眠りにつく前。
常夜灯のぼんやりとした明かりの中で、ムスメと私はよく話をします。
今もI(あい)は幼稚園での事を教えてくれました。
「今日ね、アユちゃん(仮名)に一緒に帰ろうって言われたの。」
「ええ!初めてじゃない?良かったねー。」
「うん。いつもはあたしのこと大嫌いなんだけど、ときどき大好きなんだって。」。
ずるっ。
いつもは大嫌い。なんて、少女らしい残酷な言葉なのに。
ときどきでも大好きになって貰えたって事はムスメにとっては嬉しい出来事だったようです。
実は親の私にとっても、嬉しい一言でした。
アユちゃんと言えば、今までムスメのストレスの一因だったから。
「私が何かしようとするとすぐにアユちゃんがダメって意地悪するの。」。
悲しそうな顔でこの台詞を言うムスメを、何度見てきたことか。
人から拒絶されるという、初めての経験に戸惑っていたI(あい)。
一度、アユちゃんのママと話してわかったのだけど。
アユちゃんはクラスのナナちゃん(仮名)が大好きで、ナナちゃんしか目に入ってなかったみたいなのです。
うちのIは人見知りを全然しないので、多分、ナナちゃんとも気軽に話していたのでしょう。そしてナナちゃんと二人で一緒に遊んでみたりして。ムスメにとっては自然の成り行きでも、アユちゃんとしては、大事なナナちゃんを取られそうで必死だったのかもしれません。
だから。
「いれて。」「だめ。」。
そのアユちゃんがようやくムスメを受け入れてくれたのです。
ときどきでも。
「大好き。」。
小さな一歩だけど。
お友達に認めてもらえた。
これからもこういうことを積み重ねて、成長していくのでしょうけど。
こころがほんのりあたたかくなる話でした。
※女の世界はシビアなのに・・・。こんなお調子者で大丈夫? |