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揚水の「人生薔薇色計画」

僕のハンドルは「ようすい」ではなく「あげみ」と読みます。表記はaghemiとしています。

妻の海月は「くらげ」と読みます。



ふりぃのかうんた

yesterday ふりぃのかうんた today ふりぃのかうんた


自分が何者であるか今よりももっとわからず身悶えしていた学生の頃、何をしたらいいのかについて友達と話しに話した。
結論は出なかった。どころか何をしてもいいんだということにすらなった。
ただし、本当に何をしてもいいというのではなかった。
一つだけ基準がある。
それは俺の、俺たちの、ひいてはほかの人たちの人生を薔薇色にするか、その一点。
時々それを思い出しては行動する。
それが僕たちの人生薔薇色計画。



    よそいき仕事日記   

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2003-07-09 ふたつの初めて
2003-07-06 つまびら、か
2003-06-26 後始末
2003-06-25 そうしてわたしは思い至るのです
2003-06-21 ゴライアテ
2003-06-15 その厚み
2003-06-15 集合における必要条件と十分条件
2003-06-15 愚者
2003-06-14 校庭の加賀くん
2003-06-14 いきしちにひみいりゐ


2003-07-09 ふたつの初めて

海月は最近仕事がとても大変なようです。
疲れています。

電話が掛かってきて話を聞くところ、何も食べる気がしないと言うのです。

僕は夜勤明けでだらだらと起きて本なぞ読んでいましたが、「心配かけてごめん、でも来なくてもいいから」と言って電話を切った彼女の家まで、途中スーパーに寄って出掛けていきました。

ニジマスを買いました。

生まれて初めてお金を出してアワビを買いました。
僕にとってアワビというものは、父親が潜って採ってきてくれるものでした。
買うものだとは思っていなかった。
 
生まれて初めて生のさくらんぼを買いました。
これまで人からいただいたことしかありませんでした。
買ったことがない。

ニジマスは液体胡椒、荒挽き黒胡椒と白ワイン、牛乳と赤玉葱、マイタケをぶち込んで蒸します。
アワビは刺身でバルサミコと米酢、醤油、ワサビ、大葉と和えます。
玉葱とマイタケは海月のお父さんが作った味噌で味噌汁、隠し味はアワビのえんがわとでも言うのでしょうか、身の周りのビラビラしたところを刻んで出汁替わりに。
ご飯は玄米と黍。これは海月が炊いてくれていたもの。

そしてデザートはさくらんぼ。

ずいぶん久し振りに彼女にご飯を作りました。
そもそも料理すること自体久し振り。

調味料の分量の加減に対する勘が鈍っていました。
白ワインは多すぎる、マスに下味の塩をしない、バルサミコはこれまた多すぎる。
敗因だらけ。
しかし不思議と瓢箪から駒、どれもみな美味かった。

愛おしくてたまらない人においしいものを食べさせられてとても嬉しい。
僕は嬉しい。海月も嬉しい。
そして僕は自分の部屋に帰るのです。

気持ちよかった。
とても。

先頭 表紙

あわびってめちゃくちゃ高いのよ、おじさんもうびっくりだわ。庶民の味方閉店前のタイムサービスがなければ躊躇したわいな。たぶんタイムサービスで半額になってなくても買ったは買っただろうな。でも躊躇ったね、ボンビーなあたくしは。僕の料理はね、ハニーさんに聞けばわかると思うけど玄人っぽいっつーより適当よ、テキトー。 / 揚水 ( 2003-07-12 00:35 )
そうですね、フローラさん。いつもいつもそんな食事が出来ればいいのに。いまはまだ。 / 揚水 ( 2003-07-12 00:31 )
美味しかったですよ。でも彼女はまだ疲れていそうです。なんとかしてあがられればいいのに。今は僕に出来ることはこのくらいしかない。 / 揚水 ( 2003-07-12 00:30 )
病気ではないのです。疲れていたのです、ありがとうございます。でも僕の愛し方はそっけなくないぞ。鬱陶しいくらい。 / 揚水 ( 2003-07-12 00:28 )
ふふふ、夢樂堂さん、あなたからそんなことを言っていただけるとは。汗顔の至り。 / 揚水 ( 2003-07-12 00:27 )
あ、あわびってめちゃくちゃ高いことない?頑張ったねー。しかも料理が玄人っぽい。液体胡椒って何?おいしそーう。夕食食べたばっかなのにお腹がすいてきた。料理は愛をこめてつくれば何だっておいしいし、いくら高価な食材使ってもいやいや料理したらまずい。そうゆうもんだよね。 / もげんぴ ( 2003-07-11 22:45 )
結婚して、食べることが本当に楽しくなりました。 ふたりで食べることのしあわせ、何よりの贈りものだね。 / フローラ ( 2003-07-10 14:56 )
バルサミコ酢とお醤油って合うんだよね。美味しそう。良かったね、手作りディナー。また元気で頑張れるね。 / みるみる ( 2003-07-10 10:43 )
ああ病気ではなかったのですね。疲れているときは、してもらうのがうれしいですよね。時にこちらが弱っているのに、見舞いと称してさらに壊していく人がいますが、少し足りないくらいのそっけなさっていうのも愛ですね。 / 闇猫 ( 2003-07-10 08:43 )
誰も作ることの出来ない魔法の調味料、これが一番ですね。 / 夢樂堂 ( 2003-07-10 07:24 )

