2001-06-07 ア　ク　ア　リ　ウ　ム　　（その２）
2001-06-05 筆不精
2001-05-18 最後の出勤日
2001-05-16 送別会を開いてもらう。
2001-04-28 美しい人
2001-03-15 はじめまして……。
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（続き）

　他に面白かったのは、ちょうどミミズみたいな形とサイズをした魚。やつらは砂の中に下半身を埋めていて、水の中に上半身を出している。そして、流れてくるエサ（プランクトン？？　ごくごく小さいチリみたいなもの）を見つけてはぱくっと食べる。でも絶対に砂から全身を出したりはしない。だから時々、エサに頭を伸ばしても、届かなかったりする。するとあきらめて、また次のエサが漂ってくるのを待っている。それが、危険が迫ったときすぐに砂の中にもぐれるようにという防衛本能なんだろうけど、「……ちょっとは泳いで食べれば？」って感じで笑える。２時間くらいしてまたその水槽を覗きに行ったら、４匹いたその魚が４匹とも、まったく同じ場所で同じことをしていて、またしてもなんか笑えた。

　毛利さんと一緒に宇宙に行ったというある種のナマズについての説明にあったＱ＆Ａ。
「Ｑ：動作は機敏ですか？」
「Ａ：エサを食べるときはたいへん機敏です。でも、それ以外の時はほとんど動きません。」
　私もそれくらいめりはりのある生活を送りたいぜ。

　しかし、何より楽しく、また心やすらいだのは、アザラシやオットセイやトド、いわゆる海獣たち。太陽が傾きかけた頃、ほとんど人気のない屋外のプールでゴロゴロとくつろいでいる彼らの姿は、たいへんにのどかである。
　彼らの仕草や体つきは、人間と大きく隔たっているようで、よく見てみるとそうでもない。人間が彼らと大差ないのかもしれない。まあ同じ哺乳類だから、海獣も人間も似たようなもんなんだろう。
　４メートル・２トンという巨大なゾウアザラシは迫力。目を閉じてふにーっとしているところに、上から「おーい」と答えると面倒臭そうに片目だけ開けてすぐまた閉じた。
　ぬいぐるみのようなオットセイが、コンクリートの壁にもたれて居眠りしていたので、そこでもまた上から「おーい」と声をかけたら、やっぱり彼も「なに？　うるさいなーもー」と言いたげであった。

　水族館を出て、１時間くらい海岸でぶらぶらした。時間があれば久しぶりに江ノ島も歩きたかったけど、もう夕方だったので。
　海を見ると学生の時のことを思い出す。夜中に友達に車を出してもらったこととか、一人でてくてく３時間くらい川沿いを歩いて下って海にたどり着いたこととか。正月、箱根駅伝やってる時に行った（といっても駅伝は全然見なかった）湘南平とか、みんなで飲みまくりながら見た小田原の花火大会とか。瀬戸内出身の友達が「砂が黒いっ！」と驚けば「関東では黒くてあたりまえなのじゃ！」と反論。
　回数はそれほど行っていないと思うけど、海は印象的な思い出が多い。それは私が内陸育ち（ほとんど栃木な茨城）だからでせう。多分。


　波打ち際を西にどんどん歩いて行ったら、波の様子を見に来たという、お兄ちゃんというというには無理があるけどおじさんと言ったらちょっと失礼かなあという感じの地元のサーファーが話しかけてきたので、雑談しながら１０分くらいそのまま歩いた。夕飯でもどう？　と言われたけれど、それも気詰まりなので断り、鵠沼海岸駅までの道を教えてもらって帰った。
　たとえナンパであろうが、相手が知らない人であろうが、せっかくだからもう少し積極的に話をした方が人生楽しくなる気がするのだが、なかなかそうもできない小心な私なのであった（穴場の店を教えてもらうチャンスだったかもしれん）。

