2001-04-24 ブギ６の「十戒」
2001-04-24 メルセデス・ベンツ・コンプレックス
2001-04-22 カーステのないウチの車
2001-04-22 オトモダチの車・８／カニの甲羅を被った伊勢エビ
2001-04-21 遠足の水筒とガスタービンエンジン
2001-04-20 ワインは、寝かす。パン生地も、寝かす。エンジンも。
2001-04-19 エンジンを２つ積むクルマ
2001-04-18 東欧の隠れた天才
2001-04-17 山に行きたい
2001-04-16 オトモダチの車・７／そしてイタリアン

普段、お世辞にも「胸を張って道交法をきちんと遵守している」とはいえないブギ６。今の世の中、頑なに道交法を守った場合却って危険なケースも多々ある、というのはクルマを常用する人間にとっては常識である。しかし、やはり守らなければならないコトはあるのだ。マナーとしてのものもあり、物理的に危険というものもあり。ブギ６が自ら「十戒」として戒めていることは？？そして、皆さんが自ら戒めていることは？

１．汝、高速で路肩を走るなかれ。

２．汝、二重駐車するなかれ。

３．汝、交通弱者に意地悪をするなかれ。

４．汝、交差点内駐車をするなかれ。

５．汝、追い越し車線を塞ぐなかれ。

６．汝、大型車両に対して、車間を詰めるなかれ。

７．汝、陸橋を通行中に車線変更するなかれ。

８．汝、やたらにホーンを鳴らすなかれ。

９．汝、物を読みながら運転するなかれ。

１０．汝、人を乗せたら飛ばすなかれ。

以上の点については今までまったく「シロ」だった、というエラそうなことを言うつもりはない。無意識にしてしまった事もあるかも知れないし、「１」なぞは一番嫌いなことだが、昔、関越の上里PA500ｍ手前で遂にやってしまった事がある。だって、おしっこ漏れそうだったんだもん（涙）。

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1956 Lagonda 3L saloon
このクルマはまだ実車を見たことのない一台。いかにもイギリスっぽい、堂々としたサルーンで、前開き（後ヒンジ）のドアが素敵。欲しいなどとはおこがましいけど、いつか見てみたいクルマの一台。

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メルセデス・ベンツである。「最善か、無か」なのである。いや、もう既にそんなスローガンは過去のことになってしまったんだっけ。バブルが崩壊して久しいとはいえ、東京の街中にはオソロシイ程の数のスリーポインテッド・スターが泳ぎ回っている。クルマ好きのあいだでも、これほど「好き」「嫌い」が別れるクルマもそうないだろう。で、僕がどうかというと、別にどっちでもない（笑）ウソ、ホントはキライ（爆）。最新のC-classにはまだ乗ったことはないけど、きっと素晴らしい出来だろう。まあ、いいんじゃないの？乗りたい人にとって良いクルマであれば、どんなクルマであれケチを付ける筋合いではない。とまあ、そんな風に傍観を決め込んでいた。もちろん今までも、適度にヤレた縦目のコンパクトで薄い綺麗な黄色、ホイールキャップが同色の280CEとか、その一つ後の世代のコンパクト、W123のワゴン「T」のディーゼルターボで内装がMBテックスのチェック模様、とかを見かけるとヨダレが出ていたのは否定しないけど（爆）。あ、190の後期型とかでもいいな、黄色なら。

