2006-12-02 師走の晩夏、初秋
2006-11-27 なめくじのなめこ
2006-11-23 食べられません
2006-11-19 お取り寄せ
2006-11-18 ナッパ御馳走
2006-11-16 お願い
2006-11-14 どこ？
2006-11-13 おめでとう、おめでとう
2006-11-10 ぎっこん
2006-11-09 素晴らしき世界

ずっと放置されていた土地の草刈と剪定の仕事で、葛などの蔓草に往生しました。

木通もたくさん生えていました。
「木通」、読みは「あけび」です。

恐ろしいことに木通の実が生っていました。
山の方では晩夏、里では秋、少なくとも１２月に生るような樹種ではなかったように記憶しているのですが。

今年は格別季節の移り変わりがおかしいように感じます。
帰りには朝顔の花も見かけました。

木通はお土産に持ち帰り、海月が果肉を黒酢とからめて、柿にかけて食べました。
時期外れだか気候の変節だかは気持ち悪いにしろ、あけび柿は美味でした。

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先秋に買ったなめこのほだ木、もう出てこないものと諦めかけていましたが、なんのなんの、出てきました。
素晴らしい。海月と手を取り合って喜んだものです。

ところが。

なめこは旨い。
旨い故に盗み喰いする輩が。

１１月３日に初めて子実体を確認しましたが、その二日後にはペロッと食べられてしまっていました。犯人はナメクジです。現場も押さえましたし、逃げていく後姿も歩き回った跡もしっかり確認されました。
ナメクジめ。

で、１８日に第２弾の子実体を確認した海月は翌１９日経過を見守り、２０日の日に自作のナメ用防ナメネット（なめこ用防なめくじネット）を装着、その防ナメネットは絶大な効果を発揮、なめこは以後順調に成長していきました。

昨日２６日午前に二人で収穫し、御御御付けでおいしくいただきました。

昨日はそれから１０日ほど前に女の子を出産した友人の家に、お兄ちゃんになったそこんちの男の子にお土産を携えあかんぼを見せてもらいに行きました。
残念ながら男の子は祖父母のお宅にお出かけ中で会えなかったのですが、「こんなにちっちゃいのに爪が!」などと極小サイズの人間の体の完成品にふたりして感激。ふたりして可愛さにうっとり。あんなに小さいあかんぼを抱っこさせてもらうのは初めてで、非常に嬉しくて、少し怖かった。いやでもやっぱり嬉しかった。
おいしいケーキも頂き幸せです。
今度はお兄ちゃんとも遊びたいものです。

それから注文していた本をお気に入りのうどん屋の近くにある本屋に取りに行き、うどん屋へ。
「すみません、うどん今から茹でますから少々お待ちください」と言って奥さんは、厨房に「５玉用意して」と声を掛けていました。
僕が特盛（３玉）、海月が大盛（２玉）というのはもうすっかり覚えられてしまっているようです。こないだなんか何も注文する前から「すみません、かきあげ切らしてます」と謝られてしまいました。うちで外食といえばここのうどん店と同義です。
おいしかった。

極楽極楽。

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台所で海月にいきなり「キリン食べる？」と尋ねられました。

「いや食べてみたいけど、旨いの？　クビの肉？　ムネ肉？　やっぱクビが旨いのかな？」と応えておきました。
なぜ、キリン？

「『柿食べる？』って聞こうとしたのに」と笑いながら種明かし。
さすがにキリンはそう簡単には食べられないでしょう。
柿を剥こうかと考えていたそうです。
なのに口から出たのは、柿ではなくキリンでした。

どうしてなんでしょうね。

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注文するつもりでいた「樹皮ハンドブック」、近所に新しくできた書店に普通に置いてありました。お取り寄せ不要。
ついでに同じ著者の「葉で見わける樹木」も手に入って嬉しい。

名東区と豊田市にもともと好きな書店がありますが、わざわざそれらに遠出しなくても、これだけ近所なら注文すればいいくらいに思っていたところ、ざっと見た感じ財布に金を入れて行っては危険を感じる雰囲気があります。
こんな本もあんな本もあるんだなあとほしいものを全部買っていたら一体いくらお金があればいいものやら。
ほしい本が全部買えて読む暇もある有閑おやじになりたいよう。

