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揚水の「人生薔薇色計画」

僕のハンドルは「ようすい」ではなく「あげみ」と読みます。表記はaghemiとしています。

妻の海月は「くらげ」と読みます。



ふりぃのかうんた

yesterday ふりぃのかうんた today ふりぃのかうんた


自分が何者であるか今よりももっとわからず身悶えしていた学生の頃、何をしたらいいのかについて友達と話しに話した。
結論は出なかった。どころか何をしてもいいんだということにすらなった。
ただし、本当に何をしてもいいというのではなかった。
一つだけ基準がある。
それは俺の、俺たちの、ひいてはほかの人たちの人生を薔薇色にするか、その一点。
時々それを思い出しては行動する。
それが僕たちの人生薔薇色計画。



    よそいき仕事日記   

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2002-03-02 梯子を立てる男たち
2002-03-01 夜食係
2002-02-28 フェナァイムシックスティーフォー
2002-02-27 すばらしい恋と愛
2002-02-26 サッポロ一番みそラーメン
2002-02-25 マルガリータとウノ・パラディーゾ
2002-02-23 街は煌めくパッションフルーツ
2002-02-20 シーカランスマロンス
2002-02-19 カメムシ戦争
2002-02-18 この身を焦がしてあなたと一つに


2002-03-02 梯子を立てる男たち

明日は観閲式本番です。僕らの分団は階梯操法の担当です。僕は要員ではありません。
ありませんが、当日はハッピの上下に白のカッターシャツ、どんぶりを着けた正装で参加します。
階梯、つまり梯子の上に人は登るのか否か。
答えは否、登りません。

登りませんが、立てます。
階梯を担いで行進し、地面に置いて、それから立てます。ただそれだけ。
それだけですが、簡単なことではない。

出初め式などをテレビで観たことのある方は知っているかも知れませんが、階梯は手で持って担ぐのではありません。鳶口を上手に絡めて担ぎます。
担ぎ上げるときも下ろすときも、直接手は使わずに鳶の操作だけで行うのです。

梯子の左右に3人ずつ、計6人が地面に置かれた階梯に鳶を引っかけた上でタイミングを合わせて空中に放り上げ、上を向いていた鳶の刃を下向きにひっくり返しながら鳶の棒の部分を階梯に差し込み、自分に近い方の縦軸の下を通して、遠い方の縦軸の上から、鳶を引っかけます。そうやって担ぎ上げ、行進するのです。

その後ろには2人付いて、彼らも行進する。
彼らは階梯を立てるときに階梯を引き起こす役割があります。

下ろすときは上げるときの逆の手順を踏みます。

そのほかにも、自動車ポンプ操法、小型可搬ポンプ操法、分列行進、退屈な観閲官の訓辞などがあります。

寒い中ご苦労様な事です。
そう言えば明日はひな祭りなのですね。

先頭 表紙

チロデルへ。ぜひ。 / 六点 ( 2002-03-09 23:51 )
六点、そんなさびしいこといわんでくれぇ。とんぶり今度チロが食べさせてあげるから。 / チロりす@こっちに来た時に ( 2002-03-08 08:11 )
へー…。そうなんだー。今度探してみようっと。お金が手に入ったら買ってみよう。いつになるかわかんないけど。 / 六点 ( 2002-03-08 00:17 )
とんぶりなら、スーパーの野菜売り場に売ってるよ。キャビアを探せばみつかるよ。60円くらい。納豆に混ぜるとウマイ。 / チロりす ( 2002-03-07 22:55 )
ほうほう、池澤さん読みましたか。僕が読んだことがあるのは、ここに書かれてる人では山田詠美さんを一冊だけですね。 / 揚水 ( 2002-03-07 20:55 )
だからその「とんぶり」が、わからないの知らないの。 / 六点 ( 2002-03-07 20:55 )
池澤夏樹さんを数冊読んだよ。ざざーっとだけど。思うより私にも読めました。どうも少女小説出身作家が好きみたいです。ちょっとハズカシ。今は唯川恵をちょっと。イヌカイキョウコもちろっと読みましたが、田口ランディに近いね。ヤマダエイミの影響をうけてるのかな?ってかんじでした。 / パオラ ( 2002-03-07 13:50 )
そう、わたしも二日に人に教えてもらうまで気づかなかったの。明日がひなまつりだって。デパートのケーキ屋さんすごく混んでたよ。 / パオラ ( 2002-03-07 13:44 )
ロッテン・・・・・・・・・・・・・・。だから・・・・・・・・・、だ〜か〜ら〜、とんぶりが畑のキャビア。畑の肉は納豆。(-_-;) / チロりす@そう聞かれると心配になるじゃん ( 2002-03-05 18:08 )
チロデルハイドへ。「とんぶり」は「どんぶり」の誤りでした。広辞苑第二版によれば、「どんぶり【丼】B職人などの着ける腹がけの前かくし。金などを入れた。」とあります。この意味から「丼勘定」という言葉が生まれた、ともあります。ところで「畑のキャビア」って本当はなんのことだったっけ? / 六点 ( 2002-03-05 12:56 )
ねーー。「とんぶり」って何?畑のキャビアじゃないんでしょ? / チロりす ( 2002-03-04 22:57 )