事の起こりは、仕事の打ち合わせの後の雑談から始まった。僕が元所属していたCMプロダクションでの打ち合わせで、この会社は上から下までどうかしているほどのカーキチ揃いである。で、僕と同い年の女性プロデューサー（独身）が「新しいＣクラス、いいよねー。あたし買おうかな。」いや、これは彼女の態度がデカイとかそういう話ではない。誤解なきよう。この会社の給料が良い、と言う話でもない。いや、実際良いのだが（爆）。ベンツを新車で買う、ということは、クルマが好きかどうかということにはほぼ、関係がない。いや、まあクルマ好き本人がそういう選択をした場合には多少なりとも物理的に「道具を選んだ実感」はあるかもしれないが.....。むしろ世間的には、「一戸建てを買った」とか「コドモが私立に入った」とか、「興した会社が上場した」とか、そういったものと同列に考えられているのだ。ベンツと一緒に「ベンツに乗る自分に対する世間様の扱い」を、一緒に買うわけだ。別に悪い意味で言っているわけではない。決してそういうつもりでない人が買う場合も、そう見えてしまうのが癪なのだ。実際、彼女のこの言葉を聞いたときに自分が思った言葉は意外にも「しっかりしてるよなぁ」だった。ほら、自分だってそうでしょ？情けない....（涙）。

とはいえ、憧れのモデルがないわけではないのだ（笑）。超スーパープレミアムになってしまうのがツライとこなのだが。


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1969 Mercedes-Benz Prototype "C111"-A2(3 Roter Version)

いや〜久々にイラスト描いてたら悪戦苦闘で一日飛ばしちゃった！（涙）しかし、このクルマ、忘れがちではあるけれどホントの意味でのスーパーカーだったなぁ.....。これ以来、こういう凄いクルマは出ていないと思う。この後のBタイプからはディーゼルターボになっちゃうんだけど、それでまたディーゼルの世界速度記録とか更新しちゃうし.....。ブギ６の数少ない「憧れのベンツ」。

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ブギ６のクルマには、「カーステ」が付いていない。もちろん、ラジオもだ。これは音楽商売という身にとっては致命的か？と思うことしばしばなのだが、実はそうでもないのだ。

初めて「カーステ」というものを自分のクルマで体験したときは感激した。ウォークマンの時も感激したが....。街の風景が輝いて見えた。音楽というものは、本当は、たかが「再生装置」であるステレオとにらめっこして聴くものではないのだ。そんな当たり前のことを思い知らされたものだ。深夜、首都高横羽線を下りながら大音量で聴く、ブレードランナーのサントラ。冬の明け方、中央高速を西に向かって走りながら聴くパットメセニー。リハーサルに向かいながらボリューム全開で聴くエアロスミス。仕事が終わってから町中を流しながらダラダラと流れるマーヴィン・ゲイ。我ながら陳腐だなーとおもいつつ、浸ってしまう。
最初のアメ車の頃にはまだCDチェンジャーなど積んでいなかったから、マメにテープを編集したり（今思うとカワイイものだ）して楽しんでいた。特に気に入っていたのはサントラものの編集テープで、「白い恋人達（爆）〜燃えよドラゴン〜ニューヨークニューヨーク」の３本立てで、まさにフランス〜香港〜ニューヨークというトリップを一本のテープで楽しんでいたりしたものだ。

カーステのない今、そういう楽しみはないけれど、音楽は常に頭の中に鳴っている。鳴って欲しくない時は鳴らない。実際に苦労してカーステを取り付けたとしても、エンジン音・排気音がうるさくて、そうは楽しめないだろう（涙）。イメージが一番便利だし、深いのだ。枚数の制限もない（笑）。

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今日のCD棚：
Toninho Horta/DURANGO KID
Eric Clapton/461 OCEAN BOULEVARD
The Smashing Pumpkins/Mellon Collie&the Infinite Sadness
Leon Ware/Leon Ware
Al Kooper/Naked songs
Todd Rundgren/A WIZARD,A TRUE STAR
菊地雅章/AFTER HOURS

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さて、今日はまたオトモダチの車、第８弾。ここの突っ込み常連、ナカガーさんの「カニ目」ことオースティン・ヒーレー・スプライトMK-1である。

以前ブギ６の、まだ描き始めの頃の下手なイラストでジェイ奥村氏の赤いカニ目をご紹介したが、あまりにも絵が下手で、早いトコちゃんとした画像でご紹介しとかなければと思っていたのだ。ナカガーさんとブギ６とは、ヒーレークラブと「社会的不適合車協同組会」と両方でのお付き合いである。

