2002-04-14 「賞品」
2002-04-12 「最古の記憶」
2002-04-11 「witch」
2002-04-10 「ひこうきこわい」
2002-04-09 「すべてのネコ派のみなさんへ・・・」
2002-04-08 「オンナゴコロがわからないやつ」
2002-04-07 「いくつになっても」
2002-04-05 「恵山老師」
2002-04-04 「疑惑」
2002-04-03 「皮算用」

お坊ちゃまだったので、チカラ比べは不得手でした。

なんせ同級生の女の子に
「うぃっちになら、負ける気がしない」
と、言われたことがあるくらい。

だけど、この仕事に就いて
まぁ、それなりに自信もついたわけですよ。
肉体労働者の誇りもかけて、リベンジマッチ。

「勝ったときの約束、覚えてるだろうね？」

と、彼女に念を押しつつ右手を机につけました。

しかし数瞬後

「いや、ほら。肉体労働はコツとタイミングのほうが大事だから」

そう弱々しく弁解しながら
痛む右手をさする私。

「お姫さまだっこ」への道は
まだまだ遠く、険しいようです・・・。

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低くうなる冷蔵庫の前で、僕は呆けたように立っていた。

後にアメリカ製と判明した
その、おばあちゃん自慢の冷蔵庫には
磁石でできたクリップが２つ
扉の部分に張り付いていた。

電話が鳴ったとき
僕はそれを、眺めていたんだ。
理由は今でもよく分からない。

「うん。無事に生まれたの。女の子？・・・うん。・・・うん・・・」

受話器を置いたおばあちゃんは
そんな僕の前にやってきて

「女の子だから、妹ね」

そう言って、にこにこ笑ったんだ。

日頃、ぐさぐさ情け容赦なく、ドライで辛口なコメントを投げかけられるたびに
「もっと可愛いくて、にーちゃん思いの妹がほしい・・・」
と嘆く僕だけど

こうやって思い出せる一番最初の記憶が
キミに関するものだっていうことは
その時は、結構うれしい事だったのかもしれないね。

お誕生日おめでとう。

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これはまやひこさんとお会いした際にも聞かれた事なのですが
私はオトコのくせに「魔女」を意味するwitchを名乗っています。

特に理由はないんですよ。ええ。ホントに。
ここに来る以前から根城にしている、某コミュニティサイトに登録する際
それまでオンライン上で、あんまりにも女性に間違われる事が多かったので

「この際だから、混乱させてやれ。性別欄のところに、はっきり♂って書いて置けば許されるだろう」

そんな軽い気分で決めたHNです。

「witchcraft」という単語には「ちょっとした悪戯」という意味がある事を知ったのは、それよりもずっとずっと後の事でした。

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あんな「トン」で量れるような鉄の固まりが空を飛ぶ。

信用できないね。やっぱり。

それに、落っこちたら終わりじゃない。

船だったら、たとえ沈没しても
何かにつかまっていれば、助かりそうだし
新幹線だったら、線路から外れても
地面の上だからあとはどうにでもなるけど。

「あぁ。そんなこと心配してるのか」

こともなげに言ったのは、仲間内でも最多の渡航経験を持つO氏。

「墜ちていってもだな、地面にぶつかる寸前にタイミングよく、こう座席の上で『ぴょん』って飛び上がれば大丈夫なんだぜ」

ナーンダ。
ソーダッタノカー・・・。

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ネットを徘徊していると、時々こういう掘り出し物に当たります。

やられた〜！って感じです。

では、どうぞ。

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カレは時々口先だけでごまかそうとするの。

「苦くないからね〜」と言われたおクスリは、ものすご〜く苦かったし。
「怖くないからね〜」と言ったカミナリは、すご〜く怖かった。
「熱くないからね〜」と言ってたお風呂の水だって・・・。

でも、カレの言うことだから
あたしは一生懸命我慢したのよ。

でも、限界。

あの「痛くないからね〜」と言った注射は
すごぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜く痛かったんだから！

泣きそうな気分で彼の顔を見たら
「な、痛くなかっただろう？」だって！

噛み付いてやろうかとおもったわ。

がぶ〜って。

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職場の同僚、S氏は
二人のお子さんを無事に嫁に出して、そして迎えることが出来ました。

子供さんが手を離れて
少々無聊をかこつ夫人のために
氏は一匹のイヌを飼うことにしました。

そして一日２回の散歩のうち
１回を、氏が担当することに。

ところが、以前は渋々といった態であった氏が
最近ではいそいそとお散歩に出かけているそうです。

イヌを飼うことの素晴らしさに目覚めたのかと思いきや・・・。

「土手でな、きれーなねえちゃんと行き会うんだ。向こうもイヌを連れててなぁ・・・最近挨拶とかするようになったんだわ。これが」

最近S氏は、スポーツウェアとスニーカーを新調したそうです。

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霊園の周囲には、他のお店が見当たらなかったので
最初に目に入った鰻屋さんで食事をとることになりました。

お坊さんにこういう物をお出ししても良いんですか？

「大丈夫ですよ。私たちは、その『志』をいただくのですから」

老師はあっさり否定しました。

「それよりも、供されたものを残してしまうことのほうが、いけないこと。供応をしてくださる方のキモチを、無下にすることになってしまいますからね。何を出されても、すべてありがたくいただきますよ」

と言っても、最近は少々つらくなってきましたと付け加えて
あまり「老師」っぽくない顔で笑いました。

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動物園のアノ「中学生以上立ち入り禁止」の柵の向こう側には
子供をダシにして入り込んでいる、パパやママたちが
多数紛れ込んでいるとにらんでいます。

だってさ。

「ほ〜ら、ハムハムだよぉ〜」

なんてやっている笑顔は
その子供さんたちよりはるかに嬉しそうで、楽しそう。

いいな〜。
ずるいな〜。
うまいこと、やったな〜。

ボクだって
ウサちゃん、だっこしたいのにな・・・。

ちぇ。

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彼は「原チャリに乗っているときも、たばこが吸いたい」と思いました。

フルフェイスのヘルメットに、たばこが通る穴を空ければ
その夢はかなうはず。

幸いにして、彼の所属する部活の活動場所は物理室。
道具は豊富です。

作業を始めた彼の姿を見て
「そういうこと」が好きな、他の部員たちも手伝い始めました。

強度を損なわず、しかもカッコ悪くない場所を求めて作業を始めた彼の姿を見て
なんだか面白そうと、他の部員たちも手伝い始めました。
当時の部長、副部長をも巻き込んで・・・。

元々凝り性で、解析大好きな人達だったので
あーでもない、こーでもないと議論の末、理想とされる場所に
ようやく位置決め用の細い穴を開けることに成功しました。

「やったやった」
「これでこの穴を広げていけば、もう完成だ！」
「夢の『原チャリでたばこ』がもうすぐ実現だな！」

すると、感動の涙に暮れるオトコどもを
それまで冷ややかに眺めていた彼女が
ぼそっと言いました。

「ねぇ。それってジェット型のヘルメットを買えばいいんじゃないの？」

・・・「俺、『ニーズは十分にあるから、高校卒業してからコレで食っていける！』って本気で思ったんだぜ。あの時は」

そう述壊する彼の部屋には、今でも
まるで何かを戒めるかのように、穴の空いたヘルメットが飾られています。

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