基本的に、食材は週末の朝市で買うようにしている。
街の中心に住んでいるので近くに大型スーパーマーケットがないのもあるけれど、単純に市場が好き。
日本でも、築地とか錦小路は好きだったし、旅行先でも日程さえあえば、必ず寄る(で、時に密輸している)。
土地の人の生活を知るのに最適な場所だから。
昨日は年明け最初の朝市へ。
わたしはチーズ、ジビエ、茸、ハーブ、乾物、サラダに使う葉っぱは決まったところで買って、その他はその時々で変えている(すごく良いところがないとも言う)。
そのジビエ屋でのこと。
ジビエ屋はジビエ屋なので、当然捌かれたり皮を剥かれたりした鳥や兎がおいてあり、ディスプレイとしてまだ剥かれていない鴨や、切り落とした兎の脚が飾ってある(これは昔からのお守り)。
こういう光景は、人に因っては惨く残酷なものに映る。
それは仕方ない。
動物愛護の観点から菜食を貫いている人や宗教上の理由で殺生を禁じられている人にとって理解しがたいのは当たり前のことなのだから。
でも。
でもでもでも。
どうしてそれをあなたが言うの?
ジビエ屋の12歳の男の子。
その子が鶏の毛を毟るのを、兎の皮を剥ぐのを見て、「こどもなのに、信じられない」?
信じられないのは、ラビットファーのコートを着てそう言うあなたの方、と言いたかったけど、我慢した。
こわいと言いつつ、見に寄ってくるような人には言っても嫌な思いをするだけだろう。
ローティーンになら言ったかもしれないけど、違ったし。
その傲慢はどこから来るのか、聞けなかったのは残念だけど。
朝から愉快じゃなくなって、ヴァカンス最終日は少し濁ってしまった。
それを戻してくれたのは、休暇のごちそうの、最後の数切れ。
鴨のフォアグラを鴨肉でくるんで半燻製にしたもの。
ちょっといいPauillacとルッコラと。 |