「カニ目」といえばイギリスを代表するスポーツカーで、戦後のイギリスの星の数ほどもあるいわゆる「ライトウェイト」のすべての基本とも言える成り立ちを持つクルマだ。オリジナルは948ccのちっぽけなエンジンを持ち、ビックリするような高性能ではとてもないけれど、ハンドリングはまさにスポーツカーで、そのスッとぼけたカワイイ外観とは裏腹にかなりの「硬派」でもある。また、このクルマベースでドナルド・ヒーレーは60年代ルマンに再三挑戦し、名だたるイタリアやフランスの小排気量クラスマシンと闘って非常に優秀な成績を残した。また、このクルマの楽しみ方というのが非常に千差万別で、オリジナルの何とも言えない「人の好い」ほのぼのとした感じを大事にする人から、エンジンからボディーまでいじくり倒して強烈なモンスターを作ってしまう人、カリフォルニアの学生のようにぶつけてもボロくてもひたすら使い倒す人など様々で、ヒーレークラブでは「カニ目が１０台集まっても、同じスペックのモノは一台もない」というのが定説である。また、極端なハナシではあるが、「オリジナル状態を保つ白いカニ目」が５台並んだときに、その「白」のボディーカラーが全部微妙に違っているのが一目瞭然だったりして、かなり笑えた。

ナカガーさんは普段オフでお会いすると、とても大人しくて優しい、どちらかというと控えめな印象を受ける方なのだが、実はかなりの「熱血くん」である（笑）。普段公道でぶっ飛ばす趣味ではないようだけれど、いざクローズドコースにはいると人が変わってしまうのである（爆）。このカニ目は外観上はかなり大人し目に仕上がっているが（最近、公園の入り口の鉄柵を引っこ抜いて載せたのか？と思うようなごっついロールバーを仕込んでちょっと凶悪になった・笑）、サスペンションに手を入れ、エンジンは1.3L、キャブはなんとFCR２連装という、いわば「カニの甲羅をかぶった伊勢エビ」ぐらいにはなっているのだ。

今年もヒーレーデイまで、あと僅か。一見ほのぼのとしたナカガーさんのカニ目が、強敵関西勢を相手にどんなタイムを出してくるのだろうか。

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「エンジンを２つ持つクルマ」をのコトを書いたとき、実は別のネタを書く準備をしていた。ところがこうやって珍車、珍車と突っ込んでいくモノだから、毎日資料を探るのがただごとではない。ついに諦めて「しばらく時間をおいてから書こうか....」とも思ったのだが、やはりインターネット。調べれば出てくるなぁ、との思いを新たにしちゃいました（感激）。

今日ご紹介するのは、なんとヘリコプター用のガスタービン・ジェットエンジンで走る、60年代末期のグループ６レーシングカー、

「ホウメットTX」である。

またブギ６の幼い頃のハナシ。３０代ぐらいの皆さん、幼稚園のころの遠足を思い出して下さい。アナタは何を遠足に持っていきましたか？リュックサックに、お弁当。そして、麦茶が入った水筒！今回問題にするのはこの「水筒」。だいたい、男の子は「水色」女の子は「赤」の、キャラクターもの（ディズニーなら「水色」はドナルド・ダック、「赤」は白雪姫と７人のコビト等）或いはイラストのはいったプラスチック製のものというのが定番だった。子供版クルマバカというものは、全てに於いて「車キャラもの」を要求するものだ（笑）。ブギ６お気に入りのその「My 水筒」にあしらわれている絵は、当時の最新鋭レーシングカーのバトル風景であった。後を走ってくる赤い車は、いましもコーナーでブッちぎられたという感じの悔しそうなドライバーの表情だったりするのだが、明らかにフェラーリのP4だ。デイトナ24時間で1・2・3フィニッシュを飾った名車である。でも、そのフェラーリをブッちぎったこの絵の主人公のクルマはなんだろう？？白に紺色の２トーンカラー、フロントエンドに埋め込まれた四角い二つのドライビングランプが「日野・サムライ」を思い出させるが、ポルシェ・カレラ６とローラT-70を足して２で割ったようなスタイルは妙に国籍不明な感じを漂わせている。ブギ６の「オヤジの本棚の前の座り込み」が始まった。片っ端から「カーグラ」をひっくり返すのである。ほどなくそのクルマは見つかった。知らない名前だった。仰天したのは、

