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ちほ〜家の人々

介護度4、中度の痴呆を患うバアバを中心とした、
二世帯5人家族の亜空間ワールドを実況中継。

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2004-05-18 事実は小説より○○○
2004-04-23 一応、元体育会系ですから...
2004-04-18 心のかよう贈り物
2004-04-16 誰のせいでもありゃしない
2004-04-07 まだ青かりし頃
2004-03-25 塞翁が馬
2004-03-21 布団の中で
2004-03-16 姐ごにおまかせ
2004-03-14 ベルリンの壁よりも厚く...
2004-03-10 日記の題名は、「チボー家の人々」に「痴呆」を掛けたつもりでしたが


2004-05-18 事実は小説より○○○

久しぶりに、一人でお風呂に入った。


湯舟につかって、ふと気が付いた。
この前、お風呂に入ったのは
4月23日だった...


ということで、答えは、
「汚いぞ」でした。

先頭 表紙

キコリさま:ふふふ。洗えてません。さすが、キコリさん、なんでもお見通し。たまに石鹸とタオルでゴシゴシ洗うと、ジィジが「きれいだね。今日は化粧したのかい?」と聞きます。安上がりです(爆)。 / ヨメ子 ( 2004-05-25 21:02 )
息子達がゼロ歳2歳4歳だった頃、自分がいつ顔を洗ったのか記憶にないような日々を送っていましたが、ヨメ子さん、顔は洗えてますか? / キコリ ( 2004-05-25 00:17 )
銀さま:すみません。解答が間違っていました。正解は「超汚い」でした。4/23はバァバに泥棒と呼ばれた日ですが、その後、花子が強力粘着性ネズミ捕りに引っ掛かって、ベタベタになって床に貼付いているのを発見したんです。で、それを抱えて一緒に風呂に飛び込んだという。ものすごく、印象深い日でしたので。 / ヨメ子 ( 2004-05-18 16:10 )
ヨメ子さん、そこで疑問が・・・。なぜ『この前』が4/23ってわかったのか?それから、ふふふっ、『汚いぞ』を間違いなく通り越してまふ! / 銀にぃ@みなさんお元気? ( 2004-05-18 08:10 )
入浴のお手伝いや、粗相で汚れた物の荒洗いで、「風呂場へ入る」ことが多いため、てっきり自分も「風呂へ入った」気になってました(って、理由にならない?) / ヨメ子 ( 2004-05-18 06:59 )

2004-04-23 一応、元体育会系ですから...

あちこちで真夏日が記録されているこの頃であるが、
日によってはまだまだ寒いちほ〜家。
明日は、雨か雪との予報が出ている。


ヨメ子「バァバ。ちょっと灯油、入れてくるから。」
バァバ「ああ、行っておいで。」

庭の灯油タンクから、ストーブのカートリッジに給油をしていると、
背後から、得体の知れない叫び声が。
振り返ると、なんとバァバが、
庭に面したサッシに貼付いて、
苦悶の表情を浮かべているではないか!


びっくりして家に駆け込んだヨメ子に、

バァバ「ああ、ヨメ子さん。
    今ね、いつもの灯油泥棒が来たから、
    おっぱらってやったよ。
    逃げ足の早い奴だったね。」

先頭 表紙

銀さま:のし付きでもいりません、とお断りされるかと思ってましたが(笑)よかった。今、久しぶりに娘を連れて実家に来ています。花子が我が儘だと、実父母に虐められています。バアバの前で泣かさないように(花子が泣くとバアバが連動して吠えるから)、ただそれだけを気にしていたので、確かに、他の子より我が儘だと思います...でも、この状況下、無事に生きているだけでも、誉めてやってほしいんだがな... / イジイジよめこ ( 2004-05-06 10:53 )
【幻の「番バァバ」いまならもれなく「なよなよジィジ」つき】をネット予約します。あのぉ〜、宅配駄目だったんですよね、手渡しなんですよね、生ものだからな〜。でも、先に送金しときますね、2,980円とはお安い! / 銀にぃ ( 2004-04-29 07:44 )
風遥さま:いえ、とんでもない。新鮮なネタの提供者のおかげでござります。バァバ、いつもありがとう。 / ヨメ子 ( 2004-04-24 15:49 )
蓬さま:そうですよね。雪かきさえなければ、本当にいい風情なのにな。。。結局予報は大はずれで、晴れ時々曇りです。でも、風が妙につめたくて、日ざしの強さと全然釣り合いがとれないという、変な一日。 / ヨメ子 ( 2004-04-24 15:47 )
銀さま:「守れ」と言われたその日から、泥棒どころか家人すら寄せつけない、幻の「番バァバ」。本日はひまじんデビューを記念して、税込み大特価2980円!いまならもれなく「なよなよジィジ」つきですが、いかが? / ヨメ子 ( 2004-04-24 15:44 )
星新一のSFショートショート読んでるみたい。ヨメ子さん ほんとに文章上手い☆ / 風遥 ( 2004-04-24 09:36 )
さっき天気予報を見ていて、○○や□□は雪とかっていうの聞いて驚いてました!思わず、そこら辺りまで出かけてみようかと思ったくらいです(笑)。雪は積もるとやっかいだけど、降っているだけなら結構綺麗で好きです☆寒いと辛いけどその分ベッドの価値がupしてこれまたイイ!ww / *蓬* ( 2004-04-23 12:48 )
ふぅ〜ん、ヨメ子さんって体育会泥棒系なんだ!・・・バァバさん改め【番バァバ】襲名! / 銀にぃ ( 2004-04-23 12:43 )