2002-03-01 夜食係

今週の水曜日は、例によって消防団の階梯操法の練習でした。そして今日も。
今日金曜日は本番前の最後の練習日でした。

今日は僕の属する班が夜食の準備の係でした。
水曜日に誰かがおいしいうどんの麺があるからそれを買ってこいと言っていました。
スープは鶏ガラがいいとも言っていました。

僕はそれを真に受けた。後から考えれば、そりゃラーメンスープでしょうに。
どうせ僕は仕事も暇です。他の人は仕事もあることですから、買い出しから全て一人で引き受けました。

寸胴鍋に約15リットルの水を張り、鶏ガラを煮ます。
別の鍋に約10リットルの水を張り、こちらは日高昆布と干し椎茸をたっぷりと落とし、しばらくそのままにしておきます。
ストーブの上に鍋を掛けて、麺を茹でるお湯の準備もしておきます。

くつくつと煮える鶏ガラのアクをこまめに取り除きます。ネギをざくざく刻んだものとショウガも加えています。
都合4時間煮続けました。
途中で出汁の鍋にも火を点け、適度に出汁が出たら、火を落とします。
消防の分団の包丁はあまり切れません。暇をみて、持参した自分の包丁を、これも持参した砥石で研ぎます。

バーベキューコンロに炭火をおこします。
出汁のもとの昆布と椎茸を上げ、椎茸は石突きを取り細切りに。ガラの出汁が澄んできましたので、そこに加えます。昆布も一部を細切れにして鶏ガラの鍋へ。残りはみじん切りにしてポン酢でいただきます。
薬味の万能ネギを刻みます。

板付き蒲鉾を切ります。板にこびりついている蒲鉾をこそげ取り、魚系の出汁を買い忘れていたのでこれもみじん切りにして、出汁代わりに鍋に入れます。それぞれの出汁を合わせます。
最終的には、合わせて25リットルほどもあったはずの水が20リットルを切るくらいに減っていました。

炭で焼く、30センチ以上もあるアジの開きとサンマを冷蔵庫から出して、室温に近づけます。

スープ鍋に塩と酒を加えます。香りが飛ばないように、この段階ではまだ醤油を入れるのは待ちます。

カツオのたたきを薄造りにします。
たたきのためのショウガをすり下ろします。

後はみんなが帰ってくるのを待つばかりです。

先頭 表紙

当然です、それは自由です。 / 六点@下のパーさんへ ( 2002-03-07 20:54 )
寿司バー「シックスポインツ」とかどうでしょ? / 六点 ( 2002-03-07 20:52 )
↓「小料理 六点」「割烹 ろつてん」「六点亭」とかどう? / パオラ ( 2002-03-07 13:46 )
板さんっすか? 今から修行するには年が行き過ぎてないかな。 / 六点 ( 2002-03-03 00:46 )
六点って、板前になってもいいんでない?なかなか、いい舌してると思うし。今年齢32のくせに、何を食べて生きてきたのか、気になるぞ。 / チロりす@スペインのリオハワインで酩酊中 ( 2002-03-02 22:28 )

2002-02-28 フェナァイムシックスティーフォー

昔、ウイスキーのコマーシャルで
「恋は、遠い日の花火じゃない」
ってのがありましたね。
「僕が六十四歳になっても、僕は君のことが好き、愛してる」
という内容の歌もありましたっけ。

当たり前です。恋は若者だけの特権ではない。
それが理解できないという人は「若さ」こそに価値があるというものの見方しかできない人です。
たとえば、「二十四を越えたら女は女じゃない、おばさんだ」と言ってはばからない人もいるようですが、言ってるその本人が四十をはるか越えているのだからお話にもなんにもなりゃしません。

自由というのはある種、そこいらにあるような先入観から離れて生きている人にしか与えられないものだと思います。

先頭 表紙

内面のみずみずしさ、若々しさというのが大事な気がするのです。このごろ。こういうのも自由ということなんでしょうね。 / パオラ ( 2002-03-06 14:51 )
アーデルハイドへ。うん、それもありだよね。そして若さにまかせた情熱も強烈なスパイス。どちらがいいとかでなく、どちらもあって欲しい。そう思う。 / 六点 ( 2002-03-02 17:22 )
30でも、40でも、50でも、恋に年齢制限も消費期限もないはずだわ。逆に、年齢が言ってるほうが、なんつーか、豊潤な濃い愛情を注げるような気がする。人生経験が恋愛のスパイスになるのね。と思うこの頃 / チロりす ( 2002-03-01 11:25 )
年齢と恋愛に相関関係はないのに、それに対する偏見や先入観は根強くありますね。世の若年崇拝、ロリコン教信者の諸氏諸嬢、かの野球選手夫妻を見よ。そしてそれもありなんだと軽く受け流して欲しい。 / 揚水 ( 2002-02-28 17:54 )
うちの父は52で26のひとと再婚したので、年齢と恋愛に相関関係はないと思う。 / lim. ( 2002-02-28 08:45 )