「ジェットエンジンで走る」

と、確かに書いてあったことだ。しかも、ヘリコプター用の！！幼いブギ６がこの言葉を読んでどんなに感激し、憧れたことだろう。想像してみて欲しい。

ホウメットTX：シカゴのマッキー・エンジニアリングにより開発されたガスタービンエンジン・レーシングカー。'67〜'68にCan-Am用車両とグループ６車両あわせて３台が制作された。エンジンは当時のヘリコプター（ベル・レインジャーやヒューズ・500）用のガスタービン・ジェットエンジンで、シャフト駆動、425馬力。ルマン24時間を始め、デイトナ24時間、セブリング12時間、BOAC500マイルなどの名だたる耐久レースに出場し、優勝こそしなかったがいくつかのレースで完走・入賞している。ちなみに、今、売り物が出ている（！）。アメリカで。

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「究極のエンジン」とは、なんでしょう？？
フラット12時代のフェラーリのF-1エンジン？？ポルシェのフラット６？それとも、マツダのルマンカーに載っていたマルチローター？はたまた、RB26DETT？？（笑）それとも、ホンダの２輪GPレーサー用６気筒250cc？BMWの「シルキーシックス」？？

ここにいらっしゃる皆さんは結構強者揃いと言うことが判明したので（爆）、それぞれにご意見を伺いたいのだけれど、僕個人としてはやはりアメリカンV8（この際シェビーでもフォードでもモパーでも）ベースのドラッグレースエンジンだと思う。
「低温焼き戻し」という言葉をご存じだろうか。簡単に言えば、エンジンを「寝かせる」のである。コレじゃあ幾らなんでもわからないのでもうちょっと説明すると、エンジンは基本的に金属を鋳造して作る。ドロドロに溶けた鉄なりアルミなりを鋳型に流し込んで形にし、冷やして固めて加工するのだ。プリンと同じだ。
ところが、金属が冷えて固まって行くにつれて、縮んで行くうちに形に狂いが出る。当然、適当に落ち着くまで放って置いてから機械加工するわけだが、これを完全にやろうとすると、メチャクチャ時間が掛かるのである。鉄の場合で、完全に安定するまで1〜2年は掛かるらしい（！）。そんなに時間を掛ける訳にいかないので、量産車用のエンジンは適当なレベルで手を打っているわけだ。普通に使う分には全然、問題ない。

アメリカのドラッグレーシングの世界には、いわゆる「エンジンビルダー」という人たちが存在する。この人達は一からエンジンを設計するわけではない。市販のタフなエンジンを買ってきて、レース用に仕上げるのだ。何をやるかというと、まず、買ってきたエンジンを１〜２年間野ざらしにする！！完全に金属が安定するまで、「寝かす」のだ。そして、完全に落ち着いたエンジンブロックを精密に機械加工「仕直す」。当然、精度が上がって回転部分の芯はでるわ、長さは揃うわ、重さは揃うわ、で、イイコトずくめ。で、この段階で仕上げに入るものもあるし、更にハイパワーを狙う場合、この「仮仕上げ」のエンジンを、ピックアップなどの実用車に積んで、アシにする。慣らし運転するのだ！で、何千キロも走ってから、全バラにする。で、パーツやシリンダ内部などを超音波探傷機で探って「ス」が入っていないか、偏摩耗していないかなど徹底的に調べ、修正をカマし、また組み上げる。これでようやく、レーサーに積むのだ。ちなみにこうやって丁寧に組んだエンジンは、ブロックそのものを補強しなくても1000馬力ぐらい楽勝で耐えられるらしい！！しかも、基本は単純なOHVだから、サーキット予選から決勝までの間、アッと言う間にヘッドぐらいバラせるのだ！

