2001-04-09 イイ日だ、ぴょん。
2001-04-08 映画のクルマ／刑事物に如何にクルマが重要か。
2001-04-07 一ヶ月目のご挨拶。
2001-04-07 夢の続き・２／「完全な乗り物」とは？？
2001-04-06 絵描きのリハビリ・２／こんな明け方まで何やってんだ？？
2001-04-06 「あのクルマ、なに？？」／CMの車の話。
2001-04-05 一日二回スペシャル第２弾！！／絵描きのリハビリ
2001-04-05 オトモダチの車・４／西郷亭のコロッケを食べながらトラを想う。
2001-04-04 リストラされた名ドライバー
2001-04-03 うちのオヤジの話。

今回は日記風（笑）。昨日は、先週の父に引き続き、母の誕生日だったので、ぶいはちと予定を合わせて実家に夕方顔を出す。毎年、桜の見頃の最後の週末にはそうすることになっているのだ。

クルマに色々不具合が出て来ているので、昼過ぎから夕方出かけるまでの間、駐車場で過ごす。仕事期間中はなかなかゆっくり時間をとれないので、多少調子が悪くなっても動ける限りだましだまし使ってしまう。そのかわり、天気の穏やかな（これは青空駐車場整備にとって非常に重要）休日には半日、手入れをしてやらなければならない。作業ツナギに着替えて、家を出る。今日のメニューは、クラッチの油圧系のエア抜き、それにリアサスのリーフ部と車軸の接合部の緩衝材ラバーの交換である。僕の借りている駐車場は、青空だけれど割としっかりした舗装、高い金網と入り口の鉄柵と錠前、平らな敷地、４トントラックぐらいなら置ける大きめのスペース、それに作業しても怒られない環境が長所。気に入っていて、もう12年の付き合いだ。

ツナギを着てクルマの下に潜ったり、ガチャガチャ部品を交換したり洗浄したりしていると、道行く人の中には声を掛けてくれる人が割と多かったりする。年輩の人から、幼稚園児まで（笑）。６０歳台のオジさんが、「昔憧れたんですよー」とか言ってくれたりすると嬉しいし、「あ、これはBJ7（型式番号）ですね。イイですねー」などとメチャクチャ詳しい御仁も居たりするので、なかなか気を抜けない（笑）。
コドモも大変である。先生に引き連れられた幼稚園児の集団なぞ、もう大変な騒ぎだ。
「わっ！！すっげークルマー！！」「ねーねー先生、あのクルマ何？？」まあ、これぐらいはいいだろう。

「ねーねー、どうしてあのクルマ、屋根ないの？？お金がないから？？」

「うっすぃ」氏も突っ込んでいたが、冗談ではなく、けっこう居るのである（爆）。また、
「ねーねー、あーいうクルマって、乗っちゃあイケナイんだよねー？知ってるんだ、ぼく」
親御さんの育て方が、垣間見えるというものである。また、嬉しいのとしては、ごくたまにだが、金網にしがみついてクルマに見入り、「僕も大きくなったら、ゼッタイこのクルマに乗るっ！！」というのも、ある。了解。君が免許をとる頃、法的に問題なくこの車に乗れる世の中だったらいいね。僕も、それを祈ろう。

鍵付き鉄柵付きなので、出入りは結構面倒。きちんとしないと大家さんはうるさいし（笑）。だから、自然と利用者は声を掛け合うようになる。僕がクルマをいじっていることが良くあるので、みなさん知り合いになってしまった。昨日も、組み上げて一服中に、トラックのオジさんがクルマを取りにやってきた。いかつい顔だけど愛想のいい人である。「こんにちはー」「どうもー。開けたままでいいですよ、あとで閉めますから」「すみません、いつも。んじゃ」オジさんがトラックのドアをあけ、キーを捻る。セルが廻る前に、カーステのスイッチが入って、ミニモニが大音量で流れ出た（爆）。
「♪〜ッパッパッパッパ、踊ろっ！！騒ごっ！！」　　照れるオジさん。いってらっしゃい。