2004-04-18 心のかよう贈り物

バァバの入所・退所時には、
できる限り花子を連れて行くことにしている。
花子が、施設内の池のコイが大好きで
餌をやるのを楽しみにしているのが直接の理由であるが、
最近はそれだけではない。

施設に預けられている痴呆のお年寄りの多くは、
小さな子どもが大好きである。
それまで、なんの表情もあらわさなかった爺や婆が
花子を見たとたんに
目を輝かせ、うれしそうに話しかけてくる。
花子もサービス精神旺盛で
返事をするだけでなく
請われるままに、歌ったり、踊ったりするので、
その人気たるや、凄まじいものがある。
そばにいるヨメ子も、自分が爺婆孝行したような満足感があるため
連れて行き甲斐があるのだ。

ある日のこと、
入所時に花子をステイ先に連れて行ったところ、
いつも真っ先によってくるおばあちゃんがいない。
ちょっと、気になりながらも、
いつものごとく花子に活躍してもらい、
さあ帰ろうか、という時に
例のばあちゃんがあらわれた。
つつつ、と寄ってくると、ヨメ子の手をひっぱって
廊下の隅に連れて行くではないか。

「ねえ、ねえ。ちょっと、ちょっと。
 ろくな物が用意できなかったんだけど、
 これ、受け取ってよ。」

そう言いながらばあちゃんは、ヨメ子の手をとって、
すばやく何かを握らせた。
ヨメ子が手を開いてそれを見ようとすると、
「ダメダメ。見つかると、依怙贔屓とかいわれるから、皆には内緒だよ。
 おもちゃだよ。でもたいしたものが買えなくてね。ごめんよ。」

ヨメ子「ありがとうございます。大事にしますね。」
お礼をいうと、ばあちゃんは
「えへへ。やめとくれ。恥ずかしいよ。」
そういって、花子の頭をなでると去って行った。


  ばあちゃんたちがたまっているフロアから離れ
  手を開いてみると、そこには
  ガーゼや点滴のチューブを止める時に使用する
  小さな黄色い「メディカルテープ」が一巻...


ばあちゃんとの約束どおり
看護婦さんたちにはだまって、家に持って帰り
花子のヘソの緒などをおさめた「思い出箱」の中に入れた。

先頭 表紙

kihaさま:自分のことを思うと、反省です。実の爺ちゃんがボケた時、3週間ほど一緒にすんだだけで、その後、亡くなるまで一度もお見舞いにいきませんでした。お墓参りは、一生懸命いってましたが...嫁いだらそれもできなくて。...いつも優しくkihaさんが思い出すたびに、天国のおばあちゃま、喜んでいらっしゃいます。 / ヨメ子 ( 2004-04-21 21:27 )
風遥さま:後から考えて、私もなんだかじ〜んと。あのばあちゃんの心の中には、いつまでも可愛い頃のお子さん(orお孫さん)の姿が残っているんですね。ちなみに、バァバにとっては、もうすでに花子や私の存在は薄れつつあり、ひたすらジィジの存在がクローズアップしていくようです。私の心には、最後は何が残るんだろう... / ヨメ子 ( 2004-04-21 21:23 )
うちのおばあちゃんを思い出しました。病院とかにいると孫に何かあげたくても何もないって思ってたみたいですね。ほんと、おばあちゃん達にとって花子ちゃんの存在は大きいんだと思いますよ〜遠い事を理由にあんまリ病院にいかなかった事を思い出して胸が痛いです。 / kiha ( 2004-04-21 10:35 )
なんか、、、泣けます。 / 風遥 ( 2004-04-21 00:51 )
キコリさま:おげんきですか(^^)いつか、花子が大きくなったら、この箱を一緒に開けて、「こんなことがあってね〜」と話してやりたいと思ってます。取りあえず、現時点で花子に渡してみたら、噛み付いたので、とりあげました(笑) / ヨメ子 ( 2004-04-20 17:44 )
何年経ってもメディカルテープを見るたびに歌ったり踊ったりする花子ちゃんを思い出すことができる素敵なプレゼントですね。それにしても歌って踊れる霊感天才少女かぁ、花子ちゃん。スゴいなぁ。 / キコリ ( 2004-04-20 10:00 )

2004-04-16 誰のせいでもありゃしない

ジィジは久々の同級会。
朝からウキウキと出かけて行った。

対照的に憂鬱なヨメ子。
今日はバァバの歯科診療に
花子を同伴しなければならない。
以前、この二人をつれていった時は
順番を待つ間、コンビで泣くわ叫ぶわ
またあんな風になったら...