これを究極のエンジンと言わずして、何と呼ぼう。
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先日ご紹介したアバルトの「Hitoさん」が、ご自分のHPにリンクを許可して下さったので、ココに載せておきます。また、ここには強力なリンクページがあり、ココの常連さんの運営しているHPも一目瞭然（笑）。お楽しみ下さい。
Hitoのお天気ノーテンキカフェ ：
http://www.aozola.net/~hito/

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自分で過去のこの日記を読み返してみると、かなり「変なクルマ」に傾倒して見えることに思わず笑ってしまった。ホントのところはそれほどでもなく、一般的に人気のあるクルマや世間的に注目を浴びているクルマは資料や情報が溢れているので、ここで特に取り上げるまでもないな、と思っているだけ。
でも、実は一つだけ密かな夢がある。それは「エンジンを二つ積んだ車に乗ってみたい！」という夢なのだ。というわけで、今日は「エンジンを２つ積んでいる車」にスポットを当ててみたい。

もともとエンジンを２つ積むと言うことは、「泥縄式」パワーアップというか、その場しのぎのツギハギ・モンスターを作るというか、いずれにせよ真っ当な方法ではない。だけど、まさにその「やっちゃいました」的ゲリラ的エンジニアリングというものは僕にとって非常にチャームポイントである。
その「これでどーだ！！」的なエンジニアリングが一番適用されるのは、レースの世界である。今でこそレギュレーションでがんじがらめ、しかもそのレギュレーションそのものがメーカーを含む複雑な政治的ニュアンスに左右されて「抜け道」などないが、昔はそれこそ「アッと驚くニューマシン」がレギュレーションの間隙を突いて登場、ファンを沸かせたものだ。だから、ツインエンジン車も、レーシングマシンが多い。

一番有名なのは、戦前のアルファロメオGPカー、その名も「ビモトーレ（二つのエンジン）」だろう。戦前ドイツ陣営（メルセデス、アウトウニオン）にスピードに於いて歯が立たなかった当時のアルファGPチームの監督エンツォ・フェラーリが「こうなったらもう一機エンジン積んだれや！！」と、当時の主力マシンP3（ティーポB）の、ドライバーシートの後にもう一機同じエンジン（直列８気筒X2！！）を積んで作ったバケモノで、高速サーキットレースに狙いを定められたがドライブが非常に難しく、ヌヴォラーリを持ってしても優勝は出来なかったらしい。ただ最高速度は抜群で、アウトバーン上のテストで325km/hという記録が残っている。更に古くはマセラティで、1929年に既にティーポV4「セディーチ・チリンドーリ（16気筒）」というレーサーが一台だけ制作された。このクルマはノーマルの8気筒エンジンを二つ並べてクランクケースでくっつけ（Vバンクではない）フロントに載せるというクルマだった。「奇形」と言うのが定説のツインエンジン車のなかでは安定して良い成績を残している。

今日のイラストはシトロエン2CV。このクルマにもリアにもう一台エンジンを積んだツインエンジン車、「サハラ」というのが存在した。このクルマの場合は「パワーアップが目的」というよりも、４輪駆動としての悪路走行性を高めるのが目的である。この時代の2CVはたったの16馬力なので、駆動系を複雑にするよりやはり「もう一台積んだれやっ！！」なのだろう。

最近はそういうバカなクルマは登場しないモンだなぁ、と思っていたら去年、メルセデス・ベンツがあの「A-class」のリアにもう一台エンジンを積んだオバケを作った。売るのならかなり欲しいなー、と思ったが（笑）残念ながら、マクラーレン・メルセデスの二人のF-1ドライバーにプレゼントされて終わった。
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CITROEN 2CV 4x4 "Sahara"