2003-07-06 つまびら、か

まだ首の据わらない赤ん坊をあやしてるお爺さんと道端ですれ違う。
あまりのこぼれんばかりの笑顔につられて笑って見ていると、彼はこちらに気付いて会釈をくれる。
会釈を返す。
赤ん坊に我がないのでもないだろう。むしろ赤ん坊にも我はあるに違いない。
我を張る能力にいまだ欠けているだけなのかもしれない。けれどまだ人間になっていないその生き物は目立って我を張ることはない。
それを見ている者は自分も我を張ることが少ない。

裏山に麻が生えている。
当然ただ生えているのではなく、誰かが植えたに違いない。
周りの草を刈りいい土をくれて肥料を与えた痕跡まである。
魔法の草を使ってまで開放されたい者が望む境地は、逃れるのは自分の我からか他人の我からか。
逃れるのでなく別の場所に行くことを望むものか。

息子は母親の介護を訪問介護にくる他人に任せたい。
母親は摂食もままならず週に二度栄養点滴を受ける。
風呂に入りたくてたまらない。
肩まで湯船に浸かりたい。
心臓が弱く近頃では肺炎の気もある。
息子夫婦は母親を風呂に入れることはしたくない。
任せている他人がやってくれればいいと思っているしそう口にする。
「死んでもいいから風呂に入れてくれ」と母親は言う。
「死んでもいいから風呂に入れてくれ」と息子も言う。
それが出来ない担当者はもう来てくれるなと息子は言う。
訪れて要請される者は結果として人を殺すことになるかもしれないことをするのは当然躊躇われる。
母親は自分が無理を言っていることは承知している。
息子は自分が無理を言っている自覚はきっとない。
みんなが少しずつ我を張り合ってその糸が絡まりあう。
事態は硬直する。
「あたしは業が深い」と彼女は嘆く。

みんな首が据わらない姿で生まれてきた。
何も知らない無垢な姿こそが美しいのだとは言わない、考えない。
人と関わるからこそ人は人でいることとなる。
「あたしは業が深い」と彼女は嘆く。

まだどこを見ているとも定かではない赤ん坊の視線。
視線の先にはその子がやがてもまれるであろう波。
穏やかなものも荒れ狂うものもあるであろう、波。
波、波、波。

波にもまれてやってきた老婆が口にする言葉。
彼女は麻を焚いた煙を吸引したことはない。
そんなことをせずとも彼女は充分、
「あたしは業が深い」

わたしたちを照らす闇と、見ようとするものを隠す光。
業が深いのはなにも彼女ばかりではない。

見えるから見えているとは限らないし、見えないから見えてこないとも限らない。
見ようとするものを隠す光と、わたしたちを照らす闇。
詳らかなのは闇ばかり。
安らかな暗闇。