　というわけで、なかなか楽しい一日だった。やっぱり水族館はいいなぁ〜。
　アクアリウムの休日……なんっつって。（仕事もしてないヤツに休日という言葉は使用不可）

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今、メールチェックをしたら、この前友人に送った「暇でーす」とかそういう内容のメールの返事が来ていた。
「俺に返事をくれるってことは、ホントに暇なんだね！」と書いてあった。
そうか……私はそこまで筆不精者と思われているのか……。
確かに、筆まめではないわな。
メールを下さる皆様、すみませぬ。でもちゃんと読んでます。

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（すみません、ツッコミ返しは後ほど）

　会社に着いたら、私の机の上に、花と、餞別が置いてあった。前日の夜に先輩が静岡の工場に行った時、向こうのみんなから預かってきてくれたらしい。びっくりした。感激。花と菓子折りをくれた同期のＹさんの手紙には、「ツルマキさんが”会社を辞めても友達でいてね”と言ってくれたのが嬉しかった」と書いてあって、……なんといったらいいのかな、言葉にできないな、やっぱ感激かな、うん。感激しました。泣かないけど、ちょっとやられた。
　早速餞別をくれた人たちに電話。それから、仕事の合間に、特にお世話になったお客さん数軒に挨拶の電話をかけた。お世辞だとしても、「これから仕事がやりにくくなる」と言ってもらったりすると嬉しい。中には「ええ〜、せっかくツーカーで仕事できるようになったのに！　ツルマキさんが来なくなるなら契約切ろうかな……」などと動揺ぎみの声で言うお客さんもいて、一瞬本気で焦った。（って書くと私が仕事ができる人間みたいだな……）　その後、近所でお菓子の詰め合わせを買って、ずっとお世話になっていた近所の写真屋さんに届けた。毎日来てくれる佐川急便のお兄さんにも挨拶した。
　仕事の方は最後までの自分のミスに振り回され、結局残業した。先輩その１は夕方からお客さんのところに出掛けてしまい、先輩その２は定時で上がっていたので一人だったのだけれど、最後の最後に「さあ、帰るぞー」と思ったら、会社のカギを家に忘れてきていた……。カギをかけないと帰れない。しかしもう事務所の大家さんもいない時間！　……いえ、そこから先、どうしたのかは秘密にしておきます……。（汗）
　しかし、なんともまあ冴えない自分に悲しくなり申した。思い出せば初めてこの営業所に出勤した時も、時間を読み間違えて遅刻寸前になり、あわてて走っていたなあ。

　退社後は、某会社のボスＭさん、その社員Ｓさん、そして私と友人の４人で飲み。ごく最近飲み友達になったメンバーである。１軒目、２軒目と、Ｙさんがくれた花をテーブルの上に飾りつつ……。
　帰りの電車は人身事故で30分くらい遅れた。待っている間に、ああさようなら会社員生活、と思いを馳せていると、自分のロッカーの中の荷物をすべて忘れてきたことに気付いた……。まあ、箸にマグカップ、歯ブラシ程度しか置いてないんだけど。カギを返しがてらまた会社に行かねばならぬ模様です。ああやっぱりこういうヤツなんだ私は……。

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　昨日は、職場で送別会を開いてもらいました。参加者全員、それぞれ別の所で仕事をしていたので、会社の最寄り駅で待ち合わせ。電車に乗って高田馬場の居酒屋「鳥やす」まで行って飲む予定だったので、さあ切符を買おう！　と思ったら無いでやんの……。財布。会社に忘れた。
　仕方なく、先輩その１・先輩その２を待たせて駅と会社を往復（合わせて30分）。飲み始める前にさっそく疲れた。