ところが今日はどうしたことか
二人仲良く待ち合で過している。
ほっとしたヨメ子に、看護婦さんが問いかける。
「お早うございます。下の歯をお持ちですか?」

ヨメ子「えっ?今朝はしてましたが。」
といいながら、口の中をのぞくと
...ない。
ヨメ子「ポケットかな?」
しかし、ない。
ヨメ子「車の中かもしれません。見て来ます。」
バァバ「(花子を指差し)私が見ていてやるから早く行っておいで。」
その高飛車な言いぶりに、思わず吹き出すヨメ子。

ダッシュボードの中に隠してあった入れ歯を見つけ
息をきらして待ち合いへ戻ったが
ヨメ子「あれ?...花子は?」
バァバ「知らない。」
ヨメ子「えっ?だって、見ていてくれるっていったじゃない!」
バァバ「そうかい?ま、どうだっていいが。」
ヨメ子「いいわけないでしょう!」

ちょうど順番がきたので、バァバを診察室に送ってから
花子を探し始めたが、見つからない。
職員さんが5人も手伝ってくれたのだが見つからず、
院内放送をかけてもらったが、
発見の連絡もなく、そうこうするうちバァバの治療も終わり...

ヨメ子の焦りが頂点に達した頃
歯科から3つも上の階で
遊んでいた花子が見つかった。

頭を擦り付けるように謝ってから
二人を車に乗せた時には、ヨメ子はヘトヘトであった。
しかし幸いなことに、今日はバァバのお泊まり日。
ああ、早くバァバをステイ先へ送っていこう...

ほどなく車は施設についた。
はな子「降りたい。降りたい。」
ヨメ子「まって。今バァバが車椅子に乗るから。」
はな子「やだ。カギちょうだい。」
バァバを移乗する間、花子を静かにさせるため
車のカギをひょいと手渡し
運転席から降りて、車外をぐるっとまわって
助手席のドアを開けようとしたヨメ子の目の前で
『ばしゃっ』と、音がした。

花子がカギについているオートロックのボタンを押したのであった。

当たり前のことであるが、ドアは開かない。
あわてて後部座席のチャイルドシートに括りつけられている花子に向かって
ヨメ子「ねえ、もう一回ボタンおして。」
はな子「やだ。出たい!」
ヨメ子「このままじゃ出られないよ。もう一回押して。」
はな子「やだ。スパゲッティ食べたい!」
そう言い放つと、車のカギを座席の下へ投げ捨てたではないか。

こうなると、頼みの綱はバァバである。
ヨメ子「おかあさん。三角のポッチひっぱって。」
バァバ「これかい?」
ヨメ子「それじゃない。その斜の、三角の。」
バァバ「これかい?」
ヨメ子「だから、それじゃないって。三角のだって。」
バァバ「これかい?」

ジィジは不在。スペアキーを届けてくれる人はいない。
自分で取りに帰りたくても、家のカギすら車の中。
心配顔の職員さん達にかこまれて
車中の花子は大泣き、バァバは爆発寸前。
南無三、JAFを呼ぶか、と観念した時、
バァバの指がポッチに引っ掛かってロックがはずれた...

帰り道、憔悴しきったヨメ子には、
車中でいつもかけている童謡CDの脳天気な歌声が耳障りであった。
「全くもう!どいつもこいつも!」
腹いせまじりにカーステレオのボタンを押すと、
CDからAMラジオに切り替わり
あの懐かしいメロディーが...


♪ みんな オイラが悪いのさ〜

先頭 表紙

織姫さま:へるぱーさんに病院のお付きを頼む...それいいですね。でも「へるぱーさんがお知り合い」というのは、うちみたいな田舎では恐すぎますよお。格好の噂のネタになっちゃいます。皆「守秘義務」の意味、知らないんだもの(涙)。 / ヨメ子 ( 2004-04-18 18:46 )
銀さま:そんな日がいつかくるんでしょうか。。。もちろんいつか来るんだけど、実感が全然わかないですよ〜。はああ。 / ヨメ子 ( 2004-04-18 18:39 )
へへ・・・このごろ、爺を病院に連れて行くのにヘルパーさん頼んじゃうんだ。で、ヘルパーさん相手に愚痴の言い放題。(爆) / 織姫@娘の同級生の母なのよ。ヘルパーさん ( 2004-04-18 17:12 )
花ちゃんが味方になった・・・と、思える日が待ち遠しいですね。でも、いつの事やら期待しないで待ちましょ! / 銀にぃ ( 2004-04-18 00:55 )
kihaさま:私も疲れていたんですね。いろいろといい加減にやっていたのが全て裏目に。。。やっぱり、アタイが悪いのね。。。 / ヨメ子 ( 2004-04-17 21:06 )
ぺんぺんさま:ねぎらい、ありがとうございます。ふうう。事件直後はイライラしていましたが、後から考えたら、恐かったです。車に閉じ込められて、幼児と老婆、熱中症で死亡てなことになるところだった... / ヨメ子 ( 2004-04-17 21:03 )
いろんな事が怒涛のように・・・はぁ〜どうなるの〜と読み終えた時にほっとしました。普段と違う事をするだけでも相当気疲れするのに〜お疲れ様 / kiha ( 2004-04-17 09:38 )
お疲れ様でした、ホントに。そんな厄日ってありますよね〜。血の気引きまくりでしたね。 / ぺんぺん ( 2004-04-16 23:44 )
独身時代は、尾藤さんちの近くに住んでいたんですよね〜。思い出したら、ちょっと癒され。 / ヨメ子 ( 2004-04-16 15:43 )

