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揚水の「人生薔薇色計画」

僕のハンドルは「ようすい」ではなく「あげみ」と読みます。表記はaghemiとしています。

妻の海月は「くらげ」と読みます。



ふりぃのかうんた

yesterday ふりぃのかうんた today ふりぃのかうんた


自分が何者であるか今よりももっとわからず身悶えしていた学生の頃、何をしたらいいのかについて友達と話しに話した。
結論は出なかった。どころか何をしてもいいんだということにすらなった。
ただし、本当に何をしてもいいというのではなかった。
一つだけ基準がある。
それは俺の、俺たちの、ひいてはほかの人たちの人生を薔薇色にするか、その一点。
時々それを思い出しては行動する。
それが僕たちの人生薔薇色計画。



    よそいき仕事日記   

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2002-02-12
2002-02-11 川の虹
2002-02-07 団地妻どんぐりの背比べ、とか。
2002-02-04 みたび鵡川
2002-02-04 モノになってしまうって、どんな感じだろう?
2002-02-03 大好きな友人
2002-02-02 再び鵡川
2002-02-01 池澤夏樹さんのこと
2002-02-01 やる気無し
2002-01-31 三百数十円の王様


2002-02-12 机

僕の姪は、今春小学生になる。妹の娘だ。
鯨の古名である美しい響きの言葉を名に持つ。

その猛々しい字面と音に、双方の親を含む妹の知り合い全員がその名を付けることに反対していたのに、
「兄ちゃんだけが『よか名前たい』って手放しで賛成してくれたとばい」
と訳の分からない感謝をされたこともあった。
その子がもう就学する。月日の経つのはまこと早いものである。

ある時僕が自分の母親と電話で話していて、「机ば買うてやらんばいかんって思いよっとたい」という言葉を聞き止め、
「そんくらいおいが作ってやったい」と大言壮語を吐いてしまった。
そのころ僕は仕事で炭焼き小屋を建てていたので、木を構うことが楽しくて仕方なかった。

なによりその電話をしていたとき、僕は酒に酔っていた。

それからが大変である。手紙でも電話でもメールでも、
「あげみくん、つくえは?」と姪に聞かれる始末である。
よほど楽しみにしてくれているらしい。

少しずつ仕事その他の合間を縫って机を作っている。一人でできない作業があるときは、クラゲが来たときにまとめて手伝ってもらっている。
8日から11日に掛けてクラゲがうちに来てくれた。おかげでずいぶんはかどった。
後は抽斗を付けるだけだ。学習机にありがちな棚はやめて、ただ上に載せるだけの本棚を作ってやろうと考えている。それも作らなければならない。

「なんか、この机私が欲しいくらい」
クラゲは嬉しいことを言ってくれる。
「そうだね。でも、自分で欲しくなってあげたくなくなるんじゃなくて、自分が欲しいくらいのものがあげられるって、いいよね」
「うん」
ご飯を食べながら、寝そべって本を読みながら、クラゲと僕はそんな話をした。

三月の末に郷里に戻ってそこから離島である妹の嫁ぎ先にフェリーで渡り、机を配達する。
ああ、楽しみだ。

先頭 表紙

あれ? トリ嫌いじゃなかったっけかや? / 揚水 ( 2002-02-16 02:39 )
ふつうの学習机よか幅が10センチ、奥行きが20センチ以上も広いよん。 / 揚水@お休みでしょうね ( 2002-02-16 02:31 )
下の記事のつっこみ。えーとね、なんか貧血で具合が悪くて暗い考えにつつまれてたの。でももうわすれちった。 / パオラ@トリだからさ。3歩もあれば十分。 ( 2002-02-16 02:30 )
ほお。いい話だね。てことは3月末はしばらく日記お休みなんだね。ところで風水で言うとよくある学習机の上の本棚ってよくないらしいね。個人的には机は広いのが好き。 / パオラ@春が待ち遠しいね ( 2002-02-16 01:49 )
としぼう、ひゃー言ってくれて嬉しいっす。 / 揚水 ( 2002-02-14 23:17 )
あーちゃん、言い得て妙だと思います。多分、みんなと一緒がいいと、最初は思うでしょう。けれどそう、いつか自分に関わりのある人間が手作りしたものであることを誇りにしてくれるであろう期待はあります。そうやって言ってもらえて勇気が出ます。 / 揚水@コイズミは不可? ( 2002-02-14 23:16 )
ひゃー、手作りの机なんて、すごいプレゼントだねぇ!そんな思い出のプレゼントなんて、人生で何回もらえるだろうか。 / としぼう ( 2002-02-13 23:29 )
子供の頃はね、正直いって「くろがね学習机」の方が欲しいのよ。だけど中学生位になると、手作りの机の方が断然、羨ましくなるのよね!だから揚水さんが作ってあげた机、ずっと大切にしてもらえると思いますよ! / AHchan ( 2002-02-13 01:12 )
大正解です。ここに直接書かないお気遣い、痛みいります。 / 揚水 ( 2002-02-12 22:45 )
姪子さんのお名前はこれでしょうか。口車姪のりんごちゃんは、今年2年生になります。 / 口車大王2号 ( 2002-02-12 22:40 )

