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Hideyの「蛍の光の下で」

帰国に伴い長い間ご愛読いただいたこの日記を終了させていただきます。
もうこのサイトに文章を綴ることはありませんが
もしこの先もおつきあいいただけるようであれば
メールをいただければ幸甚です。
皆様、本当にありがとうございました。お元気で。

絵日記

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2002-06-02 わが心のワールドカップ 2
2002-06-02 わが心のワールドカップ 1
2002-06-01 Japan Trekご報告 3
2002-05-31 Japan Trekご報告 2
2002-05-31 Japan Trekご報告 1
2002-05-05 しばしお別れ
2002-04-20 Japan Trek途中経過 2
2002-04-20 Japan Trek途中経過 1
2002-04-12 ボストン観光案内 2
2002-04-12 ボストン観光案内 1


2002-06-02 わが心のワールドカップ 2

ジェノバの現地スタッフに「とっておきの場所に連れて行ってやる」と30分車で走って連れていかれた、夕日に映える街が一望できる丘。「フィアンセができたらぜひここに連れてこい」と言われたが約束はまだ果たしていない。彼の友人達と夕食をとったが、そのうちの一人はマリファナのやり過ぎで食べたものを戻していた。運営本部のアシスタント、小麦色のすらりとした手足に笑顔が美しいクリスティアナ。スタッフの友人宅での初対面の若者たちばかり30人での夜通しのパーティー。いくつかのカップルが何時の間にか二階の部屋に消えていった。小さなスタジアムで人波にもまれながら絶叫し合唱したマドンナのコンサート。コンサートに一緒に行った同い年くらいのスタッフの家に上がり、ビールを飲みながら彼のバンドのテープを遅くまで聴いた。家族も友人も日本の仕事もすべて捨てていいからイタリア人になりたいと心から思わせたシチリアの浜辺と太陽。そして帰国前夜、窓を全開にして走った午前3時のドライブ。狂乱の40日間。

これから先仕事にまみれて生きていくに違いない僕の心のどこかに、そうではない場所を、永遠の選択肢をイタリアは植え付けていた。

サッカーも負けず劣らず僕を酔わせた。ミラノのスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァの85,000人の大歓声で自分の声が自分で聞こえなかった事実への驚き。その中で繰り広げられる世界最高のサッカー。僕の両眼は華麗にして知的なフリットのボール捌きに見入り、彗星のごとく現れたスキラッチが次々と放つゴールに驚嘆し、当時から堅実なプレーを見せチームを勝利に導いたマテウスの雄姿を称え、激しいマークの中搾り出すように蹴り出されながらも奇跡のようなコースを描くマラドーナのパスに覚醒した。ナポリでダリオとこれも日本語の堪能なミシェルとともに大きなイタリア国旗を振り回して応援したイタリア対アルゼンチンの準決勝。最後の最後にPKで負け、大の大人が泣き叫ぶのを目の当たりにした。その夜のナポリは街中が葬式のようにひっそりしていた。これがサッカーなんだと思った。

98年のフランス大会でもまた違った業務の関係で日本対クロアチアの試合を観られるという幸運に恵まれ、今回は海外居住者のアドバンテージを生かし、神戸と宮城のラウンド16のチケットを確保した。日本が世界中の注目を集め、史上最強の日本チームに期待がかかる今大会はどうしても祖国日本で体感したかった。

しかし、はじめに最高を観てしまったという思いの強い僕にとってはあれ以上の期待感は正直ない。仮に日本が優勝したとしても僕にとってのワールドカップはItalia 90でありつづけるだろう。それはサッカーのサッカー性と真に合致する国民性を有するあの国ならではの大会であり、サッカーを文化として育て、愛してやまないイタリア人の生き様に僕が深く共鳴したからだ。

下世話でファシスト的な連日の特集番組に辟易し、町興しや経済効果など不純な動機や目論見が堂々と論じられる風潮には嫌気がさしている。プレイヤーはそんなことのために極東のこの国に来ているわけではない。彼らは最高のプレイを我々に見せてくれるために来ているだけなのだ。