2004-04-07 まだ青かりし頃

バァバの見舞客が続き、
いろいろと感じる、この頃である。

はな子の出産で帝王切開した直後、
持病の椎間板ヘルニアを併発したヨメ子は
未熟児相手に授乳も沐浴もろくにできないありさまであった。

痴呆が進みつつあるバァバに、
孫を早く見せたい一心で、
里帰りせずに婚家での出産を決行したのであるが、
出産直後から連日連夜ちほ〜家に
ジィジの親戚や知人から
「すぐお伺いするから」という伝言が
山のように寄せられていると聞き、
病院のベッドの上で青ざめるヨメ子であった。

「体調がすぐれないので、お見舞いは、
 せめて退院後一ヶ月すぎたあたりからにして」と
お願いした。

が...
術後10日でちほ〜家に帰った次の日から、
退院後一ヶ月になるまでに、
入れ代わり立ち代わり
総計78人の見舞客がやってきた。

途中で、こっそり
「切開跡が化膿気味で、
 お茶の準備がちょっと辛くて...」
とこぼしたヨメ子に
「あなたの見舞いじゃなくて、
 初孫のお祝に来てるんだから。」
という某ご親族のお言葉爆弾。


ちょうど退院後一ヶ月になる日にやってきた実父母の
心配そうな顔を見たとたん、
涙がこぼれてしまった。

当時のヨメ子にとっては
本当に辛い一ヶ月だったのだ。


しかし、その2ヶ月後、
バァバの痴呆が急速に悪化し、
産後の体を気づかってずっと遅れてやってきたヨメ子の親友が

バァバ「さっさとお帰り!この押し売りめ!」

という一喝をくらって
玄関先で追い返されるという
恐ろしい事件がおこるなどとは、
(そして、それが日常茶飯事になるとは)
ヨメ子はまだ知らない...

先頭 表紙

えええっっ!私、捨てられてしまうんですか?そんな殺生な...いえいえ、捨てられるのではなく、捨てるのです。俗世の垢を。めざせ、色白尼さん! / ヨメ子 ( 2004-04-13 21:42 )
あははっ・・・なるほど、でも決して黒じゃないんだよね。それって、悲運な『捨てられる色』だよね。 / 銀にぃ ( 2004-04-11 11:47 )
風遥さま:当時、まだ免許をもっていなかったので、飛び出したくてもアシがなくて。一人になるには、この辺だと山に入るしかないんですよ(爆)。いつの間にか、心臓が毛むくじゃらになってしまいました。 / ヨメ子 ( 2004-04-10 19:31 )
ドラマも真っ青の展開ですね。お言葉爆弾は 心に突き刺さるので つらいです。ヨメ子さん よく辛抱しましたね(TT)  / 風遥 ( 2004-04-10 17:09 )
銀さま:あにさんの撮っているお花の色、とかだったらなあ。ここ数年でものすごくふてぶてしくなってしまったヨメ子は、小学校の図工の時間に生産される「筆洗いバケツの中の水」のような色になっております。 / ヨメ子 ( 2004-04-08 14:00 )
織姫さま:今なら「こちら、跡継ぎ製造機で結構ですので、そちら介護マシーンになってくださいません?」と言いたいところですよね。全く、本当に、親戚って、も〜っ! / ヨメ子 ( 2004-04-08 13:56 )
ヨメ子さん、ところで今は何色?・・・まさか、ぐんじょう(群青)いろじゃないよね? / 銀にぃ ( 2004-04-08 02:01 )
娘を産んだとき、病室にお産見舞いに来た親戚のおばはんに、「次は、男の子ね!」と言われたのは辛かったなぁ。あたしは、跡継ぎを生む道具かい?って思ったもの。 そのおばはんは爺の調子が悪くなったら、「一日でも面倒見てくれ・・・」って言われるのが怖いらしく我が家に寄り付きませんわ。(爆) / 織姫 ( 2004-04-07 19:21 )
ふふふ。青い。青い。 / ヨメ子 ( 2004-04-07 14:15 )

2004-03-25 塞翁が馬

はな子の突然の発熱によって突如取り止めになった旅行。
しかし、当の本人は、翌日ピンピンしているのであった。
こんなことなら、無理してでも連れて行けばよかった、と
ため息まじりに見上げるカレンダーには...

ヨメ子「あれ、今日、バァバの通院日だ!」
ジィジ「旅行があるから、変更したんじゃなかったのかい?」
ヨメ子「すっかり忘れてた。」

怪我の功名とでもいうべきか。
旅行にそなえて、バァバはあらかじめ施設にお泊まりしていたので、
車で迎えにいくと、
バァバは、いつもの広間で椅子に座っていた。
しかし...

