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ナライフの「怒涛の映画&サッカー日記」

サッカーも映画も前世紀に大いなる飛躍を遂げました。さて、この新世紀、この2つはどう進んでいくのでしょうか?誰も分かりません。でも好きなんです。

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2002-01-23 映画における視線 (1)
2002-01-22 きたなくても勝て!!
2002-01-17 もし・・・だったら
2002-01-15 反=「物語」の見方について
2002-01-09 もしもこんな居酒屋があったら・・・
2001-12-28 ヘイズ・コードの産物〜スクリューボール・コメディ〜 A
2001-12-28 ヘイズ・コードの産物〜スクリューボール・コメディ〜 @
2001-12-19 表現の規制と表現の豊かさについて その2
2001-12-19 表現の規制と表現の豊かさについて
2001-12-13 VALEROSSO誕生 未来のJリーグへデビュー


2002-01-23 映画における視線 (1)

 恋愛、決闘、友情、挨拶、等々、題材上の特性から鑑みても映画において人と人が向き合っている場面というのは、恐らく最も多く撮られてきたシーンでないかと思う。見つめ合う2人。恋する2人。対決する2人。そしてそれら全てのシーンにおいて、その2人は互いを見つめ、視線を交わらすことになるのだが、フィルムは人や瞳は映し出せても視線は映せない。当たり前の様だが、視線というのは不可視であり、決してスクリーンには表象され得ない。しかし、こうしたシーンで私たち観る者は、ごく自然に、2人が見つめ合っている状況を理解している。遠景で向かい合っている2人を一つの画面に収める、というのはその解決策の一つだろう。視線が交わっているかどうかは不明瞭だが、人は恐らく物語上の文脈からそう理解する。しかし、決定的な方法は、まずAなる人物を例えば右斜めから撮り、向かい合うBなる人物を今度は左斜めから撮る、というもの。これをすると、連鎖する2画面を通じて、人はいかにもAとBが見つめ合っていると理解する。この時間違っても2人を、右なら右で同じ向きで撮ってしまうと、連鎖する2画面は、交わった視線を表象しえない。

 交わる視線なくして面白い映画などありえるだろうか、と言いたくなるが、スクリーンに視線を投げかけることで観ることが成立する映画は、皮肉なことに、その交わる視線を示すのに、一つのテクニックを必要とするのである。そして、さらに皮肉なことに、その交わる視線こそ映画史上で最も多くかつ重要な表象対象なのだ。この、2画面を連鎖させることで、向き合った2人を示すテクニックは、今や当り前の様に使われているのだが、映画が発明されたころのものを幾つか私も見てみて分かったのだが、当然その頃(1900年頃)にはそんな技法などあるわけもなく、ひたすら固定されたキャメラから被写体を撮るだけである。要は、舞台を客席から撮っている状況だ。いつからこの技法が使われるようになったかは定かではないが、やはり「最も多くかつ重要な表象対象」だけに、サイレント映画初期に発見されたのは間違いなく、グリフィスやチャップリンの映画でそれは確認できる。ただ、それなくしては、恐らく演劇をそのまま撮るだけだったはずだけに、この技法は間違いなく映画を映画たらしめるものにさせる、革命的なものであり、この技法の登場と共に映画は言語の異なる地域を越えて流通しうるものとなったに違いない、と私は確信している。その技法を「切り返し」と言うが、それは単なるテクニックではなく、映画の本質だと思う。

 こうして、映画はその創生当初から、不可視なものを画面に定着させようとする、決定的に不自然な形態を、その必然として内包することになってしまったのだ。

先頭 表紙

ぽん様、ありがとうございます。 / ナライフ ( 2002-01-28 15:39 )
りゃん様、ありがとうございます。 / ナライフ ( 2002-01-28 15:39 )
しまお様、ありがとうございます。そんなこと言われると照れてしまいます。変な奴なんだろうと思います。 / ナライフ ( 2002-01-28 15:38 )
おとめ様、ありがとうございます。こんなこと考えるのって、自分でも変だな、と思います。楽しければいいと思ってんですけどね。 / ナライフ ( 2002-01-28 15:37 )
たらママ様、ありがとうございます。そう、目は大切にしたいですね。 / ナライフ ( 2002-01-28 15:36 )
フィー子さま、誕生日ってなんでばれてるんですかねえ?当日見てないんですが、なんか出てたんですかね…ま、有難うございます。 / ナライフ ( 2002-01-28 15:35 )
ガス欠コイン様、さすがに同姓は気味悪いから… わざわざ有難うございます。 / ナライフ ( 2002-01-28 15:34 )
ガス欠コイン様、徹夜、最近してないです。すいません... / ナライフ ( 2002-01-28 15:33 )
Hiroko様、そうですね、脚本同じでも撮る人によって全然違いますよね。僕も色々考えるきっかけはそこだったんです。 / ナライフ ( 2002-01-28 15:32 )
ぽん様、市川監督、そうですね。あの方、大変遊び心がおあり、というか、撮る事にとても自覚的ですよね。 / ナライフ ( 2002-01-28 15:31 )
仙川様、そうですね〜ほんと楽しいですよねえ、理屈抜きで。あ、僕の言っていること、理屈か! / ナライフ ( 2002-01-28 15:29 )
はっぴーばーすでぃ! / ぽん ( 2002-01-28 11:58 )
お誕生日おめでとうございます! / りゃん ( 2002-01-27 23:42 )
はっぴーばーすでぃ♪いつも私の知らなかったことを教えてくれて、いろんな視線からものごとを見つめる大切さに気づかせてくれるナライフさまの日記、これからも楽しみにしています♪ / しまお ( 2002-01-27 22:02 )
お誕生日おめでとうございまーす♪おとめ映画好きだけど、こーゆー事考えた事なかったなー♪ / おとめ ( 2002-01-27 20:28 )
お誕生日おめでとうございます。目は大切ですね。目は口ほどに・・・とはよく言ったものです。 / たらママ ( 2002-01-27 20:27 )
お誕生日〜おめでとです〜♪ の〜んびりと〜素敵な一年になりますように〜♪ おめでとです〜♪ / 仙川亭おき楽 ( 2002-01-27 19:41 )
ふぅむなるほど・・・・。いろいろご存知ですねえ。というわけで、お誕生日おめでとうございます!! / フィー子 ( 2002-01-27 17:43 )
Happy birthday.いつもは歌を歌うのですが、男性につき、やめておきました(爆)。 / ガス欠コイン ( 2002-01-27 09:35 )
う〜ん、読み入ってしまいました。早く続編書いてください、徹夜して(笑)。冗談です、楽しみにしています。 / ガス欠コイン ( 2002-01-26 23:39 )
いつも何気なく見ている映画(映像)でもほんのひとつのシーンにこんなにも演出(?)を必要とするんですねー、、。同じ脚本でも演出家が変わると出来上がるものも変わるって言うことなのよね。(ちょっと内容と関係ないかも?) / Hiroko ( 2002-01-26 03:11 )
いろいろ試行錯誤してるサイレント時代のほうが新鮮だったりしますよね。視線の使い方は、市川崑監督とか遊びがあって好きです。 / ぽん ( 2002-01-24 17:13 )
観ている者の〜♪ 心をつかみ〜♪ 深く洗礼された映画の本質〜♪ 色々ありますね〜♪ 映画は〜楽しいですね〜♪  / 仙川亭おき楽 ( 2002-01-23 21:36 )

2002-01-22 きたなくても勝て!!