これから夕飯まで樹皮ハンドブックを眺めて悶える予定。

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海月が友人のおばあさんに野菜を色々もらったので、ここのところご馳走です。
人参菜のおひたしや大根菜のあれやこれやなんてサイコーです。

ビバ・ナッパ。

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１週間ほど前、ポストに「都市ガス転換に伴うガス機器調査について（お願い）」というチラシが入っていました。

うちはもともととある会社の社宅であったものを一般にも貸している、同じような棟が数軒建っている、まあ借家なのですが、大家の申し込みによってＬＰＧガス機器を都市ガスに転換するに当たり、ガス会社負担で部品を取り寄せるために各戸で使っている機器の品番その他を調査するとのことでした。

で、今日僕が仕事で留守にしている日中、その調査の担当者が来たらしいのです。

来客があるとうちの陸丸は、必ずといっていいほど、吠えます。
訪れた人によってその吠える程度はさまざまですが、吠えることはほぼ確実です。
番犬としては半分、役に立ちます。
半分というのは、怖いから吠えているので、「もういいよ、大丈夫だから」といくら言い聞かせても吠え止まなくて恐縮せねばならないことが多々あるから、半分です。
新興宗教の勧誘や要らないもののセールスには重宝なお利口さんだと感心することも、あるにはあるのですが。
そしてガス会社の担当者にもやはり吠えまくったようです。
申し訳ない。

けれどその人は動物好きだったらしく、さして嫌がる風でもなかったようです。
海月はそれでも気の毒には違いなく思い、早々に「とにかく中へ」と玄関に入ってもらったそうです。外では陸丸が止むことなく吠え続けています。

玄関に彼を案内すると、ほんのわずかな間なのに、海月が外に出てしまって淋しい淋しいになってしまった胡麻鯖が、にああああああ、と鳴きながらお出迎えしました。
「猫ちゃんもいるんですか」
担当者は目を細めました。きっと陸丸の騒々しさも彼の中ではいくらか軽減されたことでしょう。
彼は自分の家には柴犬がいることなどを話したり、胡麻鯖を可愛いと思ったりしながら仕事していったようです。

海月が「猫ちゃんもいるんですか」と言われて「ゴマちゃんっていうんです」と答えたところ、「そうか、ゴマちゃんっていうんだ、可愛いねえ」と言った彼は、「僕はコマちゃんだよ」とかのたまったそうです。ぬけぬけと。
名刺によれば、彼の苗字は駒田さんです。

うちでは悪さをすることを「ゴマったちゃん」と呼ぶのですが、駒田さんは本当に「コマったちゃん」ですね。ええ年こいた大の男が、自分で自分を「コマちゃん」だなんて。

微笑ましいったらありゃしない。まったくもう。

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ありふれた言い回しや慣用表現などの一部分を切り取って、奇妙な言葉や感じを眺めるのが、好きです。
「みっともない」の「みっとも」って、なんだ？　とか。

今回は、「後ろ暗い」の「後ろ」って、具体的には誰の、どこから見ての後ろなんだろうなという疑問。
後ろって、どこだ？

じっくり考えれば答えは出るやも知れませんが、敢えて答えは出さずに宙ぶらりんにほうっておくのが、またいいのです。

そういえば「答えは出るやも」の「やも」の感じも、好きです。

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友達のところに女の子が生まれたそうです。

お祝いはもうずいぶん前から用意していたし、お兄ちゃんになる男の子には、お土産に玩具の車も溜めてあるし。
落ち着いたら渡しに行こう。
嬉しいな。

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小さな児童公園に７０代くらいのおじいさんがいるのを見た。
公園にはおじいさんひとり。

おじいさんはシーソーの片方に跨って座っていた。

やるせないような面映いような、幸せなような物悲しいような、嬉しいのか淋しいのかよくわからない、なんとも言いようのない気分になった。
でもなにかいいものを見たように思った。

見かけてしばらくしたら遊具の上で軽く体を上下させていたそのおじいさんに、仕事で車運転してるんじゃなかったら話しかけてみたいものだと思った。

ぎっこん。

「ばったん」が返ってはこないシーソーの上で、おじいさんは、なんだか聖者みたいだった。

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ちょうど幾十数余年前の今日、海月がこの世に生を享けました。

海月が産まれてきたこと、産んでくれた海月の両親、僕が産まれてきたこと、産んでくれた僕の両親、そして二人がめぐりあうことのできたこの世界の、すべてに感謝を。

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