先頭 表紙

ご本人が希望されることと、それがご本人の体にとっていいことなのか悪いことなのか。そこいらの判断はケースによってまちまちで一概には言えないのでしょうね。 / 揚水 ( 2003-07-10 23:41 )
ハニーさんのご母堂は偉大だ(笑)。 / 揚水 ( 2003-07-10 23:39 )
わがオヤジ殿、体が大分弱っている時に、家族の反対をよそに夜中に風呂に入っていました。皮膚感覚が弱くなっているためかなり暑い湯、やはり入らせたくない。 / 夢樂堂 ( 2003-07-07 11:09 )
おお、とうとう始めたんだね。私達は今「八月のキリン(発泡酒)」にはまってるよ。うちの子最近めっちゃくちゃ我が強くて(というか性格が激しい?)自分の思いどおりにならないと、全身全霊から怒りのオーラを吹き出して怒るんだけどその姿がきゃわいいのなんのって。ハニーのお母さんも「(ハニー)の小さい頃と一緒」って、目を細めてるよ。 / もげんぴ ( 2003-07-06 10:29 )
ずいぶん下の記事のもげんぴさんに対する返事ですが、七月に入ってから酒もタバコも買ってない。くれる人からもらって吸ったりはするけど、何しろ買うのも自分から吸うのも止めた、とりあえず。いつまで続くか。 / 揚水 ( 2003-07-06 02:20 )

2003-06-26 後始末

いくつも並んだステンレス製の扉のひとつが上下に開かれる。
熱気が噴き出す。

ついさっきまでおばあさんのカタチをしていたモノが載せられていたストレッチャーが曳き出される。

カルシウムに還元された骨片。

二人一組にされて箸でその骨片をつまみ、壺に収める。
小さくなってしまったおばあさん。こんな小さな壺に収まってしまう。
係の黒衣の男がつつましやかに、けれど有無を言わせぬそ知らぬ顔で、壺の口を通らない骨片を砕く音。
誰一人その音が気にならないかのような素振り。

僕はおばあさんだったモノが焼かれている間、扉と扉の間の低い位置にある穴が何なのかずっと考えていた。

一通り遺族が箸での遺物の移動を終えた後、黒衣の係に替わって作業着のおじさんが現れた。実にさりげない様子で。
黒衣よりも余程目立たない儀式の黒子。

おじさんは刷毛とステンレスの大きな塵取りで箸には扱えなかったおばあさんの欠片を手早く掃き集め、壺に注いだ。
がしゃがしゃと骨片と骨粉を掻き集める様子にみな一様に驚いている。多分。

けれど誰もそれを口にしない。

遺族は黒衣に促されてその場を離れる。

僕は刷毛でもまだ集められなかったおばあさんの一部だったものが気になっている。
そして、まだ穴のことも気にしている。

おじさんは刷毛と塵取りを、彼が押してきたステンレスのワゴンに収納し、ホースを取り出した。
驚いたことにホースを穴に差し込む。そしてそこにあることに気付かなかった、穴のずいぶん上方にあるスイッチを入れる。
ごう、と音がする。
掃除機だ。

ごうごうと誰か知らない人だった、人々だったモノが焼かれる音にかき消されてはいるものの、その掃除機の音も大層なものだった。

ああ、そういう仕組みだったのか。
働くおじさんの背中を見ながら、僕は合点がいった。

遺族はぞろぞろと控え室に戻っていく。

ひとり従妹が泣いている。
どう表していいかどこにぶつければいいのかわからない怒りを視線に溜めて、掃除機のホースを眺めながら。

僕はそれを見ている。
従妹の視線に比べてあまりにも無機質な自分のそれに、正直戸惑っている。
自然怒りは自分自身へと向かう。怒らない自分に。
怒れない自分に。

僕はただ見ている。

先頭 表紙

かける言葉もないです。仲のいい、人でなくても生き物が死ぬのはつらいですね。何も言えなくてごめんなさい。 / 揚水 ( 2003-07-02 23:18 )
ディティールは、異なるかもしれませんが実話を元にした作り話です。そりゃないぜってことが実際にあるのです。 / 揚水 ( 2003-07-02 23:16 )
昨日、実家の犬が死んじゃった。十五年半生きた。私が実家に到着するほんの前に死んじゃったみたい。今日母が火葬場につれってってくれたよ。私にとって兄弟みたいなものだったからとても辛いよ。 / もげんぴ ( 2003-06-30 20:14 )
コレって実話?随分沢山の火葬場に行ったけど、最後に掃除機様の物でというのは初めて。ソリャナイゼって感じだけど。 / 働くおばさん@kotarou? ( 2003-06-26 21:56 )

