himajin top
揚水の「人生薔薇色計画」

僕のハンドルは「ようすい」ではなく「あげみ」と読みます。表記はaghemiとしています。

妻の海月は「くらげ」と読みます。



ふりぃのかうんた

yesterday ふりぃのかうんた today ふりぃのかうんた


自分が何者であるか今よりももっとわからず身悶えしていた学生の頃、何をしたらいいのかについて友達と話しに話した。
結論は出なかった。どころか何をしてもいいんだということにすらなった。
ただし、本当に何をしてもいいというのではなかった。
一つだけ基準がある。
それは俺の、俺たちの、ひいてはほかの人たちの人生を薔薇色にするか、その一点。
時々それを思い出しては行動する。
それが僕たちの人生薔薇色計画。



    よそいき仕事日記   

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2003-05-22 流浪 12  銃泥棒
2003-05-19 なめくじのあみだくじのおみくじ
2003-05-19 流浪 11  美しい宵闇に、誰も悼む者はない
2003-05-18 流浪 10  戯れに殺す
2003-05-18 箴言、と言うほどのことでもないけれど
2003-05-16 流浪 9  撃たれる
2003-05-15 流浪 8  川を渡る
2003-05-15 流浪 7  山中の王
2003-05-14 味噌汁療法
2003-05-14 流浪 6  鹿


2003-05-22 流浪 12  銃泥棒

た。せめてもの虫除けに露出した肌に蓬を摺り込んで、今夜は潅木の大きめな藪にでももぐって寝ることにした。しかし腹が減った。これから火を起こすのが億劫でもあったし暗くなってきたのに焚き火などしては、その灯かりを見咎められる恐れがある。もっとも明るい時であれば煙が目に付くであろうが。今はもう暗い。火は目立つ。そういう時にわざわざ火を起こす間抜けもないだろうと思い、片手を枕に生乾きの干し肉を取り出して齧っていた。腹がふくれても興奮しているせいか昼間寝ていたためか、なかなか眠くならない。ふと繁みの外に目をやると、間抜けがいた。さっきまではいなかったところに人がいるところをみると、眠れないと思いながらも少しはうとうとしていたものらしい。数人の男が疲れきった様子で火を囲んでいる。足音を忍ばせて藪を出た。素人の僕ですらしなかったような間抜けな真似をしている奴らがいる。しかも、そこここに。歩き回って、四箇所に、三人、四人、三人、五人。都合十五人の男を見つけた。それらの男がお互いに敵であるのか味方であるのか、僕にはなかなか見分けがつかない。すべての男が呆けたように火を眺めている。それほど彼らは倦んでいるのだろう。それとも見つかって撃たれて死ぬのを望んでいるとでもいうのだろうか。きっとそこまでも考えてはいないのだろう。彼らは多分、とても疲れている。僕は頭上を見上げた。いつのまにか曇っていて、今夜は星が見えない。明日は雨になるかもしれない。十五人という数字が僕にとって多いのか少ないのかわからない。彼らをそれぞれ訪なって争いを止めるように説いてまわるのか。そんなことは考えるだけでも馬鹿馬鹿しい。怪しまれない訳がない。どうせ説得するなら何箇所もまわるよりも彼らが一堂に会した場所のほうが都合がいい。だがしかし彼らがひとところにいるということはすなわちそこが戦場だということを意味する。彼らの争いのさなかにのこのこ顔を出せば誰かの銃弾に斃れて一巻の終わりというのも間違いないだろう。争いを止めさせるにはその無益さを訴えるだけでは済まされない。けれどそもそも僕が争いを止めなければならない理由があるだろうか? 理由と呼べるようなものはない。だが僕は自分が川を渡った理由なら知っている。僕は、王の怒りに呼ばれてこちらにやってきた。王は人と人が争うことに煩わしさを感じていた。それでも王は彼らを初めのうちは放っておいた。争うことに倦み疲れた彼らがいたずらに森の生き物を殺し始めるにおよんで、煩わしさは怒りに変わった。昨日今日ここにやってきたばかりの僕に、何故だかそうしたことがよく伝わってくる。人間の起こしたことの始末は人間の手でつけなければならない。森の王に任せるのは、それは無責任というものだろう。けれど僕はどうやってその始末をつければいいのか判らない。僕は一番人数の多い焚き火をそっと伺っていた。彼らが寝入るのを待って銃を盗んでまわろうと思う。そして銃を、捨てる。そう考えている。そして同時にそんなことは不可能だとも思っている。それが出来ないと言うのなら、どうして俺はこんなところまでやってきたのだ。僕は途方に暮れた。急に眠気を覚えた。気が付けば僕と少し離れたところから、牡鹿が焚き火の周りの男たちを見つめている。牡鹿は男たちを、人間を眠らせようとしている。それがこれから僕が働こうとしている盗みを手助けするためなのかどうか判らないが、僕には都合がいい。男たちは糸が切れたように寝入ってしまった。僕も眠気を覚えているが、かろうじて起きていられる。牡鹿は姿を消した。僕