2002-02-27 すばらしい恋と愛

「嗤う伊右衛門」    京極夏彦著   中央公論社刊

「蔦燃え」      高樹のぶ子著   講談社刊

「旅のラゴス」     筒井康隆著   徳間文庫・新潮文庫

「霊長類南へ」     筒井康隆著   角川文庫

「センセイの鞄」    川上弘美著   平凡社刊

「眠れるラプンツェル」 山本文緒著   幻冬舎文庫


恋愛を真正面から描いたものだけが恋愛小説ではないでしょう。
そもそもジャンル分けそのものが、無意味だ。

上に、なかなか恋愛をも扱った小説の中でもいいと思うものを、ただいま思いつくままに挙げてみました。
敢えてコメントは付けません。
そこに描かれた恋愛がいいも悪いも、関係無しです。
小説そのものは、いい。

気が向いたら読んでみてくださるのも一興かと思います。

先頭 表紙

バニさんへ。この中で「恋愛小説」の範疇に入るのは多分一つだけです。それも読みようによってはエロエロだった。「普通」の恋愛小説なんて、恥ずかしくて読めませんよ。 / 揚水 ( 2002-03-02 15:19 )
変態なのであんましふつーのはイヤかなぁ。そういえば恋愛もの読んでなかったわ。 / バニー ( 2002-03-02 02:38 )
むー。わかんないや。「センセイの鞄」、いいっすよ。 / 揚水 ( 2002-02-28 02:00 )
だってぇ〜〜〜♪可笑しいじゃんよぉ。はははーーー。 / チロりす@ナチュラルハイ?? ( 2002-02-28 01:54 )
ハイジへ。え? どこいらへんが? / 揚水 ( 2002-02-28 01:50 )
知らない。藤原くんはね、「バトルロワイヤル」のビデオ観たからね。つまんなかったけど。小説の原作の方がまだましだった。つまんなかったけど。 / 揚水 ( 2002-02-28 01:49 )
本の題名見てたら、笑っちゃたんだけど、これ、ウケとるつもりじゃないのよねぇ。 / チロりす@でもなんか可笑しい ( 2002-02-28 01:47 )
夏川さんはね、ちょっと前にトヨエツと駅長さんのドラマやってた人。 / パオラ@キレイよ ( 2002-02-28 01:18 )
えー、あんなヨゴレなガキいやじゃ。 / パオラ ( 2002-02-28 01:14 )
夏川結衣? 誰? 僕の中で「ラプンツェル」の少年は藤原くんだ。たつやくん。 / 揚水 ( 2002-02-28 01:04 )
↓んでヒロインは夏川結衣かな?そうそう。彼女がいい。 / パオラ@おっちゃん好み ( 2002-02-28 00:50 )
ラプンツェルしか読んだことないんよ。おっちゃんは。あの少年がどうしても滝沢君なイメージなわけよ。おっちゃんの中では。おっちゃんもこの話は好きです。この中では京極をちかいうちに読むかも。 / パオラ@いいねえ山本。 ( 2002-02-28 00:44 )

2002-02-26 サッポロ一番みそラーメン

最近、袋が開けにくいような気がする。
熱圧着のシーリングが強くなってしっかりしてきたのだろうかとも考えたが、別の可能性にも思い至った。

ひょっとして、袋の寸法が、ほんのわずかではあるが小さくされたのではないか?
だから指でつまむ余裕が少なくなって開けにくいのではないのか?

月当たり何百、何千万食のインスタントラーメンが生産されているのか知らないが、幅140ミリ高さ176ミリの袋を仮に、月5百万個のラーメンを生産するとして高さだけ1ミリ短くしているとしても、表裏で2倍、14億平方ミリメートル、実に1,400平米のフィルムの節約になる。ざっと424坪だ。
2ミリだとすると約850坪にもなる。いったい何軒の家が建つだろう?