2003-06-25 そうしてわたしは思い至るのです

そうしてわたしは思い至るのです。
結句わたしには他人を慮ることなど出来ないのではないか、と。

水洗便所に排便します。
便器の水溜りにわたしの大便が落ちる。

大便は滲んだように水に溶け出しています。
どこまでが便でどこからが腸壁から剥がれ落ちた腸粘膜なのか判然としません。
あまり体調がよろしくないものと思われます。


店が退けて客の若い女三人と後輩とで飯を食いにいくことにした。
俺の四駆は後輩に運転させた。飲酒運転で捕まるのなんか真っ平だ。
後輩は馬鹿だ。馬鹿だからこいつが捕まるのは一向構わない。
馬鹿の上に運転も下手なので運転席のシートごとガンガン蹴った。
「危ないっすよ」
奴は不平を言ったが「そいつは俺の台詞だ、この下手糞!」と怒鳴って黙らせた。
それを見て客の女たちはきゃいきゃい笑っている。
煩い。
こいつらも馬鹿だ。
だが客は金を落とす。だから蹴らない。
後輩は俺に金を払う訳ではない。だから蹴る。
そこまで思い至ってかなり腹が立った。だからまたシートを蹴った。

「何食います?」
後輩がミラー越しに愛想笑いを浮かべて訊いてくる。
「あたしお寿司が食べたい」
「寿司かよ」
「えー、いいじゃない、ねえ」
「ねえ、いいんじゃない」
「ふん、そんじゃまあ寿司にするか。回るヤツでいいよな、おい寿司屋だ寿司」
「はいはい、寿司っすね」
「『はい』は一回でいい」
また蹴った。
後輩の目の中に憎悪の光がちろりと燃えた。


その人は端座して食事をしていました。

わたしは彼のその姿を見て、ああ、負けた、と思ったのです。
やはりわたしは負けていたのです。それを思い知りました。


開いている回転寿司の店を探して回った。
ホストクラブが終わる明け方に開いている店なんかそうそうあるはずもないのはわかっていたが、店が見つからないのはお前のせいだと後輩に当り散らした。
そうこうするうちに朝帰りと呼べる時間は過ぎようとしている。
「まとも」な時間に動く「まとも」な連中が動き始める時間になりつつあった。

いらいらする。

なんとか店は見つかった。
後輩はシートを蹴られずに済んだとばかりに安堵した表情を見せた。
それに腹が立って、駐車場に入って車を降りる直前にまたシートを蹴った。
「勘弁してくださいよお」
後輩は笑って言った。目は笑っていない。

いつか俺はこいつに刺されるだろう。

奥のボックスに陣取って、五人で大騒ぎしながら寿司を食った。
昼近くまでだらだらと長居した。


その人は一人で店に入ってきました。
足をゆっくりと小刻みに動かし、歩みは鈍いながらそれでも確実に歩いている、そういう風情で。

よく洗ってはいるようですが、着ているものはみすぼらしいと言っても構わないでしょう。
カウンター席の一番隅にひっそりと腰掛けて、ズボンのポケットから剥き出しの千円札を二枚取り出し、カウンターの上に丁寧に拡げました。
自分の持ってきたお金の金額に間違いがないか確かめているかのようでもありました。
そうして多分自分の予算を計算しつつ、慎重にゆっくりと食事を始めたのです。
背が曲がっているにもかかわらず姿勢正しく。

