2001-04-19 エンジンを２つ積むクルマ
2001-04-18 東欧の隠れた天才
2001-04-17 山に行きたい
2001-04-16 オトモダチの車・７／そしてイタリアン
2001-04-15 クルマのマンガの話。
2001-04-15 楽しくてしょうがないの。
2001-04-14 自分に対するアンチテーゼ
2001-04-14 アストンマーティンを買ってもらう男。
2001-04-13 オトモダチの車・６／ご本人によるイラスト付き（笑）「悪魔のＺ」
2001-04-12 探検に行きたい

自分で過去のこの日記を読み返してみると、かなり「変なクルマ」に傾倒して見えることに思わず笑ってしまった。ホントのところはそれほどでもなく、一般的に人気のあるクルマや世間的に注目を浴びているクルマは資料や情報が溢れているので、ここで特に取り上げるまでもないな、と思っているだけ。
でも、実は一つだけ密かな夢がある。それは「エンジンを二つ積んだ車に乗ってみたい！」という夢なのだ。というわけで、今日は「エンジンを２つ積んでいる車」にスポットを当ててみたい。

もともとエンジンを２つ積むと言うことは、「泥縄式」パワーアップというか、その場しのぎのツギハギ・モンスターを作るというか、いずれにせよ真っ当な方法ではない。だけど、まさにその「やっちゃいました」的ゲリラ的エンジニアリングというものは僕にとって非常にチャームポイントである。
その「これでどーだ！！」的なエンジニアリングが一番適用されるのは、レースの世界である。今でこそレギュレーションでがんじがらめ、しかもそのレギュレーションそのものがメーカーを含む複雑な政治的ニュアンスに左右されて「抜け道」などないが、昔はそれこそ「アッと驚くニューマシン」がレギュレーションの間隙を突いて登場、ファンを沸かせたものだ。だから、ツインエンジン車も、レーシングマシンが多い。

一番有名なのは、戦前のアルファロメオGPカー、その名も「ビモトーレ（二つのエンジン）」だろう。戦前ドイツ陣営（メルセデス、アウトウニオン）にスピードに於いて歯が立たなかった当時のアルファGPチームの監督エンツォ・フェラーリが「こうなったらもう一機エンジン積んだれや！！」と、当時の主力マシンP3（ティーポB）の、ドライバーシートの後にもう一機同じエンジン（直列８気筒X2！！）を積んで作ったバケモノで、高速サーキットレースに狙いを定められたがドライブが非常に難しく、ヌヴォラーリを持ってしても優勝は出来なかったらしい。ただ最高速度は抜群で、アウトバーン上のテストで325km/hという記録が残っている。更に古くはマセラティで、1929年に既にティーポV4「セディーチ・チリンドーリ（16気筒）」というレーサーが一台だけ制作された。このクルマはノーマルの8気筒エンジンを二つ並べてクランクケースでくっつけ（Vバンクではない）フロントに載せるというクルマだった。「奇形」と言うのが定説のツインエンジン車のなかでは安定して良い成績を残している。

今日のイラストはシトロエン2CV。このクルマにもリアにもう一台エンジンを積んだツインエンジン車、「サハラ」というのが存在した。このクルマの場合は「パワーアップが目的」というよりも、４輪駆動としての悪路走行性を高めるのが目的である。この時代の2CVはたったの16馬力なので、駆動系を複雑にするよりやはり「もう一台積んだれやっ！！」なのだろう。

最近はそういうバカなクルマは登場しないモンだなぁ、と思っていたら去年、メルセデス・ベンツがあの「A-class」のリアにもう一台エンジンを積んだオバケを作った。売るのならかなり欲しいなー、と思ったが（笑）残念ながら、マクラーレン・メルセデスの二人のF-1ドライバーにプレゼントされて終わった。
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CITROEN 2CV 4x4 "Sahara"

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春江一也の「プラハの春」を読んでいて思い出した。今日のお題は「タトラ」である。