イイ日だ、ぴょん。

先頭 表紙

さて、映画のクルマの話だ。色々シブイ映画もあるけど、最初は解りやすく「刑事物」で行こう！！


ピーター・イェーツ監督、スティーブ・マックィーン主演、「ブリット」である。

この映画、クルマバカにはおなじみの映画。マックィーン扮する刑事「ブリット」が'67年マスタングを駆って映画史上に残るカーチェイスシーンを繰り広げる事で有名なのだが、音楽もあのラロ・シフリン（他の代表作は「スパイ大作戦！」、「燃えよドラゴン」）が手がけ、もうファンにはタマラナイ映画なのである。奥さん役はジャクリーヌ・ビセットで、これがまたプリムローズイエローのポルシェ356に乗っていたりする。ついでに言えば、カーチェイスの相手、ギャングの足はダッジ・チャージャー。アメ車ファンなら当を得た「クルマの配役」に思わず膝を打ってしまうだろう！！（爆）ついでに言えば、ブリット刑事の隣のアパートメントの住人がヒーレー3000に乗っている（劇中に出てこない。ロケ場所的にたまたまだったのだろう）。ブリット刑事が帰ってくるとマスタングを路駐する、その前にいつも停まっているのだ。
内容については余り多くを語らないでおくが、ラスト近くの滑走路での追っかけシーンは（実際に飛行機がらみである）高倉 健／山本 圭 主演の邦画、「新幹線大爆破」にパクられたほど有名である。

他にも刑事物はクルマが重要な小道具だ。言わずと知れた「刑事コロンボ」の愛車、ボロッボロのプジョー403カブリオレ（日本で見ると「単なるボロいオープンカー」的に解釈されてしまうが、実はかなり屈折したお洒落ということなのかも？？）。「マイアミ・ヴァイス」のデイトナ・スパイダー（フェイクだが）。シブイところでは、「警部マクロード」の同僚、ブロードハースト刑事が乗っていたオールズモビル・カトラス。まだまだ色々あるけど、キリがないので皆さんも思いついたヤツを突っ込んでね。

夕べ、久々にテレビで映画（地上波）なぞ見ていたら、金曜ロードショーでメル・ギブソンの「ペイバック」をやっていた。今どき珍しいほど直球勝負（笑）のアクション物だったが、きちんとしてて意外に痛快だった。可笑しかったのは、カタキ役のチャイニーズマフィアの車が、シボレーのサバーバン、シンジケートの殺し屋がリンカーン・タウンカー、マフィアのドンがキャデラック・デヴィル、主人公に絡む汚職警官コンビがシボレー・カプリスだったのに対して、主人公／ヒロイン側の使うクルマが'68年型プリムス・ロードランナー（！）や'71年型プリムス・サテライト（程度がいい！！）だったことだ。「ブリット」の場合と全く逆で、おそらくは監督が圧倒的なモパー・フリーク（クライスラーファン）なのだろう。思わず笑ってしまいました。

先頭 表紙

今日でなんと ひまじんNet に書き始めてから、一ヶ月。早いモンです。

最初は「とにかく色んなバカ車のことを書きまくりたいっ！！」という一心で始めたこの日記、正直言ってここまで車ネタオンリーで引っ張れるとは思っていませんでした。ひまじんにはホント、きら星のように素晴らしいエッセイストが目白押しなので、自分としてはあまり一般的でなくても、車に絞って書いていこう、好きな人が見に来てくれればそれでイイや、と思って始めたのですが、こんなに沢山の皆様に温かい突っ込みを入れていただいて、今はただ、感激しています。

自分のHPというのは、持ったことがありません。今まで色々なweb中心の車のクラブやBBS、チャットなどで楽しく過ごさせてもらってきましたが、正直言って、自分でなにか一から作り上げていく気力はとてもありませんでした。こうやって曲がりなりにも自分でペースを決めて、コンテンツを書きはじめて、そこで初めて、いままで遊ばせてもらっていたwebの管理者の方のご苦労の一端も解りかけてきた気がします。

