2004-03-02 無念...
2004-02-29 皇室御用達
2004-02-20 今まで書けなかったこと
2004-02-18 最近困っていること
2004-02-06 冬のバカヤロ〜
2004-01-23 バァバで遊ぼう
2004-01-15 突撃！ちほ〜家の○御飯
2004-01-10 犯人はお前か！
2004-01-08 危険物搭載
2004-01-05 矛盾

や、やられた...















風邪に...

先頭 表紙

ジィジが「タイジョウホウシン」で
10日も寝込んでます。
はああああ。

先頭 表紙

少し前の話である。

「殺せ〜〜殺せ〜〜殺せ〜〜」という
物騒な叫び声が下から聞こえるので、
様子を見に一階へおりてみると
ひっくりかえって手足をばたつかせているバァバの横で
ジィジが仁王立ちになっている。

バァバはヨメ子を見るや、
「こいつだよ！　こいつが私を殴ったんだ！　殴るなら殺せ！　私を殺せ！」
とわめきながらジィジを指差している。

「うるさい。おまえなんぞ殴るか。」
と言い残して、二階へスタスタと上がっていくジィジ。

例のごとく、バァバの勝手な思い込みだろうと、
その時はそれほど気にもとめず、
暴れ狂うバァバを布団の中にひきずりこみ
足裏マッサージでバァバを眠らせてその場は終わったが...

突然の告白であった。
ジィジ「わしとバァバを二人きりにしないでくれんか。」
ヨメ子「どうして？バァバはジィジが好きで好きでしょうがないんだよ(笑)。」

ジィジは冗談に反応しなかった。
「あいつになにをしでかすか、わからんでのう...」

ジィジとはいつもバカ話ばかり交わしているのだが、
この時は体に震えが走った。
「あいつが」なにをしでかすか、わからないのではなく、
「あいつに」なのである。
見上げたジィジの顔に笑みはなく、眉間には深いシワが寄っていた。


急いでダーリンに事情を説明し、
ジィジとバァバが接触する時間をできるだけ少なくするよう
介護体制を大幅に見直した。
ちょうど二〜三年前、
同じ町内で、介護につかれた夫が、
痴呆の妻を殺して自分も死ぬという悲惨な事件があったため、
ケアマネさんたちの対応も早かった。
「緊急避難」ということで病院や施設も優先的に入れてもらった。
限度額を超えた分の出費は痛かったが、
グズグズしていると大変なことになると思い、ケチるのはよした。


バァバが定期的に入所するようになり、
少しずつ、ジィジに笑顔が戻って来た。
皆が、バァバに対して前よりも優しくできるようになってきた。

しかしバァバに目をうつしてみれば、
慣れない場所で混乱し、
笑顔もことばも、そして
ジィジを追い回すことで保たれていた筋力も
徐々に失いつつある。


いつも心の中に割り切れないものがある。
バァバの願いはいつも一つきり。
大好きなジィジと一緒にいたい、ただそれだけである。
しかし、その願いに耐えうる精神的・肉体的な力が、今の家族にはない。
バァバを優先すれば、家族が弱り、
家族を優先すれば、バァバが弱る。

「一人の命は地球より重い」というが、
天秤の両方に人間の命がかかっていたら、どうなるのか。
患っている側の命が重いのか。介護する側の命が重いのか。
両方ともに大切にするためには、どうすればいいのか。

ちほ〜家では
まだだれも、その答えがわからないでいる。

先頭 表紙

車を運転していると、
意識はあるのに手足の自由がきかなくなることがある。

ちょっと買い物にいく時などは大丈夫なのだが、
バァバを病院や施設へ送り迎えする時、
あっちこっちかなり遠くのところへもお願いしている関係で、
長時間運転することがあり、そのような時に必ずおこる。

バァバ「で、最近どう？」
ヨメ子「お陰さまで、まあまあ。」
バァバ「そうかい。まあまあかい。」
ヨメ子「うん。まあまあ。」
バァバ「で、どうよ。最近。」
ヨメ子「まあまあ。ありがとう。」
車に乗ると、なぜか攻撃性が薄れ、妙に優しくなるバァバ。
このようなエンドレスなやりとりが暖かい車の中で繰り返され、
さながら子守唄のようであるのも一因か。