先頭 表紙

2003-05-19 なめくじのあみだくじのおみくじ

彼女は風呂に入る。

湯船に身を浸して自分の乳房を見る。
先程までの逢瀬の余韻が皮膚の内側から湯を押し返す。

深く息を吐(つ)く。
自然頭が上を向く。

視界には白いタイル。
壁の高いところを一匹のなめくじが這っている。
舌を連想させられて芯から体が熱くなる。
そんな想像をする自分に顔も熱くなる。

目地に沿って次第に下りてくる。
一マス下っては折れ曲がり、横に進んではまた曲がって下に下りていく。

ゆっくり、ゆっくり。

壁の下のほうに「一等賞」や「残念賞」でも用意してやりたいと考えて笑みがこぼれる。

けれど、なめくじの歩みはのろい。

のぼせる前に風呂を出た。

先頭 表紙

ってのか、海月がお風呂場で目地に沿って下に下りてくなめくじ見て「なめくじのあみだくじ」とか思いついておもしろかったっていう話聞いておかしかったんですけどねえ。そんでこんなくだらないこと思いついた訳でして。最初彼女は間違えて「なめくじのおみくじ」言ってましたし。皆さまなめくじそのものに反応なさったようで。 / 揚水 ( 2003-05-22 11:29 )
…しません。ひじきが食えなくなる…。 / 揚水@おはつ、ですよね? ( 2003-05-22 11:21 )
要は浸透圧の差で彼奴めらは体の水分を召し上げられてしまうのですな。くわばらくわばら。 / 揚水 ( 2003-05-22 11:20 )
怖いっつーか、ヤですね。ぴと。うひーっ! / 揚水 ( 2003-05-22 11:17 )
えーと、用意するのは構いませんが、あっ、ダメ、かけないで、うおうっ…。 / 揚水@縮む縮む… ( 2003-05-22 11:16 )
村から名古屋に出て、そういえば見てませんね、僕も。 / 揚水 ( 2003-05-22 11:12 )
かたつむりだったらいいんですかねえ、あみさん、kotarouさん。 / 揚水 ( 2003-05-22 11:11 )
近場のなめくじは小さくて黒いのが多い。・・・なにか想像しません? / 風歌@ひ●きの煮付けがどうもね・・ ( 2003-05-21 15:50 )
なめくじ、砂糖でもいいそうですね。 / ど〜にゃ ( 2003-05-21 08:26 )
なめくじ見ても、あんまり動じないんだけど体に張り付いてきたらやっぱり怖い・・・・・ / みるみる@Atelier ( 2003-05-21 08:08 )
なめくじ〜。塩用意していいですか?(意味不明) / 綺羅♪ ( 2003-05-20 12:19 )
ナメクジ、都内に越してから見ていない。福生の時は梅雨時には毎日見ていたな。 / 夢樂堂 ( 2003-05-19 09:32 )
↓以下同文  / kotarou ( 2003-05-19 08:52 )
おいらが風呂でなめくじ見つけたら、きっと悶絶するほど絶叫し、失神間違い無しだなぁー^^;。 / あみすけ@再起動秒読み ( 2003-05-19 05:48 )

2003-05-19 流浪 11  美しい宵闇に、誰も悼む者はない

かないのか? 撃たれるぞ。持っているから撃たれるんじゃないですか? そうか、うん、そうだな。彼はうなずいてくれたが、いずれにせよこの先彼以外の軍人に出喰わせば撃たれることもあるだろう。事実彼は銃を持たない僕を撃った。持っていてもいなくても撃たれるのであれば、僕は持っていないほうがいい。モノを知っている人間にすれば無知ゆえの楽観なのかもしれない。持っていればきっと僕は撃つだろう。多分その方が事はずっと簡単だ。彼の話は終わった。彼は死んだ。僕は約束どおり穴を掘って彼を埋めた。彼がくれると言ったもののうち、要らないものも彼と一緒に埋めてしまった。墓標代わりに小銃を地面に差そうかとも考えたけれど、結局は止めにした。銃口を地面の中の彼に向ける気にはなれなかったし、天に銃口を向けるのもなんだか厭味に思えた。だから銃も埋めてしまった。銃器や弾薬は、彼の仲間か或いは敵が、彼らにとっては必要なものとして取りに来るかもしれない。そういった武器の類は埋めてしまっては役に立たなくなるのかもしれなかったが、そんなことは僕の知ったことではない。男は死んだのだ。そして僕には必要のないものだ。彼と一緒に葬って悪い法はなかろうと思う。掘った穴を埋め戻していて、汗で絆創膏がはがれてきた。血はほとんど止まっている。僕はそこで初めて、救急セットも屍体と一緒に埋めてしまったことに気付いた。まあ、いいさ。絆創膏ははがして捨てた。彼を埋め終わって一息ついて水筒を振ってみると、あまり水は入っていないようだった。僕は川に戻ることにした。しばらく歩いてから、気が付いた。こんな背嚢を背負っていては間違われて後ろから撃たれても文句は言えない。背中だけ見たら軍人だ。背嚢を背中から下ろし、中身を出した。水筒とナイフをベルトに下げ、ライターはズボンのポケットに入れた。オイルの缶は、上着のポケットに入れた。皮袋とシャベルはそれぞれほぐした蔓をからげて背中に背負った。僕は背嚢を藪の下に押し込んで歩き始めた。たん。乾いた音がした。自分が撃たれたかと思ってびっくりした。どこも痛くない。落ち着いてみれば、僕から離れたところで音がしたようだ。僕には関係のない銃声のようだ。けれど、また殺し合うのか。思い返してみれば、男が僕を撃った銃声に反応する軍人はいなかった。戦闘はもはや戦争ともいえないレベルまで来てしまっているのだろう。なのに、惰性で殺し合う。やりきれない。それとも狩猟ごっこだろうか。そうであればもっとやりきれない。彼らにはそのやりきれなさが判らないのだろうか。まったく感じないということはないと思う。やはりそれでも多分、判らないのだ。だから未だ殺し合う。或いは殺す。きっと彼らには判らない。死が彼らを包む、まさにその時がやってくるまでは、判らない。ちょうど死んでいったあの男のように。たん。また僕の後ろで音がした。僕はもう直接振り返ることもせずに、それでもできるだけの注意は払って、川辺に出て水筒に水を汲む。たん。そういえば昨日は一度も銃声を聞いていない。川のこちらとあちらでは世界が違うとでもいうのだろうか? 暗くなる前に安全な寝ぐらを確保したい、と思う。まだ明るいが夕闇は迫りつつある。今日は空を眺めて美しいと感じている余裕はなさそうだった。蓬を摘んで皮袋に入れた。辺りに注意を払いつつよさそうな場所を探して歩いた。時間ばかりが過ぎていく。だんだん暗くなってくる。ゆっくり見ることは出来ないが、僕の置かれた状況にはまったく関係なく、今日も夕闇は美しい。昨日のように手頃な寝床は見つけられなかっ