こんなマニアックな日記に、わざわざ突っ込みを入れに来てくださったひまじんNet の先輩方、また、僕が声を掛けただけで覗きに来てくれたクルマ友達の皆さん（社会的不適合車協同組会の皆さん、ヒーレークラブの皆さん、そして朝飯会常連の皆さん、その他多くの皆さん）、本当にありがとう。お陰様で、今、とても楽しいです。

別に辞めるわけではないのですが（笑）、常々一言お礼が言いたかったので、堅苦しいとは思いましたが、一ヶ月の節目にご挨拶させていただきました。これからもひとつ、宜しくお願いいたします。


まだまだ続くぜぃ！！（爆）

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さて、ちょっと間が空いてしまったが、夢の続き（宝くじが当たったら）である。順番から行くとなんだっけ？そうか、1000万円以下コースの「超マニアックスーパーおバカな車」カテゴリーからですね？（笑）

さて、正直言って選び放題なのだ。かといって、世界的に有名な超稀少コレクターズアイテムにはまだこの金額では手が届かない。一千万といえば大金もいいトコだが、超高級車、超稀少車となると、「自分が幾ら持っているのか知らないようなカネモチ」がやりとりする世界なので、全然まだ届かないのである。
どーしよう。フォーミュラを含むレーシングカーとかも考えたが、やはり公道で乗れないとちょっとココの趣旨に反する気がする。ちょっと前に、某コレクターがセナのF3時代に乗っていたマシン、機関完璧で真空パック保存のヤツを「一千万でイイよ（笑）」と言っていたが、冗談かも知れないし。やめだやめだ。レーシングカー、なし。そこで！！！決定打！「完全な乗り物」とは何だろうか？？そうだっ！！

「水陸両用車」である！（爆）

この手は実は色々あるのだが、その殆どが軍用車（フォードのGPWとか、GMの「ダック」とか、アルヴィスの「ストゥルウォルト」とか、シュビム・ワーゲンだとか）。僕もオトコの子なので軍用車、全然嫌いではないが、街乗りすると完全に白い目で見られがちだし、かといって覚悟を決めて「コスプレ」込みでやったら自衛隊車両に勘違いされるだけである。これじゃあつまらない。そこで民間然としたもの（たとえオリジナルが軍用として開発された経緯があっても）を選ぶとなるとちょっと骨だ。もちろん、船舶免許も取って海なり、湖なりにも浮かべる事を考えると、車両価格は余裕でクリアできても、実際コミコミでこれぐらいにはなってしまうだろう（もっと安く上がるかも？？）。でも、ひとつだけ、「いい！」のがあるのだ、コレが。


その名を「アンフィカー」という。

断っておくが、遊園地専用とかではない（爆）。ドイツ製だが、主にイギリスで売られた。実際、軍用でない「水陸両用モノ」はこれが唯一の物と言っていいだろう。生産台数はおおよそ800台。ただ、熱狂的なファンによりクラブが結成されていて、なかなか市場に車が出てくることはないから、もし「どうしても欲しいっ！！」という人はクラブにコンタクトした方が良いだろう。ちなみに、エンジンはトライアンフのヘラルドと同じだからスピット乗りは要注意（笑）。へたするとスピットがこっちの部品取りになる恐れ、大である。ちなみに「水周り」を扱う物ゆえ、レストアはかなり大変だそうだ。

いや〜〜、カワイイでしょ？？
カタログとかも見っけたのだが、そのイラストとかがまた超カワイイ。
画像が一つしか貼れないのが残念である。

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実験、その２。

ギタリストM氏と、彼のミニ。
今回もキッドピクスで、トラックパッドのみである（やめろよ）

多少上達したかな？？（汗）

先頭 表紙

時々友人から、「あのクルマ何？？」という電話が唐突に掛かってくることがある。メールとかBBSでも時々この手の質問が出ることがある。多くは、「テレビのコマーシャルにでているあの変なクルマはなに？？」という質問だ。

