2002-12-06 「瞬間」に立ち会う。
2002-12-05 intermezzo
2002-12-04 Mission-3　目標・Ｙ(ｚ)
2002-12-03 Mission-2.2
2002-12-02 Mission-2　目標・Ｎ
2002-11-30 Mission-1-2
2002-11-28 Mission-1　目標・Ｙ
2002-11-27 移動
2002-11-26 指令　「チーム　ニ　ゴウリュウ　セヨ」
2002-11-25 指令書　「ナンナンセイ　ニ　シンロ　ヲ　トレ」

まぁ、人生の中で立ち会う「瞬間」もいろいろあるでしょうし、そもそも人生は「瞬間」の連なりとも言えますが。

たった今、ひまちゃんがクリスマスモードになる瞬間を見ました。

ワケもなくうれしい♪です。


何か良いことありそうな……

今朝の「ズームイン」の占いはかんばしくなかったけれど……



会社からアクセスできるようになると、こんなこともあるのですね。(笑)

先頭 表紙

観光客のふり。

これは今回の重要なポイントでもある。

金○羅さんの「ふもと」まで行ってみた。
お参りが目的ではない。
実は次の目標は参道沿いにあるのだ。

だが、焦って侵入したところで逆に怪しまれるのがオチだ。
ここは時間にうるさいことで知られている。
また、そこでの作戦の目的は「採取」ばかりではない。
詳しくはミッションの報告で。

話はもどって金比×さんである。

本宮まで７８５段。奥社まではさらに５８３段。という長い長い階段と、そこをご主人の代わりに
お参りしたという犬の本当かどうかわからない美談が有名である。

画像を見て欲しい。
「１００段目」
本宮までであと６８５段残されている。

我々は後ろ髪を引かれる思いで、ここから引き返した。
登るだけの体力・気力が無かったわけではない。諜報部員をみくびってもらっては困る。
次のミッション開始の時間が迫っていたのだ。理由はそれだけだ。

先頭 表紙

早朝の出発から６時間あまり。

緊張を強いられるミッションが続き、さすがにメンバーに疲れが見えはじめる。
幸いなことに、次の目標は特別な行動を必要としない、「観光客の一見さん」でも充分通用する場所である。

エージェント・Ｆによると、それゆえに実は「知る人ぞ知る」的製造・供給元らしい。
つまり素人にも門戸を広げて陰謀を企んでいるのだ。
しかも素人に混じってプロも気軽に出入りできるという。

さすがだ。侮り難し、Ｙ。


同じ呼称の「Ｙ」が他にも存在するが、ここは通称「ＺのＹ」と呼ばれ区別されている。
Mission-1も「Ｙ」であったが、名称は異なる。
またそのシステムも大きく違う。
この「Ｙ」は、とてもにぎわってはいるが、これまでのように行列は成していない。
我々五人は早速アレを採取すべく一角に陣取った。

エージェント・Ｆの陣頭指揮でさっそく取引に入る。
難なく取引は成立。素人も相手にしているが故だろうか？
まぁいい。我々の目的はあくまでも「採取」なのだ。
そして、ここまで来れば、ここでのミッションは成功したも同然。
緊張で渇いた喉を潤すべく、エージェント・Ｆら複数のメンバーが飲み物の調達で席を立った。

その彼等が戻ってくる前にブツが目の前に用意された。

早い。早すぎるくらいだ、Ｙ。


そして、画像は「高温の方」
これとは別に「低温の方」もたっぷりと、常時用意されている。体裁は同じだ。
素朴さと太っ腹さを演出するとはなかなか。
だが、我々は用心深く「必要使用量」に留めることにした。
それがここでの礼儀であり、踏襲することで余計な疑惑を向けられることを避けるのだ。

ほどなくエージェント・Ｆらが戻ってきた。

私は彼等が手にしていたものを見て驚いた。

ま、まさか……それは……っ！！









「○ップ酒の容器では……！？；」(中身はお冷や)