先頭 表紙

2003-05-18 流浪 10  戯れに殺す

俺にも判らないよ。彼は几帳面にも僕の言葉に返答した。もともと戦うのに理由など必要なかったが、だんだん彼は自分の中の戦う理由すらもまったく見失ってしまったらしい。周りの連中だってきっとそうだったのさ。それでも戦争は終わらない。否、終わったのか続いているのか、それすらも定かではなかった。彼はやがて自分たち兵士以外の存在というものに気が付くようになってきた。急に現れた訳ではない。そもそもその存在がもとからいた土地へ自分たちが闖入し勝手に殺し合いを始めたのだ。彼もまた今の僕と同じように森の生き物たちの王とでも言うべきものの存在を感じるようになり、王の怒りをも感じ取るようになった。彼の感じたことを彼が語るところによれば、初めのうち、王は彼ら侵入者たちの振る舞いを静観した。彼ら同士の争いは王には関わりのないことだったからだ。彼らが騒ぐ様を煩わしいとは思ったが、関わり合いになる煩わしさよりはまだましだった。だがしかし、だらだらと、目的を失ってもまだ続く終わりのない戦闘の合間に、彼らは戯れに森の生き物を撃つようになった。それまでにも彼らが鳥やけものを撃つことはあった。けれどそれは食べるためのことだった。王はそれについては、腹立たしくはあったが黙認してきた。しかし彼らは、倒すべき相手が目の前に現れない不安と倦怠に、銃口を向ける先を失い、必要のない狩りを始めた。銃声を立てることは自分の居場所を敵に知らしめるためでもあった。相手とめぐり合うこともなくそれでも続く戦闘に、彼らは倦み、疲れていた。そこから身を隠そうとしていた敵に、自らを見つけて欲しいと願うようになっていた。そのためにも彼らは必要以上の狩りを始めた。始めてみればそれはそれで独立した愉しみを得る遊戯でもあった。たまには銃声を聞きつけた敵と遭遇した。やはりそして殺し合った。かろうじて最初の目的であった殺し合いを演じていると、わずかばかりながら満足感があった。だが戦闘が終わってしまえばただただ空しく、以前よりも大きな倦怠と空虚感が彼を襲った。他の連中がどうだったかまでは知らない。彼は血の混じった咳をした。きっとあいつらにしたって似たようなもんさ。そうした時、彼らは狩りをした。投げやりに始まった遊戯のために放たれた銃弾に、食われるべくして殺されるのでもなく奪われるいのち。当然王はもう静観してはいられなくなった。あんたは王に会ったかね? 多分、と僕は答えた。そうか、俺はまだ会っていない。仲間も敵も、何人かは王に崖から落とされたよ。俺はその時王の姿を見ることは出来なかった。殺そうとしたんじゃないだろう、ただ突き落としただけさ。しばらく二人とも黙っていた。理由も知らずに戦って殺しあって馬鹿馬鹿しくはないですか? そうだな、馬鹿馬鹿しいな。男は僕を見て力なく笑った。俺のザックを取ってくれ。これですか? そう、そいつだ、あんたにやるよ。中身を調べてみな、役に立つもんもあるだろう。彼は身に付けた装備も大儀そうに取り外しにかかった。僕は背嚢の中身を地面に出してみた。水筒、非常食、弾薬、武器の手入れのためか、小さめの工具、アルミを蒸着させたレスキューシート、わずかばかりの衣類、食器、調理用ストーブ、地図、コンパス、手榴弾、ライターとそのオイル。その他こまごまとしたもの。背嚢の外側には折りたたみのシャベルがくくりつけてある。彼が外した装備は、自動小銃、拳銃、それらの弾薬、手榴弾、僕のものよりも大振りなナイフ。僕は背嚢と水筒、シャベルにナイフとライターを貰うことにして彼にそう告げた。武器は持ってい