ヨメ子「バァバ。今日は歯医者だよ。さあ行こうか。」
バァバ「....」
ヨメ子「ねえバァバ?眠いの?」
バァバ「....」
ヨメ子「バァバ、バァバ!どうしたの?」
バァバ「....」

ヨメ子  「看護婦さん!看護婦さん!すみません。
      ちょっと様子が変なんです。」
看護婦さん「どうされましたか?」
ヨメ子  「呼び掛けても返事をしないんです。いつも、おしゃべりですよね。」
看護婦さん「そういえば、そうですね...おばあちゃま。おばあちゃま。」
バァバ  「....」

沢山の痴呆患者を扱っている看護婦さん達は、
患者が無反応だったり「ぼーっ」としていることに慣れている。
たった一人だけに関心を寄せている家族の方が、異常の察知は早い。

ヨメ子  「歯医者よりまえに、神経内科か脳外科へ連れていきましょうか。」
看護婦さん「そうですね。その方がいいかもしれません。」
バァバを振り返ると...目が動いている。そして首がかすかに動いている。
声は出さないものの、何かを伝えようとしている。


検査で病院の中をドタバタ連れ回っている間も、
バァバは全くしゃべらない。
本人が何も言わないので不安ばかりが先攻する。
また、脳硬塞の発作でもおこしたのだろうか...

気がつけば、レントゲンの待ち合いで、
ヨメ子は貧乏揺すりをしながら、
バァバの義歯の入ったコップを意味もなくさすっていた。

現像を待つ間、やることもないので、
新しい入れ歯を観察してみる。
できたての入れ歯は、色ツヤも綺麗で
ちょっとした工芸品のようである。
義歯の白、歯茎のピンク、
キラキラ光る、銀の留め金...


ヨメ子「んんん、んんっ?
    なんじゃこりゃ?」


よく見ると、自前の歯にひっかける留め金のところに、
銀歯がチンマリおさまっている。
おかしいな、ここは空きのはずだがな、と思って入れ歯をひっくりかえすと
金属の鋭い突起物と、それをとりまく薄茶色の固形物。
これは、入れ歯の一部だと思っていたが...まさか...


すべてをまとめると、以下のようになる。
新しい入れ歯に慣れないバァバは、
取り外す際に力をいれ過ぎて、
とめ具のかかっている自分の歯を折ってしまった。
そのことに周りも気付かぬまま、放置していた間に、
損傷部分から化膿菌が入り、
それが体中に回って、敗血症を起こしていたのである。


はな子が熱を出さなかったら、
バァバの命が危なかった。
我が家のトラブルメーカであるお二人から
「人生須らく〜」
と教えられた事件であった。

先頭 表紙

風遥さま:おっしゃる通りです。本当に、ずっとずっと、何もかもがつながっているんですね。あまり目先にとらわれず、お気楽にやっていくのがいいような気がするこのごろです。 / ヨメ子 ( 2004-04-07 14:19 )
危機一髪 でしたね ほっ。 人生のいろんなことってどこかで巡りめぐって繋がっているのかもしれませんね。持ちつ持たれつ。な〜んて いつも暢気なこと言っててすみません。 / 風遥 ( 2004-04-06 08:12 )
織姫さま:爪でぐさっ...ううう、痛そう...はずしたのにまだはずす...はああ、目に浮かぶ... / ヨメ子@御苦労様です ( 2004-04-02 15:51 )
うちの爺は、入れ歯をはずしたのに、まだはずそうとして・・・・。ざっくり爪で歯茎を傷つけましたわ。 はぁ・・・抗生物質投与〜〜。薬をご飯のおかずに食べるようだわ。(涙) / 織姫 ( 2004-03-30 18:38 )
kihaさま:顔が似てるんですよね、この二人。やはり、遺伝子を濃く受け継いでいるから、二人だけの通信網があるのかもしれない... / ヨメ子 ( 2004-03-29 16:56 )
めぐみさま:そちら、花粉いかがですか?こちら、まだ雪が(笑)。バァバは丈夫なんですけど、目を離すと危ないんですよね。小さい子と痴呆の爺婆って、本当にあぶない。 / ヨメ子 ( 2004-03-29 16:53 )
銀さま:お約束を果たす間では、バァバに逝ってもらうわけにはまいりませぬ。 / ヨメ子 ( 2004-03-29 16:49 )
キコリさま:もしかして、天才霊能少女とかいって、稼げるでしょうか?ふふふ。これで老後は安泰。 / ヨメ子 ( 2004-03-29 16:48 )
なみへ〜さま:前にも似たようなことがあって、その時も何もしゃべらなくなり、食べなくなりました。足の傷から化膿菌が回り、体中の小さな傷が一度に膿んで崩れだし、それはそれは、御飯が食べたくなくなるような光景に。週末婚のヨメ子、発見時ぶっとびました。 / ヨメ子 ( 2004-03-29 16:46 )
ぺんぺんさま:実は、お義理の旅行だったのです。外へ出られるならどこでもいい!という(笑)行きたいところといえば、ぺんぺんさんのところとか。 / ヨメ子 ( 2004-03-29 16:43 )
こんな事も起こるんですか〜びっくりしました、花子ちゃんに通じていたんでしょうね〜 / kiha ( 2004-03-28 13:35 )
バァバ、よかった〜。良かった良かった。 / めぐみ。 ( 2004-03-28 09:55 )
ふぅ〜、よかった。 / 銀にぃ ( 2004-03-27 14:06 )
読みながらドキドキしてしまいました。考えられないようなことが起こるんですね。さすが天使が見えるはな子ちゃん。 / キコリ ( 2004-03-27 00:28 )
それでバァバはおしゃべりが出来なかったんですね。はな子ちゃんが教えてくれた・・・?んでしょうか。ともかく事態が良くなってヨカッタですね。 / なみへ〜 ( 2004-03-26 06:33 )
ひゃ〜!まさにドラマを地でいくようなお話ですわ。はな子ちゃんもバァバも元気になって何より。旅行は・・・次回の機会を待ってね〜。 / ぺんぺん ( 2004-03-26 02:46 )
すぐに傷口を切開・縫合し、抗生剤の投与を受けましたので、すでに『おしゃべりバァバ』復活しております。本当に強いんだよな〜。 / ヨメ子 ( 2004-03-25 20:43 )