タトラといってもご存じない方は全くご存じないし、もし「良く知っている」人がいらっしゃったらその方は単なるクルマバカではなく、かなりの年齢と共にある種の経験をお持ちかも知れない。このクルマ、チェコスロバキアの名車なのだ。
一般に、旧共産圏の工業レベルというものは、西欧社会に比べ非常に低いと思われている。ある面これは否定しようのない事実だ。東独製の「トラバント」（ボディはなんと紙ファイバーベース！！）を見た人もいるかも知れないけど、「旧いクルマの愛嬌」のようなものはあっても、アレが80年代末期までスタンダードであったわけだから、他は推して知るべしというわけだ。唯一「ラーダ・ニーワ」（ソ連製４駆。80年代末期にささやかなブームになった。ブギ６の知り合いにも乗っている人がいたぞ）だけが日本でもかろうじて普通にお目にかかれるクルマであった。
しかし、戦前からそうだったわけではもちろんなく、「タトラ」は、たとえて言うなら戦争がなければシトロエンかあるいはポルシェのようなメーカーになっただろうと思えるほど、独創的な名車を作り続けていた。ただ、我々の目に届かなかっただけなのだ。事実、タトラ中興の祖ともいえるハンス・レドヴィンカという天才的エンジニアはフェルディナンド・ポルシェ博士に多大な影響を与えたと言われている。この件には更に裏話があり、Dr.ポルシェの代表作「カブトムシ（ビートル）」の基本構成に対して、オリジナルのアイディアはレドヴィンカのものであるという説があるのだ。どの程度事実なのかははっきりしていないが、戦後になって特許権の提訴が行われ、基本的にタトラ側の訴えは認められたらしい。また、1950年にはミッドエンジンフォーミュラーカー（クーパーより全然早い！！）も作られている。国外のレースに出てくることはなかったようだが....。
このタトラ「603」は、空冷V8（！）2500cc、リアエンジン・リアドライブ、全長五メートルの流線型大型６人乗りボディに、中心寄りに据えられた３灯式ヘッドライト（後期型は４灯に改められた）という構成からもわかるとおり、自動車史状異色の「タトラ」というメーカーをとてもわかりやすく表したクルマだと思う。1956年デビューだから、まさにシトロエンDSに対する「東側の知られざる横綱」だったわけだ。

日本には今現存する個体があるのかどうか知らないが、ブギ６は物心つくかつかないかの頃に一度だけ見て肝を潰した（と言うにふさわしい印象だった）憶えがかすかにあるのだ。かなりボロく、へこんだボディはグレーだったと思う。巨大だった。その後（といっても20〜30年ぐらい前の）カーグラフィック誌の個人売買のコーナーに売り物も出ていた。その個体かどうかは知らない。欲しいとは言わないが、是非もう一度見てみたい。
どっかにないかな？？
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この画像はイギリスのタトラ・レジスター（クラブ）のHPより転載させていただきました。現在メールで許可求めている最中であります。許可が降りないバヤイは消去する可能性あり。でもホントに画像がないのだ、このクルマ。イラストにしようかなと思って何回か描いたけど、この「ヘンさ加減」がウマク描けない。絵が下手なだけに見えてしまうのだ（涙）

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中学生の頃、しょっちゅう自転車で山に行った。山に行ったと言っても、せいぜい奥多摩とか、遠くて八ヶ岳ぐらいだけど。

峠の登りで必死にペダルを漕ぐ。峠に着くと、今まで登るのに必死で気がつかなかった空気のおいしさや、山の静けさに、突然気づき、はっとする。この瞬間が好きだ。

バイクになって少しはラクになったが、でも気分は同じ。つづら折れを右に左に、必死でバイクをねじ伏せて飛ばす。うるさい排気音、飛び跳ねる脚周り。それでも歯を食いしばって飛ばす。怖かったりもする。コケたりもした。
で、峠についてエンジンを切ると同じ瞬間がやってくる。

クルマはそこへ行くと断然ラクだ、と言いたいところだけど（笑）、実は今のクルマはバイクより疲れるかも知れない。重たいステアリング、重いクラッチ。回転を合わせないとうまく入らないミッション。舗装のギャップでモロに横っ飛びするリア。高度を上げるにつれ、ゴボついてくる不器用なキャブ。右コーナーでロールすれば左にブラ下げた大きなマフラーの腹を路面に擦るほど余裕のない地上高。

でも、面白いから飛ばす。怖いけど、飛ばす。視界が開けるまで山のありがたみに気がつかない。で、またあの瞬間がやってくる。山にいきなり取り込まれる瞬間が。

クルマって、楽しいな。

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Porsche 356 Carrera1500GS （新たな表現方法練習中。上達まで今しばらくお待ちくださいませ・笑）

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さて、オトモダチの車、第７弾！
どうも、周りの仲良しを主体に紹介しているとオープン２シーター、しかもイギリス製と言うパターンが多くなってしまうが、どっこいイタ車もちょいと面白いクルマがいるのだ。なんと、アバルト！！きゃー！（爆）

