夢を見た。
彼女とその人、二人で神楽坂を歩いていた。
その人が「ああ、あのお店!私が調べて見つけたのよ。」と指をさし。
「わぁ!素敵なお店ね」と彼女が微笑んだ。
そうすれば良かったんだと彼女は今更ながら思う。
その人には土地勘もないし。
彼女の方が随分年上なので。
リードしてあげなきゃとずっと思っていて。
でも、ふと気づいたら。
その人はいろいろな場所で積極的に発言をしていて。
「上昇志向の強い人」だった。
そして、リーダーシップを取りたい人だった。
彼女は、自分達は友達同士で、お互いを尊重しあえていたので、それは、その他の人に対してのことだと思っていた。
多分、彼女の夫がいなくならなければ、そんな関係が続いていたと思う。
頼れる人の突然の不在で、彼女がゆらいで、堕ちて来る。
きっと、泣き言を言ってくるに違いない。
その時は自分が助けてあげなければ。
家のこととか、子供の教育とか。いろんなことで頼ってくると。
その人は期待していたんだと思う。
なのに彼女はそれまで以上に虚勢を張って。
頑張って。
一切その人を頼らず。
堕ちるどころか、昇ろうとしているように見えた。
そして、その人は彼女に必要とされないんだと思い、嫌悪を覚えるようになった。 |