思うに。

何週間に一回、或いは何ヶ月かに一回、彼が自分自身に許した贅沢なのかもしれません。
彼がどういう人生を歩んできたどういう人物なのかわたしに知る由もありません。


「何見てんの?」
俺の視線の先に女の一人が気付いた。
「あのじじい? きったないじじいねえ」
「めちゃ貧乏臭えな」
「どれ? ああほんとだ」

俺はものも言わずに連れの四人をぶん殴った。

先頭 表紙

あ、みるさんへのお返事がぬけた形になってますね。酩酊はしてましたがそこまで腸はおかしくなってませんでした、だいじょうぶです、ありがとう。 / 揚水 ( 2003-07-06 02:15 )
ですね、暴力反対に賛成。 / 揚水 ( 2003-07-02 23:14 )
いや、いい子っつーか、アンビバレンツかなんか知らん、いちばんヤなヤツでしょう。じいさんとは一番遠いところに居る自分に腹を立てて同類に暴力ふるおうってんですから。 / 揚水 ( 2003-07-02 23:14 )
ぷららさん、「俺」の煩悶はこれからです。 / 揚水 ( 2003-07-02 23:12 )
暴力反対。 / もげんぴ ( 2003-06-30 20:15 )
えーと、誤解を招いているとしたらごめんなさいね。「俺」は僕じゃないですからね、取り急ぎ悪しからず。 / 揚水 ( 2003-06-26 09:59 )
揚ちゃん、酩酊してたの? それよりも腸炎にならないようにね。あみすけ、かなり辛そうだったよ。 / みるみる ( 2003-06-26 09:47 )
類友なんですから、ダメですよ〜自分だけイイコしちゃ〜。じいさんからすれば5人とも全部煩い客。 / 闇猫@嗚呼最近の若いもんは・・ってか? ( 2003-06-25 12:25 )
あー、スッキリ♪   / ぷらら(^▽^)v ( 2003-06-25 12:13 )

2003-06-21 ゴライアテ

巨人を倒すこと適わずとも、巨人をしげしげ見ることは前よりも覚えたかもしれない。
少なくとも、昨日よりは。

今朝もまた日が昇る。

明日になればまた僕の眼は掻き曇り、見えたものが見えなくなるかもしれない。
そして次の日にはまた数日前より見えるようになり、またその次の日には見えなくなるかもしれない。

その繰り返しで、少しずつ、少しずつ、ただ巨大であるとしかわからなかった巨人の容貌が、僕の眼に映るようになっていく。
僕は巨人に近づいたり離れたりを反復する。

倒すのはまた今度にしよう。

今度が確実にあるいは即時にやってくるかどうかは、また別として。

先頭 表紙

デイヴィッドは石を投げる。投げる。 / 揚水 ( 2003-06-26 09:57 )
石を投げようとするあの憂いを含んだまなざしと、美しい肉体が目に浮かんできたわ。 / ど〜にゃ ( 2003-06-25 22:36 )
はいな、さにゃえさん、ありがとうございます。 / 揚水 ( 2003-06-25 06:15 )
もげんぴさん、答えようかと思ったらさにゃえもんさんが上手く言い当ててくれました、そういうことです。それとゴライアテは巨人ゴリアテですね。 / 揚水 ( 2003-06-25 06:14 )
原巨人ではないですね、少なくとも。 / 揚水 ( 2003-06-25 06:13 )
私は自分で商売をしてるのね。 何だか読んでいて自分の未来に対する姿勢を代弁してもらった気がしたよ。 お互い巨人に挑んで倒せる未来になりますように。 / さにゃえもん ( 2003-06-24 21:09 )
私もそれ、ききたい。それと、ゴライアテって? / もげんぴ ( 2003-06-24 14:06 )
この巨人はどういう巨人なのでしょうか。 / 夢樂堂 ( 2003-06-23 07:34 )

2003-06-15 その厚み

久しぶりに新聞なぞ買ってみる。

アウン・サン・スー・チー氏拘束に絡んでパウエル米国務長官が、ミャンマーの軍事政権が自身の最高意思決定機関を「厚かましいことに国家平和発展評議会と名づけている」と指摘、批判との記事。

どの口が言う?

ミャンマーで起こったことの是非はともかく、世界で一番の軍事大国、世界一の軍事政権の強権発動恫喝国家の中枢に居ると自分の面の皮の厚さには無頓着になるらしい。

なんて人のことを言うのは簡単だから、僕の面の皮もきっと分厚いのに違いないやね。

先頭 表紙

わたしはパウエルさんについて何も感じるところがなかったので、意外というより当然かと思いました。 / 揚水 ( 2003-06-25 06:12 )
はい。海月さんは大丈夫なようです。ありがとうございます。 / 揚水 ( 2003-06-25 06:12 )
どうでしょう? 僕なんか権力のかけらも持ち合わせてはいませんがかなり厚かましいですからねえ。厚かましいというよりも、「偉い」んでしょうかねえ。 / 揚水 ( 2003-06-25 06:11 )
はい、またよろしくお願いします。 / 揚水 ( 2003-06-25 06:09 )
多すぎますね。 / 揚水 ( 2003-06-25 06:09 )
またかって感じ。ほんっと棚に上げまくってるよねー。でもパウエルさんがそんな発言をしたとは意外だった。 / もげんぴ ( 2003-06-19 22:20 )
誰でも初心忘れべからずよね。。つっこみご無沙汰していましたが、海月さん具合大丈夫ですか?お大事に。。 / みるみる@Atelier ( 2003-06-16 23:55 )
権力と暴力にうしろだてされた人間は、やはり厚かましくなってしまうのでしょう。 / 柏原真言 ( 2003-06-16 14:28 )
浮上してきました。また、よろしく。 / 風歌@ありがとうございました ( 2003-06-16 07:25 )
何をかいわんや、そういうの多すぎるね。 / 夢樂堂 ( 2003-06-15 22:52 )