2004-03-21 布団の中で

今日は、ヨメ子の祖母の元へ、
泊まり掛けで見舞いにいく予定であった。
久しぶりの外出で、ウキウキのヨメ子。
しかし、出発直前に、はな子が
今朝食べた物をすべてオートリバース。
ぴんぴんしているが、計ってみると高熱。

しかたない、と布団に寝かせる。
はな子「おかあさん、おいでよ。一緒にねんねしよう。」
布団のなかで、大好きな『ダンボ』のビデオを見ながら
二人、取り留めなくお話を始める。

ヨメ子「(ダンボがコウノトリに運ばれてくるシーンをみながら)
    はな子、生まれる前、どこにいたの?」
はな子「お月さま。」

ヨメ子「はな子、大きくなったら、何になるの?」
はな子「ぞうさん。」

ヨメ子「はな子、結婚するとしたら、どんな人がタイプ?」
はな子「野獣。」


元気になったら、動物園へ一緒にいこうね。

先頭 表紙

蓬さま:ライオンバスって...まさか、ライオンと一緒に乗るわけですか?それとも、ライオンを見に行くバス?ライオンが運転しているとか? / ヨメ子 ( 2004-03-25 17:17 )
風遥さま:ありがとうございます。はな子は、どうひいき目にみても、「Beauty 」ではありませんね...あきらかに「 the (little) Beast」です。 / ヨメ子 ( 2004-03-25 17:15 )
私も動物園大好きです!ライオンバスに乗るのが、目下の夢です。 / *蓬* ( 2004-03-24 08:38 )
うんうん はな子ちゃんが美女だもんね(^^♪ 野獣タイプ!( ..)φメモメモ。小さい子ってよくオートリバースしますよね 布団に何回か やられました、。おだいじにしてくださいね。 / 風遥 ( 2004-03-22 20:06 )
野獣というのは、ディズニーの『美女と野獣』の野獣さんのことです。 / ヨメ子 ( 2004-03-21 13:42 )

2004-03-16 姐ごにおまかせ

バァバを歯医者に連れて行った。
終了後、本来なら家へ戻るはずであるが、
相変わらず具合のすぐれないジィジに配慮して
そのまま入所先へ車でむかった。

しかし、施設の玄関に車をつけたところ
バァバは降りようとしない。
「家にかえるんだろ。私はここで待ってるよ。」

運転手ヨメ子は困惑する。
ただでさえ、施設から家族が姿を消す時には
パニックを起こすバァバ。
下手をすると、施設中に響き渡るような声で
「一体どういうことだい!私は帰るよ!ばかやろう!」
などと大騒ぎになってしまうので、
毎度毎度、手をかえ品をかえ
バァバの気をそらそうと空しい努力をするのだが...
玄関にいる時点で、こんなに抵抗しているようでは
先が思いやられる...

なんとか言い包めて
車から車椅子に乗り換えてもらい
いつもの広間へ連れて行くと、
そこにタムロしていたおばあちゃんのうち一人が
つかつかとヨメ子に迫って来た。

婆1号「ちょっと看護婦さん、出口は一体どこなんだい!」

徘徊の激しい患者さんなのであろう。
ヨメ子「あの、あっちの方ですかね。たしか。」
彼女は、言い加減な方向を指差すヨメ子を睨み付けると、
さらにぎりぎりと詰め寄って来た。
婆1号「そんなところに、あるのかい!本当に?」

あまりの迫力にたじたじとなったところへ
別のおばあちゃんが話しかけて来た。
婆2号「あのね、私はまだ朝御飯をいただいていないんだよ。
    出ないなら出ないって、言ってくれればね、こっちも了解するけど。
    何にも言ってくれないんじゃ、困るんだよね。どうなってるの?」

時計を見ると、3時。
もうすぐ午後のオヤツ時である。
ヨメ子「もうすぐ、できると思いますよ。今聞いて来ますから。」
婆2号「そんなこと言って、今日はずっと食べさせてくれないじゃない!」
二人とも、鬼気迫る勢いである。
助けを求めてあたりをキョロキョロ見回すが、職員さんは近くにいない。
ヨメ子、危うし!

と、その時。
車椅子のバァバが、その二人とヨメ子との間に割って入り、
啖呵を切ったではないか。

バァバ「ちょっとお待ちよ。
    今、この人が聞いてくるって言ってるんだから。
    行かせてやればいいじゃないか。」

そして、ヨメ子の方を振り返ると
「ここは、あたしが引き受けたよ。あんたは、お行き。」
といわんばかりの目配せ。
それを受けて
スタコラさっさと現場から逃げ去るヨメ子。


交通事故に合う前
たいそう気っ風がよく
多くの若い人たちから慕われたという
バァバのありし日の姿を
垣間見たような気がした...