先頭 表紙

ねえ。どうなるんでしょ。 / 揚水 ( 2003-05-19 03:16 )
んーなんか意外な展開になってきたなあ。どうなるんだろ。オチ。 / もげんぴ ( 2003-05-18 11:29 )

2003-05-18 箴言、と言うほどのことでもないけれど

あんまり馬鹿げたことを言う人を馬鹿にするのは簡単なことで。
いやになったと愚痴るのも辞めたいとぼやくことも簡単なことで。

そんなことを追求するのは後でいいから流して仕事しましょうと他の同僚にたしなめられました。
そう言ってくれるだけ彼はまだ僕を見限ってはいない。
処置なしと思えばそうしたことも言ってはくれないでしょうから。

馬鹿の相手をするには自分も馬鹿にならなければならないと海月にたしなめられました。
蓋し名言。

けれどそれは相手の目線に立つ、という意味で。
けして相手を馬鹿にしろと言っているのではなくて。

ああ、正直めんどくさい。
馬鹿に馬鹿言ってなにが悪い。

世の中には言っていいことと悪いことがある、と。
これは自分でも落ち着いているときであればそう思います。

そういうトラブルを招くのは自分に原因がある、たとえ相手に非があろうと、他の人がそういうトラブルが少ないのであれば、やはり僕に原因があると。
そう海月に言われます。言ってくれる人がいるの僕は、しあわせです。

返す言葉もない。

まあきっと相手も僕のこと馬鹿だと思っているんだろうな。

がんばれ俺。負のスパイラルを断つのではなかったか?
はあ。

相手の立場にはなれなくても目線を同じくすることを学ばねばなるまいて。
たいていの人は、腹の中はどうあれ、出来ていることが僕には出来ない。

どこに行ったってこのままじゃ同じようなことがあるよ。流せるようにもならなくちゃ。
その通りです。

先頭 表紙

ああ、あみさん、まさにそれです。負の感情をお互いに増幅させあうことはないですからね。僕は相手のそうした感情を増幅させる才能を持った性格らしいんですよ、昔から。ヤな性格だ。 / 揚水 ( 2003-05-20 16:02 )
接さずに済むならそうしたいものです。でも職場の形態がそうじゃないからねえ。昨日も彼はとんちんかんなこと言ってたけど今回僕はまったく怒らずに済んだ。スパイラル延長回避。のほほ。 / 揚水 ( 2003-05-20 16:00 )
少しだけガツンと言ったら相手の心根に遺恨を残してそうなのですよ、夢樂堂さん。くわばらくわばら。なんせ向こうは「正しい」らしいので。まあやってることはお互い様ってことで、僕は今回逃げます(笑)。 / 揚水 ( 2003-05-20 15:57 )
ゆずさん、はじめましてですか、ね? 親切心を持ち合わせるには時間がもったいない(笑)。なのに怒ってる。それをやめたかったりするのです。 / 揚水 ( 2003-05-20 15:54 )
いやあ、オトナになるというコトバについて、「流す」ということについての認識にずれがあるやもしれませんね、ぷららさん。自分が正しいと思うことから外れた人にいちいち激しく怒るのはやはり稚気で、それを外に出して周囲にアピールするのは害毒です。相手に怒ってもそれは相手と同じことしてる。そんな自分が嫌なんです。人は多少なりとも成長せねば。成長することは死に一歩近付くことなんでしょうけど。 / 揚水 ( 2003-05-20 15:52 )
人はそれぞれ別の価値観を持ち、感じ方もそれぞれ違うもんね。多数決で×でも、残りの人たちは○なんだ。何か起きたときはそう思うことにしてます...単なる事なかれ主義?^^; / あみすけ@再起動秒読み ( 2003-05-18 21:03 )
私は、自分と合わない人がいたら極力接しないようにする。たとえそれが職場の人間でも。(仕事に支障をきたさない範囲でね)じゃないと、必要以上に接する事によって、その人の事憎んだり悪口行ったりする自分が嫌になるから。でもふとしたきっかけで、実はこの人良い人じゃん。って思う事も多かったりして。おいしいお菓子くれたりとか。 / もげんぴ ( 2003-05-18 11:34 )
差し障りなく生きているのも疲れます。少なくとも、そういうお方と接触したくないので、少しだけガツンということも必要でしょうね。 / 夢樂堂 ( 2003-05-18 09:31 )
バカにバカと言ってあげないとバカだけにバカな方向に走り出します。言ってあげるのも親切かも(笑) / ゆず@バカという言葉を何に言い換えるかと ( 2003-05-18 02:53 )
私、揚水サンには、流せるオトナになってほしくない。 / ぷらら ( 2003-05-18 01:06 )
いーええ、アコガれますもの、流せるオトナに。それに僕のは真っ直ぐでなくて場をわきまえないただの馬鹿です。そこまで判ってるんならちゃんとしろ、と(笑)。 / 揚水 ( 2003-05-18 00:47 )
でも、そういうまっすぐな人が、たまにはいてもいいと思う。訳知り顔の大人たちの中に。 / ぷらら@へこむな! ( 2003-05-18 00:27 )