　会社のメンバーで「鳥やす」に行ったのは初めてだったのですが、なかなか好評でござりました。忘年会、じゃない送別会とはいえ、３人という小人数の上、みんなラフな格好なのできっと会社の飲み会には見えない……（泥酔してみんなでタクシーに乗ったら「学生さんですか？」と聞かれたこともアリ。いくらなんでもそりゃないだろうと思いつつ喜んだ三人組、平均年齢29歳）。
　ちなみに同じ時刻、同じ店の２階では、偶然にもＫＵＮさんやＳＡＫＵさん達が飲んでおり、ときどきトイレに下りて来たその二人は、ステキな笑顔を満面に湛えつつ、妙な手信号（？）をいろいろと送ってくれました。ちなみにウチの先輩その１は、ＳＡＫＵさんのことを「香港マフィアみたいな人やなぁ」と申しておりました。この前のひまじんオフで、ＳＡＫＵさんが、でんぼさんがアラビアの怪しい商人なら自分達はマフィア、と言っていたのを思い出して「おぉ、やっぱりＳＡＫＵさんはマフィアなんだな！」と内心笑ってしまったです。
　そして２軒目はカラオケ。ハーゲンダッツのアイスを３種類買って回し食い＆ワインを飲みつつ絶唱。ひたすら浜崎あゆみの曲を入れ、画面に本人が出演していると大喜びしまくっていたのは先輩その２（大スターながら、そういう地味な営業活動をしているところが好感度高し）。私はカラオケで何曲もまともに歌うのはかなり久しぶりだったので、たちまちノドが死亡。

　なんか全然、自分の送別会だなんて感じはしなかったのですが、「はいツルマキさん（←実際には私の本名）、おつかれー」と言ってもらって何度も乾杯をしていると、さすがに５回目くらいで「ああ、この人たちとも毎日会うことはなくなるんだなあ」とほんのすこし実感できました。別に今更しんみりしたりはしなかったのですが、将来の自分がこの会社生活を降り返った時、やっぱり、嫌な思い出より楽しかった思い出の方がたくさん残っていて、懐かしく思うんだろうなあ、そして私は今まさに、そういう自分の中の一時代をみずから去ろうとしているんだ、としみじみと思いました。
　明日が最後の出勤日です。
　紙袋いっぱいの私物（主に本）を持ち帰らなきゃならないと思うと気が重いです。

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　夕方から新宿で飲む予定だったので、少し早めに家を出て、南口のアフタヌーン・ティーに寄った。そこで私は、最近の静かなマイ・ブーム（死亡語）、俳優エド・ハリスばりの欧米美男子を見かけてしまったのである。
　彼は、後ろ手にポテトチップスの入った袋を下げて、何を見るでもなしに小綺麗な雑貨の並ぶ棚の間を歩いていた。ステンレス製の油差し、ビー玉を沈めたゼリーキャンドル、……たまに気を惹かれるものがあると、そっと手に取って眺め、そしてまた、たっぷりとバスタブに張った湯の中に起こる静かな対流のように、ゆっくりと、ゆっくりと、歩いた。
　きっと妻か娘の買い物が終わるまで待っているところなのだろう。歳の頃は50代後半だろうか。髪は半分以上白く、禿げていたので少し老けて見えたが、きっと現役の軍人に違いない。そう思えるほど背筋はまっすぐに伸ばされていた。まるで背骨に鉄筋でも入っているように。蜘蛛のようにこっそりと後をつける私が見る限り、それは一度として少しも曲げられることがなかった。強靭な背筋力。
　ふと、彼の手にしている袋の中のものと同じポテトチップスを見つけた。商品名ケルトチップス、輸入元は合衆国。合成調味料等の無添加が売りの品物のようだ。私は値札も見ず、躊躇うことなくそれをレジに持って行った。

　値段。予想を遥かに上回る420円。（ちょっと焦る）

　ようやくレジを済ませてみると、すでにエド・ハリス氏、見当らない。おや帰ってしまったかと思う間もなく、すぐそこに奥さんらしき女性と一緒にやってきた。やっぱりね。背が小さくてふっくらとした50をいくつか過ぎたくらいの夫人であった。それにしても２人の周りにはなんと品のある空気の流れていたことか。

　時計を見ると丁度待ち合わせ時刻の10分前。自分の姿勢をそれとなく意識しながら東口の交番へと向かった。

　後で食べたポテトチップスは美味かった。（高いだけのことはある）

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