 今年のワールドカップで日本は何としてもグループリーグを突破しなければならない。3分けでもいい、負けがあってもいい、プロセスはともかく決勝トーナメント進出という結果を出さなければならない。それが今回の日本代表の義務であると私は思っている。その為には、引き分け狙いの第3者から見れば退屈な試合があってもいい。反則まがいのプレーがあってもいい。アトランタオリンピックでブラジルを下した日本のような、おこぼれのような得点でもいい。とにかく今回は結果である。昨日から合宿に入った日本代表、それを率いるトゥルシエ監督にその全てを託したいと思う。

 ところで、そうは言ったものの、実は私は、見ていて楽しいサッカー、攻撃的で美しく、ファンタジー溢れるサッカーをするチーム、プレーヤーが好きである。日本代表に今年私が求めるものは、本来私が常に求めているものではない。ヨハン・クライフは「美しく勝利せよ。」と言う。僭越ながら、それは、1人のサッカー好きとしての私の趣向に一致する。ただ勝利するだけでは駄目だ。守備的戦術で勝っても駄目だ。美しく勝利せよ。

 しかし、歴史に目を向ければ、74年のオランダ、82年のブラジル、86年のフランス、98年のオランダ、等々、大会で最も魅力的で美しいチームは、足元をすくわれ、敗れているのも確か。70年W杯のブラジルや84年欧州選手権のフランス、88年欧州選手権のオランダあたりが、「美しく勝利」した最近の稀有な例だろうか。

 かつてトゥルシエ監督がインタビューかなにかで、クライフが監督をしていた頃のバルセロナが好きだ、私もああいうチームを作りたい、みたいなことを言っていた。クライフ監督時代のバルセロナ。ストイチコフやロマーリオといった暴れん坊もクライフの下でまとまり、まさに「美しく勝利」するための超攻撃的戦術で欧州ナンバー1に輝いたあのドリームチームである。トゥルシエ監督がその理想を日本代表でどこまでやろうとしているのかは分からない。私も願わくば、日本代表が「美しく勝利」して欲しい、とは思う。恐らく一昨年のアジア大会での日本は、それに近い戦い方で(決勝戦は別だが)優勝を獲得したと言って良いと思うのだが、やはり今の日本代表が「美しく勝利」できるのはアジア内部のみであろう。ワールドカップのレベルは、アジア大会の比ではない。ベルギー,ロシア、チュニジアのいずれも、アジアのレベルを超えているのは明らかだ。それは監督も選手も百も承知のはず。だから、冒頭の繰り返しになるが、汚くてもいいから日本には結果を出して欲しい。私の理想ではないが、今、切にそう思う。

先頭 表紙

フィー子さま、そう思っておられましたか。いやあ同感同感。 / ナライフ ( 2002-01-29 19:21 )
私も今回の日本に期待するのはどんなに汚くても格好悪くてもみじめでもいいからとにかく勝て、と。格好なんてつけてて勝てるわけないと思っとります。 / フィー子 ( 2002-01-26 14:24 )
仙川様、そうですね〜逆に言うと、まだまだ日本はその「まずは勝ってから」の段階なのでしょうね〜。 / ナライフ ( 2002-01-23 09:27 )
りゃん様、まあ何とかやって欲しいですよね。どういう形でもいいから勝て、なんて甘い話だとは思いますが。94年にブラジルが優勝した時など、一部から「守備的戦術で面白くない」などという批判が出た、というレベルから見れば、ねえ。 / ナライフ ( 2002-01-23 09:26 )
ガス欠コイン様、そうですね、「魅せて勝て」が一番ですね。日本に関しては「勝つ」ことを強調したいがために「きたなくても」とは言いましたが、確かに今の日本代表は、4年前やアトランタ五輪の時と違って、己のスタイルを貫き通す能力はあるかも知れませんね。 / ナライフ ( 2002-01-23 09:23 )
まずは〜♪ 勝ってから〜☆ 綺麗な勝ち負けよりも〜☆ 勝利の執着心〜☆ / 仙川亭おき楽 ( 2002-01-23 04:17 )
そうですね!みんな結果を求めてるのですから、、少々ずる賢くても。初勝利を目撃したいものです / りゃん ( 2002-01-22 23:30 )
僕の理想は魅せて、勝てですけどね。やはり、プライオリティの高い方は「勝て」ですよ。ただ、どうなのかなあ。個人的な意見なんですけど、日本は日本のスタイルを貫き通せば、ある程度美しく勝てるのではと僕は思っているのですが。もちろん、一次リーグのみの話しとして。そうじゃないゲームもありつつ。 / ガス欠コイン ( 2002-01-22 22:06 )

2002-01-17 もし・・・だったら

スポーツの世界に、「・・・だったら」、「もし・・・れば」、「・・・だったのに」は禁じ手とされている。当然と言えば当然。それを言い出したらキリが無い。事実は事実。仮の話をしても意味は無い。意味が無いのは結構。楽しければいいじゃん、ということで、「もし・・・だったら、・・・だったのに。」の思いを以下、列挙したい。

@74年W杯でオランダが優勝していたら・・・
 誰もがあの大会の最強チームはオランダだったと言う。優勝は西ドイツだが、クライフ率いるオランダの強さは突出していた。過去の映像としてビデオで見て私もそう思う。決勝でオランダの歯車が狂わなければ7〜8割の確率でオランダが勝っていただろう。そうすれば今に至るオランダの「勝負弱さ」はなく、90年か98年W杯でオランダが優勝していたに違いない。

