶりを冷めた目で見て批判するという、ズバリ排他的な意見となる。
 前者の報道が多いのは一目瞭然。まあ、レアルだって興行主だってそれを見越してこんなツアーをやっているわけだし、様々な思惑が絡んだ多方面各位の商魂にむしろ頭が下がる思いである。一方、後者の報道も、例えば「識者はこう見る」みたいなコラムで評論家と名乗る方々が、ベッカムはうまく機能しないのではないか、とか、レアルの守備はこれでいいのか、とか、ベッカムよりはジダンだ、とか、まあ、それぞれそれなりに正当性のあることを言っており、いいのだが、今回僕なりに一番鼻持ちならなかったのは、昨日のFC東京とレアルの試合そのものを巡る報道である。特に識者たちの報道である。
 会場には足を運んでおらずTV観戦だったので、競技場での状況は分からないが、なにせメディアはレアル一色。何故FC東京を盛り上げないのか?航空機事故があると真っ先に日本人の乗客の有無に拘泥し、海外に移籍した日本人プロ選手ばかり追い掛けてチーム自体に目もくれいないあの自国中心のメディアが、である。レアルにとってはアウェーゲームのはずだが。あれだけ日本代表のことは取り上げるメディアが、親善試合とは言え、ベッカムとレアル一色であったように思う。ジーコの、日本代表の強化はJリーグから、という至極真っ当なことがメディアに出来ていないのに、日本代表の数少ない試合結果だけで持ち上げたり批判したるするのは本末転倒だと思う。全ての報道に目を通したわけではないが、こと昨夜の試合に関しては、「分かる奴には分かる」路線の方々までもがレアルにばかり目が行っていたような気がする。ただのファンならともかく評論家を名乗るならせめて、自国のチームへの意識に自覚的であって欲しい、と思う。それこそレアルの戦略にはめられていない?

先頭 表紙

自己ツッコミで申し訳無いのですが、↓の投稿、もちろん「You'll walk never alone.」ではなく、「You'll never walk alone.」です。失礼しました。 / nis ( 2003-09-30 00:42 )
昨日はありがとうございました。レアル戦見に行きましたが、その日が一番「You'll walk never alone.」を燃えて歌えた気がします。バックスタンドで見ていたのですが、周りの白い人達は本当に静かでした。レアルサポーターも事前に打ち合わせるなりして何らかの応援をすれば良かったのにと思います。あと、FC東京は普段のJリーグの試合でもめったに主語として報道されない事を付記しておきます。 / nis@We are Tokyo! ( 2003-09-30 00:36 )
フィー子さま、ベルカンプは印象に残る難度の高いゴールが結構ありますよね。ラウール、ゴールはありませんでしたが、良かったですね。 / ナライフ ( 2003-08-12 12:03 )
いやーあのベルカンプは今思い出してもにやにやしてしまいますねえ。あ、そうじゃなくて。えーとあの試合、私はこれだけレアルを見てきているのに意外とFC東京やるなあという感じで見ておりましたよ。強い相手だと嬉しいですよね。とばしすぎなくらいきびきびしていました。最後は疲れていましたが。ベッカム、中盤の底やってましたね。ほんといっそのことDFもやってくれないかなあ。ラウールらしいプレーも見られましたね。 / フィー子 ( 2003-08-11 11:54 )
杏綬 さん、ご無沙汰です。TV放送の、各選手のアップが映った時に出る、選手紹介のテロップも酷かったですね。 / ナライフ ( 2003-08-08 13:39 )
お久しぶりです。関西は阪神線が雨で中止だったおかげで観戦できました。F.C.東京は、ケリーと石川と徳永がいない状態だったということは(怪我と遠征)、あまり知られていないんですよね。(だから負けたとは思わないけど)しかし、茂庭の経歴をU-20代表と書いているには脱力しました。本当はU-23です。所詮、そのくらいなんです。 / 杏綬 ( 2003-08-07 22:40 )
ガス欠コインさん、ご無沙汰です。やっぱり会場ではFC東京のサポーターが来ていて必死に応援していたようですね。行った人間から聞きました。若干ほっとしました。 / ナライフ ( 2003-08-07 14:20 )
KATSUMI様、ああ、なるほど、納得です。目論みは外れましたが、先に先制点取ってレアルを本気にさせたい、という原監督の言葉は真っ当だと思いました。 / ナライフ ( 2003-08-07 14:18 )
八百八六助様、確かに味の素スタジアムでやればいいのに、同感です。ま、勿論、都内会社勤めの人間を集客するのに国立が便利だったんでしょうが、この人気なら郊外でもどうせ満員だったでしょうしね。 / ナライフ ( 2003-08-07 14:16 )
azzurri様、2回も有難うございます。今回チケットを取って頂戴、という声が多く、正直びっくりしていたんです。普段はサッカー観ない人までリクエストしてきたりして。しかも全然取れなんですよね。 / ナライフ ( 2003-08-07 14:12 )
すっかり、ひまじんから姿を消しておりました。う〜ん、するどく納得。ただ、報道はろくにしてもらえなかったものの、FC東京の応援には、感ずるものがありました。 / ガス欠コイン ( 2003-08-07 13:55 )
路線の人だと思うので、一言(笑)。昨日もっとも面白かったのは、時間の経過につれFC東京が上手くなっていったところでした。パス出しや個人技での勝負が、レアルの速さに近づいていったのです。強化のポイントは強い相手と試合すること、と改めて実感しました。・・・というような報道は見かけませんでしたね(苦笑)。 / KATSUMI@適度に活動中 ( 2003-08-07 01:50 )
朝のラジオでの取材では,徹夜してまで並んだ人たちの口からベッカムのベの字も出なかったのは,そういうことなのでしょう.FC東京,何で国立なんかでやったんだろう.味の素スタジアムでやれば良かったのに.少なくとも,屋根広いのに.そういうところが今ひとつ応援出来ないのです. / 八百八六助 ( 2003-08-06 23:13 )
おまけにFC東京の選手たちまでもが浮かれポンチ気味だったとか・・・興行者の意図は「集客」だけだったのか?それともFC東京の名前を売る事も考えていたのか?テレビを観る気にすらなりませんでした。 / azzurri ( 2003-08-06 16:41 )
おまけにFC東京の選手たちまでもが浮かれポンチ気味だったとか・・・興行者の意図は「集客」だけだったのか?それともFC東京の名前を売る事も考えていたのか?テレビを観る気にすらなりませんでした。 / azzurri ( 2003-08-06 16:41 )