2003-05-16 流浪 9  撃たれる

めの音ではないように思われる。一体誰がこんなところで銃を使う必要があるのだろう。腰に皮袋を結びつけながら僕は訝しく思った。答えはすぐに知れた。潅木の繁みを漕ぎ樹間を走り岩によじ登って銃声の元に近付く。たららららららら。今度はセミオートの銃声が響く。大きな岩の上に身を潜めて下を除くと、数人の男たちが場違いにも戦争をしていた。双方ともに、疲れきっている様子が見てとれる。小競り合いは突然始まり、そしてまた唐突に終わった。傷ついた男が一人取り残されている。他の男たちは三々五々そこを立ち去った。残された男を連れて行こうとする味方もいない。もう彼は手遅れなのかもしれなかった。僕はまた王の怒りが膨れ上がるのを感じた。なぜ殺す、なぜ殺す、なぜ殺す? 王は怒っている。戸惑いながら怒っている。王にはきっと理由もなく殺しあっているようにしか思えないことだろう。食べる訳でもない。そのまますれ違ってしまえばお互いの縄張りを侵すのでもない。進んで縄張りの境い目に火種を起こして、殺し合う。王にはきっとその殺し合いの理由が理解できない。僕は取り残された男に近付いた。注意して歩いていたつもりが、僕の靴の下で小枝の折れる音がした。死にかけている者とは思えない身のこなしで、男の拳銃が火を吹いた。そちらに避けるのが正しいのかどうかも判らないまま、反射的に体を右に捩った。左の頬がちりりと熱くなった。ぬるりとしたものが頬を伝う。小銃以外にもまだ銃があるのか。一体どれだけの武器を携行しているのか、僕は呆れた。なんだ、民間人か、すまない。男は僕の姿を認めると力無く、つまらなそうに、詫びた。どうしてこんなところにいる? 僕は判らない、と答えた。あなた方こそどうしてこんなところで戦争しているんです。僕は逆に尋ねた。知るもんか。男は僕から目を逸らした。僕はポケットからぼろぼろに崩れた煙草を取り出し、自分の頬の傷口に当てた。何をしている? 血止めです。そうか。男はけだるく自分の背嚢の中を探った。ほらよ。男が投げてよこしたものを空中で受け止めると、ファーストエイドキットだった。俺にはもう必要ない。そのようですね。僕は男の顔を見た。目の周りがどす黒くなっている。出血が多すぎる。どのみち助かるまい。男の救急セットを開き、煙草の葉の上から傷口に絆創膏を貼った。逃げないのか? あなたが死んだら埋めてあげます。そうか、じゃあ俺が死ぬまではここから離れられないな。僕は黙って男の向かいに腰を下ろした。せっかく開放されたように思っていたが、どうやらそれも錯覚のようだ。もともと逃げるという自覚があったのでもないが、自分が人間であることから逃げ出すことは出来ない。男は自分でももう判らなくなってしまったいきさつを語る。その語りはいかにも言葉足らずだ。そもそも自分たちが何故戦争をしているのかすら判ってはいない。だから当然どうしてここが戦場に選ばれたのか、彼に知る由もない。戦う場所がどうして戦場となったのか、戦う理由がなんなのかを知らずとも戦う。兵士とはそうしたものなのかもしれなかった。ともあれ彼らはやってきて戦争を始めた。彼は職務に忠実な軍人だったようだ。戦争に没頭していた。しかしそのうち味方の数も減り、それに相俟って敵もまた数を減らしていっているようだった。規律も次第に乱れ、数人がしっかりと団体行動をとることも次第に難しくなってきたようだ。それは敵にしても同じことだったようだと彼は語る。何故俺たちは殺し合いを続けなくちゃならないんだ? 僕はつい、判りませんと答えてしまった。そうだろうな、

先頭 表紙

あいあい、承知。 / 揚水 ( 2003-05-17 23:55 )
ただいまシンクロ率70%です。もうしばしお待ちください^^;。 / あみすけ ( 2003-05-17 09:47 )
あいややや、まだ観に行ってないわ、そういや。 / 揚水 ( 2003-05-16 12:51 )
お越しを首を長くして待ってましたよ、あみさん。 / 揚水 ( 2003-05-16 12:51 )
どうされましたか? ぷららさん。 / 揚水 ( 2003-05-16 12:50 )
さてはおぬし、ソフィ カルに触発されたなー? / もげんぴ ( 2003-05-16 09:19 )
おひさです!あまりに久し振りに来たので、ゆっくり読ませていただきますね!わくわく!! / あみすけ@再起動準備中! ( 2003-05-16 05:23 )
あれっ・・・? キョロキョロ・・・。 / ぷらら@サバイバー? ( 2003-05-16 00:49 )