A82年W杯 2次リーグ「ブラジルVSイタリア」でブラジルが勝っていたら・・・
 74年のオランダ以上に82年のブラジルは突出していた。脆いディフェンス、下手なセンターフォワード等の弱点はあったが、ジーコ率いる夢のチームは、あの狡猾なイタリアにさえ負けなければ、確実に優勝していただろう。そして、恐らく世界のサッカーは、ディフェンス偏重になることなく、より攻撃的で楽しいものになっていたはずだ。

A´さらに82年W杯 準決勝「西ドイツVSフランス」でフランスが勝っていたら・・・
 上記に続いて、あの死闘が逆の結果になっていたら・・・82年、プラティニ率いるあのシャンパンサッカーが、ゲルマン魂の前に屈していなければ、決勝は、あの時点でのベストマッチ、「ブラジルVSフランス」となっただろう。かたやジーコ、ソクラテス、ファルカン・・・、かたやプラティニ、ジレス、ティガナ・・・まさに夢の対決。86年大会準々決勝でこの対戦は実現し、歴史に残る名勝負を展開したが、82年時点だったらもっと面白かったに違いない。ま、でも勝つのはブラジルでしょうな。


考え始めたらとても楽しくなってしまった。まだまだあるが、今日はここまで。
皆さんも勝手な妄想、いつでもやっていると思いますが、是非披露してくださいね!

先頭 表紙

Hidey様、可能性高い「もしも」ですね。代表で一緒のプレーは勿論ありましたけど、印象に残った絡みはあまり無かったような。確かにカズの動きが頂点の頃だったらどうなっていたか、見てみたいですね。 / ナライフ ( 2002-01-21 10:21 )
もしカズが今、最盛期を迎えていたら。。。中田との攻めぎ合いが見てみたかったです。 / Hidey ( 2002-01-19 14:17 )
フィー子さま、なるほど、そういう「もしも」もありますね。ジダンがイングランドねえ、およそ似合いませんね。 / ナライフ ( 2002-01-18 18:53 )
りゃん様、とは言っても生で見たわけではないんですけどね。元々は僕の兄が大ファンなんです。 / ナライフ ( 2002-01-18 18:48 )
そうですよねえ、ガス欠コイン様、78年のあのポスト直撃のシュート!それにバチストンの歯を折った西独のGK様!思えば色々ありますねえ。 / ナライフ ( 2002-01-18 18:47 )
とつっこんところで2番目のつっこみを読みました。ま、そういうことなんです。 / ナライフ ( 2002-01-18 18:06 )
マイケル様、ダメなんてことありませんよ!むしろ僕の意図はそこにあるのです!! / ナライフ ( 2002-01-18 18:05 )
もしもジダンがイングランドに生まれていたらあの才能はつぶされていただろう・・・と誰かが言っておりました。小野がブラジルに生まれていたら・・・!! / フィー子 ( 2002-01-18 09:42 )
ナライフさん、ヨハン・クライフのファンですよね!今頃分かった(笑) / りゃん ( 2002-01-17 23:56 )
3つとも印象に残る試合でしたね。オランダはもうひとつあります78年、アルゼンチン大会決勝、試合終了直前のシュートがポストの内側に当たって入っていたなら。でも82年のフランスVS西ドイツはねえ、バチストンの顎にナックルパンチを見舞ったGKが、どうしてその後もピッチに立っていたんでしょうかねえ(笑)。 / ガス欠コイン ( 2002-01-17 23:18 )
...と思ったら2つ下の突っ込みにまさにそれがあった。どっかで最近見かけたと思っていたらここでした... / マイケル ( 2002-01-17 22:52 )
タイトルを見て「ドリフの大爆笑」の「もし〜な床屋がいたら...」という”もしも”シリーズを思い出すようじゃダメですかねぇ... / これはこれでとても楽しいのですよ ( 2002-01-17 22:51 )

2002-01-15 反=「物語」の見方について

 知性とは、賢さとは、文明とは、物事の表層だけを見ない。その奥底に潜んだ何やら深遠なものを読み取ることにこそ、動物や赤ん坊と違う「頭のいい人間様」の真価が問われるものなのだ。というのは大抵の日本の学校教育の場で、あるいはそこかしこのメディアで、声高な主張がないときでさえ、大人なら誰もが自明の理としていることだ。自分の小学校時代を思い起こしても、読んだ話を短くまとめる、即ち、要約するという作業は、その文章の表現としての細部を捨象してでも、「書き手の言いたかったことを汲み取る」ことに主眼を置いていた。あるいは比喩のお勉強。比喩はAという言葉でBを暗に示しているのだから、その隠れたBを探り当てることに主眼を置いていた。そこでは比喩表現そのもののAは無視されてしまっている。
 そこには、今まさに「比喩」の例で喩えたように、私たちが表層で触れ合っているモノ・コトがその裏に代替可能な何かを常備しており、A=B的な記号論が常に成立しているという私たちの無意識的な確信がある。それは予定調和の世界であり、何の刺激もない世界だ。ベートーベンの音楽から「苦悩から歓喜へ」という意味を読み取り、したり顔で主張したところで、所詮音楽とは無縁の次元の話である。ジョン・レノンの凄さは何もLOVE &PEACEを訴えた1点に尽きるわけではないのに、彼のことを誉めるメディアの文句は紋切り型だ。だが、あのしゃがれ声を、荒れたノイジーな音を、あるいは不器用そうなギターの持ち方そのものに私は惹かれる。その魅力に比べたら、LOVE & PEACEというメッセージはいかにも稚拙だ。
 『ラスト・エンペラー』という映画は、中国の歴史上の人物を描いた、と言われるが、あれを「布の映画だ」と言ってはいけないのだろうか。至るところに風に揺れる布が映されており、その魅力的なさまに溢れた映画だ。『その男、凶暴につき』は、歩くことを徹底的に追求した映画。主演のたけしはとにかく歩く。その歩きぶりが素晴らしい。同じ歩く映画なら、イランのアッバス・キアロスタミの『友だちのうちはどこ?』もそうだ。こちらは、たけしと違ってじぐさぐに歩く。その動きが素晴らしい。
 しかし、世の知識人たちから見れば、「そんな上っ面だけを見ないで、行間を読め。」となる。そんなことよりもっと大事なことがあるだろう、というわけだ。そこには物事には表面だけを見ていては分からない、深層が隠れており、そこにこそ価値がある、という哲学がある。その人達は、実は、以前私が書いた、「物語」という「制度」にがんじがらめになってしまっている、「制度化された感性」の持ち主たちに違いないのだが、由々しきことは、冒頭述べた様に、義務とされている教育の場でもそれが「正しい考え方」だとして、教師たちがせっせと子供達の感性の制度化に加担している、ということだ。
 そんな中でも天才的な異端はいつでもいるのが嬉しい。映画の世界なら、ジム・ジャームッシュ、ジャン・リュック・ゴダール、北野武、黒沢清、侯孝賢、キアロスタミ。とても楽しみな人たちだ。