とはいえ、あの後
一体どうなったのだろうか...
想像するだに恐ろしい...

先頭 表紙

バァバとの関係には、何かこう、深い因縁のようなものを感じます。前世でもずいぶんお世話になったのでしょうね。来世でもきっと、お会いしそうです... / ヨメ子 ( 2004-03-19 14:45 )
kihaさま:私だと、わかったかどうかは定かでは無いのですが、とにかく「弱きを助け、強きを挫く」バァバはかっこよかったです。それにひきかえ私は。。。 / ヨメ子 ( 2004-03-19 11:32 )
風遥さま:次にあった時には、バァバの頭にどでかいタンコブが。「やられたの?」って一瞬思いましたが、実は自分でぶつけたとか。でも、我ながら薄情やな〜。逃げてきちゃったりして。 / ヨメ子 ( 2004-03-19 11:30 )
銀さま:バァバ健在のうちに、是非。急がないとまずいかな?(笑) / ヨメ子 ( 2004-03-19 11:28 )
やっぱりバァバさんはヨメ子さんの味方なんですね。うん、間違いない。 / キコリ ( 2004-03-18 00:01 )
そういえば前の日記にバァバは世話好きと書かれてましたよね。困ってる人(←ヨメ子さん)を見て助けたくなったんでしょうね。世間のうまくいってない嫁姑関係よりもはるかにやさしい関係やなぁと思ってしまった。 / kiha ( 2004-03-17 15:53 )
ヨメ子さん 作家でも充分やれるかと。。う、うまい!ばぁばさま 本来の気風のよさが遺憾なく発揮され 全ては丸く・・・収まった と 思われ イヤ 収まった、間違いない。 / 風遥 ( 2004-03-17 01:10 )
バァバさん大好き、ヨメ子さん大好き!ぶらぼ〜。久しぶりに星新一の短編を読んだ気がしました。・・・いつの日か、(願掛け:生きてるうちにヨメ子さん・バァバさんに会ってみたい) / 銀にぃ@つい癒されちまった。 ( 2004-03-17 00:44 )
我ながら、無責任モード。。。 / ヨメ子 ( 2004-03-16 20:55 )

2004-03-14 ベルリンの壁よりも厚く...

ジィジがノイローゼ気味になってからというもの、
ちほ〜家には、これまでとは違った問題がおきている。
介護拒否である。

まだ独身時代、
友人の母上が、祖父母(母上から見ると義父母)の痴呆介護をしていた時の
苦労話を、ちょこちょこと聞くチャンスがあった。その中で、
「とにかく、私の面倒を一生懸命みようとするのよ。とにかく、
 爺ちゃん婆ちゃんの世話をしたくなかったのよね。」
という話があり、
なんだかわけもわからず、フンフンと聞いていたような思い出がある。

似たような状況が、今のジィジにあてはまる。
バァバの身体介護はもちろんのこと、
病院の送り迎えもなにもかも、やりたがらない。
そのかわりに、はな子にご執心である。

ある日、めずらしくバァバのトイレ介助をしたジィジ。
お尻についたべったり○○○に気がついて、
「うわっ!臭い!なんだ、これは!まったく、冗談じゃ無い!」
と叫びながら拭いているところに、ヨメ子がやってきた。

ヨメ子「ちょっと、ジィジ。そういうこと言っちゃダメ。」
ジィジ「(返事をせずに)うぐぐ。うぐぐぐ。臭い。」
ヨメ子「目をつぶって拭いたって、とれないでしょ。何やってんの?」
バァバ「そうだよ、おとうさん。あはははは。(なぜか御機嫌。)」
ジィジ「うぐぐ。うぐぐぐ。」

バァバの前でジィジに意見するのはタブーなので、
場所をかえて、説教をしようと決めたヨメ子。
おもらしのついたズボンを洗って、2階の自室に戻ると、
先にやってきていたジィジが、はな子のオムツを取り替えている。

ジィジ「わ〜。おっきいプンニョをやっちゃったな〜。
    今ジィジがキレイキレイしてあげるからね〜。
    ほら〜気持ちいいだろ〜。は〜いできあがり〜。」

ヨメ子「ねえ、失敗のあった時、怒ったり、『臭い!』とかいうと、
    ショックで痴呆が進むって聞いたよ。」
ジィジ「臭いものは臭い。」
ヨメ子「だって、はな子だって同じもの食べてるんだから、出るものも同じよ。」
ジィジ「同じわけないだろう。」
ヨメ子「同じよ。臭いだってなんだって。確かめてみる?」