虚飾に充ちた演出がひとしきり終わり、キックオフの笛とともに飾り気のない単純なルールにもとづく格闘が始まったとき、僕ははじめてあの日の興奮を思い出し、ワールドカップに興じることができる。連日まったく毛色の違う各国のサッカーが繰り広げられるが、与える感動は皆本物である。本当の国際理解はそんな些細なところにこそ存在すると信じている。

先頭 表紙

スーパーしえろさん!なんとびっくり!あそこにいらしたんですか。ガス欠コインさんも日記に書いてらっしゃいましたが、あの時はイタリア人も心の中ではマラドーナを応援しており、非常に複雑な心境だったようですね。マラドーナがナポリに所属してましたから。僕の回りでも「ディエゴ、サイドが違うぞ」と野次が飛んでいたと通訳のダリオが教えてくれました。 / Hidey ( 2002-06-06 08:42 )
パンドラさん、ぴかぴかの芝生、いつも心の中にあります。イタリアという場所は僕にとってはつねに自己のバランスをとり、確認しに行く場所であるのです。二年に一度行かないと死にます(笑)。 / Hidey ( 2002-06-06 08:39 )
私も見ました!ナポリでの準決勝。マラドーナのファンで、アルゼンチンを応援してましたが、まさか勝つとは思ってませんでした。アルゼンチンの大きい旗を持ってましたが、試合終了であわてて、しまいました。ナポリ湾に面したエクセルシオールに泊まっていましたら、夜中に大音響。外を見たら花火!本当は祝賀会ようだったのかも。やけくそのように打ち上げていました。 / スーパーしえろ ( 2002-06-05 09:07 )
読み終わった後、思わず「ほぅ・・・」とため息が出ちゃった。 なんて言ったらいいんだろう。 イタリアで過ごされた日々の輝きが、そのままぴかぴかの緑の芝生を思い起こさせるような。  凝縮された夢のような時間が、自分の人生の中で強烈な決定権を持つことってあるような気がします。 / パンドラ ( 2002-06-05 05:21 )
Ecruさん、今でも思ってます。既にミラノに5年暮らしイタリア語もペラペラのうちの妹には相当先を越されてます。 / Hidey ( 2002-06-05 02:33 )
ガス欠コインさん、ほんとワールドカップと言いつつサッカーの話はほとんどなくてごめんなさい。でも本当にご指摘いただいたとおりで、イタリアのすべてがサッカーでした。神戸の後にでも会えるといいですね。 / Hidey ( 2002-06-05 02:31 )
りぃなさん、僕もイタリア人に対し、似たようなことを思いました。会社をやめたらイタリア人になりたいです。 / Hidey ( 2002-06-05 02:29 )
KATSUMIさん、若さもあるけどやはりイタリアとサッカーの同義性が僕の中では完全に成立しているようです。サッカー好きの方々には怒られてしまいそうだけど、あらゆるスタディオのピッチに立ち、VIPボックスでプラティニの真後ろに座り、プレスセンターでのベッケンバウアーインタビューなども至近距離でした。当時はそのありがたみが全然分かりませんでした。 / Hidey ( 2002-06-05 02:28 )
邪夢猫さん、体感してしまいました。お陰で今はイタ飯ばかりつくっています。サッカー、今日(既に昨日か)は盛り上がりましたよー!僕もかつては正座して四大大会を見ていたほどのテニス好き。でも最近は魅力的なプレイヤーが少ないからな。。。 / Hidey ( 2002-06-05 02:24 )
イタリア人になりたい!っておっしゃってましたものね。なんというか、すごく「好きさ」が伝わってきました。自分のワールドカップこれからも大事にしていってください。 / Ecru ( 2002-06-03 22:33 )
僕は街頭テレビで見ていましたが(笑)、忘れ得ぬ大会ですね。フットボールそのものにはちょっとしか触れていないのに、文章のすべてにワールドカップを感じます。そう、大の男がこの世の終わりかのように、泣くんですよね。素晴らしい文章をありがとう。神戸のラウンド16には僕も行きます。 / ガス欠コイン ( 2002-06-03 00:39 )
いいかげんさの反対は大らか。そして陽気♪ 背伸びしたために子供時代をすっ飛ばして、思いを自分の中にため込んじゃう自分には、イタリア人が羨ましいです。最高の試合を現地の人と味って、最高の国際理解でしたね。 / りぃな ( 2002-06-02 23:52 )
はじめてのワールドカップが最高なのは、若さが影響しているのかもしれません。私も入社2年目のアメリカが一番記憶に残っています。とはいえサッカーをこよなく愛する国でのワールドカップを一度体験したいものです。イタリアはそういう意味で(芸術性と食事の上手さも含めて)最高の大会だったのではないでしょうか。 / KATSUMI@W杯モード ( 2002-06-02 22:36 )
イタリアのマ〜マミ〜アを体感しまったのですね。うふふっ。先ほど散歩していたら、庭にテレビを持ち出して日光浴しながらサッカーをみている家がありました。おしゃべりの様子からもちろん、イタリアン。この時期、旦那さんはTVばっかり見ているのでつまらないという奥さま方の会合が頻繁だとか。。。でもうちの夫はどっちかとというとテニスのフレンチオープンに夢中です。 / 邪夢猫 ( 2002-06-02 21:58 )