侮り難し、Ｙ。

先頭 表紙

目標・Ｎでの取引は無事終了した。

前回入手できなかった、重要な構成パーツ「コードネーム・太筒」も、壮絶な争奪戦を切り抜け同時に採取。

この太筒。前回作戦時には、最後の一本を目の前でライバル国の諜報部員にさらわれ、という非常に悔しい思いをしたのを昨日のことのようにありありと思い出す。

今回、雪辱を晴らすことができてほっとした。
太筒を入手できたことで、ここでの作戦は大成功と言えるだろう。

作戦を終えた我々の立ち去り際になっても、アレを求める人並みは長々と続いていた。
彼等も無事採取できれば良いのだが…などと柄にもなくお人好しなことを考えたのは、
ここでの作戦が順調すぎるほどの成功に終わった余裕からだろうか。
移動車輌に戻る際、秘密製造基地・Ｎの象徴とも言える、カタチの美しい山をカメラにおさめてみた。

だが我々は忘れてはいない。
のんびりとした風景の中に、あの殺伐とした争奪戦の繰り広げられる取引現場が
あったということを。

そして、我々の使命はまだ終わっていないということを。

先頭 表紙

……はっ！？

ここは？　わたしは……？
どうやら敵の陰謀で二日間近く眠らされていたらしい。
今回に限り、命だけは助けてやる。ということだろうか。

なんたる不覚。
だがしかしここで怯むわけにはいかない。　私には重要な任務が残されている。

最初の目標・Ｙにて無事、アレの一部を採取した我々は次の目標・Ｎへと急いだ。
わずかな出発の遅れがＹでのタイムロスを大きなものにし、Ｎ到着予定もずれ込む予想となった。
Ｎはかなり用心深い。
その日予定されていたモノが底をつけば、大金を積んでも絶対に首を縦に振ることはないと言われている。
長年、懇意にしている顧客に対しても、だ。
そのためには少しでも早くＮとの取引に臨まねばならない。

今回の作戦を取り仕切っている最年少の彼(組織内では「エージェント・Ｆ」と呼ばれている)は、
過去に取引寸前でシャットアウトという煮え湯を飲まされたことがあるという。
その時刻が近い。
なのに、この人だかり。
遅々として進まない行列、進んだかと思えばまた停滞を余儀なくされる。
ここで万が一作戦に失敗すれば、後々の行動にも支障を来しかねない。
全メンバーの顔に隠しきれない焦りの色が浮かびはじめる。

我々は無事アレを採取することができるのだろうか……！？

先頭 表紙

こ…が…………我々………にゅ…手…………

……何？………………

え？………画…が……？

メ…モリ…は………ぶ…じ……？

……ぼ…害？　な……何が…？

退避……メー…デ………メ…デー……

………全員………………………

…離…脱……はや…く……！

………

　　………

　　　　………


かろうじて残っていた画像。
強力な妨害電波だろうか、ダメージが大きい。
やはり我々の存在に気づいていたのか……。

反省すべきところは反省して、次のMissionへと向かう。

忘れてはならない。我々の最大の敵は「時間」なのである。

先頭 表紙

最初のターゲットは「Ｙ」

ここを訪れるのは、実は２度目である。

前回は目標に到達するまでにかなりの時間を要した。
その時とは違って、この日は快晴であるものの、それ故に冷え込みが厳しい。
風も強かった。日影に身を潜めているとガタガタと震えそうなほどに。

左上の画像を見るとおり、この日も行く手を阻む群衆が………。
いや、この群衆に紛れ込むことができるからこそ、我々も怪しまれることなく目的に接近することができるのだが。

少しずつ行列が進み、敵要塞の全貌が間近に迫ってくる。

一見、ごく普通の民家を装ってはいるが、玄関先から道路に至るまで老若男女がたむろしたり、うろついたりしている。
中には小さな子供を連れている者も。
我々が一組の夫婦と行動しているように、彼等もカムフラージュのためなのか？
怪しまれぬようデジカメを構えたが、現場を収めるのはこれが精一杯であった。

前回よりは早く(それでもおよそ１時間弱経過したが)、要塞内部に潜入。
外の寒さとは別世界であるかのような気温と湿度。
ここで、あれが作られているのか……？

もうもうと立ち上る湯気の中、作業員たちが右往左往している。
まさか、我々の侵入を察知して臨戦態勢に入っているのか！？
一瞬、メンバーの間に緊張が奔る。しかしここで慌てては、我々の作戦成功も遠ざかってしまうだろう。
それだけは何としてでも避けなければならない。
群衆の流れに乗り、あくまでも一般人を装う。不自然にならない程度に。