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春江一也の「プラハの春」を読んでいて思い出した。今日のお題は「タトラ」である。

タトラといってもご存じない方は全くご存じないし、もし「良く知っている」人がいらっしゃったらその方は単なるクルマバカではなく、かなりの年齢と共にある種の経験をお持ちかも知れない。このクルマ、チェコスロバキアの名車なのだ。
一般に、旧共産圏の工業レベルというものは、西欧社会に比べ非常に低いと思われている。ある面これは否定しようのない事実だ。東独製の「トラバント」（ボディはなんと紙ファイバーベース！！）を見た人もいるかも知れないけど、「旧いクルマの愛嬌」のようなものはあっても、アレが80年代末期までスタンダードであったわけだから、他は推して知るべしというわけだ。唯一「ラーダ・ニーワ」（ソ連製４駆。80年代末期にささやかなブームになった。ブギ６の知り合いにも乗っている人がいたぞ）だけが日本でもかろうじて普通にお目にかかれるクルマであった。
しかし、戦前からそうだったわけではもちろんなく、「タトラ」は、たとえて言うなら戦争がなければシトロエンかあるいはポルシェのようなメーカーになっただろうと思えるほど、独創的な名車を作り続けていた。ただ、我々の目に届かなかっただけなのだ。事実、タトラ中興の祖ともいえるハンス・レドヴィンカという天才的エンジニアはフェルディナンド・ポルシェ博士に多大な影響を与えたと言われている。この件には更に裏話があり、Dr.ポルシェの代表作「カブトムシ（ビートル）」の基本構成に対して、オリジナルのアイディアはレドヴィンカのものであるという説があるのだ。どの程度事実なのかははっきりしていないが、戦後になって特許権の提訴が行われ、基本的にタトラ側の訴えは認められたらしい。また、1950年にはミッドエンジンフォーミュラーカー（クーパーより全然早い！！）も作られている。国外のレースに出てくることはなかったようだが....。
このタトラ「603」は、空冷V8（！）2500cc、リアエンジン・リアドライブ、全長五メートルの流線型大型６人乗りボディに、中心寄りに据えられた３灯式ヘッドライト（後期型は４灯に改められた）という構成からもわかるとおり、自動車史状異色の「タトラ」というメーカーをとてもわかりやすく表したクルマだと思う。1956年デビューだから、まさにシトロエンDSに対する「東側の知られざる横綱」だったわけだ。

日本には今現存する個体があるのかどうか知らないが、ブギ６は物心つくかつかないかの頃に一度だけ見て肝を潰した（と言うにふさわしい印象だった）憶えがかすかにあるのだ。かなりボロく、へこんだボディはグレーだったと思う。巨大だった。その後（といっても20〜30年ぐらい前の）カーグラフィック誌の個人売買のコーナーに売り物も出ていた。その個体かどうかは知らない。欲しいとは言わないが、是非もう一度見てみたい。
どっかにないかな？？
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この画像はイギリスのタトラ・レジスター（クラブ）のHPより転載させていただきました。現在メールで許可求めている最中であります。許可が降りないバヤイは消去する可能性あり。でもホントに画像がないのだ、このクルマ。イラストにしようかなと思って何回か描いたけど、この「ヘンさ加減」がウマク描けない。絵が下手なだけに見えてしまうのだ（涙）

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中学生の頃、しょっちゅう自転車で山に行った。山に行ったと言っても、せいぜい奥多摩とか、遠くて八ヶ岳ぐらいだけど。

峠の登りで必死にペダルを漕ぐ。峠に着くと、今まで登るのに必死で気がつかなかった空気のおいしさや、山の静けさに、突然気づき、はっとする。この瞬間が好きだ。

バイクになって少しはラクになったが、でも気分は同じ。つづら折れを右に左に、必死でバイクをねじ伏せて飛ばす。うるさい排気音、飛び跳ねる脚周り。それでも歯を食いしばって飛ばす。怖かったりもする。コケたりもした。
で、峠についてエンジンを切ると同じ瞬間がやってくる。