ここの所、色々なところで話題だったのは「モッズヘアー」のCMで外人モデルが箱乗りして登場する、銀色のオープンカーは一体何？？というものだった。このクルマ、だいたいどういうことなのかは解ったが、超レア級の車で、ちょっとまだ謎な部分もある。あの車は、ランチアのアウレリアB24スパイダーという５０年代のイタリア車だ。ただ、カタログモデルとちょっと違っていて、ピニンファリーナが最初のアウレリア・ベルリーナ（4ドアセダン）シャシに架装したショーモデル、「PF200」のような丸いラジエータグリルが付いている。最初にこのグリルをみて「うわわ、PF200かっ？？！！」と思ってTVに釘付けになり、その後のオンエアで再度チェックすると、微妙にホイールベースが短いし、TVのクルマには三角窓が付いている。何回かチェックしたところ、どうやらB24スパイダーのちょっとしたカスタムモデルらしい（この当時、ランチアやアルファロメオのスポーツモデルぐらいになると、色々な一品制作モノがカタログ以外に存在する）、という結論に自分の中では落ち着いているのだが...........。誰か詳しいこと解る人居たら教えてちょんまげ。

で、その次くらいに多かったのが、コレ。自動車保険会社のコマーシャルで、役所広司が一家で崖っぷちの上とは知らずに乗っているクルマである。そんな大したクルマではないんだけど、これが意外に正体を知られていないのだ。TVに登場する個体は焦げ茶色で、この車はおそらく５年ぐらい前に恵比寿の「Mr. ク◯フト」で展示販売（あの店は本物のクルマも売ることがある！！・笑）していた（120万ぐらいだった気がするが.....）車両そのものではないか、と思うのだが定かではない。

このクルマ、実は、「ヴァンプラ」である。

日本で有名なあの「ヴァンプラ」は、他にオースティン／モーリス／MG／ライレー／ウーズレーの兄弟を持つ「ADO16」６人兄弟の一番高級版。ベースモデルのオースティンが「アレグロ」（ADO67）という新型にモデルチェンジしたため、ヴァンプラもモデルチェンジしたというワケなのだが、新型はあまりにも不人気なため日本では一般的な知名度ゼロである（笑）。台数も少なく僕も殆どみたことがない。こうやって改めて見て見ると、「サンダーバード（国際救助隊）」のペネロープが乗っていた６輪ロールスロイスにちょっと似てたりして。ついでに言っちゃうと、サスペンションは「ハイドロラスティック」で、ADO16のものより更にシトロエン寄りの構造だ。

でも、不格好なものに惹かれるというだけじゃなくて、このクルマも好きなんだよなー。
エアコン付いてたし。（爆）

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ジェイ奥村氏と、彼のカニ目。

トラックパッドの手描きのみでやると、しんどい（爆）。キッドピクス事始め。


これでホントに元美大生かよ？？？（爆）

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ふう。西郷亭のコロッケはけっこうイケルな。あ。失礼。ハラ減ってるときにあったかいコロッケつまみ食いは日本人のシアワセですねー。ふふふ。

スピットファイア！！
スピットファイアと言っても、第二次大戦中の英国軍の最高傑作とされるレシプロ戦闘機の話ではない。今日はオトモダチの車・第４弾。その名も「spit1500」さんの、トライアンフ・スピットファイア1500である。この写真が良いでしょ。ココに載せるためにわざわざ送っていただいた画像なのだ。

トライアンフ、というと、ちょいとワケ知りなクルマバカには必ず「オトコの車」と言われる。MGが英国スポーツカーの「王道」と称されるのに対して、ちょっと天の邪鬼で不良っぽくて、生活に密着した匂いのするクルマ。そして、「街」が似合うスポーツカーだ。ちょっとイメージして欲しいんだけど、例えば西麻布あたりの裏通りに、夜、小雨に打たれながら路駐している古い、ちょっとくたびれたオープンカー。あるいは新宿の盛り場から通り一本隔てた歩道に片足載っけてオープンのまま路駐しているスポーツカー。あるいは、このspit1500さんのクルマの写真のように、「ちょっと天気いいから埠頭まで来ちゃいました」的な光景。こういう風景の中にあるべきクルマは、僕にとってトライアンフが第一である。

