今、他所に講義を聴きに行っている。
…自分の夢分析のスタイルに少し違和感を覚えてきたので、
他のアプローチを勉強したいと思って。
講義はすごく面白かった。
帰りに、ある男性に呼びとめられた。
「覚えています?2年前のセミナーで貴方が居眠りしていたのを、
僕が後から起こしてあげたんですよ」
(2年前?私じゃないよ…ムカ!)
臨床経験を聞かれたので、
「ぼちぼち…です(まだ現場1年目だから)」
というと、
「実習‘程度゜ですか?」
…ここらあたりで、随分失礼な質問の仕方をするヒトだとは、思った。
自我肥大の匂いがプンプンする。
けれど、電車が同じだったので、暫しのガマン…とお付合い。
(次回も机を並べる相手だし…)
黙っているのも愛想なしかな、と思い、
「現場の方ですか?(全然思っていないけれど;)」
ときいてみると、
「趣味程度でやっています」
との答え。
「そうですか」
といいながら、
(「趣味」なんて、クライエントに失礼じゃない!)
とココロの中で突っ込む私。
更に彼は
「スーパーヴァイズ(=ケースについての指導)とか受けたことありますか?」
と聞いてきたので、
(普通の感覚なら当然スーパヴァイズは受けるぞ)と思いつつ、控えめに、
「大学院で必須でしたので」と答えた。
すると、彼は
「そうですか、…でも僕はまだスーパヴァイズを受ける価値のあるケースは持ったことがないので」
そこで私はかちん、ときてしまった。
…それはいったいどう言う意味なんだろう?
「自分のケースはスーパーヴァイズを受けるほど難しくない」
というのか?それとも
「スーパーヴァイズとはそれをする価値のあるケースを選んで受けるものだ」
と彼は解釈している、ということなのか?
スーパーヴァイズは自己研鑚のために受けるのに。
私はスーパーヴァイズを受ける価値のないケースなど存在しないと思う。
物理的、金銭的な制約上ムリなことはあるけれど。
全てのケースはユニークだし、自分以外の視点をいれることで、
新たな観点が生まれてくることもある。
だいいちどんなに理論や事例を頭で知っていても、
それを考えていたら、面接のなかに入っていけない。
だから、面接のときは自分自身の力だけで精一杯勝負して、
指導者にそれを見てもらうことをやらないと、
責任上、クライエントに申し訳ないし、
自分自身のダメ出しをできなかったら、治療者として成長できない。
クライエントは治療者の自己満足の為にいるのではないのだ!
…とうわけで、折角良い講義を聴いてきたのに、
帰りのバスで気分は最悪だった。
…翌日。
講義の復習をして、「さあ頑張るぞ」と出勤すると、
いきなり最初のクライエントさんからキャンセルの電話。あらら…。
こうやって、ムリに肩の力が入っている時って、
かなりの確率でキャンセルの憂き目にあう。
勿論、クライエントがこっちの事情を知る由もないのだけれど。
こういう時は、肩透かしをくった感じで、カクっとくるけれど、
あとから考えればお互いのためにはいいかもしれない。
肩の力入った状態で面接すると、あまり良いことないから。
…頭を冷やせってことかなぁ…と反省。
あっ、今書いていて思ったけれど、
これって院長が「ヒマだ〜!」いってコーヒーいれる時に限って、
予約なしの患者さんがひょっこりやって来るのと
ちょっと似ているような(笑)。 |