このクルマ、正式名称は「FIAT ABARTH OT1000 Spider」という。ちょっと見には、ただの「フィアット850スパイダーか？おお、初期型じゃ、ヘッドライトカバーが美しい！」で終わってしまいそうなのだが、何を隠そうこれはいわゆる本物である。側によるとあの「サソリのエンブレム」が控えめながら頑張っているのだ。アバルトお得意のツインカム化こそされていないが、自製のマニフォールドと34径のソレックスで62HPまでチューニングされている。アバルトとフィアットの関係が一番良かった頃のクルマなので、何種類にも渡って細かいチューニング違いのバリエーション（キャブ、マニフォールド、ミッションなどの違いで更にOTS,OTSS,OTRなど）が存在し、さらにそれのベルリーナ（セダン）、クーペ、このスパイダーとさらに固定ハードトップ付きなど非常に多いバリエーションがあるが絶対的台数は非常に少なく、資料も少ない。ちなみに日本には僕が知っている限りではこの個体を含めて２〜３台しかないのだが...。もうちょっとあるのかな？

初めてこのクルマを仔細に見たときはビックリした。イギリスの旧いスポーツカーを見慣れた目には、全てが新鮮かつアバンギャルドに見えるのだ。イギリスの旧いスポーツカーはすべて「デザイン」というよりパターンを踏襲して出来上がっている。細かい部品類など、そのクルマ用にわざわざ起こすことは滅多にないし、全てが素朴なデザインである。ところがやはりイタ車はその辺が泣かせる。どんなに細かいところにもデザインが行き届き、「これで最小排気量クラスか！？」というぐらい生意気な作りになっているのだ。そして、音。プッシュロッドのままなのでそんなに原理的には違わない筈なのだが、言ってみれば「英語とイタリア語」ぐらい（笑）、響きが違う。泣けるなー。

このクルマのオーナーさんは、ブギ６が「社会的不適合車共同組会」（組合から改名）で散々お世話になった「Hito」さん。このクルマは以前雑誌で見かけて憧れていたクルマそのもので、縁あって手に入れることが出来た時には半ば信じられない気持だったそうだ。ブギ６も自分のクルマが長年知っていた個体（手に入れてから気がついた）をたまたま手に入れて感激した経緯があるので、その嬉しさはよく解るつもりなのだ。彼のHPには手に入れてからの苦労日記が綴られており、クルマバカにはちょいと見逃せない記事なのだが、今回リンク許可とってないので、許可がおりたらリンク張りますね。お楽しみに。

ちなみに、イギリスやアメリカで「アバルト」といっても通用しない。「エイバース」と発音するのだそうだ。なーるほど。

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今日は、クルマのマンガの話。

クルマのマンガと言っても、実はいっぱいある。テーマそのものがクルマなものから、小道具としてクルマが大活躍するモノまで様々だ。
その中でも代表的なものを幾つか上げると、古いところでは西風氏の「GTロマン」。独特のタッチでショートストーリーも楽しめるが、最近豪華本に編集替えした折りに「書き下ろし新作を一巻につき一話追加編集」という非常にセコイやり方をしたため、ブギ６のなかでは評価ガタ落ちである（爆）。

そして、我らが「むねぴー」こと田中むねよし氏の「BOLT and NUTS!」。「Tipo」誌に連載中の伝説のエンスー・マニュアルである。氏のクルマバカ生活を赤裸々に綴ったこの私小説的名作には、ホントに色々教えていただいた。プロのクルマ屋さんと付き合うことの難しさ、お金を掛けずにクルマを動態で維持するコツ、etc.....。もし今から旧いクルマに手を出そうとしている人がいたら、色々な入門書よりまずこのマンガ全巻熟読を強くお奨めするモノである。ちなみに、ブギ６は一コマだけ「出演」している（笑）。

上記２氏はこのほかにも名作が色々あって（西風氏・「CROSSROAD」「DEAD END STREET」他、むねぴー氏「SWEET WHEELS」「FOOL ON THE WHEELS」「V8探偵ディック」他）昔は置いてある書店も少なく探すのに苦労したものだが、最近はクルマ屋さんや模型屋さんなどにも幅広く置いてあって新作チェックもラクになった。

で、だいたいこの辺が王道だなーと思っていたのだが、先日、大ファンの東本昌平（はるもと・しょうへい）氏の新作の４輪モノを今さらながらのように発見して驚喜してしまったのだ。ご存じの方も多いと思うけど、東本昌平といえばまずバイク哲学書とも言える名作「キリン」の名が挙がるだろう。僕もこのマンガの大ファンで、単行本の新作を入念に探すのが書店での巡回メニューの一つであった（最近21巻が出た。少年画報社は大丈夫なのだろうか？？誰か知っていたら教えて）。で、ファンとしてはオハズカシイ次第なのだが、つい最近、氏の新作４輪もの「SS」（ビッグコミックスペリオール連載中・単行本は小学館試し読みキャンペーン中）の存在を知ったのだ。ツアーが多い頃は中綴じ系漫画誌はかなり制覇していたのだが、最近は全くチェックを怠っていたらこの有様だ（笑）。現在３巻まで発売中。
内容は、中年のメカニックが青春時代のラリーへの情熱忘れがたく、縁有って転がり込んだスタリオンGr.B-4WD（！！！）を駆って今どきのランエボ小僧などと峠や首都高で夜な夜な死闘を繰り広げるというものだが、東本作品独特の絵の巧さ、人間模様の描き方などファンにはたまらない作品になっていた。うれしー！！
イニシャルDより、オトナ向き（はぁと）。