2002-02-11 川の虹

あなたは橋のたもとに立っている。
誰かがもしこの橋の向こうに行けば幸せが待っている、この橋を渡れば幸せになれると教えてくれたとしたら、あなたは橋を渡るだろうか。

今は夜。外は雪が降っている。

あなたは思い出す。いつであったか定かではない記憶。ひょっとしたらあれは夢で見た光景だったのかもしれない。晴れていた。あなたは橋を渡っている。
橋の途中で、あなたはふと思いついて川面を見下ろす。川はゆるやかに、とうとうと流れている。川はきっとずいぶん前から、あなたの生まれる前からそこにあり、多少姿形を変えてはいても、今と同じように流れ続けていたことだろう。あなたは川面を見つめている。
あなたは大事なことに思い至る。川はそこにある。確かにそこにある。だがしかし、そこに変わることなくある川がたたえる水は、一時たりとも同じ水が同じ場所にとどまることはない。常に、移り変わっていく。

あなたは空を見上げる。そして川の行く手に虹が架かっているのを見つける。
思い出した。今は晴れているが、少し前までは雨が降っていたのだ。そして気づく。
虹は、移ろいゆくもの。一時も同じところにとどまらない。その時々で、現れるべき時と場所を選んでは、あらゆる場所に現れる。けれど、川がそうであるように、いつも「そこ」にあるのだということに。
虹は、たとえその姿が見えないときであっても確かにそこにある。いつも、いつも。
いつもそこにあるものがたまたま目に見える形を取って現れたとき、そのことを人は虹が架かっていると言う。

あなたは自分の考えに満足する。
そして歩き出す。欄干から離れて、虹に向かって。
方向は決まっていない。虹はいつでもどこにでもあるのだから、どこへ向かって歩き始めても同じことだ。

あなたは自分が橋のどちら側からやってきたのか、もう思い出すことはできない。それでも構わない。
あなたは歩き始めなければならない。
立ち止まって思い悩むべき季節は、すでに過ぎた。

先頭 表紙

なんに悩むのだ? パーさんよ。 / 揚水 ( 2002-02-12 21:02 )
lim.さん。そういうものの見方もできるのですね。僕はそれを読んだ人が自分の内面を写すような、鏡のような文を書きたかったので、嬉しく思います。ちなみに僕は教えてもらったからといって橋を渡ることはしません。渡りたいとき、渡るべきときだと自分で思ったときに、渡る。そういう人になりたい、そういう人でいたい。 / 揚水 ( 2002-02-12 21:01 )
思い悩みそうな午後9時前。 / パオラ@くすりクスリ薬 ( 2002-02-12 20:49 )
流れる時間こそが、自分を作るものですね。時間が止まってしまえば、自分も止まる。 / lim. ( 2002-02-12 16:22 )

2002-02-07 団地妻どんぐりの背比べ、とか。

 子供を産まないでいることをそんなに犯罪か何かのように、人として間違ったことをしているかのように言わないでほしい。言われるとつらい。そして「ごめーん、そんなに気にするなんて思わなかった」などとは、それこそ間違っても言わないでほしい。
 そんなことを無邪気に言われたら、きっと私はあなたを殺してしまう。いいえ、違う、それは違う。そんなこと言われなくても、私は今すぐにでも、
 あんたを殺してしまいたい。
 死ね。

 でも、そんなことはできない。
 だいたい、私は彼女から、彼女たちから、子供のことに関して何を言われたわけではない。面と向かっては。
 それは、余計に酷いことではないだろうか?