どうやら我々の思い過ごしであったようだ。

あっ、あれは…！！　赤矢印参照


間違いない。我々のMission-1はあれが目的物だ。
「それ」を入手するには、ここを取り仕切っている人物と対峙しなければならない。
ほどなく私に順番がまわってきた。
彼は、作業責任者と「金庫番」を兼ねる、ここのナンバー２である。
さすがにこちらも緊張する。
怪しまれることなく取り引きできるだろうか。

先頭 表紙

ふたつの、大きく白い橋を渡る。

早朝のせいか交通量はまだ少ない。

中央ではいろいろとかまびすしい論議の対象となっているらしいが、今の我々には無関係だ。

遠景は白くかすんでいるものの雲ひとつ無い快晴である。

良い意味で我々の行く末を暗示しているのだろうか。

だが、１週間ほど前はこれほどの好天になるとは、いやむしろ、悪天候になるという予報だったのだ。

だから我々も天気ひとつで浮き足立ってはいけない。

あくまでも冷静沈着に。

作戦ははじまったばかりなのだ。

目的地は近い。

先頭 表紙

空港に降り立った私は、速やかに協力者のアジトへ移動した。
明日からの作戦遂行のため、短時間ではあるがここに潜伏する。
空には煌々と冴えた月。
天候には恵まれそうだが、冷え込みそうだ。装備の点検をしてから短い眠りについた。

　・・・・・・・・・・

翌04:00
起床
予想したとおりの厳しい冷え込み。夜明けはまだ先だ。

05:50
チームとの合流地点に指定された場所に到着。
ほどなくメンバーは集まりはじめた。
ひとりはこれまでも何度か任務を共にしたＰ。今回はＴ地区から駆けつけた。
初めて顔を合わせるＣとその妻は、目的地に近いこの地区で活動している。
お互い初対面であるが、同じ任務を遂行する同士なのだ。不安は無い。
それに、本物の夫婦が加わっていることで、行動上カムフラージュの効果は大きいと思われ、とても心強い。

４人揃ったが、今回のチームは５人である。

まだ現れていないひとりは、この作戦には欠かせない重要人物である。
彼はメンバー最年少であるが、今回の目的地である某西国の事情に精通し、土地勘に優れ、
更にそのキャラクターは作戦時の緊張を和らげてくれる。
ルートの確保も、移動手段も、前回同様彼に任せている。
だがその肝心の彼が現れていない。
何か問題でも発生したのだろうか？

４人の不安が膨らみはじめた頃、彼は無事現れた。
今回の我々の命運を握る銀の車輌を伴って。

この時点で当初の作戦開始時刻をわずかに遅れてしまった。
急がねば。
この作戦は時間との戦いでもある。
スタートの遅れを取り戻すべく、我々は急いで出発した。某西国へ向けて。

静かに作戦一日目の夜が明け始めていた。

　・・・・・・・・・・・

上：合流地点で迎えた晩秋の夜明け。
下：車輌内の準備が完全ではなかったため、急いでセッティングするメンバー。
　　少し間抜けに見えなくもないが、こういった行動は「一般の観光客」を演出する上では欠かせないのだ。

先頭 表紙

「某西国での情報収集」

それが一番最初に伝えられた指令だった。

指定の日時に、一般旅行客を装って飛行機に乗り込む。

シートに落ち着き、さりげなく周辺の乗客の様子をうかがう。
その多くはビジネスマンらしく、特に怪しいと思われる人物はいなかったが油断はならない。
自分だって「旅行客」として今ここにいるのだから。

定刻に飛び立った飛行機は順調に自動飛行状態に入り、いつものように飲み物のサービスがはじまる。
冷えた身体をコンソメで暖める。

空になった紙コップの回収も終わり、目を閉じてＭＤを聴いていると、ひとりのキャビン・アテンダントに声をかけられた。
「お誕生日おめでとうございます。またのご利用をお待ちしております。」

そう告げると、彼女は２枚のカードを私に手渡した。
女優Ｙのカードと旅客機のポストカード。
裏に返すと１枚には手書きのメッセージが書かれていた。

一見すると「バースデー割引」を利用した乗客に配るサービス品のようではあるが、実はこれが重要な指令書だったのだ。

ちなみに、この日は私の誕生日ではない。

先頭 表紙