先頭 表紙

しまお様、テーマをこれみよがしに主張してくる映画、僕も嫌ですね。お前は何様だ!と言ってしまいます。 / ナライフ ( 2002-01-23 20:40 )
現代国語の要約、嫌いだったなー。作者が言いたいことを20字で言え、って、20字で言えるなら言っとるわい、ってつっこみたくなった(笑)そのトラウマか、テーマのある映画ってあんまり好きじゃないんです。なんかお説教くさいなぁ、とか思ったりして。。 / しまお ( 2002-01-21 23:55 )
ぽん様、ゴダールの映画に意味を考えてもねえ…ただ見れば面白いですもんね。昨晩もついついビデオで『ゴダールの映画史』に見入ってしまいました。 / ナライフ ( 2002-01-16 09:32 )
フィー子さま、子育て、まさにそうですね。言葉をまだ覚えてない赤ん坊の発する音は無限。五十音を覚えた子供は、それは勿論進歩かも知れませんが、逆に50の音に制限されてしまったわけですよね。ほんとは「あ」と「え」の中間の音もあるのに…あ、でも僕の返事もちょっと話が飛んじゃいましたね。 / ナライフ ( 2002-01-16 09:28 )
ふとしたときに映画の一場面が目に浮かぶのはいつもゴダール。映像の意味するものをなんだかんだ探る前に、映像が目に残るんですよね。「行間を読め。」ってことは確かに学校で詰め込まれたなー。長文読解で「作者の意図することを別の言葉をつかって述べよ」とか。 / ぽん ( 2002-01-16 01:16 )
非常によくわかります。こういったことを踏まえた上で子育ての難しさについて時々考えます。人間が社会化する、社会と関わっていくというのは本当に大変なことですよね。って子供いないのに何をいっとるんじゃ。しかもちょっと話がとんでしまってすみません。つっこみだと短くて上手く言えませんですみません(ーー;)。 / フィー子 ( 2002-01-15 22:51 )

2002-01-09 もしもこんな居酒屋があったら・・・

フィー子さんのマネですいません。歴代スターの会話バージョンです。場所は東京の居酒屋。

ペレ;やあ、抽選会は楽しかったね。ブラジルには有利な組み分けになったけど、何にも細工してないよ。

クライフ;ああ、どうも。ま、オランダは出ないから所詮僕には関係ないっすよ。でも、ブラジルもロナウドの復調が芳しくないと辛いでしょう。

マラドーナ;ペレさんには悪いけど、ブラジルはベスト8止りだよ。準々決勝が鬼門さ。グループ1位だとフランス、2位だとアルゼンチンと当るからね。リバウド、ロナウド、ロマーリオが揃って勝てるかどうかだろうね。あー、酒くれ!女くれ!

ペレ;おいおい!君は酒も禁じられてるんだろう。そんなにぶよぶよになっちゃって!ま、でも確かに君の言う通り、準々決勝が鬼門だね。

エウゼビオ;よう!ペレさん、久し振りだなあ、今回こそポルトガルがいただきよ。フィーゴ、ルイ・コスタという天才を揃えてるしな!組合せも恵まれてるよ!おや、そこの禿げ頭はサー・ボビー・チャールトン。

ボビー・チャールトン;いやあ、懐かしいねえ、君たち。今回のポルトガルは確かにエウゼビオ時代を超える可能性大だね。だけど、ディフェンスが心配だね。ここはイングランドを推したいところだけど、総合的に見るとイタリアかな。なんたって、僕はジェントルマンだから予想も公平だよ。

ペレ;うーむ、さすがサー。

一同;・・・(寒いギャグだが相手が神様だけに何も言えず)

クライフ;しかし、イタリアの守備的戦術には美しさがないね。僕たちオランダのトータルフットボールの守備面だけ採り入れた戦術は、フットボールから美しさを奪ってしまった。

ロッシ;確かに、現代のサッカーはスペースが無さ過ぎる。ジダンやフィーゴはあんな状況の中でよくやるよ。でもクライフさん、じゃあどこなの?

クライフ;やはり楽しくて美しいのはポルトガル。美しくて強いのはアルゼンチンとフランス。個人的には愛弟子グラウディオラがいるスペインにも頑張って欲しいね。

マラドーナ;随分と八方美人なこと言うじゃねーか。美しいとか何とか御託並べやがって!ああ、吸いてえ!!

ペレ;君も僕のように品行方正の人格者だったら今頃はアルゼンチンの新大統領候補だろうに。君なら今のアルゼンチンを救えるだろうけどなあ...

こうして、スターたちの噛み合わない会話は延々と続くのだった...

先頭 表紙

ああ、そういう発想もありましたね。僕のイメージは、「ドリフの大爆笑」の名物シリーズ「もしも〜だったら」だったんですが、ちょっとマイナーでしたね。 / ナライフ ( 2002-01-15 09:13 )
それにしてもこの題名、もしも〜嫌いで〜なかったら〜♪ってデュエットしたくなりますね。って私だけ? / フィー子 ( 2002-01-14 19:52 )
フィー子様、勝手にアイディアお借りして失礼いたしました。何の構想もないままに書き始めたので収拾がつかない企画になってしまいました。推理小説とかだったらペレみたいなのが犯人ですよね。 / ナライフ ( 2002-01-10 16:39 )
グーです。ペレの「何もしてないよ」。これが一番怪しいです(笑)。 / フィー子 ( 2002-01-10 11:03 )
ガス欠コイン様、鋭いつっこみ有難うございます。ベッケンバウワーには登場してもらいたかったのですが。誰かにつっこまれるだろうとは思ってました。今回のドイツ、ダークホースの臭いがぷんぷんします。ま、ドイツがダークホースっていうのも凄いことですが・・・ / ナライフ ( 2002-01-10 09:29 )
りゃん様、ちょっとやり過ぎたとは思っているのですが・・・ま、許して下さい。 / ナライフ ( 2002-01-10 09:24 )
どうしていつも俺達を呼んでくれないんだ。そんなに俺達のフットボールはつまんないって言うのかい。つまんなくたって勝てばいいじぇねえか。by ベッケンバウアー他(爆爆)。 / ガス欠コイン ( 2002-01-10 00:30 )
マラド−ナの発言は嘘偽りなしですね(笑) / りゃん ( 2002-01-09 20:54 )