クルマはそこへ行くと断然ラクだ、と言いたいところだけど（笑）、実は今のクルマはバイクより疲れるかも知れない。重たいステアリング、重いクラッチ。回転を合わせないとうまく入らないミッション。舗装のギャップでモロに横っ飛びするリア。高度を上げるにつれ、ゴボついてくる不器用なキャブ。右コーナーでロールすれば左にブラ下げた大きなマフラーの腹を路面に擦るほど余裕のない地上高。

でも、面白いから飛ばす。怖いけど、飛ばす。視界が開けるまで山のありがたみに気がつかない。で、またあの瞬間がやってくる。山にいきなり取り込まれる瞬間が。

クルマって、楽しいな。

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Porsche 356 Carrera1500GS （新たな表現方法練習中。上達まで今しばらくお待ちくださいませ・笑）

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さて、オトモダチの車、第７弾！
どうも、周りの仲良しを主体に紹介しているとオープン２シーター、しかもイギリス製と言うパターンが多くなってしまうが、どっこいイタ車もちょいと面白いクルマがいるのだ。なんと、アバルト！！きゃー！（爆）

このクルマ、正式名称は「FIAT ABARTH OT1000 Spider」という。ちょっと見には、ただの「フィアット850スパイダーか？おお、初期型じゃ、ヘッドライトカバーが美しい！」で終わってしまいそうなのだが、何を隠そうこれはいわゆる本物である。側によるとあの「サソリのエンブレム」が控えめながら頑張っているのだ。アバルトお得意のツインカム化こそされていないが、自製のマニフォールドと34径のソレックスで62HPまでチューニングされている。アバルトとフィアットの関係が一番良かった頃のクルマなので、何種類にも渡って細かいチューニング違いのバリエーション（キャブ、マニフォールド、ミッションなどの違いで更にOTS,OTSS,OTRなど）が存在し、さらにそれのベルリーナ（セダン）、クーペ、このスパイダーとさらに固定ハードトップ付きなど非常に多いバリエーションがあるが絶対的台数は非常に少なく、資料も少ない。ちなみに日本には僕が知っている限りではこの個体を含めて２〜３台しかないのだが...。もうちょっとあるのかな？

初めてこのクルマを仔細に見たときはビックリした。イギリスの旧いスポーツカーを見慣れた目には、全てが新鮮かつアバンギャルドに見えるのだ。イギリスの旧いスポーツカーはすべて「デザイン」というよりパターンを踏襲して出来上がっている。細かい部品類など、そのクルマ用にわざわざ起こすことは滅多にないし、全てが素朴なデザインである。ところがやはりイタ車はその辺が泣かせる。どんなに細かいところにもデザインが行き届き、「これで最小排気量クラスか！？」というぐらい生意気な作りになっているのだ。そして、音。プッシュロッドのままなのでそんなに原理的には違わない筈なのだが、言ってみれば「英語とイタリア語」ぐらい（笑）、響きが違う。泣けるなー。

このクルマのオーナーさんは、ブギ６が「社会的不適合車共同組会」（組合から改名）で散々お世話になった「Hito」さん。このクルマは以前雑誌で見かけて憧れていたクルマそのもので、縁あって手に入れることが出来た時には半ば信じられない気持だったそうだ。ブギ６も自分のクルマが長年知っていた個体（手に入れてから気がついた）をたまたま手に入れて感激した経緯があるので、その嬉しさはよく解るつもりなのだ。彼のHPには手に入れてからの苦労日記が綴られており、クルマバカにはちょいと見逃せない記事なのだが、今回リンク許可とってないので、許可がおりたらリンク張りますね。お楽しみに。

ちなみに、イギリスやアメリカで「アバルト」といっても通用しない。「エイバース」と発音するのだそうだ。なーるほど。

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