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Alfa Romeo Giulia Sprint GTA（いそがいさん、描きましたぜ、順番飛ばして。今度ダケよ。）

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いやー、段々楽しくてしょうがなくなってきました、お絵描き。とはいってもまだトラックパッドスリスリ状態なワケですが（笑）。でも、写真トレースするようなズルい技は使ってないよ。資料の山をほじくり返したりするのも楽しいけど、コラムのネタの方が間に合わなくなってきた（爆）。

でも、まずいな。楽器触るよりお絵描きの方が楽しくなっちゃったかも（汗）。

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BUGATTI T35B

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今日は少々正気に戻って、自分の「クルマバカ状態」をちょっと冷めた目で見てみようかな、と思う。

旧いクルマが何故好きなのだろうか？普段自分は否定するけど、「ノスタルジックな気分」というのも多分にあるのだろう。自分が小さい頃から憧れていた車とともに昔の気分も一緒に手に入れてしまうということ。これは趣味として否定されるようなことでもないとは思うけど、対象が「社会の敵」になりかかっている車だけに最近はあまり威張れるような事ではなくなってきている。

旧いクルマのデザインが好きなのだろうか？よく言われることだけど、確かに旧いクルマは「作ったヒトの思い」のようなものがストレートに反映されていて魅力的だ。現代では個人のデザインの主義のようなものを、最終的な完成車にはっきり感じ取るのはムズカシイほど、自動車生産のシステムが巨大になってしまっている。

でも、と、ここで考える。


昔は、車そのものが今より全然特別な物だったわけだ。いまよりはるかに有り難がられ、いまより遙かに大事にされてきた。昔の家庭でテレビがもっと偉そうにしていたのと全く同じように。これは、物そのものの善し悪しとは別の問題である。だとすると、「車」が本来持っていた意味として「有り難いモノ」としての意味は機能以外にはもうすでになくなっている、という考え方もできる。そこを突き詰めていくと、「旧いクルマを愛でること」はかなり意味のない、格好悪い事なのでは？？という疑問も生じてくるのだ。

「趣味の問題」と開き直ればあまり関係ないことではあるけど、現代に生きる人間として、はたして自分は間違っていないだろうか？という疑問は時々、僕を襲う。

どうなんでしょうね。

--------今日のイラスト-----------------------------------------------------------

BMW 503カブリオレ(1955)
BMWのZ8の話題が出ていたので、昔のBMWは優雅だったなー（６シリーズぐらいまで）と思って書いてみた。Z8は「507」の再来と言われるけど、なんともいえない507の上品な感じは再現できていないと思う。アメリカ人受けは良いだろうし、きっと素晴らしいパフォーマンスだろうけど......。

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ウソのような、ホントの話。

２月から３月にかけて、飯倉のスタジオに通っての作業が続いた。主に打ち込み仕事なので、合間合間に待ち時間が発生する。で、近所をぶらぶらするのだが、そのおりに人生初の「東京タワー展望台」というイベントもこなしたりしてなかなか楽しかった。が、今日は東京タワーの話ではない。

スタジオの入っているビルの隣に、「ア■ラン■ィック商事」という、アストンマーチンの老舗正規ディーラーがある。小さいショールームだが、新車のヴィラージュやヴァンティッジが置いてあったりして、今どきなかなか「憧れの.....」と言うタイプの「外車ショールーム」である。その日もちょっと覗き込んでいたら、DB7ヴァンティッジ（１２気筒）の新車が、クーペとヴォランテ（コンバーティブル）の二台置いてあったので、普段はガラス越しだったのだが勇気を奮って（笑）ショウルームの中に一歩踏み込んだ。やっぱ本物はカッコイイ。１２気筒がモンデオのV6を二つ繋げたモノであろうがなんだろうが、アストンマーティンはやっぱちょっと近づきがたいオーラを放っているのである。