2003-06-15 集合における必要条件と十分条件

で。
偶然が必然に含まれるのか、必然が偶然に含まれるのか。
偶然も必然も、言葉を使って線引きするから線の引けない部分に矛盾を感じる訳で。
もともと線の引けないところに線を引くことから無理が起こる。

線を引く、という時人は言葉を使う。

もともと言葉はなにものかとなにものかを区別することで、世界を現そうとするために編み出された道具であったかもしれない。

人が世界を知る手掛かりは類似よりも差異であった方が判りやすい。
類似にしてもそれは同一ということではない。
だから言葉が物事に線引きをするのは当たり前と言えば当たり前。
ということは人は言葉を使うことで、物事に線を引いてしまう。

けれど、だから、言葉は世界のほんの一部であって世界に含まれているものだから、世界が言葉に含まれることはない。
言葉で世界を計ろう、括ろうというのは土台無理な話。

無理を承知でもう少し横車を押す。
黒は白に含まれるのか白は黒に含まれるのか、あるいはその逆か。

黒白(こくびゃく)ばかりでなくグレーゾーンもあり。
もっと言うなら黒は一番暗いグレーで白は一番明るいグレー。
黒も白もその中間のグレーに含まれてしまう。
かなり無理なこじつけ。

そのこじつけもある事象をある時点である視点で眺めた時に成り立つ仮定のものであって、そこに時間の経過が加われば事はよりいっそう複雑になる。
過去を思い浮かべて顔を赤らめるのもしかめるのも微笑むのも、その複雑さゆえに、か?

無理を承知でさらにもう少し横車を押す。

蓋然性。

この世に必然も偶然もその別もなく、ただそこにあるのはそれらをも含めた蓋然。

蓋し世は事もなし。

しかしわたしは自身の過去に恥じ入る、こともある。

先頭 表紙

お二方はかなりまともに受け取ってくださったようですが、ああも言えるこうも言えるで、僕はいったい何が言いたいのかわかりにくいですね。でもまあ、そういうことですかね。 / 揚水 ( 2003-06-25 06:08 )
確かにカテゴライズしちゃった方が楽ちんだもんねー。ビョークの歌の中に「全ての物事は点と線でつながってる」っていうような歌詞があるんだけど、私もそう思うよ。 / もげんぴ ( 2003-06-20 14:51 )
人間は楽な方に進みたがるので、どーしても物事を分けたがる。分けたら分けたで曖昧を主張する。そこが人間の良いと子でもあるんですが^^;。 / あみすけ@未完全復帰 ( 2003-06-15 11:16 )

2003-06-15 愚者

「これは執着(しゅうじゃく)である。ここには楽しみは少く、快い味わいも少くて、苦しみが多い。これは魚を釣る釣り針である」と知って、賢者は、犀の角のようにただ独り歩め。

愚者ゆえに苦しむことを知ってなお彼女を想い煩悶する。

彼女と離れることを想い苦しく感じ、彼女と近しいがゆえに彼女の苦しみを想い愁う。

わたしは生まれてこのかた十数年来性交を経験していますが、
まだ一度も
妊娠を経験していません。
三十二年間も妊娠を経験していません。

わたしは僕であって俺であるわたしですから、きっとこの先一度も妊娠を経験せずに滅んでいくことでしょう。

僕からは経血が流れ出ることが、ない。
きっとない。一度もない。

わたしはだから哺乳したことがない。
わたしはだから子を産むことがない。
わたしはだから自分で産む子供を殺すことがない。
わたしはだから自分で産む子供を抱くこともない。