トラ乗りの人たちはある意味とても謙虚なので、自分のクルマのことをロクでもない風に言うのが普通である。イラストレーターのBOWさんもそうだが、ホンットに愛しているクセに、「ああ、あのボロ車」みたいなことをヘーキで言うのだ。これは慣れないウチは奇異に感じるものである（笑）。要するに、照れているだけなんだけどね。こういう風に、トライアンフは、クルマの話をしようとするとなぜかその乗り手の方にどんどん話が行っちゃうのである。他にこういうスポーツカーは、ない。どうも、乗り手の話抜きではそのクルマを語れないのだ。

スピットファイアはトライアンフの中でも一番小さなスポーツカーだ。'62年デビューで、当初は１リッタークラスのエンジンを積んでいたが、この1500は読んで字の通り1500cc、公害対策が余り巧くなかった頃のエンジンの常で、57馬力とちょっとしょぼく見える。が、この小さく軽いボディ（780kg）には充分以上で、完調でさえあれば（笑）とても元気なスポーツカーである。spit1500さんはプロの腕前を生かして、ダッシュボード・エンジンルームバッフル板・ラジエーターシュラウドをアルミで一品制作してしまった！（写真で見えるかな？？）。これがまた無茶苦茶カッコ良い。

「spitfire」は、イギリスで「性悪女」という意味のスラングがある。トラ乗りの人たちは「こんなクルマにハマっちゃって、人生台無しだよ（ウソばっかり）」とか、自嘲気味に笑う。でも、この「性悪女にハマって人生台無し」な男達は、僕が見る限りとっても幸せそうだ。

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ちょうど去年の今頃だろうか。桜の季節だったのはおぼろげに憶えているから、あれからもう一年経つのか...。早いなあ。

新人バンドのレコーディングで帰りが遅くなった僕は、その日たまたま電車でスタジオに行っていたので、午前２時くらいの時間にタクシーを拾う羽目になってしまった。幸い、それほど待たされることもなく一台捕まえることが出来たのだが、このタクシーがすごかったのだ。
個人タクシーではなく、確か東京◯線とかの大手の会社だったと思う。個人タクシーだとそれこそベンツのEクラスから本物のロンドンタクシーキャブのオヤジ、インフィニティーQ45まで、「え？」というようなクルマも珍しくなくなってきているけど、全然クルマに注目した憶えはない。当然、プロパンガスでコラムシフトのマニュアル仕様、まさに「タダのタクシー」である。

この運転手さんが、スゴかった。まず、無茶苦茶に飛ばす（笑）。それはもう、「普通のお客はこれでクレーム付けないのか？？！！」って言うぐらい、飛ばす。平日深夜のことなので、街道も混んでいないので相当なペースだったに違いない。で、驚くことに全然怖くないのだ。僕に限らず、運転が好きなクルマバカは、けっこう他人の運転を怖がるものである。それが、こんなに狂ったように飛ばしているのに全然怖くないのだ。無理矢理回したり、急ブレーキとかは一切ない。で、シフトチェンジがまた絶妙なのだ。加速の時は、「あんたホントにクラッチ切ってる？？」というくらい速いペースでシフトアップする。バイクのドッグミッションだと、クラッチを切らずに、一瞬だけスロットルを戻す瞬間にシフトアップする裏技はあるが、それに近い感触だ。そして問題のシフトダウンだが、これが絶妙なダブルクラッチを綺麗に繋いでいるのだ。どれぐらいスゴイかというと、音を聞いていない限りいつシフトしたか分からない。前後Gが発生してないのだ！！そして、そーっとベンチシート越しに足元を覗くと、左足ブレーキを使っている！！！
箱根に通い詰めていたころにずいぶん巧い人の横にも乗って勉強させてもらったが、これほどスムーズな運転にはお目に掛かったことがない。