2003-07-08 CGと映画と。 〜その3〜

 それにしても、と思う。CGという優れた技術は、従来は見せ得なかった映像を作ることが出来るわけだが、それを見せようとすることに作り手の主眼が置かれると、途端につまらなくなってしまうことが、『エピソード2』にも『リローテッド』にも言える、と。それは、ジョージ・ルーカスが、あるいは、ウォシャオスキー兄弟が、例えばヒッチコックの映画を真剣に見てさえいれば、「見せること」が大事なのではなく「見せないこと」が大事なのだという、映画の「真実」を会得していても良さそうなものなのに、「見せること」の誘惑に抗しきれない弱さが露呈してしまっているということだと思う。ウェルメイドな作品だと感心はするが感動はできない『たそがれ清兵衛』の山田洋次監督の場合は、精巧な時代考証とそのリアルな再現に力点が置かれていて時代錯誤の感が否めず、同じ真田弘之を主演に迎えた時代劇ということでは岡本喜八監督の『助太刀屋助六』(2001)の荒唐無稽さの方が、僕には遥かに好感が持てるのである。
 最近はデジタルカメラを用いた映画でも、例えば黒沢清監督『アカルイミライ』のような魅力的な作品が登場しており、ヴェンダース監督の『夢の涯てまでも』(1991)での壮大な失敗から約10年を経た日本の映画作家が、デジタルならではの明瞭な画面を敢えて見せずに、逆に画面の多くを黒さで占めさせ、かつ、ざらざらとした粒子の粗い画面作りをしながら、その中に物語の核となる水槽とクラゲを透明で明るい色で見せていくあたりなど、ヒッチコックがかつて『断崖』(1941)のクライマックスシーンで、物語上サスペンスの核となるグラスに入った牛乳を際立たせるために、実際にグラスの中に豆電球を入れて、暗い夜の階段を上るケイリー・グラントが持つ牛乳を白く浮び上がらせたシーンを思い起こさせ、強く感激した。
 「見せること」と「見せないこと」との峻別は、テクニックではなくて倫理の問題だと思う。それは、ヒッチコックを敬愛しヒッチコックのような映画を作りたいと思っているらしいブライアン・デ・パルマが、「見せること」にばかり執着してしまっているのに対し、ヒッチコックほどの出来ではないにしてもスピルバーグが『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』で手際良くこなしたさまは、「見せないこと」を意識した演出をしているところによるところが大きいと思うのだ。スピルバーグもその前作『マイノリティ・リポート』でCGをふんだんに使いそれを「見せる」ことに傾注してしまって言わばテクノロジーの犠牲となってしまっていたので、徹底した倫理観の持ち主ではないとは思うが。
 そして、思うのである。現代のアメリカ映画界で恐らくその倫理が最も徹底しているのがクリント・イーストウッドであり、彼がこれまで周到に避けてきているデジタルやCGを用いた時にどんな作品ができるのか、と。彼の新作『MYSTIC RIVER』がどんな映画が何の情報も無いが、いつか撮ってくれないかなあ、と思う今日この頃なのだ。

先頭 表紙

一昔前の特撮モノを観ると不自然な合成等恥ずかしかったりしますけど、今の映画のCGも10年20年経てば技術面だけ見れば恥ずかしいものになっていくと思います。そういう点でも技術の新しさなどとるに足らないものだと思います。 / ナライフ ( 2003-08-07 14:25 )
同じく上司に薦められ、『リターナー』を観ました。確かにパクりだらけの感は否めませんが、私もあの荒唐無稽さが好きです。上司は『ジュブナイル』の方が面白いと言っていましたが。進化したテクノロジーに頼りすぎて、そればかりを見せようとする作品は見終わった後の感動が薄いような気がしています。おかげで、最近CGのアラ探しをしてしまって(笑)。 / azzurri ( 2003-08-06 12:36 )
エスカルゴさま、『リターナー』は色んな映画のパクリだらけだと批判する声もありましたが、そもそもパクリは悪くないと思いますし、あの荒唐無稽さが好きです。 / ナライフ ( 2003-07-10 17:44 )
『リターナー』は僕も見ました。岸谷五郎の怪演が素晴らしかったと思います。金城武も結構好きなので、見てしまいました。しかし、あの映画はCG使いまくりでしたね(笑)。 / エスカルゴ@PH ( 2003-07-10 15:17 )
エスカルゴさま、ご無沙汰してしまいました。『ジュブナイル』は残念ながら観てないんですが、同じ山崎監督の『リターナー』は結構面白かったです。これもCG使いまくってましたね。 / ナライフ ( 2003-07-09 18:50 )
おお!!お久しぶりです!!お待ちしていましたよ。CGと言えば「ジュブナイル」とかを思い出します。すみません。ありきたりな発想で。 / エスカルゴ@PH ( 2003-07-09 14:31 )

2003-07-08 CGと映画と。 〜その2〜

 そんなことはない、ハワード・ホークスが映画における音を、ヴィットリオ・ストラーロが映画における色を、フィルムに魅力的に定着させたように、CGだってその技術そのものを画面に定着させることができる、と言わんばかりにCGを見事に使いきった作品が、この春、渋谷でひっそりと公開されていた。この作品、フランス革命真っ只中のパリを生き抜く英国人貴族女性を描いているのだが、実はセットを組むのでなく、当時のパリが描かれた油絵の中に俳優たちをCGで組み込ませてしまっているという、破天荒な試みをしているのである。作品の名は『グレースと公爵』。監督は今年83歳になるというエリック・ロメールである。18世紀末のパリが舞台という、いわば歴史劇なのだが、その再現にあたって、「よりリアルに」CGを使うのではなく、油絵という明らかにフィクションに向けて逆説的にCGを駆使している試みは、例えば、当時の装置を精緻に再現して「らしさ」を生真面目に追求することが「真実」に近づくことだと思っているらしい山田洋次の『たそがれ清兵衛』よりも遥かに映画に忠実であると思う。
 テクノロジーを手段としてでなく、映画そのものの倫理として用いること。そこに初めて、テクノロジーの進歩と一体化した映画の進歩があるのだと思う。例えば、キャメラの長廻し。作り手がそこに作り手としての刻印を見せたい時に使われがちな技術で、無駄に長廻しのショットを駆使して監督としての作家性を誇示しがちではあり、ブライアン・デ・パルマ監督の『スネーク・アイズ』(1998)の冒頭シーンなどはまさにその典型だったが、やはり今春、渋谷でひっそりと公開されていた、アレクサンドル・ソクーロフ監督の『エルミタージュ幻想』は、世界遺産に認定されているエルミタージュ美術館を舞台に、ロシアの近世から現代に至る300年の歴史を、綿密な下準備の後、ハイビジョン・カメラを使い、90分ワンカット、編集なし、本番一日という条件で撮影された、それだけでも画期的ではあるが、それが映画として瞬きするのも惜しいくらいな面白さなので、ハイビジョン・カメラという新たなテクノロジーが長廻しという技術とともに映画を一層輝かせているなあ、と思う今日この頃なのである。

先頭 表紙

azzurri様、『エルミタージュ幻想』は素晴らしい!ですよ。よくこんなもん、作ったな!という感じです。 / ナライフ ( 2003-08-07 14:23 )
お忙しいのに、単館系の映画まで・・・『エルミタージュ幻想』はとても観たかった映画のひとつです。 / azzurri ( 2003-08-06 12:26 )