もしかしたら、不況の影はこうして目に見えないところから、でも確実に忍び寄ってきているのではないのか。

インスタントラーメンの袋が開きにくいだけで、そんなことまで考える。

先頭 表紙

lim.さん。こんなんばっか食ってちゃいけないと知りつつ、食べてしまうのですよ、インスタント。そんなしょっちゅうじゃありませんが。 / 揚水 ( 2002-02-28 17:53 )
アーデルハイドへ。お気に入りですよ(笑)。 / 六点 ( 2002-02-28 17:53 )
パオラ嬢。いや、お門違いというよりもなるほどそうだと思ったの。 / 揚水 ( 2002-02-28 17:52 )
そうです。インスタントなんて食べちゃダメ。私はレトルトとかも一際食べないです。 / lim. ( 2002-02-28 08:47 )
アーデルハイドが気に入っちゃったみたいねぇ。私は六点が結構気に入ってるが。ってキミもよねぇ??ん? / チロりす@計算は拷問 ( 2002-02-28 01:51 )
え?お門違いだったかしら?でもいらない包装ならちっこくしてもいいじゃんよー。 / パオラ@またお門違い? ( 2002-02-27 20:16 )
人の「リストラ」ねえ…。 / 揚水 ( 2002-02-27 19:15 )
アーデルハイドへ。計算間違いしてないか計算し直しておいておくれ。 / 六点 ( 2002-02-27 19:14 )
りむさんへ。おっしゃる通りなのでしょうが、どんぐりの背比べな「健康」…。インスタントラーメンばっか食ってる食生活がそもそも不健康ですもんね。 / 揚水 ( 2002-02-27 19:14 )
サービス業の裏をかいま見ることが多いのそゆことはよく感じます。「りすとら」なんですよね。人のりすとらをしないだけ(してるかもしれんけど)エライかも。ドイツ人にしたら「ムダにしない」ってあたりまえのことなんだろうなあ。 / パオラ ( 2002-02-27 13:52 )
袋の開け辛さから、1400平米の節約の計算までした揚水さんに拍手! / チロりす@わしゃ、算数はまるで苦手。 ( 2002-02-27 10:49 )
インスタントラーメンは一度麺を別に茹でて、茹で汁を捨て、スープを別に作ると健康的ですよ。 / lim. ( 2002-02-27 08:25 )

2002-02-25 マルガリータとウノ・パラディーゾ

昨日近所の知り合いのところへ電動ホームバリカンを借りに行きました。
帰り際、奥さんが一歳一ヶ月の男の子に
「おじちゃん帰るって。バイバイだって。ほら、また遊んでねって言わなきゃ」と声を掛けると、彼は
「また遊ぼうね」と言いました。
奥さんと知人は「遊んでもらったのに、この子の言い方だと友達に言ってるみたいだね」と笑っていましたが、それでいいと思います。
実際僕が遊んでもらっていたようなものですから。

それからクラゲを迎えに行き、彼女に髪を刈ってもらいました。
昨夜から僕は坊主頭になりました。

そして今日、二人とも仕事が無かったのでゆるゆる起きて、それから僕はクラゲを送っていきました。後部座席には陸丸も乗っていました。

家を出る前には、バリカンを返すのとクラゲを送っていくほかには特に行き先は決めていませんでした。ただ、庭に遊びに来た小鳥を見るために戸棚から小さな双眼鏡を引っ張り出していたので、なんとはなしにそれもカバンに入れて出かけました。
バリカンを返しに行くと、奥さんと男の子が籐製の乳母車で散歩に出かけようとしていたまさにその時に、ちょうどいいタイミングで会うことが出来ました。会えてよかった。
それから、どこか良さそうなところで陸丸と散歩をしようかと話しながら、とりあえずクラゲの住む町へと車を走らせました。

名古屋市の東港外に大きな森林公園があります。車中でそこに行こうということに決めました。

着いてみると月曜日で公園は休みでしたが、ボートに乗りたい訳でもなかったし、ただ入るだけなら問題なさそうだったので、車を停めて陸丸とクラゲと僕は連れだって散歩をしました。

最初に大きな池の周りを歩いていると、あちこちに鳥がたくさんいました。僕が双眼鏡を車に置いてきたことを思い出して「取りに戻ろうか」と言うと、クラゲは初め「いいよ」と言っていました。

きれいな石を拾ったりしてしばらく歩いていると、僕たちの頭上を一羽の鵜が枯れた草か何かを銜えて飛んでいきました。営巣に使うのでしょうか。
「巣作りかな?」
「繁殖期かな?」
そんなことを話しながら歩き続けると、最初の池を離れてまた違う池の近くに出ました。
すると数多くの鳥が騒がしく鳴いている様子です。まだ池は見えません。
池が近づくにつれ鳴き声は大きくなります。開けた場所に出て驚きました。

池の対岸の何十本もの樹上に、軽く二百羽は越えていそうな鵜が鈴なりになっています。樹には何か白くばさりとしたものがたくさんぶら下がってもいます。
僕たちは、それが当然のことであるかのように車まで双眼鏡を取りに戻りました。

池の端まで戻り交代で双眼鏡を覗いて、結構な時間飽かずに鵜を眺めていました。白いものは巣とその材料が垂れているものと知れました。たくさんたくさん鵜がいました。
名は知りませんが勝手に二人でカイツブリだと決めつけた鳥が泳いでいて、大きなサギも飛んでいました。鴨もいます。
「雛はいるのかな?」
「そこまでは見えないね」
「うん、分からない。残念だね」
そんな言葉を交わしてふと気が付いて耳を澄ましてみると、明らかに成鳥とは異なるピヨピヨという鳴き声が混じっています。
別の種類の鳥の鳴き声なのかも知れませんが、おそらくあれは雛の声なのでしょう。なんだか二人して嬉しくなりました。陸丸は二人がそこから動かなくなってしまって、しばらくキュンピスと不平を漏らしていましたがそのうちに諦め、寝そべっておとなしくしていました。