こうなると、売り言葉に買い言葉。
ジィジが始末したばかりのオムツを
ヨメ子はバラリと開いて見せた。
無言で鼻を近付ける二人。
そして同時に、

ヨメ子「ほら、同じじゃない。」
ジィジ「ほら、違うじゃないか。」

お互い、超えられない壁を感じた一瞬であった。

先頭 表紙

なみへ〜さま:絶対、私が勝ちますよ!私の方が、正しいです! / ヨメ子@頑固印 ( 2004-03-16 20:42 )
風遥さま:ちょうど、今はな子とバァバが同レベルで交差してますね。そのうち、はな子とジィジが交差するのかな。。。本当に、命ってぐわ〜っと広がって、いつのまにか、しゅ〜っと縮んでゆくんだな〜、と感じるこの頃です。 / ヨメ子 ( 2004-03-16 20:41 )
織姫さま:それにしても、本当に、よくやってらっしゃる。私が介護鬱の時は、なぜかジィジが元気なので、なんとかまわっていますが。。。姫様は、全部一人で抱えておられるのだから、本当に、すごすぎる。 / ヨメ子 ( 2004-03-16 20:35 )
ジィジの気持ちは分からないではないのですが。。頑固なジィジね(笑)。正確な測量器を持って一試合設けますか? / なみへ〜 ( 2004-03-16 12:21 )
ぐゎ〜 ヨメ子さん 文章上手い。年取ると赤ちゃんに戻るって よくいうけど そうなのかもしれないな / 風遥 ( 2004-03-15 21:45 )
あっ・・・・それ、今のあたしと同じ状態。 だって、爺の歯磨きはなんだかきちゃなくて、嫌々だけど、息子のは全然平気だもん。 / 織姫 ( 2004-03-14 20:26 )

2004-03-10 日記の題名は、「チボー家の人々」に「痴呆」を掛けたつもりでしたが

この季節、ここら辺りでは必ず大雪が降る。
2月中旬から、誰かしら具合の悪いちほ〜家であるが、
雪がふれば、近所の手前、雪をかかなければならない。
それで、また誰かの具合が悪くなる...
そんなある日。

ジィジ「困った。明日か明後日、ノリコ(ジィジの妹さん)が来るかもしれん。」
ヨメ子「何、それ?」
ジィジ「バァバの見舞いに来るって。来なんでもいいって、わしは言ったんだが。」
ヨメ子「はああ?『来なんでもいい。』じゃなくって、『来るな』って言ってよ。
    今元気なの、バァバだけなんだから。」
ジィジ「ワシは元気だが...」
ヨメ子「はあああああああ?一番具合悪い人が何言ってるの???」
怒気を含んだヨメ子の言葉にうろたえて、断わりの電話をかけるジィジ。

ジィジ「おい。こっちは大雪だぞ。来ないほうがいいんじゃないか....
    こっちも忙しいから、もう少し暖かくなってから来てくれや。」

次の日、またもや朝から大雪。
雪をかきおえて、ヘトヘトになって部屋に倒れ込んだヨメ子の耳に、
タイヤが雪にめり込む音が聞こえて来た。
続いて、ジィジが階段を駆け登ってくる足音が...

ジィジ「ヨメ子さん、どうしよう。ノリコ、来ちまった。」

痴呆患者がいて、加えて、家族の具合が悪くて、
さながら阿片窟のような家の中へ、
土産物と、見舞金入りのし袋を印篭のように掲げて、
ズカズカと入り込んでくる人々...
ヨメ子は「咽まで」ではなく、「唇の裏側まで」
出かかったことばを飲み込んだ。

「全く、だから田舎はいやなんだよう!」


すべて終わって、パソコンを開いて、自分の日記のページにアクセスして
ふと、気がついた。

「『ちほ〜』って『地方』も掛け言葉だったのね...」

そう思ったら、一日の事が笑えた。

先頭 表紙

風遥さま:日記の効用ってありますね。何が起こっても、ネタにしてやろうという、最近はそんなタフさが備わって来たようなきがいたします(笑) / ヨメ子 ( 2004-03-14 16:31 )
パソコン開けて いちにちのことを客観的に見られる瞬間 大切ですよね。毎日じかにお世話してるだけでも大変なのに その上親戚つきあいって・・・(以下自粛 / 風遥 ( 2004-03-13 21:15 )
なみへ〜さま:ほんとうに、あの壁、もうたまりまへん〜。バァバをまるで上野のパンダのように遠巻きにして、驚きの声を上げておりました。いたたまれなかったのか、お早くお帰りになったのが、なによりでした。 / ヨメ子 ( 2004-03-11 20:16 )
銀さま:あにいのお花の写真みたら、また春が近付いてきましたよ〜。 / ヨメ子 ( 2004-03-11 20:10 )
織姫さま:ふっふっふ。まあ、香典返しにお手盛り、ってとこですかね。 / ヨメ子 ( 2004-03-11 20:09 )
あ〜(涙)すごく分かります。私の両親の実家もチョー田舎なので、遠まわしに言ったり、オブラートに包んで頼んでも、全然コチラの気持ちを読み取ってもらえません。かと言ってストレートに言うとガガガーっと反撃されてしまうので、すごく言葉の壁!?を感じます。ノリコさんはすぐにオイトマしてくれたのでしょうか? / なみへ〜 ( 2004-03-11 12:17 )
ヨメ子さん、春はそこまで来てるみたいですよ、もしかして、バァバさんが追いかえしたかな? / 銀にぃ ( 2004-03-11 01:22 )
おっほっほっ・・・今度は、快気祝いが待っているわ。 それにしても、「ボケ」って言う病気の快気祝いっていつするものかしら?(爆) / 織姫 ( 2004-03-10 16:32 )

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