2001-12-28 ヘイズ・コードの産物〜スクリューボール・コメディ〜 A

 この作品が、喜劇では今でも珍しいが、その年のアカデミー賞に選ばれるなど、高い評価を得、こうした類の作品が次々と生まれる。当代きっての美男美女俳優が演じ、簡潔な物語、シンプルでスピーディな演出で質の高いコメディ映画が沢山作られていくのだ。基本的には「略奪愛」の世界なのだが、それが何とも見ていて幸せな気持ちになるコメディになっているのは、「アメリカ映画」=楽天的という「物語」で収まりのつかない「ヘイズ・コード」の存在によるところが大きい。

 さてこの「スクリューボール・コメディ」、コメディというジャンルに対しての偏見が原因なのか、なかなか日本では知られていない。かく言う私もまだまだとは思うが、私が見た限りでお薦めのものを以下列挙する。ただ本当に面白さは保証します。
 『赤ちゃん教育』(1935) 監督ハワード・ホークス 主演ケイリー・グラント,キャサリン・ヘップバーン
 『生活の設計』(1933) 監督エルンスト・ルビッチ 主演ゲイリー・クーパー、ミリアム・ホプキンス
 『レディ・イヴ』(1944) 監督プレストン・スタージェス 主演ヘンリー・フォンダ、バーバラ・スタンウィック
 『フィラデルフィア物語』(1940) 監督ジョージ・キューカー 主演C・グラント,K・ヘップバーン
 『生きるべきか死ぬべきか』(1942) 監督エルンスト・ルビッチ 主演キャロル・ロンバード
 『教授と美女』(1941) 監督ハワード・ホークス 主演ゲイリー・クーパー、バーバラ・スタンウィック
 『ヒズ・ガール・フライデー』(1940) 監督ハワード・ホークス 主演ケイリー・グラント,ロザリンド・ラッセル
 『天使』(1937) 監督エルンスト・ルビッチ 主演マレーネ・ディートリッヒ,ハーバート・マーシャル
 『パームビーチ・ストーリー』(1940) 監督プレストン・スタージェス 主演クローデット・コルベール
上記の映画群、知名度はそんなに高くないとは思うが、「名作」とか「傑作」なんていうレッテルが貼られている数多の古典映画が吹っ飛ぶほどの面白さ。正月にビデオででもどうぞ、と言いたいところだが、果たしてビデオ屋さんにあるかどうか…(どれもビデオにはなっているが。)

 上記、どれも映画作家たちにはインパクトが強いようで、何がしかリメイクされていたり、「引用」されていたりする。そういう意味でも映画史的には大きな影響力を持っているのだが、一般的な認知、特に日本での認知のされ方は非常に低い。けったいなことである。

先頭 表紙

はじめまして、さくらもち様。アメリカ映画に関しては一部例外を除けば明らかに衰退してますよね。それにしてもジーン・ティアニーが出てくるとは嬉しい!!一番好きな女優の5指に入ります。『天国は待ってくれる』を上記挙げたかったんですが、スクリューボールコメディという枠からは外れそうなのでやめたのです。「ついでに」の続き、待ってます。 / ナライフ ( 2002-01-10 16:22 )
はじめまして、よこ!さま経由で参りました。スクリーボール・コメディはNHKBSやWOWOWでつかまえた分くらいしか見てないんですけど、この時代にこんなに洗練されたオトナの映画があったのかーとショックなくらい。文化って衰退してるんでしょうかねえ。好きな女優はジーン・ティアニーです、ついでに / さくらもち ( 2002-01-10 09:15 )
Hiroko様、明けましておめでとうございます。ケイリー・グラント、いいですよねえ。こういったコメディをやらせたら彼の右に出る男優は居ないと思います。 / ナライフ ( 2002-01-09 09:28 )
ブルー様、あけましておめでとうございます。そう、フロリダのパームビーチです。冒頭のタイトルクレジットからラストまで息もつかせぬ面白さですよ。 / ナライフ ( 2002-01-09 09:26 )
明けましておめでとうございます!  本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!  「ケイリー・グラント」渋い。。。。♪ / Hiroko ( 2002-01-09 03:14 )
明けましておめでとうございます。どれも見た事ないのですが、パームビーチストーリーなんて面白そう。フロリダの、パームビーチよね。 / プルー ( 2002-01-08 22:22 )
ぽん様、そう、確かに「上流社会」の方がメジャーですよね。僕も先に「上流社会」を観て、後から「フィラデルフィア物語」を見ました。「フィラデルフィア物語」は無駄が無くシャープで粋な演出ですよ。 / ナライフ ( 2002-01-07 17:16 )
ガス欠コイン様、お忙しい中のつっこみ有難うございます。今ごろは撮影でしょうか?頑張って下さい。 / ナライフ ( 2002-01-07 17:14 )
しまお様、そうですね、入ると思います。この2作の監督、ビリー・ワイルダーは、ルビッチという監督のお弟子さんなんです。ですからまさにスクリューボールコメディーの系譜を受け継いでいると思います。ただ若干田舎臭くなってしまっている印象がありますが... / ナライフ ( 2002-01-07 17:12 )
フィー子さま、ディートリッヒの顔いいですよね。百万ドルの脚線美と言われた脚もいいですが、あの瞳が大好きです。決して好みのタイプではないのですが、映画の中では大好きです。 / ナライフ ( 2002-01-07 17:08 )
Hidey様、原語タイトルは、順番にBringing Up Baby,Design for Living,Lady Eve,The Philadelphia Story,To Be Or Not To Be,The Ball of Fire,His Girl Friday,Angel,The Palm Beach Storyです。勉強の合間に赤ワインと共に... / ナライフ ( 2002-01-07 17:06 )
「フィラデルフィア物語」のリメイク、「上流社会」しか見たことないなー。レンタルで探してみますっ。 / ぽん ( 2001-12-30 23:16 )
僕も全然知りませんでした。スクリューボール・コメディっていうネーミングがまたいい。とにかく個人的にはゆっくり出来る時間が欲しいです。今年は31日まで(終わらないかも)、残務整理。年明け早々、撮影。とても正月気分ではないのです。関係ない話しでごめんなさい。 / ガス欠コイン ( 2001-12-29 23:51 )
ジャック・レモンのものなんかも、入るのかしら?「お熱いのがお好き」とか「アパートの鍵貸します」とか。大好きだったなぁ。それにしても昔の映画に駄作がないのは、こんな理由もあったんだなーと思いました。お正月ビデオ三昧もいいですよね。 / しまお ( 2001-12-29 13:51 )
マレーネ・ディートリッヒなんて顔を見てるだけでもいいってくらい美しくて好きです。幾つか見たような気がするけれど、題名などを覚えないのでいけませんね。古い映画が見たくなっちゃったなあ。うずうず。 / フィー子 ( 2001-12-29 00:08 )
正直この年代の映画はそれほど知らないので、貴重な情報に感謝です。こちらのビデオレンタルは、アメリカ映画であれば古いものもたくさんあるので、是非観てみたいと思います。モノクロ映画にはなぜか赤ワインがよくあうんですよね。ゴックン。 / Hidey ( 2001-12-28 19:15 )