はじめは、自分でもおもしろがっていたが、
進行禁止の工事現場へ突っ込んだり、
気が付いたら道のどまん中で車をとめていたりするような事が頻々とおき、
だんだん危機感がつのってきた。
ガムをかめ、とかコーヒを飲めとか、
好きな音楽をかけて、歌を歌いながらなら大丈夫だとか、
いろいろ聞けばためしてみたが、
ドリカムを絶叫しながら、赤旗をふるおじさんの制止を振り切って
交互通行の道路へ入り、あわや正面衝突のこともあった。

極め付けは、まっぴるまの見通しのよい道路で
ネコを轢いてしまったことだ。
恐ろしくて、情けなくて、申し訳なくて、
車を降りたらその場にへたりこんで、わあわあ泣いてしまった。

義母のかかっている精神科に相談したところ
先生「疲労ですね。よく寝て下さい。睡眠薬だしましょうか？」
ヨメ「それはまずいです。夜中は義母のトイレの面倒をみなくてはならないので。」
先生「じゃあ運転直前に昼寝して下さい。」
ヨメ「...ははは...」
相談したのが間違いであった。

思いあまって、２チャンで質問してみた。
すると、くるわくるわ。
トラックの運ちゃんから暴走族のお兄さんまで、
みなツワモノである。
その中で、かなり効果の合ったものを御紹介しよう。

・ロッテ「ブラックブラックガムタブレット」を数粒一度に噛む。
（板ガムはダメ。タブレットでなくてはならない。）

・口にコーヒーを含み、飲み込まず我慢する。
（車が大きく揺れた瞬間に口からコーヒーがこぼれ
　お気に入りのシャツにシミがついてしまった。水の方がいい。）

・窓全開で走る。もしくは冷房を最強にする。
（冷え性のヨメ子には辛いものがあるが、同乗者がいない時にはよくやる。）

・音楽よりも、落語や漫談などのトークものを聞く。
（毎度新しいネタがいい。ラジオのトーク番組もそれなりにいい。）

・３０分に一回位の割り合いでけたたましく目覚まし時計をならす。
（電子音ではだめ。乗る前に、あらかじめ時間をセットしておく。）

バァバと二人でどっかにつっこんで共に即身成仏となる分にはまだしも
死にきれず、介護の苦労を増やすようなことになれば悲惨このうえない...
それに、バァバがこんな状態になった最大の原因は
酒酔い運転手が信号無視して70km/hで交差点につっこんで
バァバを跳ねたからなので、
とにかくとにかく、
お他人様を事故の巻き添えにするわけにはいかないのであって...

うううう...
どっか温泉宿で一人ゆっくり寝たい...

先頭 表紙

深夜２時、バァバのトイレタイム。
階下で「ドタッ」と不気味な音が鳴り響いた。

ヨメ子「バァバが転んだ！」
反射的に飛び起き、階段をかけおりて
廊下を右に曲がろうとしたその瞬間、
軸にした足が、つつつ〜っと滑った。


「ああっ、この感触は...」
スローモーションのように流れる廊下の手すり...
そして後頭部でシンバルが炸裂...


どのくらい時間が立ったのか。
心配そうにのぞき込むバァバの顔が目にうつった。
バァバ「こんなところで寝てると風邪ひくよ。」


去年もちょうど同じ頃、
深夜にバァバの凍ったお漏らしを踏んでころんだのであった。
その時の痛みと屈辱は、
しっかり体に刻んだはずであったのに、
またこの体たらくである。

それだけではない。今年は、
脳震盪をおこしてぼーっとひっくり返っているうちに
背中の温もりでお小水が解け、
パジャマにじんわりしみ込むいうおまけつき...