先頭 表紙

あ、そうだ。つっこみしてくださった全員につっこみ返ししたつもりになってて大事なこと忘れてた。「惚れた」だなんて…、きゃー、だ。 / 揚水@うう恥ずかしい。僕はクラゲオンリー ( 2002-02-12 03:05 )
人と自分との間の優劣を決めたがることは、愚かしくむなしいことです。「結婚結婚」についてはまたの機会に。 / 揚水 ( 2002-02-11 12:42 )
ただ、腹が立った。そしてそのとき、お互いの言い分を、せめて聞く耳を持つことができたらいいと夢想します。難しいことだけれど。 / 揚水 ( 2002-02-11 12:40 )
大事なのは、マイノリティーの側からのこのようなものの見方を示したとき、同時にマジョリティーを攻撃することがないように気をつけることだと自戒します。それは本意ではない。批判と攻撃は違う。自分の「方が」正しいと主張しては、彼らと同じことをすることになってします。 / 揚水 ( 2002-02-11 12:37 )
じゃあ今度は結婚結婚とうるさく言われて殺意を抱く女について書いてほしいです。 / パオラ@大きく共感します! ( 2002-02-09 17:38 )
大丈夫!誤解してないと思うよ!人の会話に感情移入して、当人でもないのに憤ってくれるなんて、素敵だ。惚れた。 / としぼう ( 2002-02-08 08:23 )
子供をちゃんと育てられている人だけが言って欲しい。ろくでもないガキが多すぎないですか?ただ子供を作るのはいいけど、何も偉くない。そこに価値を見い出されてもなあ。 / lim. ( 2002-02-08 08:00 )
リアルな短編で何より。 / パオラ@そういうことだったのね。納得。 ( 2002-02-08 02:05 )
きっと余程話題がなかったか、子を成すことでしか自分の価値を証明できなかった、あるいはしなかった人の言ではないのでしょうか?「子供はいいわよー。」的な発言は、本当はものすごく大変でやなことだらけのくせに「結婚はいいわよー。」って言ってはばからないのと同じくらい腹が立ちます。 / パオラ@どの口がそう言う?この口か? ( 2002-02-08 01:38 )
訂正。はじめまして、kyoさん。まず始めにお断りしておきますが、僕は男です。上の文章は、同年代の子持ちの奥さんに取り囲まれた女性のことを想像していて、自分の想像に感情移入して腹が立ったそのときの気持ちを書いてみたものです。ちなみに僕に子供はいませんし、今の段階では恋人との間にも望めそうもありません。僕が不妊に悩む女性だと思われたのならごめんなさい。ただ、腹立ったんです。 / 揚水 ( 2002-02-08 00:32 )
としぼうへ。僕は絶対に言わない。そして言うやつを許さない。こっそり軽蔑しない。面罵する(実際やったことがあるけれど、あれは勇み足だ)。 / 揚水 ( 2002-02-08 00:18 )
それと、思い立ってショートストーリィじみたものを書こうとも思っていて、その一回目とも言えますか。説明を全くしなかったのはまずかったですね。kyoさんにそんなことを言ってくださる年輩の方がいるということを知って、ほっとしています。 / 揚水 ( 2002-02-08 00:16 )
挨拶がわりで便利な会話がわりで、当然のこと、なんて思ってる人を更正させようとしても疲れるから、相手にしないでこっそり軽蔑してやればいいのだ / としぼう@私も今日、言われたぞ ( 2002-02-08 00:14 )
はじめまして、kyoさん。まず始めにお断りしておきますが、僕は男です。上の文章は、同年代の子持ちの奥さんに取り囲まれた女性のことを想像していて、自分の想像に感情移入して腹が立ったそのときの気持ちを書いてみたものです。ちなみに僕に子供はいませんし、恋人との間にも望めそうもありません。僕が不妊に悩む女性だと思われたのならごめんなさい。ただ、腹立ったんです。 / 揚水 ( 2002-02-08 00:10 )
女は子供を欲しがるもの、と思って疑わない人多いからねぇ。私も「子供は?」攻撃にさらされた時期があったけど、年配の方が「あれは挨拶がわりよ、気にしないでいいのよ」と言ってくださって、すごく気が楽になったことがあります。 / kyo@はじめまして ( 2002-02-07 23:55 )