2001-12-28 ヘイズ・コードの産物〜スクリューボール・コメディ〜 @

 前回触れたヘイズ・コードが成立していた時期にのみ隆盛を極め、ヘイズ・コード消滅と同時に衰退していったジャンルがある。それが「スクリューボール・コメディ」と言われるジャンルの映画だ。大雑把に定義すると、「男女間の恋物語、そのすったもんだを面白おかしく語った喜劇」とでも言おうか。この「スクリューボール・コメディ」、サイレント映画時代の喜劇と違うのは、およそコメディをやりそうないない2枚目スターが主役を張り、チャップリンやキートンのようなアクロバットな演技は皆無。即ち身体の動きで笑わせるのでなくシチュエーションで笑わせる。従って脚本に負う所が大きいのだが、だいたいどれもストーリーは決まっていて、主な登場人物は3人。女1人と男2人かその逆。前者であれば1人の女性を巡って2人の男が争い、最後はどちらかと結ばれハッピーエンド。さらに最も多いパターンが、婚約が成立していた2人の間に突如邪魔者の第3者が現れ、その駆け引きというかドタバタを抱腹絶倒の笑いの中で邪魔者の第3者が花嫁(あるいは花婿)を奪ってめでたしめでたし...という話なのだ。

 ここまでで気付かれた方もいらっしゃるかと思うが、喜劇の体裁をとっていようがいまいが、おおよそ恋愛を描いた全ての映画の原点と言ってもいい。今年の夏の『パールハーバー』も『タイタニック』も映画史的には1930年代に成立した「スクリューボールコメディ」が原点と言ってよい(らしい)。

 性のあからさまな描写を禁じたヘイズ・コードの下、ハリウッドの監督たちの発想はいたって大胆だ。このジャンルの始まりを告げた記念碑的作品と言われるフランク・キャプラ監督の『在る夜の出来事』(1934年)。大富豪同士で成立していた婚約だが、金持ち社会のつまらない日々にうんざりのヒロインは、抜け出す。そこに新聞記者(クラーク・ゲーブル)が現れる。記者はこれはニュースになる!と思い、彼女を追いかける...2人は喧嘩しながらも徐々に惹かれていくのだが、途中2人が安宿に泊らざるを得ない場面になるのだが、この部屋に置かれたツインベッドの間に、ゲーブルは「ジェリコの壁」と称して大きなタオルを掛けて仕切を作るのである。こういう伏線が途中であり、ラストでは結婚式当日にヒロインが教会から抜け出し、ゲーブルの下へ駆けつける。ラストのラスト、また同じ宿の部屋で、その「ジェリコの壁」たる仕切がパッと外される、という象徴的なシーンで「The End」となるのである。男女が同じベッドに寝てはならぬ、というコードを逆手に取って、まさにそこにドラマのキーを集約させた発想だ。

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2001-12-19 表現の規制と表現の豊かさについて その2

 性の扱いもまた然りである。今でこそ女優はその裸体を露わにし、ベッドシーンがない映画を探すのが大変なくらいだが、当時のハリウッド映画は、ラブロマンスを描いたものでも、キスシーン留まりである。ヒッチコックの『汚名』では、イングリッド・バーグマンとケイリー・グラントが「映画史上最も長いキス・シーン」を演ずるが、これなどは規制ギリギリのところを追及したものだろう。あるいは、『北北西に進路を取れ』のラスト、寝台列車の中でケイリー・グラントがエバ・マリー・セイントの手を取り寝台に引き寄せるところまででカットが変わり、いきなり次のカットでは、その列車がトンネルに入っていくところで映画は終わる。意味深というか、明らかというか、ま、そういうことだ。

 規制が無くなった後にも勿論素晴らしい映画はあるし、暴力や性を直接あからさまに描いたものでも好きな映画もある。ただ、明らかなのは、「いかにして見せないで語るか」を追及したかつてのハリウッド映画は、その結果、シンプルで経済的な語り口な映画であり、題材の陳腐さとは裏腹にその語り口は徹底して経済的(つまり無駄がない)なのに対し、70年代以降のハリウッド映画は、語ることより見せることに重きが置かれ、画面は語りに奉仕せずに肥大化していった。「語り」から「見世物」へ変貌していったのである。
 
 今は亡き淀川長治さんがいみじくも言っていた言葉が全てを表している。「今の映画が10カットくらいかけて描く場面をジョン・フォードやヒッチコックやったら1カットで語っちゃうの。そのくらい粋なの。」