「ここは鵜のパラダイスだね」
クラゲはそんなことを言って陸丸を撫でていました。

先頭 表紙

温泉いいなあ…。 / 揚水 ( 2002-02-27 19:13 )
寒いです、とても。 / 揚水 ( 2002-02-27 19:13 )
これに温泉とうまいもんがついたらパラディーゾ・プリモ!! / パオラ@いやっほう!! ( 2002-02-27 13:58 )
頭、寒くないですか? / lim. ( 2002-02-27 08:22 )
あーちゃん、30越えれば充分おっさんでしょう(笑)。しかも相手は一歳児。 / 揚水 ( 2002-02-27 00:37 )
チロりすさんへ。幸せって、何事もない日常なんですね、うん。 / 揚水 ( 2002-02-27 00:36 )
クマさんへ。春は近いです。でも家の前の梅はまだ堅く小さいつぼみ。なのにもう気持ちはワクワクする。 / 揚水 ( 2002-02-27 00:35 )
揚水さんっておじちゃんだったの!?!?!? / AHchan ( 2002-02-26 15:27 )
幸せで穏やかな日常の描写です。 / チロりす ( 2002-02-26 09:44 )
春が近いのでしょうか? 巣作りかなぁ? / クマ ( 2002-02-26 09:22 )

2002-02-23 街は煌めくパッションフルーツ

ウィンクしてる海老ナイト。
なんのことやら。
あれは、あの歌はどんな歌詞でしたっけ? 忘れた。

僕がパッションフルーツを食べたいと言うと、クラゲは海老ナイトが食べたいと言います。
彼女によれば海老ナイトとは外巻の巻物、海老が中に、米が外に巻かれているもので、アンモナイトのような形をした海老の巻物だからそういう名だそうです。
やあ、それはおいしそうだ。

よくも二人してそんな馬鹿なことばかり思いつくものです。

それはそうと、二人でおいしいものを食べてきました。
名古屋市の東部にある居酒屋に行きました。
いつもとてもおいしいものばかり食べさせてくれる居酒屋なのですが、少し高めなのでそうそうしょっちゅうはいけません。
嬉しいことがあったときに行けばより幸せに、落ち込んでいるときに行けば元気になります。

まずは瓶ビールで乾杯。つきだしは菜の花のお浸しに削り節がまぶしてありました。おいしい。
のれそれとタラの白子を頼みました。
のれそれとはアナゴの稚魚を生のままポン酢でいただくものです。その稚魚とは6センチほどの透き通った平たい魚で、胴は幅1センチ弱、頭と尾はもっと細い。
平たいところを除けば、まさにアナゴの姿。小さいながらも天晴れなものです。
これは日本酒でしょう。
のれそれも白子も紅葉おろしとワケギがかけてあります。ニクい。
ビールに合わせるためにキャプリン(そう、シシャモですね)を頼み、日本酒、「黒帯」と「久保田」の千壽を一合ずつ。
お酒が来るのに、そうそう、サヨリの刺身も頼んでおいたのでした。うう、幸せ。
サヨリさんは活け作りのお姿でご登場なさいました。長く伸びた下顎とその下にうっすら引かれた朱の紅が美しい。
図に乗ってもう一合。これは「しぼりたて」というお酒。
とどめにサザエの刺身をもオーダーしました。大サービス、ワタまで付いています。それも二つも。

ずんずん出来上がっていく私たち。旨い、幸せだ。
これは、この幸せを誰かに分けてあげなければならない。
酔っぱらった僕が次にとった行動は、この人ならおいしいものには眼がないはずだという人に電話をかけることでした。
クラゲは隣で「やめなよう」と言っていましたがそこは酔漢二人。愛する二人を阻むものは何もないのでした。
なんか文法おかしいな。
「今からおいでよお」
そうは言ったものの、夜中の十時過ぎに、それも突然東京から名古屋まで出てこいというのでしょうか?
いやしかし俺はあの人と旨いもんが食いたいんだあっ!

馬鹿です。400キロ弱の距離はいかんともしがたい。迷惑千万とはこのことです。ああ、ごめんなさいね。反省しています。
でもいつか遊びに来てください。そしておいしいものを一緒に食べましょうね。それはそれは二人して楽しみにしていますから。
ほんとですよ。