2003-07-07 CGと映画と。 〜その1〜

 映画は1920年代末に音を持つようになり、30年代には白と黒以外の色を持つようになり、50年代には横長の画面を持つようになり、といった具合に、テクノロジーの進歩とともに、その表象技術を豊かにしてきた。映画がサイレントのままだったら登場人物が喋りまくる『ヒズ・ガール・フライデー』(1940)を見ることはできなかっただろうし、モノクロのままだったら『オズの魔法使い』(1939)や『シェルブールの雨傘』(1963)や『DOLLS』(2002)は誕生しなかっただろうから、私たちはより豊かな映画環境にあると言っていいのだろう。『スターウォーズ』シリーズも、1作目と最新作とを比べると特殊効果の観点から言えばCGの進化に伴いその進歩は圧倒的である。
 映画自体が産業革命による産物であることが象徴的だが、映画は常にテクノロジーの進化と共にあり、変化し続けることをその誕生から内包していると言って良いのだと思う。産業革命以降、西欧中心に科学の進歩とともに飛躍的な発展を遂げたことになっている「近代文明」の産物のひとつである映画は、その表象技術が絶え間無く進歩しているメディアなのである。
 だが、しかし、と思う。今銀座でリバイバルされているチャップリンの映画が今年制作された映画の多くより断然面白いこと、『2001年宇宙の旅』(1968)が『マトリックス』より断然面白いこと、『スターウォーズ』や『スターウォーズ・エピソード2』よりも、その下敷きになったとされる黒澤明の『隠し砦の三悪人』(1958)の方が圧倒的に面白いこと。それは必ずしも技術の進歩と映画の進歩が呼応するわけでないことを教えてくれる。果たしてほんとうに私達をとりまく映画環境はより豊かになっているのだろうか、と。
 私には『マトリックス・リローテッド』(2003)が、その技術の進歩を証明こそすれ、映画の進歩を示した作品たりえていないという印象を持つのは、例えば世界初のワイドスクリーン映画『聖衣』(1953)が映画の進歩には何の貢献もしなかったことや、日本初のカラー映画『カルメン故郷に帰る』(1951)が木下恵介監督作品の2年前のモノクロ作品『お嬢さん乾杯』に比べて些かキレに欠けていたことを思い起こさせる。果たしてCGをふんだんに用いた映画でその技術進歩に見合うだけの面白さを持った映画に出会うことはないのではないだろうか、という懸念さえ湧きかねない。
 『千と千尋の神隠し』は確かに面白かったとは思うが、その面白さにCGが貢献していたわけではない。『マーズアタック』(1996)の面白さは監督ティム・バートンの趣味によるところが大きくそこで使われたCGによるものではない。映画にあってCGは、要は非現実的事象をよりリアルに見せるための道具としてしか使われておらず、それは、サイレント→トーキー、モノクロ→カラーという進歩が、よりリアルに見せるという技術的側面のみでの視点と同次元のことである。しかし、ハワード・ホークス監督『ヒズ・ガール・フライデー』が、機関銃にように喋りまくるケイリー・グラントとロザリンド・ラッセルを同一画面の左右に配し、翻訳者泣かせの膨大なセリフ量を同時に噴射していくさまを音として(例え意味など分からなくても)体で受けとめる快感を与えてくれたように、あるいは、『地獄の黙示録』(1979)と『ラストエンペラー』(1987)と『ディック・トレイシー』(1990)のキャメラマンであるヴィットリオ・ストラーロの見事なカラー撮影が観る者に官能的な快感を与えてくれたように、技術そのものが作品に決定的な息吹を吹き込むことは、CGにおいてはないのだろうか。
 そんなことを思う今日この頃だった。

先頭 表紙

azzurri様、よく試写会に行かれているようですね!僕はどうもビデオやDVDで見るのが好きではないので、劇場派ですね。 / ナライフ ( 2003-08-07 14:21 )
お久しぶりです!映画自体は好きですが、時間を拘束されるのがイヤで映画館まで足を運んでいなかったのですが、上司やお仕事の関係で最近、映画に触れる事が多くなってきました。映画も視点ひとつだな〜とつくづく思う今日この頃。 / azzurri ( 2003-08-06 12:23 )
フィー子さま、ほんとに凄いご無沙汰してしまいました。いやあ、今の映画も面白いのいっぱいあるんで、なんでも時間が許す限り観なきゃいかんな、とは思うんですよね。 / ナライフ ( 2003-07-08 18:32 )
じっくり読ませていただきました。お久しぶりですね!私も同意見ですが、ちゃんと現代の映画も観た上で冷静に語るところが凄いです。私は見る前からどうせたいしたことないやって思っちゃって。マトリックスとか。いけませんね。反省しました。 / フィー子 ( 2003-07-08 17:50 )

2002-12-18 azzurriさんとトヨタカップを観る!

 だいぶ時間が経ってしまいましたが、トヨタカップ観戦は、azzurriさんとの観戦でした。何故azzurriさんとの観戦になったかと言うと、一緒に行くはずだった友人が仕事で行けなくなり、このひまじんサイトの掲示板で告知したからなのです。これにazzurriさんがいち早く反応して下さり、一緒に観戦することになったのです。
 実は、azzurriさんとは遡ること約1ヶ月前、ひまじんフットサル会で初めてお会いしていました。これがazzurriさん、凄いんです。フットサルでは素晴らしいポジショニングで点取り屋の本領をいかんなく発揮、同じチームの時は僕がボールを持つといつもazzurriさんを探していました。見事MVP獲得。その後の飲み会では、たまたま隣に座ることとなり、大胆なフットサルでのプレーぶりや現代風かつ容姿端麗な外観とは対照的に、照れ屋で周囲への気配りに長け、優しい方とお見受けしておりました。
 さて、トヨタカップ当日。僕は先に着き、ビール片手に会場の余韻に浸っておりました。試合開始直前にazzurriさん到着。挨拶もそこそこにいきなり観戦に没頭することとなりました。正直言って僕は照れ屋です。照れ屋同士が隣同士というこのシチュエーション、誰もが予想できるように、ほとんど会話はありませんでした。ま、僕の場合、試合を観ている時に語るタイプではないので、旧知の仲の者が隣でも大差無かったとは思いますが…逆に、azzurriさんの美貌を前にすると、例え照れ屋でなくても大差無かったとも思います。しかし、今思うと、こういう状況では僕が積極的に話し掛け、楽しい会話をすべきだったのでしょう。azzurriさん、ごめんなさい!幸い試合はたいそう面白く、楽しいプレーが随所に出ていたので、お互い「おー!」とか「すげえ!」とか唸っていました。まあ、僕の逆サイドの隣のカップルが、ありがちな、「男→サッカー好き」「女→サッカーを知らない」という典型的なタイプだったので、まあ男のうるさいこと、うるさいこと。そのうるささに辟易していたので一層無口になっていたこともあり、azzurriさんが試合はともかく、僕の隣で観戦したことに若干でもつまらなさを感じられていたら残念と思い、ゲーム終了後、飯に誘いました。
 今振り返ると、一緒に食事をできて、どんなに楽しかったことか!新横浜駅近くのイタリアン、というか、パスタ屋に運良く入ることが出来、2時間近く冷えた体をワインとパスタで暖めつつ、サッカーの話から家族の話、色恋のお話まで語り合いました。たまたま入った店に僕の会社の人間やお付き合いのある放送局の方々が大勢居て、「あいつ、結婚してるくせに…」みたいな目でにやにや見られ、それはそれで面白かったのですが、逆にazzurriさんに気を遣わせてしまいました。フットサルの時の打ち上げではなかなかプライベートな話は出来ませんでしたが、さすがに1対1での食事だったので、その、ご自分に正直にまっすぐと向かい合っているさまを垣間見ることができ、お会いできて良かったと心底思いました。
 11月のフットサル会に続いて、ひまじんは、僕に素晴らしい出会いを提供してくれました。