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ごめんなさい、<桟敷席>ですよね(笑)。 目で演技できる役者も、演せる演出家も少ないですよね。 目で演せられる方がいろんな解釈してみたり、想像力を掻き立てられるのに・・・。 / Hiroko ( 2001-12-28 14:04 )
はじめまして!!そのN○Kのドラマは見ていないですが、見たいですね。映画もそうですがテレビドラマはひどいと常々思っていたので・・・ / ナライフ ( 2001-12-28 11:57 )
はじめまして! お座席おめでとうございます! 「いかにして見せないで語るか」これって登場人物の心境などの想像を掻き立てられますよね。 最近の映画やドラマはどうもセリフとかオーバーアクションで成り立っているようで面白さに欠けます。 N○Kの最近のドラマで「ある日嵐のように」と「もう一度キス」はなかなか演出の趣味もよく、好きでした。 / Hiroko ( 2001-12-28 01:21 )
たらママ様、どうも。多分その飢餓感ゆえ、規制撤廃後の「見世物」的映画に注目が集まり、現在までその傾向が続いてしまっているかも知れませんね。 / ナライフ ( 2001-12-25 11:44 )
Hidey様、言われて気付きました。桟敷席に何故いるのかよく分かりませんが、「つっこみ」が増えそうで怖いですね。いやあ参った。 / ナライフ ( 2001-12-25 11:42 )
オーテマチエンヌさん、そうですね、楽しめますよね。少なくとも小説をまんまなぞって映画化したもので面白いものはまずない、と思います。 / ナライフ ( 2001-12-25 11:40 )
Hidey様、そうなんです、広告の世界で時折見かける一部のわがままなクリエーターに教えてやりたくなるときがあります。クライアントのわがまま、要求の中での創造性にこそやりがいがあると思っているので。 / ナライフ ( 2001-12-25 11:37 )
フィー子様、そうか、文学も、ね。確かに読み物の方の『風と共に去りぬ』なんて、だらだらしていたしなあ、と思いました。 / ナライフ ( 2001-12-25 11:32 )
さなえもん様、有難うございます。ダイレクトに視覚に訴えるものでいいなあ、と思うものもありますが、「粋」という点では、ね。 / ナライフ ( 2001-12-25 11:28 )
こちらでは初めまして。桟敷席ご登場おめでとうございます。規制があって飢餓感を煽られた方がありがたみがあったりしますね。 / たらママ ( 2001-12-24 18:06 )
たしかにロコツに描かれてるものを見るよりも、見せないで語っている映画のほうが、こちらの想像もふくらませることができるのでより楽しめますよね。(とくにこれを感じるのは、小説の原作が映画化されたとき。小説のほうが想像力が発揮できて楽しかった〜、って思うことが多いのですもん。) / オーテマチエンヌ ( 2001-12-24 00:53 )
桟敷席登場おめでとうございます。バトンタッチの相手がナライフさんというのはとても嬉しいことです。お仕事で更新もなかなか難しいかと思いますが、これからも質の高い文章を楽しみにしています。いずれ東京で飲みましょう。 / Hidey ( 2001-12-24 00:50 )
ヘイズ・コード知っていました。それにしても想像力をかきたてる面白い話しですね。言葉を書く時もね、何か制約をつくられた方がうまくいく場合もあります、確かに。次元はだいぶ違うような気がするけど。うまく言えないけれど、何か見る側に余白を残してくれる映画、僕も好きです。 / ガス欠コイン ( 2001-12-23 13:10 )
大変興味深いお話をありがとうございます。俳句や短歌にしてもそうだけど、確かに規律の中で追求する美というのは、心に染みるものがありますね。広告もそんなものかもしれません。 / Hidey ( 2001-12-22 22:48 )
ヘイズ・コードというのは知りませんでした。私も凝縮したものから自由に想像できるものが好きです。映画も文学も。 / フィー子 ( 2001-12-22 17:49 )
視覚にダイレクトに訴えるよりも絶対に心に来るよね。 見ながら想像の羽根を伸ばせる感じ。 受け取り方も多様化するよね。 私もそっちの方が好き。 / さなえもん ( 2001-12-22 02:12 )
りゃん様はじめまして。確かにN○Kは硬派ですが、つまらないですよね。硬派だろうが軟派になろうが永久につまらなそうな… / ナライフ ( 2001-12-21 20:58 )
日本のN○Kは相変わらず”硬派路線”ですよね。最近は少し柔らかくなってきて”キスシ−ン”位は放映してますよね / りゃん@はじめまして ( 2001-12-21 20:51 )
yutan37様、フェイドアウトもいいですよね。あからさまに見せないアメリカの人として稀有なのは、ジム・ジャームッシュとクリント・イーストウッド監督を思い浮かべます。2人ともフェイドアウトがとても効果的だと思います。 / ナライフ ( 2001-12-21 09:29 )
夢樂堂様、細切れと言えば、MTVの影響も大きいんでしょうね。『ムーラン・ルージュ』って、そんな感じでしたよ。 / ナライフ ( 2001-12-21 09:22 )
ベットシーンでも、フェードアウトしてくれた方が色々考えさせられていいと思うね。一人だけの演技「老人と海」長時間観客を惹きつけた作品が忘れられない。 / yutan37 ( 2001-12-20 18:41 )
そうだよね。今の映画、細切れが多過ぎる。風景も人も余り動かない映画を見たいぞ。そのほうが主人公の葛藤が楽しめるような気がする。 / 夢樂堂 ( 2001-12-20 14:09 )
そーですよね。今はベッドシーンが物語とは別の見せ場になっちゃってますもんね。エバ・マリー・セイント良かったですね〜☆この人も好き。 / ぽん ( 2001-12-20 11:54 )
仙川様、各々へのつっこみ有難うございます。ま、確かに今のSF映画の大半は特撮・CGを見せることに目的を置いてますよね。でもそれって、技術の進歩と共に確実に古くなってしまいますよね〜。いいんでしょうか。いいんでしょうねえ。 / ナライフ ( 2001-12-20 10:57 )
昔の映画は〜今のSFと違い〜リアルな表現と〜怖さを追求している気がします〜♪ / 仙川亭おき楽 ( 2001-12-19 23:39 )

2001-12-19 表現の規制と表現の豊かさについて

 1930年代初頭から1960年代半ばまでハリウッド映画に「ヘイズ・コード」という規制があったのをご存知の方はどれくらいいらっしゃるだろうか?学生時代にこのことを知った僕は、強い興味を覚え、関連文献と実際の映画を見てきたので、ちょっとご紹介しようと思う。

 この「ヘイズ・コード」、簡単に言うと、当時娯楽の王様だった映画が、アメリカ国民に悪影響を与えてはならん、という高邁な思想の下、映画の中での悪質な暴力、吹き出る血、男女の交わり、不道徳・乱暴な俗語、犯罪の手口を見せること、魅力的な悪、等々を描いてはいけません、という自主規制なのである。手元に資料がないので、そっくりそのままここでご紹介できないが、まあ、そんな類いのことを明文化したもので、「男女は同じベッドに寝てはいけない」などといった、かなり具体的な描写にまで踏込んで規制しており、発想の根本は悪くはないかも知れないが、表現者の立場から見れば「表現の自由」の侵害も甚だしい産物なのだ。

 これによって当時のアメリカ映画は、当然題材としてかなりの制限を受けることとなる。そして僕が最も興味を持っているのは、この規制によって、むしろ映画が魅力的になったということなのだ。「表現の自由」の妨げがむしろ表現を豊かにした、という稀有な事象なのだ。