「海老ナイト」の酢飯と海老の間には、海苔でなくて味付けを施していないトロロ昆布を挟んでやるとべらぼうに旨いに違いない。
そんなことを考える幸せな酒飯でした。

そんなこと考えるくらいなら反省しろ。

先頭 表紙

パオラ嬢&アーデルハイド。補導はどうなった? / 六点 ( 2002-02-28 17:56 )
↓きみ、まだこんな所をウロついとるのかっ!補導するぞ!! / チロりす@明日、大丈夫なのか?? ( 2002-02-28 01:53 )
むみー? / パオラ ( 2002-02-28 01:14 )
「む」はダメ。「み」。 / 揚水 ( 2002-02-28 01:05 )
むーむー。 / パオラ@どうじゃ? ( 2002-02-27 20:17 )
その時は当然お好きな方とご一緒だったのですね? / 揚水 ( 2002-02-27 19:12 )
私も昨日美味しいものたべた〜。幸せを感じる瞬間です。 / lim. ( 2002-02-27 08:23 )
チロりす年帽(変な変換)へ。それはかわいそうだ。今日散歩したところは杉の木だらけで、クラゲと二人花粉症の人はこんなところ歩けないねえと話したばかりです。 / 揚水@明日は我が身? ( 2002-02-26 02:43 )
パーさん、お願いですから「みーみー」言ってくださいよ。 / 揚水@イヤ? ( 2002-02-26 02:42 )
クマさんへ。おいしいのに(笑)。 / 揚水 ( 2002-02-26 02:42 )
あぁ、いつもなら、食の描写に涎がたれるワタクシですけれども、今日は花粉のせいか海老ナイトですら想像できない状態。ま、食えないならその方が都合が良いわ。 / チロりす@食道楽 ( 2002-02-24 17:04 )
みーつめてきゃっつあい にゃーにゃにゃにゃにゃにゃ み−どりいろにひかーあるう あーやしくきゃっつあい にゃーにゃにゃにゃにゃにゃ つーきあかりあびてー うぃーげっちゆー みすてーりあすがーる ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ・・・ / パオラ@意地でもみーと言わないという態度 ( 2002-02-24 16:08 )
私はサザエのわたは苦手 (;^_^A アセアセ・・・ / クマ ( 2002-02-24 05:30 )

2002-02-20 シーカランスマロンス

小学館が隔月で出しているマンガ雑誌「IKKI(イッキ)」に「スキマスキ」というマンガが載っている。
「隙間」が好きなのだろうが、どうしても僕の脳味噌は「簀巻き」が好きなのだと勘違いしたいようで、困る。
江戸時代に簀巻きにされた屍体を見て興奮する変態性欲者はいたのだろうか、などと妄想が膨らむ。

「おこと教室」という看板。
これなど「お琴教室」と漢字で書けば済むことであろうにわざわざ平仮名で大書してあるのは「おとこ教室」とでも読ませたいのだろうかと勘繰ってしまう。
双葉社の「週間アクション」がまだエロ本路線に走っていなかった頃、江口寿史さんが1ページだけのマンガを連載していた。
そこでこのネタを初めて見たように思うが、もともとこれなどは赤瀬川原平さんや南伸坊さん、藤森照信さんら路上観察学会の方たちが「トマソン」や「考現学」で拾ってきたのではないだろうか。

こうした勘違いは、子供が音韻の認知や発声がままならず「エレベ−ター」を「エベレーター」と言ってしまうのにも似ているが、ちょっと違っている。
子供は単に発達の過程で発音できないだけのことが多いのに対して、大人は先入観その他に惑わされて勘違いしていることや、最初に一度そう思いこんでしまったことを変えられないでいることが多い。
そういう勘違いは他にもある。

未だに僕は「アニサキス」なのか「アニキサス」なのか分からず思い悩むことがある。
小学生の頃「生きた化石」といわれる魚の存在を知って以来、高校生になって内田春菊さんの「シーラカンスロマンス」を愛読してなお、しばらく僕はその魚を「シーカランス」だと思っていた。
さすがにロマンが「マロン」だとまでは思わなかったが。
全部カタカナの見知らぬ単語に出会ったときが麗しい勘違いを生み出すチャンスのようだ。ワープロソフトも「兄先酢」と「兄貴指す」と変換して、二つの発音を差別化しようと苦心している。

ああ、胸震わす勘違いの素材に出会いたい。
そして思うさまそれを楽しむのだ。

先頭 表紙

lim.さんへ。ありますね、それ。愛知に来た当初、「これ片づけといて」という意味で「これ直しといて」と人に頼んでキョトンとされた覚えがあります(とある日本西南地方の表現ですね)。「どこが壊れてるの?」だって。昨夜遊びに行った先の僕の友人(小2男子)が「ドヴォルザーク」を「ボルトザーク」と取り違え、さらにしきりに「サン=グテジュペリ」、「サン=ジュテグペリ」と言ってました。どうしても正解が言えない。モーツァルトのお父さんの友人、「シャハトナーおじさん」は言えるのに(笑)。かわいい。 / 揚水 ( 2002-02-23 16:53 )
ちょっと違う話かもしれないけど、自分の実家の方の方言が標準語だと思って話していたら全く通じていないことがあったりしますね。 / lim. ( 2002-02-22 23:43 )
やべえ、間違えてることに気づかなんだ。 / パオラ@ほんとやべえ。 ( 2002-02-21 23:44 )
なるほど、「の」がいるのか。「おとこの教室」では何をご教授くださるのだろう? タイトルはお察しのように内田さんの昔のマンガです。わざと間違えてますが。 / 揚水 ( 2002-02-21 23:34 )
ああ、なんと私好みのネタ連発!揚水くん「おこと教室」じゃなくて「おことの教室」だよ。「の」があるから「男の教室」に見えるんだよね。このタイトルやっぱり内田春菊かね?私はその読みちがいはないね。アニーもな。ちなみにうちの実家の犬はマロンだ。私がよく間違うのは「アガリクス」「アガリスク」、「パレストリーナ(作曲家)」「パストレリーナ」、とかかな。あのね、昔の人名とかはヤバイね。 / パオラ@がんばれワープロ! ( 2002-02-21 14:33 )
そういや「雰囲気」を「ふいんき」と発音する人もいますね。テレビの街頭インタビューで何故代官山に住みたいのか尋ねられて「えー、だってぇー、ふいんきがいいからぁー」と答えていたおねーちゃんを見た。多分代官山の方からお断りだと思うぞ。 / 揚水@携帯から ( 2002-02-20 20:39 )
うちの弟は幼少期「いただきます」が「いたからます」だった。私は今でも「装飾」が「しょうしょく」になったり「しょうそく」になったりエーデルハイドがエー出るハイドになったり、としぼうが徒死亡になったり。。。 / チロりす ( 2002-02-20 19:41 )