そこへ、初老の女性と、３０代後半〜４０代ぐらいの男性の二人連れのお客さんがやってきた。もうお得意らしく、営業が慣れた笑顔でさっそく椅子を勧めたりしている。男「で、これなんだけどさぁ....。」女「ふぅぅん」男「これだと５月には入るんだって。でも、オープンの方は夏まで待たなきゃなんないみたい」女「ふぅぅん、で、どっちがいいの？？」男「こっちでイイや、ゴルフバッグ積みやすいし、ね、お母さん。」女「...それで、おいくらなの？？」

いやー、見てしまいました、お母さんにDB7買ってもらう男。それが、「超カッコイイジゴロ風のお坊っちゃま」が、これはもしかしてパトロンか？というような「ママ」に買ってもらう、というのならまた話は別の味わい深いモノになったであろうが、その男性というのがまあ、言っては失礼だがぼさぼさアタマに突き出た腹、ヨレヨレのウールのパンツに、地味かつ趣味の悪い（器用だよなー）セーターをきて、あまつさえ下のＴシャツがズボンの後からベローンと出ているような方なのである。これは、笑うと言うよりなんかモノスゴイ感じがして、絶句してしまった（爆）。僕の後からショウルームに入ってきた40代ぐらいの男性客（表に80年代物とおぼしき「V8」が路駐していたのでそのオーナーだろう）も、洋書など眺めていたのだが、こちらの事の成り行きを目を丸くして見つめている（笑）。

いやー、世の中、お金はあるところにはあるんですね、というよりむしろ、余りにも漫画というか小説的展開を目の当たりにして楽しい一日ではあった。でも、どうせならフェラーリとか、わかりやすい車にしてくれ、なにもアストンマーティン買わなくても....と、ちょっと思ったりしたのである。

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今日のクルマは「ご本人の手になるイラストも一緒にご紹介」（笑）である。

このクルマ、S30Z（初代フェアレディーＺ）のオーナーはココの突っ込み常連「すらいだー」氏。ブギ６とのお付き合いは今を遡ること６〜７年前になる。彼は僕がバンドをやっていた頃のレコーディングエンジニアで、最初に出逢った頃はまだアシスタントであったが、今やもう立派なチーフだ。

以前、「レコーディング系のエンジニアはエンスー系、ライブのPAエンジニアは国産高性能武闘派系」というこの業界特有の傾向を説明したことがあるが、彼の場合は全くその中間と言っていいだろう。生産終了から３０年近く経とうというクルマだが、常に手を入れ、一線級の性能をキープするのに余念がない。おかげで僕等が驚くほどこのクルマにはお金が掛かってしまっているらしいけど（笑）。彼の名誉のために付け加えておけば、楠みちはる氏のベストセラー漫画「湾岸ミッドナイト」の連載が盛り上がるより以前に彼はこのクルマを手に入れていた筈である。
スタジオで作業が遅くなると、夜半を過ぎることはしょっちゅう。で、眠さも一度通り越してしまうと体が徹夜態勢になって意識がはっきりしてくる頃仕事終了、なんて言うことが良くあるわけだ。そんなとき彼と一緒の仕事だと「ちょっとどっか走りいくぅ？？（爆）」と、近所をフラフラしたり、第三京浜〜首都高コースで横浜まで明け方ドライブを楽しんだりした。まあ、やってることはクラシックな暴走族と大して変わらないのがオハズカシイけど。（汗）


初代ゼットと言えば「ズィーカー」としてアメリカで大ヒット、日本車初の「世界的名車」になったクルマだ。英国スポーツカーオーナーとしては「アメリカの恋人」の座を奪われた憎き仇敵である（爆）。事実、このクルマの存在がなければ世界のスポーツカーの歴史は大幅に書き変わっていたにちがいない。
英国スポーツカーにとって「カタキ」と言うのは冗談でもロマンチックな例えでもなんでもなく、事実である。でも、僕にとってそんな憎き「カタキ」であるこのクルマに子供の頃から憧れもしたし、今でも大好きな車なのである。

報道によれば、今度デビューする新型は久々にサイズダウンして、この初代「S30型」のイメージに回帰したモデルになるようだ。コレばかりは実車を見てみないとわからないが....。ちょっと期待していたりもするのだ。

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ランクルに乗って、探検にゆきたい。

出来れば、FJ40(ガソリン仕様６気筒）がいい。

エアコンとか、なくても大丈夫。

ひとりで出かけたい。

アフリカでも、ヒマラヤでも、ゴビ砂漠でも。

都会の探検でもいい。

上海でも、リスボンでも、ヘルシンキでも、

もちろん、東京でも。


なーんて、ね。（笑）
どっかに転がってねーかなー（無理）？？

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