先頭 表紙

いつも、バァバの顔色をうかがい
不穏のきっかけを探しては、
芽をつんでまわるヨメ子。
その反動であろうか、まれに、
バァバで遊んでみたくなることがある。

廊下を歩いていると、ちょうど台所から這い出て来たバァバに行き会った。
バァバ「何にもなかったから、ちょっとおかずをつくっといたよ。」

昼食はおわったばかりである。
いつもなら「そう。助かるよ。ありがとうね。」
といってすますところだが、なんとなく虫の居所の悪かったヨメ子、
「ありがとう。で、何を作ってくれたの？」

一瞬、マメ鉄砲に打たれたハトのような顔をしたバァバ。
「机の上にあるよ。」
ヨメ子はガラガラと台所のガラス戸を開けて、
「何にもないよ〜。」
かたづけがすんで、ハシ立てだけがおいてある食卓を指差した。

バァバ「そういえば、冷蔵庫に入れたかな。」
ヨメ子「（冷蔵庫を開けて）さ〜て、どれかな〜。う〜ん、ないよ〜。」
バァバ「ちゃんと入れたよ。しっかりみておくれ。」
ヨメ子「何段目に入れたの〜？」
バァバ「上の方。」
ヨメ子「ないな〜。何にも。」

今日のヨメ子は意地悪だ。
バァバ「あるはずだがね。」
ヨメ子「いったい、何を作ってくれたのかな〜。」
バァバ「おかずだよ。」
ヨメ子「だから、何のおかず〜？」


バァバ「おかず、おかずって、煩いこというんじゃないよっ！
　　　　ばかやろうっ！　△○＊○!???##3#!!!!　
　　　　（扉に八つ当たりして）ガッシャン！」


怒りに体を震わせて去ってゆくバァバの
後ろ姿を見送りながら、ヨメ子はつぶやく。

「また、つまらぬことをやってしまった...（石川五衛門風に。）」

先頭 表紙

バァバの趣味は、台所でゴソゴソすることである。
食事は一切作れないが
手にとれる位置にある食器や野菜などを
右から左に移動することで
一家の主婦としてのプライドを保っている。

それゆえ、他の人間が台所でゴソゴソするのは許すことができない。
バァバにしてみれば、
食事は全部自分が準備したハズなのに、
ガタガタ台所で音がしているので、見に行くと、
何もできないハズの嫁がなぜか炊事をしているわけで、
こんな「理不尽」を、誇り高きバァバが許せるはずもないのであった。

食事を準備する度に、暴れ出すバァバに対し、
なだめたりすかしたり、様々な説得を試み、
そしてそのすべてに失敗し、
苦難の末にちほ〜家があみ出した必殺技
それは...

まず、食事の準備をしたい時間帯に
茶の間でバァバの好きなテレビをつけ、
ジィジに茶のみ話の相手をしてもらう。
バァバの気持ちが「食事の準備」からそれている間に
ヨメ子がこっそり台所に入り、音をたてないように炊事開始。

途中、バァバは台所を巡回にくるが、慌ててはいけない。
ちほ〜家の台所は、部屋の三方面がガラス戸となっており、
それぞれ、仏間・土間・茶の間への廊下に出られるようになっている。
バァバはたいがい茶の間の廊下側から入ってくるので、
その戸が開く前に、仏間か土間へ逃げればよい。
バァバが台所でゴソゴソはじめる前に、
すかさずジィジが玄関のチャイムをならす。
チャイムに反応しなければ、電話をならしてもよい。
音の正体を確かめようと、台所から出たバァバが
結局何もみつけることができないまま台所へ戻るまでの数分間、
ヨメ子は全速力で調理を進める。

以下、上記の要領で
食事ができるまで、繰り返せばよい。
全部準備がすんだら、なにげなく
ヨメ子「おかあさ〜ん。御飯作りたいけど、どうすればいいかな〜。
　　　　ちょっと、見にきてよ〜。」
バァバ「わかったよ〜。今いくよ〜。」


このような過程を経て出来上がる料理。
よく煮えてなかったり、はたまた黒焦げだったり、
毎度ひどいものである。
しかし直前までドタバタ運動しているせいか、
皆が皆、バクバク食べる。
「空腹が最高の調味料」ということか...