2003-05-15 流浪 8  川を渡る

岸から上がった場所に戻ることにした。釜から野草を取り出し川原の平らな石の上に拡げて干す。試しに蕨を食べてみた。どうにか食べられそうだ。ナイフにはのこぎりも錐も付いている。水筒を作ろうと竹薮を探してみたが見当たらなかった。川から離れて行動することは難しそうだ。沢を探しながら歩かなければなるまい。蔓草を集め、川縁の石の上で別の石を使って叩き、ほぐしておいた。自分の小指より少し細い縄を、一尋分だけなう。なった縄はポケットに押し込み、僕は余りの蔓を腰に巻きつけた。罠を確かめに行く。草の先端を他の草の胴に滑って移動できるように結わえ付けておき、胴に結わえ付けられた方の先端を、同じように今度は逆に先端を結びつけた方の胴に結わえておく。そうするとそこにけものが顔を突っ込めば締め上がるようになっている。兎が二匹かかっていた。一匹はまだもがいていたが、もう一匹はずいぶんぐったりしていた。こんなちゃちな罠に同時に二匹も獲物がかかることも少ないだろう。僕は二匹の首を折って締め、頚動脈を切って、片手で瓶を二本持つようにして踵を指の間に挟み、ぶら下げて岸に戻った。蔓草で枝に下げて血抜きをする。頃合いを見て中が中空の草の茎を頸の傷に突き立て、皮と肉の間に差し込む。茎を口に咥え、思い切り息を吹き込む。めりめりと皮が剥がれる。首と四肢の先を落とす。皮を体から剥きとる。四肢の先は皮をめくって焼いて食べた。首は穴を掘って埋めようと思ったが、草叢に放り投げた。誰かが、何ものかが食べるだろう。体から剥いだ皮は裏返し唾液をまぶしてなめし、木陰に吊るした。膀胱と腸を傷つけないように注意して腹を割き、内臓を取り出した。腸は川辺で裏返し、中をよく洗った。焚き火の火を再び起こし、一匹は食べられる分を焼いて食べた。内蔵は川に晒して血抜きをし、これも焼いて食べた。あとに残る肉とまるまる一匹分、捌きやすい部分は焚き火の火を弱め生木と生草を積み、中に入れて燻した。骨についた肉はナイフでこそいで石ですりつぶし、洗った腸に詰めた。腸にはまだ余裕がある。空いた部分には体の肉を足すことにした。これも焚き火の枝や草の中に突っ込んで燻した。腸詰はそのままにして肉は干し肉にしようと岩場に並べた。しばらく寝た。午を少し過ぎた頃起きた。干しておいた野草を四肢の部分を縛った皮袋に詰めた。肉はまだ生乾きだったが、幅広の草の葉を三角形になるように折りたたんで包んで、その包みをいくつか作り、腸詰と一緒にもう片方の皮袋に詰めた。僕は火に土を被せ、上流に向かって歩き出す。王は、やはり怒っている。急がなければならない、僕にはなぜかそう思えた。川幅が狭く流れが緩やかな場所を見つけて、さらに少し上流に歩いて川原に出た。僕は服を脱ぎ皮袋二つと蔓草をシャツに包み、袖を縛った。さらにそれと靴、靴下や下着を上着に包んでこれも袖を縛り、蔓草でなった縄で頭の上に結わえた。その時、対岸で銃声が響いた。鳥の群れが飛び立つ。やはり僕のほかにもこの世界への侵入者がいる。王の怒りの元は、彼らに向けられたものだったようだ。僕は川に入って対岸に向かって泳ぎ始めた。僕が行ったところで対岸の騒ぎがどうなるというものでもないだろう。けれど僕はあちらに行かなければならないように思った。思ったより流れは緩やかで、目標にした川原よりもずいぶん上の淵に泳ぎ着いた。岩が切り立ってそこからは上がれそうもないので、僕は川の流れに身を任せてしばらく流されていった。川原から岸に上がり、出来るだけ素早く身支度をした。その時もう一度銃声が響いた。狩りのた