先頭 表紙

お誕生日はお嬢さんがお祝いしてくれたのでしょうか?Cリーグ、ドキドキの展開になっていますね!! / フィー子 ( 2003-03-06 12:38 )
お誕生日おめでとうございます! またハピー・サプライズ、梅が丘でお会いできたらいいな。 / パンドラ ( 2003-01-28 06:15 )
誕生日、おめでとうございます。次回は一緒にぜひ勝負(笑)。 / ガス欠コイン ( 2003-01-28 01:41 )
お誕生日おめでとうございます.また,フットサルやりましょう. / 八百八六助 ( 2003-01-27 22:39 )
お誕生日おめでとうございます!美女(azz)とのデートは実は私からのお誕生日プレゼントです。(←うそです、すみません、調子に乗りすぎました) / あやや ( 2003-01-27 14:57 )
お誕生日おめでとうございmす。また、遊んでやって下さい。 / 口車大王2号 ( 2003-01-27 12:03 )
お誕生日おめでとうございます!!日記の更新がないので心配です、、、お仕事お忙しいのでしょうか?また、一緒にフットサルやりましょうね♪ / azzurri ( 2003-01-27 10:59 )
お誕生日おめでとうございます。これからの一年、いいことがナライフさんにたくさんありますように! / マイケル ( 2003-01-27 10:58 )
お誕生日おめでとうございます!!と言うかお元気ですか?(笑) / エスカルゴ@PH ( 2003-01-27 10:12 )
(1/27) Happy Birthday です / あおネェ ( 2003-01-27 08:36 )
新しい出会いは楽しいですね。サッカーを通じてだと一層! 今年はありがとうございました。よいお年を! / KATSUMI@プレイヤーモード ( 2002-12-31 22:47 )
今年は大変お世話になりました。また、引き続き来年も宜しくお願い致します。 / エスカルゴ@PH ( 2002-12-29 17:50 )
Hidey様、確かに古典的というか、ドキドキしちゃいましたよ。これがazzurriさんでなければ意識しなかったでしょうけど・・・ / ナライフ ( 2002-12-27 10:16 )
azzurriさんは日記からしか分かりませんがとても芯のしっかりした、昨今なかなかお目にかかれないような素晴らしい女性とお見受けしていました。そのとおりの素敵な時間になった用で何より。チケット片手に素敵な女性を誘うといううちの古典的な手法はなんか懐かしいけど(笑)。いえ、経緯はちゃんとわかっているのでほんの冗談です。 / Hidey ( 2002-12-26 22:33 )
ガス欠コイン様、そう、楽しかったですよ。顔はにやにやしていたのかなあ、どうでしょう?、うっとりしていたかも知れません。 / ナライフ ( 2002-12-20 18:10 )
夢樂堂さま、ほんとにおめでとうございます!! 梅ヶ丘でばったりお会い出来る日を楽しみにしているのですが… / ナライフ ( 2002-12-20 18:09 )
azzurri様、面白過ぎます。その変換術、何かで使わさせていただきます。そうですね、ワイン持ち込んで飲みながら観戦、いいですね! / ナライフ ( 2002-12-20 18:07 )
パンドラ様、まあデートと言えばデートですが…そう言ってしまってはazzurriさんに申し訳ないですよ。 / ナライフ ( 2002-12-20 18:02 )
フィー子さん、そうですか、ぶつくさ言っているんですか。聞いてみたいです。 / ナライフ ( 2002-12-20 18:00 )
マイケル様、これみよがしに解説する人、いますよね。いいから見ろ、って言いたくなります。 / ナライフ ( 2002-12-20 17:58 )
ずいぶん、遅いアップですね(笑)。さぞがし、二人とも楽しまれたと思いますよ。ナライフさんはやはりゲーム中は無口なんですか。でも顔だけはにやにやしてたんじゃないですか(笑)。 / ガス欠コイン ( 2002-12-20 01:20 )
今度は正真正銘の梅丘の住民になりました。日々、球を追わずに猫を追っています。 / 夢樂堂 ( 2002-12-19 17:20 )
ナライフさん、やぁ〜めぇ〜てぇぇぇ〜〜〜!!!漢字の変換が間違っていますよぉぉぉぉ・・・「容姿端麗」→「麒麟端麗」、「美貌」→「貧乏」(笑)・・・先日は本当にありがとうございました♪ナライフさんのお気遣いには本当に心が和みました!いろんなお話しもできましたし♪隣のカップルには実は私も辟易(笑)。ご一緒の観戦も楽しかったですよ♪今度はぜひワインをお供に!・・・因みに諸事情により、私の日記で観戦記を書きづらくて(苦笑)。 / azzurri ( 2002-12-19 13:39 )
ま、デートだわ。素敵!(笑) 2時間近く冷えた体をワインとパスタで温めつつ、のくだりにうっとり。 フットサルのひとときを思い出しつつ、おふたりの笑顔が思い浮かばれて、こちらまで嬉しくなります♪ / パンドラ ( 2002-12-19 06:26 )
おお、ようやく(笑)。お2人とも存じ上げてるせいか目に浮かぶようです。私も家ではぶつくさ言って見ておりますが、他人が一緒だとおし黙って見いってしまいます。イタリア人のように手を動かしながら堂々と独り言を言ってみたいなと思いますが(^_^;)。 / フィー子 ( 2002-12-19 00:35 )
ラグビーを見に行くと、一人のくせに皆に聞こえるように大声でプレーを解説してくれるおっさんが必ずいます。ああ言う人は消えてほしいです。 それはさておいて、随分と楽しいひと時を過ごされたようで。機会があったら今度は僕のプライベートや色恋をナライフさんに語ります。(なんでやねん) / マイケル ( 2002-12-18 22:11 )

2002-12-05 トヨタカップ観戦記 第一弾!