2002-06-02 わが心のワールドカップ 1

Japan Trek報告記事の執筆中だが、この機を逃すとワールドカップのことは永遠に書けなくなってしまいそうなので、突然だがこの文章をしたためている。

12年前、ワールドカップは僕の生き方を確実に変えた。Italia 90(イタリア・ノヴァンタ)という名のあの大会である。

僕は当時広告代理店に入社して2年目で、就職前から希望していたプロテニスのトーナメント運営の準備作業に携わっていた。「6月頭から7月中旬までワールドカップ作業の手伝いに行ってくれ」と上司に言われ、断れないながらも僕は相当落胆していた。自分で骨格を作りつつある女子テニストーナメントの第一回大会を一時的にでも人の手に委ねることになってしまうし、なによりイタリアにもサッカーにもまるで興味がなかった。

うちの会社の資本が入った国際スポーツマーケティング企業が当時ワールドカップのすべてのマーケティング作業を請け負っており、うちの会社も日本国内企業へのスポンサーセールス権を独占していたため、スポンサーケアの手伝いということで僕も駆り出されたのだ。といっても内容は2年目の若造でも簡単に勤まる単純作業。大会が行われる12の会場のいくつかを担当、試合の前日に会場を訪れスポンサーの看板が順番どおりに並んでいるかどうか確認、会場やプレスセンター周りでスポンサーと競合する企業・ブランドの名称が露出していないかどうかをチェックし、本部にそれを連絡しつつ必要に応じてそれらを黒テープなどで隠す。スポンサーが提供している物品が故障していれば本部に連絡し、直してもらうよう手配する。あとは試合を見て翌日に帰るという気楽な仕事だ。

ルーズさの象徴のようなイタリアという国はどちらかというと嫌いだった。スイスからイタリアに入る列車に乗っても国境を過ぎるとそれまで定刻どおりに走っていた列車が急に遅れだし、最後は2時間遅れで終点に到着する。ホテルの浴室の具合が悪いと苦情を言っても、返事ばかり調子がよくて最後まで何もしてくれない。ローマの試合会場スタディオ・オリンピコも大規模な改修工事を行っていたが、開幕に間に合うめどは立っていなかった。しかしそのスタディオ・オリンピコにはじめの打ち合わせに出向いた日の目を刺すような初夏の日差しは今でも脳裏にあの日の風景の残像を残す。何か抗えない眩しさがあたり一面に注いでいた。

イタリアは日に日に僕を魅了していった。ローマの裏通りの小ぢんまりとしたトラットリアの店先で生まれて初めて食べたインサラータ・カプレーゼとプロシュート・エ・メローネ。ジェノバの海沿いのリストランテで食した、シーフード嫌いの僕にはじめてその美味しさを教えた見事なるスパゲティ・アレ・ボンゴレ。心から惚れ込み、最後の2週間は一日一度必ず食したシンプルなポモドーロ。どの店も味が違うがどの店も美味しい。日本語の堪能な相棒のコーディネーター、ダリオとの珍道中。夜な夜な何をするでもなく散歩に出る彼について歩き、ミラノでは試合後の暴動に巻き込まれ警察とのもみ合いの中を走って逃げた。