2002-02-04 みたび鵡川

21世紀枠というものがあるらしいですね。
春の選抜初出場北海道「鵡川」は、その21世紀枠だそうです。

その選抜(?)理由がふるっています。
過疎が進む土地で、廃校廃部の危機にさらされながらもがんばっているからというのです。
地元の希望の星だともいいます。

これを知るだけで「鵡川」を応援したくなりませんか?
僕はなります。
ししゃもの土地の球児だということで訳もなく親近感を抱いていたものが、何かもう一つ後押しされたような気分です。がんばってもらいたいものです。

行ったことのない、自分の知りようもないところにも、人が生きて暮らしているのだな。
そんな当たり前のことがあらためて思われて、なんだか嬉しくなってしまいます。

先頭 表紙

本ワサビもうまいです。 / 揚水 ( 2002-02-07 18:30 )
鵡川高校を語るたびに、本ししゃもを食べたくなる私。なんたって「本○○」にはめっぽう弱い / としぼう ( 2002-02-06 02:17 )
まったくだ。 / 揚水 ( 2002-02-04 23:43 )
早く校章見せてほしい。 / パオラ ( 2002-02-04 23:33 )

2002-02-04 モノになってしまうって、どんな感じだろう?

 感じなくなってしまうことがモノになってしまうということなのか、モノになってしまったから感じることができなくなってしまうのか、とにかく、モノになってしまうってどんな感じなのか、おばあちゃんに尋ねることは、もうできない。おばあちゃんはたくさんのカルシウムの欠片になってしまった。まだおばあちゃんのカタチをしているあいだに、枕元に膝を詰めてそっと聞いてみた時も、おばあちゃんは何も答えてはくれなかった。今はもうそのカタチすら留めてはいないおばあちゃん。
 ぽくぽくと崩れそうな白い白い欠片。

 そういうことを夢想する。追憶。
 亡くなった肉親の焼かれた骨を口に入れたいと思ったことはありませんか。
 とても、悲しいはずなのに。
 そういうことを考える自分が不謹慎なのではないか、誰かがこの気持ちを持っていることを知っていて、いつか思いも寄らないときにそれを暴かれるのではないかと恐々としたことはありませんか。

 高校生の時、クラスの女の子が心臓の発作か何かで亡くなったとき、残された全員がお葬式に出席した。式場にいる自分が、悲しくもない自分がそこにいるのは何かの間違いで、悲しくもないのに神妙な顔をしている不心得もまた暴かれるのではないかと怯えた。 女の子は、ほとんど全員が泣いていた。僕は、突然生を奪われた自分と同い年の女の子がいるのだということに対する悲しみ以上のものを、持ち得なかった。悲しく、なかった。
 彼女たちの悲しみの深さを測ることは、僕にはできない。
 僕は心の中に不心得なものを抱えてもいたから。どういう顔をしてそこに立っていればいいのか、わからなかった。

 人は別に、死んでモノになるのではないことは、実は知っている。命ある者が、モノが、命を失くす。
 では、命を失うとはどういうことなのだろう。生きるということは、生きているということはどういうことなのだろう。

 子供が浮浪者を殺す。親が、子を殺す。自分の国でない場所に爆弾を落とす。
 人の命を奪う。

 その重さに思いを馳せることもなく。
 いとも、たやすく。
 自分から遠いところにある、死。

 あるいは、自死。
 殺す主体である自分からは遠いところにいる、殺される客体である自分。

 生まれた以上、生きる。生きているから、生きる。
 では、命を奪うということはどういうことなんだろう。
 それを糧に自身が永らえるのでもないだろうに。

 (人を殺したいと思ったことがあるくせに!)
 