 6ヶ月前には小雨ちらつく湿度の高い天候の中、「ひょうきん」と形容するのが精一杯の賛辞としか言いようがない前代未聞の髪型で2得点を叩き出し、母国5度目の優勝と自らの得点王を獲得したプレーヤーが、同じ場所ながらも今度は冷たく乾燥した夜空の下で半年前とは打って変わって静まりかえった7万人余りの見守る中、移籍したばかりのクラブチームに世界一のタイトルをもたらす決勝点を叩き出す。誰かが脚本を用意していたとしか思えない筋書き。そんな「筋書き」をあっさり現実にしてしまったプレーヤー、ロナウドがミラノ市民やバルセロナ市民を裏切ってまで移籍を渇望したというレアル・マドリッドは、今や存在自体が「奇跡」と言って良いくらい魅惑的なチームとして、師走の日本にそのスペクタルなショーを見せてくれた。
 以前の私の日記にも書いたことがあるが、僕のサッカー観に最も大きな影響を与えた1982年スペイン大会でのブラジル代表は、失点のリスクを負ってでも攻撃を重視し、より多くの得点を狙い、しかもその得点を生み出す攻撃は何よりも美しく創造性に溢れるものであるべきだというテレ・サンターナ監督をはじめ選手及びブラジル国民の総意に基づく哲学を具現化したチームだった。しかし、結果が示すように、徹底した守備、ファウルを辞さないラフプレー、少ない好機を最小人数で点を取ってしまうカウンターアタックが功を奏し、恐らく10%程度の確率であったであろう勝機を我が物とし、その後その勢いに乗ってWカップをも獲得してしまったイタリアに2次リーグで負けてしまい、74年のオランダと共に、「サッカーにおいて芸術性と勝利は共存し得ない」という奇妙で偏屈な信念が幅を効かせ、世界の多くのチームが「失点しなければ負けない」ことを第一義に考える潮流の水源となったというのが、多くの識者が主張する「定説」だ。
 以後、攻撃重視、スペクタル、創造性といったワードで括られるかたや「ファンタジー志向」と、守備、結果重視といったワードで括れられる「リアリズム志向」という二元論の中、共存し得ないのが前提となってしまっていた昨今のサッカー界において、ここ2〜3年、その2項対立を昇華し、矛盾すると思われていた両者を両立させるような流れが現れ始めていたとは思う。リーガエスパニョーラの興隆しかり、チャンピオンズリーグでのレバークーゼンの活躍しかり。そして、何よりもレアルである。今期自国リーグでは調子も今一つのようだが、一昨日横浜で見せてくれた彼らのサッカーは、まぎれもなく共存し得ないと信じられていたスペクタルと結果という両者を見事に共存させ得ていたと思う。
 ラウルの意表を突いたスルー、フィーゴの相手をコケにしているとしか思えないフェイント、ジダンの柔らかなタッチ、得点も素晴らしかったが後半見せたロナウドの鋭いフェイント、といった個人技だけでなく、それらが全てチーム総体として勝つことだけを盲目的に追求するのでなく、観る者を楽しませなければ意味がないと言わんばかりの、ダイレクトパスワークの数々。82年以来追い求めていたブラジル代表の面影がそこにはあった。20年ぶりにまさか自分の国でしかも目の前で観ることができようとは…しかも、「世界一」という結果を伴って。スタメン発表の時から、「今日のレアル、勝ちだけでなく魅せるサッカーをしれくれそうだな」という仄かな予感はあったが、その予感的中の、まさに20年来の「恋人」に会えたような一昨日のトヨタカップだった。
azzurriさんとの観戦記は次回!

先頭 表紙

フィー子様、そ、そうですよね、いつなんだよ、第2弾、ほんとに。ま、近々… / ナライフ ( 2002-12-18 16:26 )
Hidey様、録画してありますよー。それにしても運営担当のお仕事、いいですね。 / ナライフ ( 2002-12-18 16:24 )
↓ほんとHidey,惜しいわー。さすがにトヨタカップは生でやってるんじゃないかねえ。ところでナライフ様、第二弾首を長くしてお待ちしておりますよ!! / フィー子 ( 2002-12-17 18:15 )
前書きましたっけ。入社一年目は運営担当としてピッチをうろついたりしていました。あのころはサッカーにも興味がなければトヨタカップの意味すら知りませんでした。ああ、もったいないことをした。こちらでもテレビで中継しないかなと、試合が終わって半日ほどたったこちらの夜にテレビを回しましたがやってませんでした。まさか生中継だったとか。いい試合だったようなのに残念。 / Hidey ( 2002-12-17 07:16 )
azzurri様、こちらこそ有難うございました。TOYOTA CUPの中でも「見てて面白い」という意味で記憶に残るゲームでしたね。 / ナライフ ( 2002-12-10 15:07 )
本当にいろいろとありがとうございました!試合内容もここ数年の試合の中でも一番面白かったように思います。それにしてもオリンピアの選手の悔しそうな表情!忘れられません、、、 / azzurri ( 2002-12-10 12:29 )
エスカルゴさん、そうなんです、ロナウドって確かに点は取るんですが、ブラジルっぽい上手さが感じられず、好きながらもよく分からないなあと思っていたのですが、今回じっくり見てみたらとボールテクニック、判断力、ボールの無い時の動き等、素晴らしかったです。逆にシュート力が一番劣っているのではと思ったくらいでした。 / ナライフ ( 2002-12-09 09:35 )
ロナウドは太っていても個人技が素敵でした。惚れました。思ったのですがレアルGKは結構頑張ってました。しかし、まぁ贅沢なチームです。 / エスカルゴ@PH ( 2002-12-07 13:20 )
フィー子さん、そうですね、トヨタカップ、最近正直言って余り期待していなかったので、楽しかったですね。 / ナライフ ( 2002-12-06 20:22 )
どんな試合だったかがとても伝わってきますね。この試合はビデオ保存版にしようかなと思うくらいです。トヨタカップの舞台でまさかここまでいい内容を見せてくれるとは思いもよりませんでした。素直に嬉しかったです。 / フィー子 ( 2002-12-06 18:22 )
KATSUMI様、レアルばかり取り沙汰されてますが、オリンピアも素晴らしかったと思います。 / ナライフ ( 2002-12-06 18:14 )
八百八六助様、そうですね、「最強のチームが勝つわけではない」の言葉はサッカーの場合、とても頻繁に起こりますからね。それにしてもほんと、生で観ることができたのは幸せでした。 / ナライフ ( 2002-12-06 18:12 )
エスカルゴ様、まあそうですね、82年ブラジルの方が好感度高いですね。ま、でもFWとGKは明らかにレアルの方が上ですけど… / ナライフ ( 2002-12-06 18:10 )
今回の相手オリンピアが真っ向勝負に来たおかげで、レアルの良さが発揮されましたね。ゴールエリアはガチガチで、結局ミドルとセットプレーでしたけど(笑) / KATSUMI@プレイヤーモード ( 2002-12-06 00:49 )
これだけ金かけて,ファンタジックなプレーをして,でも絶対勝てるわけではないというサッカーというゲームは儚いのかも知れませんね.でもこのレアルのプレーは見ていて楽しかった.生で見られて良いなぁ. / 八百八六助 ( 2002-12-05 22:42 )
いやー、仰る通りです。まぁ、でも82年のブラジルの方がやや好感度は高いですね。だって当時の選手それぞれが全く違うフォーメーションと選手配置を言いますから(爆)。 / エスカルゴ@PH ( 2002-12-05 20:26 )

2002-11-19 予想しちゃいました

 いよいよ2次リーグの組み合わせが決まったチャンピオンズリーグ。今シーズン、今のところバイエルンとリバプールの敗退を除けばほぼ順当な結果を見せているが、それも結果論。どうひっくり返ってもおかしくないゲームが沢山あり、好ゲームの多い1次リーグだった。
 さて、組み合わせだが、以下のようになった。
<Group A>
 インテル(イタリア)
 バイヤー・レバークーゼン(ドイツ)
 バルセロナ(スペイン)
 ニューカッスル(イングランド)
<Group B>
 アヤックス(オランダ)
 ローマ(イタリア)
 アーセナル(イングランド)
 バレンシア(スペイン)
<Group C>
 ボルシア・ドルトムント(ドイツ)
 ミラン(イタリア)
 レアル・マドリッド(スペイン)
 ロコモティフ・モスクワ(ロシア)
<Group D>
 ユベントス(イタリア)
 バーゼル(スイス)
 マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)
 デポルティボ・ラ コルーニャ(スペイン)