先頭 表紙

あっちでバァバに呼ばれ、
こっちではな子に呼ばれ、
大人気のヨメ子。
トイレにいくのもギリギリまで我慢して、
速効で用を足し、走って戻る。

そんなヨメ子に厳しい季節がやって来た。
冬、トイレに駆け込んで腰をドカッと下ろすと
「どおっひやぁぁ〜〜！！！」
なぜかいつも
暖房便座の電源が切れているのである。

お小水が凍ってしまうこれからの時期
便座の冷たさは、筆舌に尽しがたい。
ヨメ子　「ねえ、誰よ！暖房便座のスイッチ切る人は！
　　　　　冷たすぎて心臓止まっちゃうよ！」
ダーリン「おい、バァバだろう！毎度切ってるのは！」
バァバ　「だって、あたしゃ熱いのは苦手だよ。」
ダーリン「だからって、自分が出る時に切ったら、
　　　　　次の人が可哀想だろう。たのむよ！切らないでくれよ！」

こんな会話が冬の間、何度となく繰り返されるが、
やはり便座の電源は毎度切れているのである。


しかし、今年は違う。
なぜなら、バァバの足が出なくなったため、
茶の間の出口に専用のポータブルトイレを置いたのだから...

ところが...
やはり便座の電源が切れていて、
座る度に、心臓をハンマーで殴られるような衝撃を受けるのはなぜか。

ヨメ子　「ちょっと、一体どういうことなの？
　　　　　なんで、便座のスイッチが切れてるわけ？？？」
ダーリン「まさか、はな子がいたずらして切ってるのかな...」


するとテレビを見ていたジィジが何気なく
「そうか、はな子も切るようになったか。よしよし。
　節電は大事だからな。」

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田舎の一本道は、スピード違反天国である。
制限速度を守っているのは、トラクターのみ。
皆、親が危篤かとみまごうぐらいの飛ばしぶりである。

うちのボロ軽には、若葉マークのとなりに
「身障者が乗ってます」の青ステッカーが貼ってある。
後ろの窓からは、斜に積んだ車椅子が丸見えである。
おぼつかない運転ではあるが、ふんぞりかえってゆっくり走るのではなく、
流れに逆らわない様、制限速度オーバーで一生懸命がんばっているのである。

それなのに、
こんな可哀想な車を煽る輩がなんと多いことか！
絶対にやめて欲しい。
非常に危険である。



バァバ「ちょっと、ヨメ子さん。とばしすぎじゃないか？
　　　　荷物がガタガタいってるよ。」
ヨメ子「だって、後ろの車が煽ってくるんだもの。」
バァバ「なんだってっ！！！
　　　　ちょっと、車を止めておくれっ！
　　　　私が話をつけてきてやるっ！」


危ないこと、この上ない。

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新年早々、はやりの風邪で
バァバ以外は全員討ち死状態。
ひどい吐き気と下痢に苦しんでいる。
そこへ容赦なく打ちおろされるバァバの愛のムチ。
「全く、なにをダラダラしてるんだい！」

しかし、幸い１月であった。
ヨメ子「まだ三が日だよ。おかあさん。」
みんなが寝込んだ日からそのままになっている日めくりを指差した。
そこに大きく「２日」と書いてあるのをみて
「あっ、そうか。」


去って行くバァバの後ろ姿にほっと胸をなでおろす暇もなく、
次の問題が浮上。
ヨメ子「げっ、しまった！ 今日バァバの歯医者だ...」

ダーリンは痛む腹をかかえて、先程出勤。
ジィジとはな子は洗面器をかかえて、寝込んでいる。
ヨメ子も、10分おきにトイレに通っている始末。
運転中に粗そうでもしたら、どうしよう...


すると眠っていたかと思われたジィジが
沈黙を破って一言
「なんで、一番元気なやつを病院に連れていかなきゃならんのじゃ...」

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