 どういうことだろう。
 

 

先頭 表紙

おお、でかいっすね。 / 揚水 ( 2002-02-11 12:31 )
私の認識は世界を包むくらい大きい....かも知れない(笑)。なんちって。星を眺めると気が遠くなる日々です。 / lim. ( 2002-02-08 08:03 )
パーさま。おっしゃる意味が分かりました。 / 揚水 ( 2002-02-07 18:29 )
lim.さんへ。昔は思ったことがあります。でも、今は思わない。僕が消えてしまって僕の認識する世界が消えても、世界はそこに残る。厳然と残る。これはもう信仰のようなものとも言えます。僕なんかの認識にくるまれてしまうほど、世界は小さくもヤワでもない。そう思います。たとえば、僕が死んでクラゲも消えてしまうなんてやりきれない。 / 揚水 ( 2002-02-07 18:29 )
「死は生のうち・・・」は、表裏一体という解釈もあるのだと思いますが、私はむしろ生の起点から永遠に生が続くのだと思っています。つまり歴史の年表でいうと、「徳川家康」が3センチくらいの線でしかないかもしれませんが、彼が存在したという事実が死を乗り越えて永遠に今に続いているということがいえるのではないかと思います。それは彼のような大物ではなくても同様で。 / パオラ@うまく言えない ( 2002-02-05 18:22 )
↓思う。目の前のものが「ある」という証拠はどこにあるんでしょうね?ガキの頃にそれを考えていつも具合悪くなってました。自分が正気がどうかなんて誰に言えるのかしら? / パオラ@ああ、また具合が・・・。 ( 2002-02-05 18:17 )
存在って、不思議ですよね。人間も不思議。でも私が居なくなったら皆消えるかもしれない、とか、思いません? / lim. ( 2002-02-05 14:54 )
おばあちゃんの骨を食べることは思いとどまりました、かつて。血が繋がっているから。口から取り入れること(本当にそうしたかったのだけれど)をせずとも、彼女に血を分けてもらっているから。補給とは違うけれども、確かにある一部分は似ている。僕は彼女の形を目に見える形で自分の裡に取り込みたかった。それと、僕は自殺が表現だとは絶対に認めることができません。「死は生のうちにあり」。表裏一体のものであるということなのでしょうね。 / 揚水 ( 2002-02-04 23:42 )
だれの言葉か忘れましたが、記憶に残る一節。「死は生のうちにあり。」ひとたび生存したものは、たとえ亡くなっても、その生を消し去ることはできない、ということです。 / パオラ ( 2002-02-04 23:31 )
出産の時、ヒトを含めた哺乳類の母親はその胎盤を食べるのが自然の行いということです。つまり大量の出血とともに失われた鉄分の補給。非常によくできたシステムだと思います。死んだおばあちゃんの骨を口に含みたい衝動は、あたかもそれを思わせる行動のように思えます。ある意味、生きるとはお互いを食らっていくことではないでしょうか?そのひとつにすべての死も含まれる。他者の死がよくも悪くもその人に何がしかの活力を与える。自殺は自己表現のひとつではないでしょうか? / パオラ ( 2002-02-04 23:28 )

2002-02-03 大好きな友人

僕には実の妹が1人います。
そのほかにも、義理の弟妹とでもいうべき妹が1人と弟が2人います。

中2の女の子1人と小4と小2の男の子が2人です。
彼らは僕の大切な友人でもあります。彼らの両親も僕の大切な友人です。
僕は8年ほど前、以前も話(ここ)に出てきたNさんの家に、図々しくもひょんなことから約半年居候していたことがあります。それ以来の付き合いです。

昨日今日とその一家まるまる友人のお宅におじゃましてご飯をたかってきました。
食事の前にお母さんであるYちゃんとお姉ちゃんであるMのちょっとした言い争いに口を挟み、真ん中の子であるKと将棋を指し、こたつで寝ていた末っ子のRをたたき起こしました。
それからMとRが揚げてくれたマグロの天ぷらを食べました。

そうこうするうちに主人であるNさんも帰ってきて、大人3人で飲みました。
KとRと一緒にお風呂に入りました。
風呂から出てまた飲んでいると、NさんとYちゃんが他人と関わることについて意見を戦わせ始めました。
僕から見れば同じようなことを言っているといえなくもない話です。そこに割って入ってお互いの言いようのすれ違いを、僕はこう見た、違うんじゃないかなどと言うのは、相手にイヤな思いをさせることもあるかと思います。それでも僕はそうした物言いを止めることはありませんし、彼らも僕の言うことを聞いてくれます。
こうしたことはよくあります。

