今日の明け方、友人宅でのパーティから帰宅する途中で、母から、クリスマスの贈り物が届いた旨の電話があった。
この3カ月、郵便事情が悪いため、24日までに届くか不安だったのでほっとした。
プレゼント選びは大好きな行為のひとつ。
妄想癖も時には役に立つのか、得意分野だ。
クリスマスに贈るのは、おもに家族。
すなわち、両親、兄、母方の祖父母、父方の祖母、そして、祖父の元執事である。
街を歩きながら、インスピレーションの浮かんだ順に選んでいく。
その順番に、少しの罪悪感を覚える。
なかよしの母の次に、他人であるはずの祖父の元執事が最初に浮かんでしまうから。
父と兄への贈り物だけはなかなか選べず、結局誰にあげても問題ないような、無難なものになってしまうから。
父と兄は、わたしにとって、少し遠い人。
兄は生後一週間で母親を亡くした。
伯母の元で従兄と一緒に、全身に癌細胞が転移した女性の胎内から生まれたこともあって、悲劇の王子様として乳母日傘の見本のようにして育てられた(おかげさまで?本来ひとりっこである従兄は、完璧に長男の性質を持っている!)。
数年後、父はわたしの母と再婚し、ほどなくわたしが生まれた。
以前の日記にも書いたけれど、母が健在なのにも関わらず、わたしは祖父に引き取られた。
わたしを産んだ後、父と母は伯母一家と同居し、兄の子育てに係わり始めたので、順番通り、長男から育てていこうとしたのかもしれない。
単純に、孫が生まれた時に、祖父が必ず見せていた占いに因る可能性が高いと思うけど、よくわからない。
祖父母に引き取られた、といっても、子育てなんぞしたことのないひと達だったので、実際に育ててくれたのは祖父の執事だった。
彼は父母を兼ねた存在だったので、親密なのも当たり前だ。
就学の少し前に祖父が発病したのをきっかけに、わたしは両親と兄の4人で暮らすようになった。
元々父は他人に(特に人間以前のこどもには)興味が薄かったようだし、兄とわたしは年齢差が微妙だったこともあって、何となく、距離を取り難い関係だった。
相変わらず、一番身近な男性は、職を退いた元執事だった。
わたしが大学に入った辺りから、急激に関係は変化した。
父や兄と一対一でお酒を飲んだり、ご飯を食べたり、ドライブしたりするようになったのである。
父親、兄としてというより、ひとりの人間として関係している、そんな感じだけど。
肉親としての親しみは薄いけれど、ひとりの人間としてみた彼らは、尊敬できる魅力的な人間で、それはそれで、とても嬉しいことだと思う。変われることと変われないことがある、それだけのこと。
わたし自身も、そう思われるような人間でありたい。そう思うだけだ。
いつか、ぴったりのプレゼントが選べるようになりますように。
昨晩、迎えに来た友人から。
グレーのドレスだったので、胸元に飾った。 |