年の頃なら50代中盤か？？小柄で、白髪混じりの、おとなしそうな、メガネを掛けたおじさんである。別に「血の気が多そうなタイプ」には全く見えない。

どうしても一言いいたくて、降り際に「こんなに運転の巧いタクシーには乗ったことがない！！」と誉めると、「イヤー、実はタクシーは始めたばっかりなんですよ、９ヶ月前かな」ということで、「じゃあ前もクルマのお仕事だったんでしょう？」「いやいや、電気関係ですよ。会社、経営危機でリストラされちゃって.....。」「はあ.....。」「でも、好きは好きでしてね、昔、ラリーやってました（笑）」「なーるほどっ！！」
コラムシフトだろうが、プロパンの回らないエンジンだろうが関係ないっ！

クルマは、腕だ。

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自分の親のことをこういった所でご披露するのは、気が引ける物である。今日はうちのオヤジの話。

僕が生まれた時分、家のクルマは「ダルマコロナ」だった。RTの幾つってことになるのかな.....。RT10だ。で、僕が生まれる前に乗っていたヒルマン・ミンクス（いすゞのKDものではなく、一応イギリス製）がオヤジの最初のクルマだった。コロナのあとは初めての新車、スカイラインのS-50D。これにずいぶん長いこと乗った。峠では母や後席の僕らが酔うからあまりぶっ飛ばさなかったけど、高速は飛ばす人だったなぁ。あまり「抜かれた」記憶がないもの。この１５００のスカイラインに乗っていて唯一抜かれた思い出は、甲州街道上り車線、上諏訪〜茅野間ぐらい（まだ当然高速は通っていない）で後からやってきたフォード・コルチナにやられたときのことだ。横にブルーグリーンの太いラインが入っていたから、ロータスエンジンのヤツだったのだろう（当時から、「なんちゃって」チューンする人は多かったから、カラリングだけでは判断できないけど、抜かれざま、鉄チンホイールがワイドリムなのを確認したブギ６、小学校２年生の夏であった）。まあ、抜かれるのは無理もない。（これでロータス嫌いになったのか？？・笑）

実家が荻窪だったためか、やはりS-50以降、オヤジは完全な「プリンス党」になり、スカイラインGTばかり７台くらい乗り継いだ。あの「伝説の対決」にリアルタイムでやられたクチなのだ。知る限り事故は起こさなかったから、一応安全運転だったとは言えるのだが、まあやはり最高速テストはやってしまう人であった（爆）。バブル期に景気の良くなったオヤジは'89年に遂に911を手に入れる。ブレーキと回転落ちのシャープさにマジで感動していた。引退前に母と二人でこのクルマで色々旅行していたのは母にとっても良い思い出になったみたいで、子供としても嬉しかった。その後も何台か高い車を乗り継いだが、仕事自体上手くいかなくなって、実家を処分してからはすっぱりクルマからも引退してしまった。今は時々ゴルフ仲間と出かけるときに、人の車のハンドルを握っては、高速でそのお仲間から「やめてくれゆっくり走ってくれオネガイ」などと言われているらしい。まあ、まだ元気だと言うことで（笑）。

オヤジは根っからのクルマバカだったけど、今から思えばその「クルマバカ度合い」は、マトモというか良識的だった。なんというか、まだ昭和の、「頑張って生活をしてその上での楽しみ」みたいな....。ただし息子の僕とぶいはちはその分、タガがはずれたクルマバカになってしまったみたいだけど。流石のオヤジもここまでバカになるとは思ってもいなかったに違いない（爆）。

「昭和９年の会」だっけ？あの、おヒョイさん（藤村俊二）とか、初代・引田天功さんとか、牧　伸二さんとかの。彼らと同い年のハズだから、いったい今日で幾つになったんだっけ？？

お誕生日、おめでとう。

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