2002-02-19 カメムシ戦争

カメムシという生き物がいる。臭い。とても臭い。蛇蝎のごとく嫌われている。ヘビにもサソリにも一分の理、三分の魂があろうし、カメムシだとて好きで嫌われ者に生まれついた訳ではない。
彼らは身を守る武器としてその臭さを纏うように、進化の魔法を用いた。結果、嫌われ者となる代償に、補食されにくいという身の安全を手に入れた。
天敵の多い生き物は、それはもちろん不幸だ。けれど、天敵の少ない生き物もそれはそれで不幸なのだ。
まず、孤独だ。その連鎖から逃れることが目的であったのに、いざ食物連鎖のくびきから完璧とはいかないまでも逃れ出てみると、言い様のない寂寥に包まれる。食べられ死ぬことが少ないのだから贅沢な孤独ではあるが、これは経験したものにしか解らない。
それに、厄介な問題がもう一つある。人口問題だ。
人口というのか虫口というのか、カメムシたちの個体数と環境とのバランスは、割合上手く保たれてきた。
新参者の猿がその勢力を伸ばすまでは。

天敵が少なくとも死ぬものは死に、生きるものは生き延び、彼らは子孫をつないできた。多少増えすぎたところで、潤沢で美しい水や豊富な植物が彼ら一族を養ってきた。彼らはきれいな水や食料である草木の汁が乏しいところでは生きられない。
それを、あの猿は奪った。猿は森を破壊し清流を毒水に変え、海の純潔を汚し空気を濁らせた。
広く清らかで懐の深い自然に育まれ、少々嫌われようとも、彼らはのびのびとその生を謳歌してきた。かつては。大自然は汚く矮小なものに歪められてしまった。猿によって。
彼らは畏れも敬いも持たずに、自身を育んだこの大地を自分たちの都合で彼らにとって快適なように改変していった。ほかの生き物にとってそれは必ずしも快適なものとは感じられなかったが、彼らは満足することなく倦まず弛まずさらに快を求め続けている。もっとも猿の中でもその快を享受できるものはごく限られた一部のものに限られているようではあった。

もともとの棲みかを狭められ奪われたカメムシたちは、野放図にその数を増やすことが出来なくなった。棲める場所が狭くなって数は自然に減ったものの、天敵が少ない彼らは環境の激変に即して数を減らすことが難しかった。好んで数を減らしたい生き物がいようはずもない。しかたがないことなのだ。このまま狭くなり続ける生息可能な地にこれまで通りの数のカメムシが生き続ければ、種全体の存続に関わる。

いつの頃からか、彼らは戦争で彼ら自身の数を減らす術を覚えた。といっても殺し合いをするのではない。秋になると、祭りを開く。
ひっくり返り脚をワシャガシャと動かしどちらが滑稽かを競い、空高く飛翔しどちらかがより力強く優雅に飛ぶことが出来るかを競うなど、芸能やスポーツの祭典の趣きすらある戦争だ。部族ごとにその誇りと存続を懸けて、彼らは陽気に戦う。
けれどその陽気さの後ろには物哀しい諦めが潜んでいる。負けた部族はひと冬山を去らなければならない。彼らは暖かく優しい落ち葉に包まれて冬を越す権利を失う。美しいせせらぎに背を向け、猿たちの住むところまで下りなければならない決まりなのだ。人間の住む里に。

人里に追われたから即死んでしまうというのでもない。けれど、いったいどちらがましであることか。
食べ物が減りひしめいて生きるひもじく息苦しい山の暮らしでも、汚れた水と空気の中で食べてその糧にしない生き物であっても平気で殺す人間に怯えて暮らす里の暮らしよりは、何倍も何倍もいいに決まっている。
けれど、しかたないのだ。