先頭 表紙

2003-05-15 流浪 7  山中の王

まな色と光に溢れている。水を飲みに岸まで戻って、僕はいつまでも空を眺めていた。王は、怒っている。朝、体中のあちこちが痒くて目を覚ました。光の宴に気を取られていた時刻からすでに何箇所も吸血昆虫に襲われていた。疲れと満足感からその時は気にとめていなかった。虫は夜中もさらに、毛皮の防護をまとわずひ弱で食事するのに普段のものより楽で都合のよい、また滅多に出会うことのない獲物に遠慮仮借なく襲撃してきたようだった。飛来する羽音を少し煩わしいと思っただけで、僕はぐっすりと眠っていた。陽が昇り暖かくなり、体中が痒くて起きてしまった。そこいらをぼりぼり掻きむしりながら立ち上がり、蓬を探して若芽をちぎり摘み取った。口に含んでよく噛んで、虫刺されの皮膚に摺り込んだ。たいていの場所の腫れと痒みは割合いすぐに引いたが、数箇所しつこく残りそうな腫れの引かないところがある。今夜から気をつけなければならない。岸に出て口を漱ぎ顔を洗い、水を飲んだ。それから昨夕いくつか仕掛けておいた蔓草を手繰り寄せてみた。あまり期待していなかったのに、結構魚がかかっている。先に薪を集めておけばよかった。食べられるだけの数を選び、小さいものから順に川へ放した。上着のポケットには折りたたみナイフとライターがある。煙草はすっかり形が崩れてしまっていた。まだ少し湿っている。捨ててしまおうかとも思ったが、こんなところに異物を捨てることははばかられた。僕はいったん取り出した煙草の包みをまたポケットにねじ込んだ。日向の乾いた平たい場所に浅い穴を掘って火を起こし、串状の小枝に魚を刺して焼いて食べた。けものみちの罠にはまだ近づかないでおいた。腹もふくれてまたもう一度口を漱いだ僕は、また下流に向かって歩いていくことにした。王は怒っている。僕は草を編んで魚を獲るものより大きめの籠を編んで、野草を摘んでまわった。出掛ける前に焚き火の火を強めにして、その中にいくつも石を放り込んでおいた。穴を掘って粘土を集めた。川原の石をどけて釜状の窪みを作り、中に集めた粘土を張り込んだ。焚き火の中から灰を集め、窪みの下に敷きこむ。集めた野草をその上に置き、さらに上から灰をかけ、よくまぶす。広い形をした葉っぱで柄杓状のものを作り、水を汲む。灼いた石を放り込む。水が沸き立ったところで棒でかき回す。さらに石を加える。葉のよく繁った木の枝をいくつか折り取って窪みに押し込んで蓋をしておいた。僕はそれから下流へ、擁壁に向かって歩いていく。どうも、気になる。対岸から、岸のこちら側にいてそれと判るほどの怒りの気配がする。初め、いきなりやってきた僕が生き物を採集していることに対するものかと思ったが、どうも僕に向けられた怒りでもなさそうだ。僕のほかにも侵入者がいるのだろうか。擁壁の上に立って滝の先を見遣る。いくつも山並みが重なり遥か彼方まで続いている。川はいずれ海に注ぐのだろう。けれどここからはまったく海らしき姿は見えない。山は笑っているようにも見える。今まで見慣れた山並みとはどこか違う。しばらく青々とした山を見下ろしていて、ようやく僕はその理由に思い至った。杉一色、檜一色に埋められた山肌が見受けられない。植林された土地がここからは見ることが出来ないのだ。これだけ広い範囲に人の手が入っていない山があるということがありえるのだろうか。広葉樹が芽吹いていてその若芽の輝く柔らかい色があちこちに溢れ、それで山が笑っているように見えるようだ。ところどころ桜も咲いている。王は、まだ怒っている。なんとか早く対岸に渡ろう。僕は寝床にした、昨日

先頭 表紙

2003-05-14 味噌汁療法

海月の家に行った。
今朝寝てから何も食べていなかった。

海月はさっと野菜天と長芋の味噌汁を作ってくれた。
その合わせ味噌は海月のお父さんの手作りのもの。

玄米ご飯一膳。
残り物の豚の角煮を解凍してくれた。

普段仕事中は食事を摂る休憩も取れないため、、やるべきことの隙間を狙って押し込むように、コンビニものを早食いする。

久し振りにゆっくりしっかり噛んで嚥み込む食べ方をした気がする。

気付けば頑固な肩こりが和らいでいた。

先頭 表紙

またまたよさげなものをお召しで、夢樂堂さん。お父さんのお味噌、絶品ですよ。 / 揚水 ( 2003-05-16 01:07 )
おお、マリネ! そんな話もありましたねえ。海月味噌汁が食べたい、僕の作ったもの食わせたい。 / 揚水 ( 2003-05-16 01:06 )
自分のためによくないと思いつつねー…。寮の調理場で食事作るのも正直…。仕事離れても話をしたい人がいる反面そうでない人もいる訳で、そういう人に会うときの自分の感情のみみっちさがいやで部屋籠ってしまう。いかんがや。 / 揚水 ( 2003-05-16 01:05 )
結構しゃきしゃきした歯応えですよ、kotarouさん。短冊切りにするととろみが、輪切り銀杏切りにすればしゃきしゃき感が勝る、そう思います。 / 揚水 ( 2003-05-16 01:02 )
昨日の味噌汁は小芋(新じゃが)とナス。季節感があって美味しかった。一汁一菜、それだけで十分です。合わせ味噌、味噌汁、海月さん親子の気持ちが入っていていいな。 / 夢樂堂 ( 2003-05-15 13:35 )
お味噌汁って疲れたとき食べるとにほっと出来るよね。海月さんのお味噌汁なら尚のこと!もうすぐ獅子唐とタコのマリネの季節だわ♪(教えていただいた時期が季節なの^^勝手に決めちゃった) / みるみる@Atelier ( 2003-05-15 10:30 )
コンビ二弁当は良くないよー。このまえやむを得ない事情で久しぶりにコンビ二弁当食べたら、食べてる途中に気持ち悪くなって半分も食べれなかったよ。昔はペロッと平らげられたんだけど。せめてスーパーでごはんと納豆とじゃこを買ってたべるとかさー。あんなん毎日食べてたら絶対体悪くするにー。 / もげんぴ ( 2003-05-15 10:21 )
長芋の味噌汁とは初耳。少しトロンとしていい感じなのかしらん?味噌汁にトロン、彼女の眼差しにトロロン・・・。今度作ってみる。 / kotarou ( 2003-05-15 07:59 )

