娘に
「おとうさんのおじいちゃん(つまり、娘のひいじいちゃん)
てどんな人やったん?」
と聞かれて思い出しておりました
小さい頃、小学校から帰ってくると
いつも火鉢の前で、キセルでたばこを吸っていた
もの静かなじいちゃんやった
きついばあちゃんにろくに文句も言わず、
たばこをうまそうに吸っていた
小さい頃、いつだったか、じいちゃんに言われたことに腹を
たて、たまたま手にもってたねじ回し(ドライバー)
を、じいちゃんに向かって投げつけた
かんしゃく起こしただけなので、じいちゃんに当てるつもりはなく、
じいちゃんの方に向かって、じいちゃんのあしもとの畳めがけて
投げつけた
「あ痛!」
ドライバーはじいちゃんのあしもとに飛んでいき
じいちゃんの足の甲にあたって、すりむけて血が出た
「なんちゅうことするんや!」と
母親が台所からものすごいケンマクでかけよってきて
尻を何発もたたかれた
けれど、じいちゃんは「あ痛!」
っと言っただけで、怒りもしなかった
もの静かなじいちゃんだった
あの時、じいちゃんにあやまったのかどうかも
今は覚えてない
そういえばあの火鉢、いったいどこへいってしまったんだろう…
じいちゃんの写真が仏壇のある座敷に掛かっている
そしてじいちゃんはあの頃と同じような、物静かな面もちで
毎日写真の中から、孫のわたしと、
ひ孫の娘たちを見守ってくれている
今日も、明日も、ずっとずっと… |