 さて、唐突ながらここで僕の予想を記します。
<Group A>インテル、バルセロナ  <Group B>アーセナル、バレンシア
<Group C>レアル、ミラン <Group D>ユベントス、マンU

 因みに1位、2位の順です。根拠というほどのものはありませんが、若干補足すると、まずグループAは、若干だけこの2チームが地力が上かな、と思います。で、バルセロナが1次リーグ出来過ぎだったこともあり、またインテルが手堅く結果を残しそうなのでこの順位としました。グループBは、所謂「死のグループ」ですね。これは全く分かりません。好みではアヤックスを挙げたいのですが、選手達の若さが思わぬ大敗とかを招きそうなのと、ローマに関しては、こういうつまらないサッカーをするチームは勝たせたくない、という思いとで外しました。グループCは、まあ順当に行けばこういうことでしょう。一応そろそろインザーギも調子を落とすのではないかと考え、レアルを1位にしました。グループDは、バーゼルを除く3チームの三つ巴でしょう。その中で落ちる1チームを予想するのは僕の頭では不可能だったので、単純に歴史のある2チームを選びました。マンUハ、怪我人が続出しているので2位にしました。

 さて、2次リーグが終わるのは来年3月。4ヶ月間、たっぷりと楽しませてもらいます。予想はあくまで予想なので、笑ってやってください。超ハイレベルの中で、実力に殆ど差が無いと思われるチーム同士の長丁場。今のうちに寝ておこっと。

先頭 表紙

おやおやひどい突っ込みでした。これではアーセナルではなくアーセルアーセルでした。 / 夢樂堂 ( 2002-11-28 15:39 )
KATSUMI様、今年のミラン株は急上昇中ですね!さあ、今夜ミランVSレアルです!! / ナライフ ( 2002-11-26 19:02 )
エスカルゴ様、今年のミランはほんと、いいですよね!またスターばかり集めて見かけ倒しに終わる危惧が相当ありましたが、うまくチームとして機能していますよね。しかも攻撃的。 / ナライフ ( 2002-11-26 19:01 )
夢樂堂様、アーセナルのジャージ、それ僕がこの前買ったやつでしょうか?もし良ければお貸ししますが… / ナライフ ( 2002-11-26 18:59 )
Hidey様、そうですね、1戦毎にその結果のみで一喜一憂するのではなく、まさに「長期的展望」でサポートしていきたいものですよね。 / ナライフ ( 2002-11-26 18:58 )
下のつっこみ間違えました。アルゼンチン戦ではなくてジャマイカ戦でした。時間がなくてまだ前半しか見てませんが、よいところも悪いところもちらほら。まあ新しいチームだし、長期的展望でチームをつくっていければいいですね。 / Hidey ( 2002-11-26 12:12 )
予想的に、こうなったらおもしろい!って感じですね。 私もミランに期待しています。 / KATSUMI@活動再開 ( 2002-11-25 13:42 )
最近思うのですが、今年のミランはいい!!確かに選手層が厚くなったというのもありますが、サッカーがおもしろくなってきたと思います!! / エスカルゴ@PH ( 2002-11-23 19:57 )
いいなあ、サッカーに関してはやはり日本の生活を羨みます。明日くらい先日日本から持って帰った(母が録画してくれていた)日本対アルゼンチン戦のビデオでも観てみるかな。 / Hidey ( 2002-11-23 18:34 )
予想は判りませんが、先週、吉祥寺のナイキショップにいったらアーセナルノセナルのジャージーがありました。ついつい買いたくなったけど我慢です。 / 夢樂堂 ( 2002-11-22 15:42 )
ガス欠コイン様、今回はセリエAから優勝チームが出そうな気配が漂ってますね。もともと揃えている選手は粒ぞろいですからまあ当たり前と言えば当たり前でしょうけど。ミランVSレアルとかミランVSバルサなんて見たいですね。 / ナライフ ( 2002-11-21 09:06 )
セリエA勢、どうしちゃったんでしょうね(笑)。そんなことより、早くマンションの外装工事、終わってくんないかなあ。BSもCSも見られない(涙)。 / ガス欠コイン ( 2002-11-20 15:02 )
フィー子さん、有難うございます!順当に思えそうなCとか以外な番狂わせあるかも知れませんね。ニューカッスル、あまり見てなかったので、ウーゴ・ビアナ、注目してみますね。因みに同僚が仕事で明日からド○ツに出張に行ってあの有名なGKと仕事をしてくるようです。羨ましい!! / ナライフ ( 2002-11-20 13:10 )
リンクを張らせて頂きました。すみません(~_~;)。ほんとにAとBは悩みますね。そういってるとCとDに大番狂わせがあったりなんかして。でもやっぱり経験もモノをいう大舞台ですよね、Cリーグって。新顔はなかなか難しい。ニューカッスルのウーゴ・ビアナがとっても楽しみです。 / フィー子 ( 2002-11-20 11:38 )
八百八六助様、大筋順当な結果の中、バーゼルは確かに予想外でしたね。最終戦のリバプール戦もいきなり前半で3点取ってどぎもをぬきました。 / ナライフ ( 2002-11-20 11:32 )
江巣化流碁様、僕もバルサが好調なのがとても嬉しいです。ユーベと鹿、なるほどねえ。納得ですが、鹿の方が好感度高いですね。 / ナライフ ( 2002-11-20 11:24 )
スイスのチームが残っているのって,珍しいね.強いのでしょうか? たまに変わった国から出てくると,良いところまで行っちゃったりして. / 八百八六助 ( 2002-11-19 23:37 )
マンUはベッカムが故障しましたね。肋骨ですか・・・。今年はバルサが好調のようなので嬉しい限りです。最近気付いたのですがユーベと鹿は似ています。「堅守速攻」そして、アンチの多さ(笑)。 / 江巣化流碁@PH ( 2002-11-19 19:52 )