(つづく)

先頭 表紙

りぃなさん、ドイツ、フランス、イタリア、オーストリアを予定しています。妻が余りプライバシーは公開してほしくないと言うので旅行記は書けるかなー? / Hidey ( 2002-06-06 08:37 )
なるほど、Hideyさんらしい理由ですね!ヨーロッパ中のあちこちの国にいらっしゃるとか?大旅行ですね☆旅日記を今から楽しみにしています(笑) / りぃな@ドイツで環境対策を体感したいデス ( 2002-06-05 14:54 )
りぃなさん、僕は心からヨーロッパに惚れてます。歴史がある国がやはり好きなようです。歴史あるところに食文化もあり。食はやはり大きいです。食文化は貧しいけどアムステルダムも大好き。そんなアムスを彷彿とさせるボストンだからこそ惚れ込んでいるのだと思います。実はドイツの素朴な美しさも好き。7月のヨーロッパ旅行ではドイツも行く予定です。 / Hidey ( 2002-06-05 02:22 )
ヨーロッパはまだ行ったことがないですが、読んでいるとイタリアもいいな☆って思います。食に魅了されましたか? なんて、ゴメンナサイ。私も食いしん坊なので、食事がよかったら印象が多いに変わってそうです(苦笑) / りぃな@一番いきたいのはドイツ! ( 2002-06-02 23:39 )

2002-06-01 Japan Trekご報告 3

一年振りの日本は正直懐かしくも何ともなかった。どたばたと帰国したということもあるが、根本的な理由は三つある。

インターネットが常にバーチャルな日本を僕の周りに形成していたということ。ネット接続時のトップページはヤフージャパンに設定しており、常にリアルタイムなニュースが目に入る。メールやひまじんを通じて個人的なつながりも存在した。確実に世界は小さくなっている。

僕自身、慣れっこになっているということ。中学時代パキスタンに住んでいた頃ほんの4ヶ月で一時帰国しただけでも、10数年慣れ親しんでいたはずの日本の住宅の狭さに目が驚いた。高校で1年アメリカに留学した後はどこかしら日本が外国のように映った。しかし大人になって年に何度も海外出張を繰り返したりすると悲しいかな地理的な移動に感興を覚えることは少なくなる。

そして僕がどうしようもなくボストンに惚れ込んでしまっているということ。煉瓦と緑、新旧の建物の絶妙なバランス、歴史の香り。アメリカという国に僕は概して魅力を感じないが、この街には心酔している。正直日本に帰りたいという気持ちはそれほどなかった。食、友人、ワールドカップという属性にだけは惹かれていたものの、東京という街は僕に何らの魅力も与え得なかった。

いずれにせよJapan Trekだ。僕は生々しい仕事の記憶がまだあちこちに染み込んでいる東京の街に戻ってきたのだ。

5月21日。ぎりぎりまで会社で準備作業をし、空港へ一行を迎えに行く。定刻の17:00より30分早く到着。税関を経てばらばらとそれらしき外国人が出てくる。まだ名前と顔がまったく一致していない。荷物につけてもらうタグを渡すために大声で一人ひとりの名前を読み上げる。彼らは初めての国に落ち着きなくうろつきまわり、点呼の効率は極めて悪い。彼らを率いてきたAlexisの話によれば既に一人ボストンで連絡が取れずグループと一緒に来られなかった者がいるという。いよいよ始まったのだ。

京王プラザホテルに向かうチャーターバスではブラジル出身のMarcoと同席した。好奇心あふれる彼は旅の疲れも感じさせず矢継ぎ早に僕に質問を浴びせる。日本の住宅事情、日本企業の福利厚生、小泉内閣への日本人の評価、日本人の宗教観など。できるだけのことは答えたが、これからの10日間は彼なりのより深い実感を伴う答えを与えることだろう。

ディズニー・リゾート、埋立地、兜町、皇居周辺と目まぐるしく移り変わる車窓の風景を彼らは興味深く見つめていた。「どこの国とも違う」と誰かがつぶやいた。バスは順調に京王プラザに到着。次々にルームキーを渡して集団を部屋に押し込み、先に到着していた他のスタッフと旅行代理店との打ち合わせを行った。