お互いにイヤな思いをさせたりさせられたりしてもいいということに甘えてばかりはいられませんが、そうした関係があるということは僕にとって大きな財産です。

先頭 表紙

僕の実の妹のことを僕がどれだけ知っているのか…。親にしても、知らないままわかったような気でいてすまされるのが家族ではないでしょうか? 友達の好きなアーティストを知っていても、父親の趣味の本当のところは知らなかったり。それでいいんだとも思いますが。 / 揚水 ( 2002-02-07 18:28 )
兄弟って、捉えにくい生き物ですよね。我が弟は私を敵視してくることもあるし、甘えてくることもある。正しい判断をするなあ、と思います。まだ話もできないのに。 / lim. ( 2002-02-05 14:56 )
自分の思うようにはならない、なるはずもない人たちの間に生きているのだと、そう感じる(特になにが起こったわけでもないのですが)日でした。拒否されることも、拒否することもできなくて疲れることも。そういう日は、自分が嫌いな人のことを考えて、なぜそこまで憎むのかわからなかったりします。理由は、あるのに。逆に好きな人は好きだから好きとしか言えない。好きなことはしっかりわかっている。不思議です。 / 揚水 ( 2002-02-04 21:40 )
とても大切な人たちです。 / 揚水 ( 2002-02-04 21:27 )
ここ最近、言いたいことを言ったら全身で拒否されたことと、その逆に言われ放題で困ったことが立て続けにありました。前者は相手のあまりにも子供じみた拒否の仕方にひどく傷つき(これは私が距離感を読み誤ったの。)、後者は彼女が解決を望んでおらず、ただしゃべりたいだけだったということに疲れ果てました(ただ話すことでスッキリはしてくれたようなのでよかったのですが。)。なんでも話せる相手・・・必要なんでしょうね。 / パオラ ( 2002-02-04 20:29 )
言いたいことが言える関係、と思っていたのに相手は迷惑だった・・・なんていうのも結構あるから、揚水さんとその友達みたいにキャッチボールのできる関係は、宝ですね。世の中にそういった人が何人いるか・・・、大事にしなくちゃって思います / としぼう ( 2002-02-04 13:45 )

2002-02-02 再び鵡川

シシャモの話(ここ)で出てきた鵡川がまたここで登場です。
なぜか?

昨日か一昨日かテレビを観ていると、春の選抜の出場校が決まったとのニュースが流れていました。
その中で、北海道の「鵡川」という高校も選抜されたというのです。
僕は野球にはまったく興味がありません。
ただ、シシャモを水揚げする土地の名を冠した高校が、思いもよらずこんなところでその名を出してきたことが嬉しかっただけでした。

19歳の時に郷里から愛知に出てきて十数年。
洗脳されたのか、ドラゴンズの勝利のニュースは嬉しい。でも、興味はない。
来季(今年)はドラゴンズとタイガースのどちらを応援したらいいのか迷うところを見ると、どうも僕は星野監督のファンのようです。

とにかく、クラゲに電話で「鵡川」という名の北海道の高校が選抜されたことを教えると喜んでいました。
「応援しなきゃね」とクラゲ。
「うん、そうだね」
「ところでさ、」
「なに?」
「校章はシシャモなのかな?」

……それはないって。

先頭 表紙

気になります、鵡川高校。 / 揚水 ( 2002-02-03 17:22 )
校章にシシャモなくとも、球児達のふくらはぎにソレは生きているかもしれません?学校紹介がなんだか今から楽しみのような・・・ / としぼう ( 2002-02-03 00:17 )
あの「高校紹介」で流れるビデオには、「鵡川はししゃも漁が有名で…」という説明があるのでしょうか、やはり? / AH "ししゃもの頭を取って食べてしまう邪道な人間です" ( 2002-02-03 00:05 )
わからんぞ。2匹ほど線対称でぴちぴち言ってるかもしれないぞ。 / パオラ@ああ、食いたい ( 2002-02-02 21:55 )