2002-10-18 北野武監督の『Dolls』を観る

 いまや日本を代表する映画監督と言って良い北野武による『Dolls』を観た。前作『Brother』より遥かに素晴らしい出来映えで、今でも僕が武作品の最高傑作と信じて疑わない『ソナチネ』ほどでないにしても、かつての調子が戻ってきたかな、と感じた。
 とにかく、武の映画に一貫している、「歩く」ことを描いた作品である。武は、その才能を強烈にアピールしたデビュー作『その男、凶暴につき』で、既に「歩くこと」をテーマにしていた。ただひたすら「歩く」という動作が、武の手にかかるととても映画的に魅力溢れる画面になる。「歩く」ことの変奏として、「立ち止まる」とか「自転車に乗る」(『キッズ・リターン』)とか、あるいは「振り向く=視線を変える」とかいったことを徹底的にこだわる。人間の基本的なアクションそのものに真正面から対峙し、これを映画的に撮リ上げることが映画だと思っているのだろうと推測する。とかく役者に演技をさせ、心理描写を上手にこなして観客に感情移入させることを第一義に考え、ドラマティックに演出することが映画だと思ってはいない。そこが何より武の才能ではないかと思う。
 主演の菅野美穂が、雑誌のインタビューで、「自分なりにアレンジして演技しよう思っていた。狂気に陥っている女を表現するために強く“狂った”演技をしようとしたら、監督から逆のことを言われ、表情を外に出すな、何も考えなくていいと言われた。」といった主旨のことを答えていたが、まさに武監督ならではの指示だろう。確かに、ここでの菅野美穂の抑えた演技は素晴らしい。
 ただ、初期の頃の武作品に比べると、説明的な描写を一切排する大胆さや画面そのものの力が若干失われている印象は否めない。(特に前半)そこに、『キッズ・リターン』が興行的にヒットし、『HANA-BI』が海外の映画祭でグランプリを獲得するなどといった、世間的名声が確保され、武自身が相当「人の目」を気にしているさまが垣間見られる。登場人物を浄瑠璃劇になぞらえ、映画の冒頭とラストにその浄瑠璃のシーンが出て来るのだが、あまりにパラレルな比喩表現で凡庸な印象だったが、これも海外映画祭を意識しているような気がしてならない。
 とは言え、元来彼の作品は、物語を過不足無く上手に語る、という側面からは全く無縁であり、物語上不必要なシーンが却って魅力的だったりするので、ある意味、北野武らしい。彼の映画は「編集の映画」ではなく、「画面の映画」なのだ。そして余計な要素を画面から削ぎ落とし、無色透明になるべく近付けていく「禁欲的な」画面づくりを好む傾向にあった北野武が、今回は色を多用し、様々な要素を散りばめて「過剰な」画面づくりへの傾向を示し始めており、そこに彼の新しい方向性が示唆されているような気がする。
 いずれにせよ、北野武は、黒沢清、阪本順治らと並んで、今の日本映画を支える天才だということを再認識した。

先頭 表紙

さにゃえもん様、『静』だからせまってくる、まさにそうだと思います。ただ、一見『静』なんですけどちゃんと「活動写真」になっているあたり、非凡だと思います。 / ナライフ ( 2002-11-19 17:58 )
『静』だからせまってくるものってあるよね。 そんな感じかしら?ここまでしっかりした日記読んじゃうと見ないと損って気になるわ!! / さにゃえもん ( 2002-11-19 02:03 )
azzuri様、どうもお疲れ様でした。よっ!!得点王!またやりましょう。 / ナライフ ( 2002-11-07 20:38 )
月曜日はお疲れ様でした!今はコインさんと合宿中でしょうか(笑)?また是非やりましょうね!!「Dolls」は私も見たい作品のひとつです。ストーリーはもちろんですが、衣装も気になっていて。 / azzurri ( 2002-11-07 16:43 )
是非一度ご覧下さいね。と言っても相当癖がありますからご用心を! / ナライフ ( 2002-11-07 09:03 )
武氏の映画、実はまだ見たことないのですけど、一度ぜしぜし観なくては。 「役者に演技を要求しない」っていいですね。無意識は意識を超えるから、予期しないみずみずしさや発見がありますよね。 / パンドラ@ありがとうございました! ( 2002-11-06 20:48 )
八百六助様、どうもお疲れ様でした。楽しかったですね!! / ナライフ ( 2002-11-06 08:57 )
夢樂堂様、どうもお疲れ様でした。北野武、「ああ天才なんだな、この人は」と思わせてしまう人ですね。 / ナライフ ( 2002-11-06 08:56 )
昨日はお疲れさまでした.次回もよろしく. / 八百八六助 ( 2002-11-05 22:34 )
北野武のフレームワークも好きなのです。スポットを当たっていない部分にも気を使っている。計算してもできない画像、これを意識しないで作っているとしたらやはり天才でしょう。 / 夢樂堂@昨日はありがとうございます ( 2002-11-05 21:10 )
エスカルゴ様、場所は台湾ですかね、いいですね。志村けんにシリアスな演技っていいかも知れませんしね。 / ナライフ ( 2002-10-22 19:05 )
できれば、北野武監督、金城武&志村けんの競演をお願いしたいです。 / エスカルゴ ( 2002-10-22 16:42 )
KATSUMI様、そうなんですよ、深田恭子も妙に印象的でしたね。あの歌声もそうだし、あの振り付け!やはり深田恭子に対しても北野監督、いわゆる「演技」はさせませんでしたね。表情は常に無表情、動きも機械的。それが素晴らしい演技でした。 / ナライフ ( 2002-10-21 13:28 )
八百八六助様、『パンと植木鉢』は大好きですがそれと一緒だったのって何でしょう?僕も分かりませんが、今回の北野武の色遣い、これを極端にすると鈴木清順に行きつくんだろうなあ、とは思いました。 / ナライフ ( 2002-10-21 13:24 )
Hidey様、そうなんです、「新しい方向性」があるように見えつつも、それも含め、「良くも悪くも北野監督らしい」んですよ。菅野美穂、見応えありますよ。 / ナライフ ( 2002-10-21 13:17 )
ガス欠コイン様、おっしゃる様にデビュー作『その男…』、第2作『3-4X10月』、第3作『あの夏、いちばん静かな海。』、第4作『ソナチネ』という初期の4作は、当時の興行収入や評判に全く反映されませんでしたが、素晴らしかったですよね。ま、でも「昔は良かった」的セリフは嫌いなので、武監督の今に立脚した上でこれからも観続けたいと思ってます。 / ナライフ ( 2002-10-21 13:15 )
「その男…」が好き、というのもフィー子さんらしいというか… 若干あざとさというかマニエリスムの感はありますが、ま、でもこちらも「北野武なんだから」などと過度な期待をかけているのも事実ですよね。 / ナライフ ( 2002-10-21 13:07 )
先日、時間がこれにしか合わなくて見ました。いかにもな日本的な魅力をちりばめたところに、海外の映画祭を意識している感じがしました。菅野美穂が美しかった・・・。これだけでも見る価値があるかも(笑)。あ、あと深田恭子の歌が耳から離れません(獏)。 / KATSUMI@活動再開 ( 2002-10-20 00:43 )
北野作品,まだ見たことないのですが,そろそろ見てみようかなと思ってもいます.色遣いというと,タイトルど忘れしましたが,イランの監督のパンと植木鉢と一緒にやってたやつを思い出します. / 八百八六助 ( 2002-10-19 22:17 )
うーむ、そうですね。菅野美穂が主演というのが個人的にはとても嬉しいです。北野監督の映画はこちらのレンタルビデオ屋でも見られることがあるので、ちょっと先でしょうけど楽しみにしています。ナライフさんの解説はとても頷きながら読めました。よくも悪くも北野監督らしいです。 / Hidey ( 2002-10-19 08:03 )
うーむ、そうですか。フィー子さん、すいません(笑)。武ファンの僕としては、非常に注目する作品です。僕も『その男〜』や何でしたっけ、何だかXっていうやつかな。武が沖縄やくざを演じる作品などが好きでしたね。かといって、『キッズ・リターン』も捨てがたい。菅野美穂という女優が好きでもあるので、本当に楽しみです。いい参考になりました、ありがとう。そう言えば、武はいつも“歩き”、“歩かせて”いましたね。そんなことを今頃感じる、私です。 / ガス欠コイン ( 2002-10-19 00:34 )
うーむ、そうですか。「過剰な」方向へ行ってるんですね。「その男〜」の荒っぽさが好きだった私としてはまだ見ていないのですが気に入るかどうか怪しくなってきました(^_^;)。期待しすぎちゃうのもなんですけどね・・・。まあそんな風に思える監督なんてそうそういないのでそんな監督が存在してくれてるだけで実は嬉しいんですが。 / フィー子 ( 2002-10-18 23:57 )

2002-10-02 どうしたバイエルン!!