2003-05-14 流浪 6  鹿

すぐにまた落ちるのはごめんこうむりたかった。下を覗き込むと吸い込まれそうだ。僕は切り欠きに腰をおろして足を水に浸そうとしてみて、止めた。水がきれいなので気が付きにくいけれど、よく見れば水はかなりの流量と速さで注ぎ口の先端に向かっている。こんなところに足を浸そうものならあっという間に体ごと持っていかれるに違いない。川縁まで戻って擁壁と川岸のぶつかる、流れが急でないところに体を沈めることで満足した。僕はそこでしばらく泳いでいた。緩やかではあっても気を抜けば滝の先端にじわじわと引き込まれそうになっていて注意しなければならなかった。最初はゆっくりとでも、あるところまで引っ張られれば、坩堝の先端まではすぐに違いない。これだけ水量の豊かな川の水があんな細い注ぎ口の横から溢れることもなく流れ落ちるのは不思議だったが、そうしたものなのだろう。川は大まかに西に向かって流れている。陽がだいぶ傾いてきた。下流に目をやれば太陽がまともに目に入って眩しい。まだまだ明るいが、いったん暗くなり始めれば日が暮れるのはすぐだろう。僕はそろそろ水から上がって戻ることにした。なぜか気付かなかった。たくさんの魚の姿が見える。初めに岸から上がった場所に戻ると、服も靴も乾いていた。裸の自由が名残惜しかったが僕は服を着け、靴を履いた。青かった空は色のない水色に変わりつつある。西の方はうっすら桜色がかってきた。やがてすぐに桜色は薔薇色に変わり、薔薇色は茜色になり、無色の水色は藍から紺になっていくだろう。誰かが僕を見ている。ふと対岸を見た。立派な牡鹿がこちらを見ていた。先程の、僕が滝を見に行く前の気配は彼だったのか。僕と彼はしばらく見つめあっていたが、彼の方から目を離すと対岸の森の奥に消えていった。もう今日はやがて日も暮れるだろう。僕は明日、彼に会いに行こうと決めた。暗くなる前に今夜の寝ぐらを確保することにした。僕は樹々の間を縫って森に押し入っていく。木洩れ日が美しい。さくさくと足の下で乾いた音を立てる落ち葉。樹の幹に寄りかかって耳を澄ませば地面から樹幹に向けての水の流れが感じられそうに思う。夕刻も迫ってその流れはのろくなる。ところどころ大きな岩がある。たいていの岩は苔生し草や潅木が生えていて、中には上に樹が生えているものまでがある。やがて僕はひときわ大きな岩に辿り着いた。岩の下には小さな岩が、小さいといっても僕よりはずっと大きかったが、いくつか挟まる格好になっていて、その間に人が二人ほど入れるくらいの隙間があった。高さはないがそこで僕一人寝るには十分すぎるくらいだ。森の中にはところどころ陽だまりがある。僕はそこからよく乾いた枯れ葉を集めてきては敷き詰め、さらに積み上げて、その中に潜るようにしてその岩室で眠ることにした。実際中に入ってみると、低くなってはいるが以外に奥行きはある。そこを塞いで寄りかかれるようにするために、僕はかなりの量の落ち葉を集めなければならなかった。たなびく雲が夕暮れの色に染まり始めている。僕は草を編んで籠を作った。地面を掘って捕まえた甲虫の幼虫を籠の中に入れその中の何匹かをつぶしておいた。それに蔓草を結わえ、石を付けて淀みに沈めた。運がよければ、朝までに魚でもかかるだろう。僕はまた頼りなげなけものみちを探し、そこに生えている草と草の先を結び付けていくつか罠も仕掛けておいた。空はすでに溢れる光と色の饗宴。東に向かって淡い水色、濃い水色、藍、群青、紺のグラデーション。西は薔薇色、金色、茜色、薄紫、藤色、その他名前もつけられないようなさまざ

先頭 表紙

確かに読みにくいですね。 / 揚水 ( 2003-05-16 00:56 )
ふー。危なかった。め、目が・・・。 / もげんぴ ( 2003-05-15 10:17 )
あっ・・・とうとうもげんぴさんが遭難してる! 早く助けにいかなくっちゃ・・・。 / ぷらら(^∀^) ( 2003-05-15 09:08 )

[次の10件を表示] (総目次)