2002-02-01 池澤夏樹さんのこと

池澤夏樹さんという作家をご存じでしょうか?
とても美しい話を書く方です。
現在朝日新聞に連載を持っていますが、僕はこの新聞を取るのを1年ほど前に止めてしまったので、残念ながらリアルタイムでは読んでいません。
過去の作品ででも、興味を持たれたら読んでみてください。
「マシアス・ギリの失脚」、「真昼のプリニウス」、「夏の朝の成層圏」などの優れた小説の他にも、「むくどり通信」などの素晴らしいエッセイも書かれています。

彼が、9月11日のアメリカ同時多発テロをきっかけに、翻ってタリバン、アフガンなどムスリム、沖縄米軍基地などの諸問題をも考え、そのことについて書いたメールコラムを発信しています。

(メールコラムのバックナンバーはこちら)
(池澤さんの公式サイトはこちら)

興味がある方は読んでみてください。

先頭 表紙

ねえ、美しいですよね。 / 揚水 ( 2002-02-07 18:27 )
「スティル・ライフ」大好き。ほんといいですよ。惚れ惚れ。 / lim. ( 2002-02-05 14:57 )
へえ、そりゃ偶然ですね。 / 揚水 ( 2002-02-03 17:22 )
偶然ですが、読み始めたところだったりします。(でも諸般の事情でペース遅し) / パオラ@まだ文体に慣れないの ( 2002-02-02 21:54 )
読まれまして感想などございましたら、是非僕にもお知らせください。メールでもつっこみでも構いません。なお、池澤さんのメールは転送自由だそうです。ですからここでお知らせした次第でもあります。 / 揚水 ( 2002-02-02 00:32 )

2002-02-01 やる気無し

昨日の朝、さあ仕事だと出掛けようとしていると電話。社長からだった。
「今日、休みにするから」
はあ?

こんなに突然休みばかりでどうやって生きて行けというのでしょう?
僕は毎朝車で社長を拾って会社に通勤しています。
今朝起きたらなんだかどうでもいいような気持ちでいっぱいでした。

昨日だけ休みなのか今週末休みなのか確かめることなく、自主的に休日。
こんなことでいいはずがない。

自分がこの先どうしたいのか、よく考えよう。

先頭 表紙

僕にとってそれは当たり前すぎるほどに当たり前なので。そうするためにも(お金だって必要)、さてどうやって生計を得ようかと、ふむ。 / 揚水 ( 2002-02-02 00:29 )
どうするか?もちろんクラゲ嬢と仲良くすればいいのです。とりあえず。 / パオラ@当然。 ( 2002-02-02 00:21 )
あーちゃん、休みはラッキーなんだけど、日給月給の身では、休みが多ければ多いほど、自分の首を絞めるのです。だから愚痴。 / 揚水 ( 2002-02-01 23:28 )
もう不安になるのはよしときます。仕事がなければバイトでも探すさ。会社があって生きてるんじゃないもの。愚痴です愚痴、ただの愚痴。さて明日からがんばろうっと。休みらしいけど。 / 揚水 ( 2002-02-01 23:26 )
でも、労働意欲があるというのは羨ましい。 きっとあーちゃんだったら「休み?ラッキィ♪」って思っちゃうもの。 あはは。こんなんじゃ私まだ就職できないね〜。(苦笑) / AHchan ( 2002-02-01 23:26 )
小さい会社なのですか?こーゆー社長さんだと、不安ですね・・(>。<) / おとめ ( 2002-02-01 23:15 )

2002-01-31 三百数十円の王様

金さえ払えば何をやってもいい、金を受け取った人間は金を払った自分に対して、従わなければならないと無邪気に思っている人がいかに多いことか。
それもたかが300円ぽっちで。
「お客様は、神様です」。ただしその神様は善神とは限らない。

ずいぶん前に喫茶店でコーヒーを飲んでいるときに、ものすごい光景を眼にした。
上にはへつらい、下には横柄に振る舞う。しかもその上下を決めるものは、金の授受である。金をくれる人にはにこやかな作り笑顔を見せ、金を払う相手には見下した真顔を見せる。