 チャンピオンズ・リーグのグループG、バイエルン・ミュンヘンVSACミランを今朝見た。1-2でミラン勝利。どうした、バイエルン!?
 グループGは、A〜Hの8組の中では「死のグループ」と形容される組だ。ドイツの雄、バイエルン・ミュンヘン、イタリアからACミラン、スペインからデポルティボ・ラコルーニャ、フランスからランス。ややランスが劣る印象はあるが、どの2チームが抜けてもおかしくない。またその一方で、「どうせバイエルンは勝ちあがるに違いない」というのも、恐らく識者たちの共通の印象だろう。
 ところが、である。今シーズン、バラックやゼ・ロベルトを獲得し、2006年ドイツW杯でのドイツ代表チームづくりさえ見据えた戦力補強をしたバイエルンが、あの憎らしい程勝負に強いバイエルンが、初戦のラコルーニャ戦に続いてACミランにも負け、これで2戦2敗である。現時点で1位ミラン、2位ラコルーニャ、3位ランス、4位バイエルン。まるで先のW杯でのフランスのような状況。
 ブンデスリーガでは7試合終えて早くも首位に立っているし、今朝のゲームも内容は決して悪くなかっただけに、運がないと言うべきか。とは言え、中味が悪くても勝負には勝つのが持ち味なバイエルンだけに、どうしたのだろう?しかもバイエルンはホームで2連敗。さすがのバイエルンも今回は危機的な気がする。
 一方のACミラン。こちらは今回セリエAで最も派手な移籍劇を演じたチーム。ブラジルのリバウド、デンマークのトマソン、イタリアのネスタ、といった大物を補強した。ルイ・コスタ、インザーギ、シェフチェンコらとリバウドがどう絡むのか、レアルに勝るとも劣らないタレント軍団と言って良い。リバウドはその能力をフルに発揮しているとは言えなかったがそれでも1点目に見事に絡んでいたし、インザーギは絶好調、ルイ・コスタは随所にファンタスティックなプレーをしていた。加えて過小評価されがちなセードルフが素晴らしく、この調子だとACミランはビッグイヤーを獲得(=優勝ということ)してもおかしくないと思った。
 死のグループG組は、このままミランとラコルーニャが抜けるのだろうか?それともバイエルンが驚異の逆転劇を演ずるのか?(おいおいランスは無視かよ!)まだまだ先は見えないが、これからも早朝のTV観戦を続けたい。
 

先頭 表紙

エスカルゴさま、エウベルって、いいときはいいんですが、好不調の差が激しいと思いません?しかもブラジル人なのに、プレーがバイエルン化(?)していると思うんですよね… / ナライフ ( 2002-10-18 11:33 )
杏綬さん、ユベントス、まあまあいいですよねえ… ミラン勢の勢いが翳ってきたら、ユベントスにもチャンスありでしょうね。 / ナライフ ( 2002-10-18 11:31 )
エウベルの爆発に期待しましょう。 / エスカルゴ ( 2002-10-10 19:14 )
しかしその反対にユヴェントスが…あれなんでここにいるの!?(リーグ戦) / 杏綬 ( 2002-10-09 11:35 )
きっとご覧になっていると思いました。インザーギ、そのうちこの好調さも止るんでしょうが、凄過ぎますね。ミランの場合、インザーギがスランプになってもシェフチェンコ、トマソンが居るし、ちょっと後ろにはリバウド、セードルフ、ルイ・コスタでしょ。問題ないでしょうね。 / ナライフ ( 2002-10-08 09:10 )
↓私も見ました!見てる試合が同じですね(~o~)。フィリッポの好調さ、どうしましょ。何か天罰でもくだるんじゃないかってくらいラッキーすぎません?なんて失礼かな。そうそう、クーペル、つまんないっす。 / フィー子 ( 2002-10-07 21:43 )
フィー子さん、昨晩もミラン見ましたが(トリノ戦)、爆発的な得点力!!やはり面白いですね。今シーズンは久々にミラン勢が好調ですが、インテルのクーペルらしい堅実さよりミランの方が面白そうですね。 / ナライフ ( 2002-10-07 09:12 )
(↓おいおいランスは無視かよ!) / フィー子 ( 2002-10-06 17:45 )
今シーズンはACミランが一番楽しそうです。さらにシェフチェンコが戻ってきたらと思うとワクワクします。バイエルンはやはり中心人物となる人が居ないので脆いのかなと思います。上手く世代交代して柱となる人が誕生すれば無敵になるんじゃないでしょうか。ラ・コルーニャはこれまたいつぱたっと倒れるかわからない脆さがあるので2チームどちらが抜けるか最後までわかりませんね。 / フィー子 ( 2002-10-06 17:44 )
ガス欠コイン様、今日のスポーツ紙に「バイエルン絶望」と書いてありましたが、バイエルンだけに分からないですよね。ACミランはほんと豪華ですね。ルイ・コスタ、ビューティフルなプレーを見せていました。今シーズンはやってくれそうな感じです。 / ナライフ ( 2002-10-03 17:16 )
とにかく僕は敬愛するルイ・コスタがいる以上、ミランを応援します。 / ガス欠コイン ( 2002-10-03 12:55 )
ACミラン、考えてみると凄いメンバーですよね。セリエA勢も少しはチャンピオンズ・リーグでも意地を見せないと、経営は放漫でチームも弱いと総称して言われかねないですからね。バイエルン2敗かあ。まあ、でも、アウエイが不利とも言えないと思いますし、僕にしてみれば、面白くなってきたというところでしょうか。 / ガス欠コイン ( 2002-10-03 12:54 )
そうですね、リバウドもまだまだだとは思うんですが、いいようにインザーギへのマーク集中を回避させているのでしょうね。セードルフとネスタはかなり効いていると思いますし。 / ナライフ ( 2002-10-03 09:15 )
ACミランが復活,というか補強がうまくいったんでしょうね.バイエルンもバラックを補強したりいろいろしてるのに. / 八百八六助 ( 2002-10-02 23:10 )
訂正です。バイエルンは2戦2敗ではなく、3戦1分け2敗でした。すいません。 / ナライフ ( 2002-10-02 14:19 )

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