僕からは経血が流れ出ることが、ない。
きっとない。一度もない。

わたしに至るまで連綿と続いた命の鎖も、
わたしがわたしであるために今断ち切られている。

わたしはだから哺乳したことがない。
わたしはだから哺乳することがない。

愚者であるがゆえに、愚者であるにもかかわらず、
わたしが自身子を産むことはない。

わたしはわたしで終わってしまう。
愚者であるにもかかわらず。

どこまでも、独り。
わたしはそれでも恥じない。




『ブッダのことば −スッタニパータ−』
伊藤比呂美 『Shamanic』・『カノコ殺し』
より引用・参照箇所あり

先頭 表紙

ああくそ畜生と思うことも多々ありながら生まれてきたことに感謝しています。お母さん僕を産んでくれてありがとう。 / 揚水 ( 2003-06-22 07:24 )
でも僕らは産めないんです。それはもう厳然と。だから僕やハニさんは海月やあなたに恋をするのかもしれません。 / 揚水 ( 2003-06-22 07:20 )
悔しいんですよ。勃つ自分も萎える自分も。チンコおっ勃たててほーらほらなんて絶対に言えない巨根神話嫌いの僕にはうってつけですし、チンコおっ勃たてて喜んでる僕を打ちのめすにも十分です。彼女の詩を一度しっかり読んでみてくださいね。うらやましいとは絶対に思わないと同時に強烈にうらやましいと思いますよ、マンコ持った性を。 / 揚水 ( 2003-06-22 07:18 )
伊藤さんは詩人です、りょうさん。彼女の詩を読むと悔しいんですが勃ちます。勃起します。でもさらに悔しいかな、萎えるんです、半勃ちの半萎え。気圧されて。それがまた悔しい。僕も彼女の詩の本は一冊しか持っていません。比較的手に入れやすいと思いますよ、「現代詩文庫」の伊藤比呂美、探してみてくださいね。 / 揚水 ( 2003-06-22 07:18 )
ハニーは、私とつきあう前から「出産したい」って言ってて、それが私の中ではすごくポイント高かった。ふつう男の人ってそんなこと思わないよね。出産できなくってラッキーぐらいのこと思ってるんじゃない?かなり脱線してるけど。 / もげんぴ ( 2003-06-20 14:55 )
伊藤さんは詩人ですよね。そういえば良いおっぱい悪いおっぱいも読みましたが、、詩の深さに驚きます。(エッセイは豪快で勇気をくれますよね。) / りょう ( 2003-06-15 23:14 )
伊藤比呂美さんの本は”コドモより親が大事”という一冊しかしらないのだけど、こうしてネットで伊藤さんの詩に触れるたびにドキっとしますね。ぜひ一度読みたいです。何かの本で赤ちゃん(子どもだったかな?)の言葉が詩の原点!と書いてある記事を見ました。 / りょう ( 2003-06-15 23:11 )

2003-06-14 校庭の加賀くん

肯定の科学、否定の反対のサイエンス。うしろばかり見ている人間はけして前には進めない。皇帝の雅楽、ひとにぎりの人たちだけの愉しみ。華やかな世界の陰には、必ず踏み付けにされている人たちがいる。
校庭の加賀くん、ひとりぼっち。彼を傷つける理不尽な何者たちかすべてと、静かに闘っている。




今年の夏は、特別暑かった。いや、まだ過去形にはできない。夏休みは終わったというのに、この暑さはいったいなんなんだろう?
あたしが物心ついた頃から、テレビはいつも異常気象だ異常気象だとうるさい。特に夏。毎年いつものことを異常と呼ぶなんておかしいんじゃない? いつもと違うからこそ“異常”なんじゃないだろうか。毎年こんなに暑くっちゃ、異常でもなんでもないわ。そういうことが起こるのが少ないからこそ異常と呼べるのであって、いつもいつものことなら、それは正常なんじゃないのかしら。それとも日常とでも言うのかなあ。どっちにしても、毎年起こることを異常気象と呼ぶのはおかしい。そんなこと、ガキのあたしでもわかるっていうのに。夏の暑さに、必ずと言っていいくらい毎年大騒ぎする大人たちはいったい何を考えてるんだろう? 夏は暑いに決まってるじゃない。それとも昔は夏が涼しかったとでもいうのかしら。バカじゃない?