僕の後から店に入ってきた男の二人連れは、見るからに得意先を昼食に案内してきた男と、金銭的に優位に立つその得意先の男という風だった。
へりくだった方の男は終始接待相手に笑顔を見せていた。相手は特に横柄に振る舞うでなく一見普通に見えた。けれど、異常だった。わかりやすすぎるほどにわかりやすい、金銭を媒介にした上下関係。
「おう! 早く水持ってこい!」
へつらい男は店の女の子にそう怒鳴っていた。へつらわれ男もそれを別に大したこととも考えずにいるようだった。
初対面の、或いはよく知りもしない人にとる態度ではないと思うのだけれど。
「こっちは金払ってるんだから」
平気でそう言える人を僕は軽蔑する。
受け取る物品やサービスに対する対価として、金を支払う。お互い様ではないか。
どちらかが偉いというわけではないだろう。

ところが彼らはそう思ってはいないようだ。
一番驚いたのは実はそこだった。
しかもたかが300円ぽっちで。

度を超したへつらいは横で見ているだけでも気分が悪くなるのに、自分にへつらう男が他人に横柄に振る舞っているのを見ても何とも思わない。むしろ自分にはへつらっているのがまんざらでもないようにすら見える。様子を見ていて想像するに仕事を回しているようだから、きっとそうなのだろう。
胸くそわるい。

金さえ払えば何をやってもいい。たかが300円ぽっちで。

僕だって、金は必要だし、欲しい。
けれどそんな使い方はしたくない。
生きるために金が必要なのか、金のために生きてるのか、どっちなんだ?

へつらい男に聞きたかったのだが、我慢して店を出た。

先頭 表紙

サービス業に限らず、大変なのかな、仕事。 / 揚水 ( 2002-02-01 22:33 )
サービス業って大変ですよね。広い意味で警察とかもサービス業だけど、割に合わない仕事が多いと思う。ねえ。 / lim. ( 2002-02-01 10:13 )
揚水さま、弊社への突っ込み、消しすぎたかもしれない。 / 口車筆無精乃介周作 ( 2002-02-01 05:20 )
お褒めにあずかり光栄恐縮至極です。いらっしゃいませ、口車さん。 / 揚水 ( 2002-01-31 23:47 )
初めまして。はいはい、こちらでございますな。いやいや、それにしても突っ込み機能は便利だ。パオラ様の突っ込みからこんな面白い日記にたどり着けた。最近、人が多いですからね、ちょっと忙しくているとあっという間に見落とす。 / 口車筆無精乃介周作 ( 2002-01-31 21:55 )
パーさま。銀行かあ、いろいろあるんだろうなあ。無意味であっても消費そのものに意味がある。バブル期でなくとも今現在、不況を脱するためにはその手法しかないと信じて疑わない人が未だいるのではないでしょうか? デフレで苦しむ生産者にとって、ただ数さえ売れればいいというものでもないでしょうに。人の苦しみを知らない、いわゆる下々を知らない人々がこの国の経済を云々する異常、机上の空論をでないでしょう。 / 揚水 ( 2002-01-31 21:53 )
先日、口車大王さんが旧三和銀行について書いてらしたのですが、仰天の銀行体質でした。世の中にはお金を介して信じがたいやりとりが続いているのですね。お金にはそれに伴う知性がなければ意味をなさないと思います。バブル期にそういう無意味な買い物がたくさんなされたではないですか。 / パオラ@貧乏もやりかた次第 ( 2002-01-31 20:10 )
いらっしゃいませ、もちこさん。いくらあまりないとは言っても、ありますよ。金でなくとも出来ること。手段を目的にすり替えないようにすれば多分大丈夫です。お金は、よりよく生きるための手段の一つ。それだけのはず。それは僕のような貧乏人にとってもお金持ちにとっても。お金持ちはまた少し違うのかな? なったことないから知りませんが。 / 揚水 ( 2002-01-31 18:05 )
でしょー、そーだよね、あーちゃん。人間見ちゃうよね。 / 揚水 ( 2002-01-31 17:59 )
「一流の職人」なんかだと「お金で動かない」ってのも条件のひとつじゃないでしょうか。いくら詰まれてもこれだけはいついつしか作らない、とか。。。そんな意地。そういうのって素敵だなあと思います。でも悲しいけど金で出来ないことは余りないこの世の中。だから何が大事なのかなっていつも思っていられたらいいですね・・・・ / もちこ@貧乏です(泣) ( 2002-01-31 17:56 )
あーちゃんがへつらわれる方だったら、そんなへつらい男には仕事任せたくないけどね〜。 / AH "一生へつらってそうな人" ( 2002-01-31 17:47 )

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