この冬も敗者は人里で息を殺して、時が過ぎるのをじっと待っている。

先頭 表紙

あう。 / 揚水@改名できず ( 2002-02-21 23:33 )
ほれ。改名しろ。さっさとな。 / パオラ@いわんこっちゃない ( 2002-02-21 14:23 )
あのね。Jフォンはみられなかったの。「おまえダメ」だってさ。チッ。 / パオラ@やさぐれるわし ( 2002-02-21 14:19 )
げ。虫の都合だ。都会じゃなかったわ。ああ、パーさまにやられる前に自分で揚げ足とっておこう。 / 揚水 ( 2002-02-20 19:31 )
えとね、携帯でインターネットを開くの。自分のページのURLを打ち込んでまず自分のページを開いて、そこからつっこみにスクロール、んで実行ボタン。めでたくつっこみが出来ました、パチパチ。んでも容量の都合か、最初の記事のつっこみと次の記事の途中ぐらいまでしか見られないね、僕の場合。だから最新の記事にしか返せない。 / 揚水@おわかり? ( 2002-02-20 19:24 )
ドコモは出来たよ。 / 揚水 ( 2002-02-20 18:51 )
おおそうだ!わしもそれを聞きたかったのだ!Jフォンからもつっこめるのかな?管理組合さま、教えてくだされんだろうか? / パオラ@興味津々 ( 2002-02-20 18:08 )
え?揚水さん携帯から突っ込み返ししてんの??? / チロりす ( 2002-02-20 17:57 )
おとめさん、あなたの小さい頃なんてまだそんなに経ってないでしょうに(笑)。それと宿題はどうなりましたか? おじさん楽しみに待ってるんだけど。 / 揚水 ( 2002-02-20 17:06 )
彼奴めらに都会は存在しないよ。臭いくせに清流の近所に住むのが基本の生き物だもの。カラスは快適でしょうね。労せずして食える。それもこれも人間さまが食い物を粗末になさるおかげ。ありがたやありがたや。 / 揚水 ( 2002-02-20 17:02 )
カメムシの臭さは厳密に言うとよく知らないの。田舎生まれのくせに。虫の都合ってどんなもんなんでしょうね?たとえば都会のカラスはあれはあれで食べ物が豊富で(下手したら私よりいいもの食べてるかもしんない。)、もちろん駆除の危険は持ち合わせているけどいいような気がする。だって数が尋常じゃないでしょ?人間が都会に適応するのと同じで実は彼らも快適なのかも、と時々思います。実際はソロモンの指輪でももって聞いてみないことにはわかんないけどね。 / パオラ@あるいはドクタードリトル? ( 2002-02-20 16:01 )
カメムシなつかしいな〜。小さい頃見たことがある位だもんな〜(^0^) / おとめ ( 2002-02-20 15:38 )
綾丸さんへ。うちに大挙しておいでまします(笑)。 / 揚水@携帯から ( 2002-02-19 21:58 )
カメムシって、最近見ない気がするんだけど、どこかにいるんでしょうか。ありゃ臭い。 / 綾丸 ( 2002-02-19 19:59 )

2002-02-18 この身を焦がしてあなたと一つに

昨夜クラゲが来てくれた。ご飯は食べてきたというので、僕だけ軽く食べた。
長いこと二人で話したりある人と電話で二人ともが話したりしたその後、僕が本を読みながらちょっとした書き物をしていると、クラゲは朝食の下拵えを始めた。
カラフトマスの水煮の缶を発掘して、何かを企んでいるようだ。

「あっ!」
突然大声を出す。
「なに?」
「いいこと思いついた」
満面の笑顔。よっぽどいいことを思いついたに違いない。
「ネギをね、焼くんだ」
「?」
「そうすれば甘みが出て、カラフトマスと一緒に煮たらおいしそうじゃない?」
「おお!」
手元を見ると、ネギの白い部分が4〜5センチの長さに切られて魚焼きグリルの並べられていた。
「この身を焦がしてあなたと一つに、だね」
「うん。そのフレーズいいね」

外は雨が降っていた。
クラゲが来る前に社長に電話して、朝も雨が降っているようなら仕事はどうなりますかと尋ねると、休みだと言っていた。
「それじゃ、降ってたら連絡無しで休みということ、」と言い掛けると、
「いいよ」と言われた。
「明日晴れたらいいんですがね」と言っておいた。

今朝起きると、雨は降っているとも降っていないともつかない様子で、どうしようか迷ったけれど電話せずに休んだ。時が経つにつれみるみる晴れてきたけれど、仕事が無ければ出ていっても仕方ないなと思っていた。

カラフトマスとネギの間には、彼らの恋路を邪魔する白菜と大根も入っていた。カラフトマスとネギと白菜と大根を、利尻昆布の出汁で、酒と醤油で寄せ炊き風にしたものが朝食のおかず。
豆腐となめこの味噌汁に、トマトと炒り卵をマヨネーズとワインビネガーと黒胡椒で和えたものがついた。クラゲのお父さんが漬けた絶品のキムチも添えられていた。
おいしかった。

白菜と大根が入ったからといっても、彼らを邪魔者とはせずに自分たちを包んでくれるのだと感じられるネギとマスでいたい。
横恋慕くらいで二人が揺らぐとも思わないが、横恋慕は確かに迷惑だ。
けれどそういうことではなくて、二人だけの世界に閉じこもるのでなく他の人とも出来るだけきちんと向かい合って、生きていきたい。二人で。


この人を好きになって、好きになってもらえて、本当によかった。

先頭 表紙

みゃ(笑)? / 揚水 ( 2002-02-20 16:59 )
みゃーみゃーみゃーーーーーー。 / パオラ@みゃ? ( 2002-02-20 15:53 )
のろけやがって!!!!!!!! / パオラ@クラゲさんうちにもきてください ( 2002-02-20 15:52 )

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