でも今年の夏は、特別暑かった。
これを異常気象と呼ぶのなら納得がいく。そういう暑さだった。そして大人たちが毎年今年は特別に暑いと騒ぐのが本当だというなら、どんどん暑くなっているんだ。あたしはまだほんの15年と少ししかイキテいないコドモだ。夏が涼しかった昔のことなんて、知らない。
でももしそうだというのなら。このままだと今はまだコドモのあたしが子供を生むようになる頃、人は夏、街で暮らせなくなっているんじゃないのかなあ。
夏休みが終わって久しぶりに顔を合わせたミツコにそのことを言うと、まじめな顔で「何バカなこと考えてんの?」と言われた。
ミツコが大きな声であたしを笑うのを聞いて、ヨウコやカオリも寄ってきた。
「なになに? どうしたのさ」
「だってショーコが変なこと言ってんだもん」
「だから、何よ?」
ミツコは街頭演説でこの国を憂える政治家のような口調で、あたしの言葉を二人に披露した。
「今はまだ子供のわたしが子供を生むようになる頃、人は夏、街で暮らせなくなっているのではないだろうか?」
「そんな風に言ってないよお」
あたしが軽く抗議すると、ミツコは言った言ったと笑いながら繰り返した。
「何それえ」
「ショーコちゃんってば、まっじめー」
「そんなことあんたが考えなくったって、そのうち誰かが何とかするわよ」
あぶないあぶない。あたしはどうもおかしなことを言ってしまったようだ。気をつけないと。
気をつけないと、加賀くんになってしまう。

先頭 表紙

もげさん、ショーコは本能的に自分をマジョリティーの立場に置こうとしているんでしょうね。それだけ見て彼女を非難するべきではないでしょう。彼女が自分の中にある他者との差異、マイノリティーの芽に気付いたときにどうするか、でしょう。孤でなく個。でもそんなことはお構いなしにきっと彼女は彼を知ろうと欲するでしょう。 / 揚水 ( 2003-06-15 12:02 )
彼女が彼を識った分だけまた彼も変わっていくからです。でもそれでもいいのかもしれませんね。大事なのはわかることではなくきっとわかろうとすることなのですから。 / 揚水 ( 2003-06-15 11:55 )
ショーコは、「衆」を志向し、指向しています。だからきっと加賀くんがわからない。加賀くんは得に「個」を指向するのでもありませんが、いかんせん「これはこうなんじゃないの、こうあるべきはずなんじゃないの?」ということに拘泥するあまり孤立します。それは個とは似て非なるものです。孤、ですね。いつかショーコは加賀くんをわかろうと欲するかもしれませんが、彼女に彼は永遠にわからない。 / 揚水 ( 2003-06-15 11:55 )
マイノリティーは「変わり者」とひとくくりにされちゃう日本。マジョリティーの人がおかしな事言っててもまかりとおっちゃうんだよね。頑張れ!ショーコ&加賀君。 / もげんぴ ( 2003-06-14 11:52 )
加賀くんのことを、もっとわかってあげてください。>ショーコ様  / ぷらら(^▽^) ( 2003-06-14 08:20 )
未刊、蜜柑、未完。 / 揚水 ( 2003-06-14 08:05 )

2003-06-14 いきしちにひみいりゐ

あかさたな、ではなく、いきしちに、な。
えけせてね、でもなくまずは、いきしちに、へ。

今いる場所から出て行こうとすればこそ、今いる場所で何とか踏ん張らなくちゃならないのだな、とか考えて憂鬱にもなるけれどほかに一足飛びに何とかできる方法もなく。
不満言うくらいならがんばれ俺。
手の届く場所からしか、手をつけられないでしょうから。

お金も貯めなくちゃなあ。

それにはやっぱ酒とタバコ止めなけりゃ。

ひみいりゐ。

先頭 表紙

私も今日から禁酒する事にしたよ。最近太っちゃって。毎日飲んでるビールのせいだと思うので。 / もげんぴ ( 2003-06-20 22:53 )
ぎゃはは。もう無意識なんだねー。やめるの大変そうだぞ。 / もげんぴ ( 2003-06-20 14:31 )
今これ書きながらタバコ吸ってサケ飲んでる、って駄目じゃん、俺。 / 揚水 ( 2003-06-15 11:11 )
ほう、それはいいことだね。健康にもいいし、お金もたまる。極端にやってストレスためないよう、すこしずつ頑張ってね。 / もげんぴ ( 2003-06-14 11:48 )

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