30年来の友人がいる。
高校の時、同じクラスの前後の席になって、初めて口をきいた。
と私は思っていたが、彼女は小学生時代の私を知っていた。
同じ塾に通っていたらしい。
私とは性格も含めていろんなことが正反対で、でも、一緒にいると妙に安らいで。
ケンカもしたけど、すぐに仲直りできた。
彼女は結婚してアメリカに渡ってしまったけど、友達でいることには変わりなかった。
お互いの子どものオムツを替えたこともあったっけ。
家のほうがようやく落ち着いてきたので、彼女にツレの死を知らせた。
すぐに彼女から連絡があって、日本に留学中の長男を自分の代わりに差し向けるという。
大学院生。24歳の男子ってどんなだろう?
ちょっと面倒くさいな。って思った。
何を話したらいいんだろう?
そのきっかけとして。
「庭の草むしりしてくれるかなぁ?」って彼女にメールしたら。
「もちろん!喜んでやるって言ってるよ。」って返信が来た。
そして、今日、本当に草むしりに来た。
30度を越す暑さの中。
娘2人と一緒に1時間もしゃがんで草むしり。
途中、次女にせがまれて、コオロギを捕まえたり。
その姿を見ていたら、ツレがいてくれた平和な光景を思い出して涙がでてきそうになった。
足りないのは、男手だよなぁって思っていたけど。
こうやって、手助けしてくれる人、いたんだよなぁ。って。
人に甘えちゃいけないって、肩肘張って頑張ってきたけど。
たまには甘えてみるのもいいもんだよなぁ。って思った。
結局3時間、娘たちの相手をしてくれて、「また、いつでも言ってください。草むしりでも、電球の交換でも、何でもやりますよ。」ってにこにこ笑いながら、帰っていった。
私の中では、いつまでたっても、弟が生まれた直後にママのかわりに幼稚園の送り迎えをした私の手を、ぎゅっと握っていた小さな男の子だったのに。
「だっこ、だっこ」ってせがんでいた可愛い子だったのに。
いつの間にこんなに立派な青年になっていたんだろう。
人の子の成長は早いなって思った。
※そして、コオロギ。 |