 例えばサスペンスの神様と言われるヒッチコック。彼の映画では、当然の事ながら殺人の場面が多く現れるが、血が吹き出るとかいった場面はまず無い。(『サイコ』だけ例外かも知れないが、あえてモノクロにし、規定ギリギリを狙ったようだ。)ところが、そのヒッチコックに憧れているという、ブライアン・デ・パルマ監督の作品となると、『アンタッチャブル』のショーン・コネリーは血みどろになって息絶えるし、ロバート・デ・ニーロ扮するアル・カポネは仲間の頭を叩き割ってその血は机を覆い、駅の階段でのギャング同士の抗争シーンは、銃の撃ち合いをスロー・モーションで暴力そのものを見せる。

 この規制が無くなった67年に制作された映画が、かの名高い『俺たちに明日はない』であり、ラストシーンに象徴されるように、暴力をあからさまに描いてよくなったのである。実はこの映画、『暗黒街の弾痕』という1937年の映画のリメイクなのだが、両者を見比べればラストでその違いは明らか。リメイクでは100発以上の銃弾を身体にぶち込まれて死んでいく2人を10秒以上あろうかというスローモーションで見せるが、オリジナルでは、その2人に銃が向けられ、照準が2人にピタッと合う瞬間まで2人を遠景で追い、1発のみの銃声の瞬間はカットが変わり、エンドマークが出る、という具合だ。好みの問題はあろうが、僕がどちらを好きかは察していただけると思う。

 「ハリウッド黄金期」と呼ばれ、確かに質・量共に充実していた30〜50年代のハリウッドは、しかし、その名前から連想されがちな単純で楽天的な世界だったわけではなく、屈折した規制にがんじがらめになりながらも、逆にその規制を逆手に取って豊かな世界を築いていったようなのだ。

 このことを意識しているかどうか定かではないが、2年ほど前に『ライフ・イズ・ビューティフル』というイタリア映画があったが、あれは主人公が銃弾で倒れる場面を音声だけで処理するなど、アメリカ映画ではないが近作では稀な「見せない」映画であり、題名とおり「美しい」映画だったと思う。アカデミー賞が外国語映画賞を授与したのは何とも皮肉に思えた。

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そうなんだなあ、大技乱発、せからしい蹴り…なんかじゃなく、オーラと一撃必殺のフィニッシュホールドで魅せてくれた名レスラー…ってとこですかね?(笑) / akemi ( 2001-12-26 17:52 )
ぽん様、似ているとは思いませんが、映画ファンならヒッチコック好きでしょう、ぐらいなことですかねえ。それにしても思い切った割り切りですよね。 / ナライフ ( 2001-12-21 09:14 )
1930〜50年代の米映画大好き。そんな規制があったとは知りませんでした。ただ、ほのぼのしてるなー・安心感があるなーと思ってました。ところでこの間ある人に三隅研次と市川崑のファンだと言ったら、「じゃあ、ヒッチコックも全部見てるのねっ!」と言われたんですけど…似てるんですかね?あんまり意識したことなかったんで… / ぽん ( 2001-12-20 11:49 )
仙川様、ヒッチコックのお茶目な1シーン、そう言えばお茶目ですよね。 / ナライフ ( 2001-12-20 10:54 )
ヒッチコック劇場は〜映画の何かを〜し〜っかり教えてくれる者ばかり〜♪ 本人の〜お茶目な一面も〜わんシ〜ンで〜♪ / 仙川亭おき楽 ( 2001-12-19 23:37 )

2001-12-13 VALEROSSO誕生 未来のJリーグへデビュー

びっくりしたことがあったので、ご報告。
私の中学・高校の母校のサッカー部がクラブ名をつけたのである。
ま、それ自体は大したことではないが、その理念をWEB上で知って、ようやるわ、という驚きを禁じえなかった。以下、我が母校のサッカー部ホームページからの引用である。

****************************************                                        
部活 VALEROSO(バレロッソ)
チーム名が「VALEROSO(バレロッソ)」と決定しました。
VALEROSO(バレロッソ)とは○○サッカー部の勇敢な試合ぶりをイメージしたスペイン語で、「勇敢な、勇気のある、力強い」などの意味です。西英辞典では、「valiant,brave,strong,powerful」
とあります。英語科久保野先生が命名に協力して下さいました。
VALEROSOは
 中学部がジュニア
 高校部がユース
 卒業後のチームがトップ
 OBはシニア
 関連の家族はファミリー
 海外チームはワールド(Valeroso NewYork や Valeroso Londonなど)
に発展します。クラブはヨーロッパの総合型スポーツクラブをめざし、会員はスポーツを通じて、人生を豊かに送ることをめざします。目標は、30年後にトップチームがJリーグに参入。40年後に日本チャンピオン。50年後に世界チャンピオンです。10年以内に、○○の地にクラブハウスを設置します。

****************************************
                                         というものなのである。○○の部分は、一応校名を明らかにしないためにぼかしました。

 理念はとても好きだ。気に入った。そりゃま、「目標」が達成するかどうかは別として。とにかく顧問の教師が、静岡出身の勿論サッカー好きで、情熱に満ちた人なので、「なろほど、あの先生ならやりかねないなあ・・・」と、今は若干冷静に思えるのだが、恐らくこの先生は冗談ではなく、マジなのだと思う。本気でやり遂げようとしているに違いないのが怖い。

 少なくとも、母校は、帝京などに代表されるようなサッカー名門校ではない。地区予選は通過して都大会には出場するが、ベスト8とかに残るような歴史は刻んでいない。それに私立ではないので、サッカーが上手い、ということだけで入学させる、というやり方はありえない。したがって、その道のりは99%不可能に近い世界ではある。

 しかし、あっぱれである。別に母校を自画自賛するつもりはないが、今日何となく母校サッカー部のホームページを開いて、まずは驚き、半ばあきれ、そしてくすっと笑いつつも、嬉しくなってしまった。正月にOB会があるので、詳しく聞いてみようと思う。

先頭 表紙

頑張ってほしいですね / うにゃ ( 2001-12-26 10:24 )
ガス欠コインさん、チームいいですねえ。チーム名、そのまま「ひまじんチーム」だったら相当弱そうですよね。 / ナライフ ( 2001-12-14 09:50 )
フィー子さん、そう、なんかシニアっていうネーミングは何か年老いているみたいでどうも、ね。ま、実際老いているんですが・・・ / ナライフ ( 2001-12-14 09:31 )
本気でしょう、もちろん。志しに敬意を表します。そのうち、ひまじんチーム作りませんか。 / ガス欠コイン ( 2001-12-14 00:57 )
シニアとしてがんばってください!! / フィー子 ( 2001-12-13 18:04 )

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