20:00、フィー子さん紹介の居酒屋「土風炉」でのウェルカムディナーへ向かうべく、ロビーに集合。80人を8つの班に分け、それぞれの班を日本人スタッフが率いることにしていた。なるべく自由に動かせてあげたいが、移動時は班でまとまって行動することを強いた。点呼しようにも予想以上の混乱。先が思いやられる。

長旅の後京王プラザから伊勢丹付近まで歩かせなくてはならないのは少し可哀相だったが、歌舞伎町を興味深く眺めたり客引きをからかったりとそれなりに皆楽しんでいるようだった。「土風炉」は期待通りの美味しさで日本の素朴な味をあらゆる角度から彼らに教えた。さすがに初日ということでアルコールは少なめ。六本木に消えた数人のつわものを除いては皆それぞれの疲れを抱えておとなしく部屋へ戻った。それもそのはず、明日は5:00に起きて相撲部屋の朝稽古を見学に行くのだ。

(つづく)

先頭 表紙

lim.さん、ただいまです。ドクタ生活も充実してますか?MITには遊びに来ないのかなあ? / Hidey ( 2002-06-05 02:18 )
みなみさん、昨日は本当にありがとう。味よしもなかなか感激でした。土風炉は今週末のイベントでまた使います。 / Hidey ( 2002-06-05 02:17 )
Ecruさん、戻りました。実は事件はそれほどなかったです。でも彼らの目から日本を見直すことはたくさんありました。 / Hidey ( 2002-06-05 02:15 )
KATSIMIさん、疲れました。メンバーが非常に大人の連中だったので実は比較的楽なツアーだったのかと思います。今日から韓国ですか。お気をつけて楽しんできてください。 / Hidey ( 2002-06-05 02:14 )
mignonneさん、僕も正直びっくりしてます。でも今回の旅行は無理せず、夜は勝手に遊ばせといて僕はさっさと寝てました。 / Hidey ( 2002-06-05 02:12 )
パンドラさん、いえいえとんでもない。でもネットの力は大きいです。日本にいてすらアメリカで見ているのと同じヤフージャパンを見てたほうが日本のことがよく見えてきたりするのです。 / Hidey ( 2002-06-05 02:11 )
PAOさん、ただいまです。ちょっと長くなってしまいそうですがおつきあいいただければ嬉しいです。 / Hidey ( 2002-06-05 02:10 )
りぃなさん、そうそう。外国人は団体行動はダメだからね。でもうちの連中は年齢的にも大人だし、結構まとも。ブラックリストに載るやつは必ずいるけど。朝稽古、すごいよ。アメリカ人の友達でも連れて連絡してみれば? / Hidey ( 2002-06-05 02:09 )
おかえりなさい。私は相変わらずの生活してます。いろんなこと、無理しないで下さいね。 / lim. ( 2002-06-03 15:07 )
うわぉ。土風炉。ちょうど去年の秋だったか、親愛なる某ひまじんライターさんに有楽町の土風炉でごちそうしてもらい感激いたしました。 / みなみ ( 2002-06-02 21:19 )
帰国されてるんですね。80人の大人の団体行動、大変でしたでしょう。これから色々事件がおこるのかしら? / Ecru ( 2002-06-02 15:49 )
お疲れ様です。ツアコン役の苦楽はホント、メンバーに左右されますね。 / KATSUMI@頑張ります! ( 2002-06-02 00:39 )
いつもながらHideyさまのタフさにはびっくりします。 / mignonne ( 2002-06-01 23:37 )
世界が小さくなった、というより、Hideyさまの世界がぐんと大きくなられているのだなあ、なんて思いが広がったのでした。  なんだかコトバにしちゃうとエラソウだね、ごめんなさい。 / パンドラ ( 2002-06-01 23:18 )
お帰りなさい。人数を聞いただけでいろんなことの大変さが想像できます。でもこの後の展開が楽しみ。 / 走る酔人(PAO) ( 2002-06-01 17:39 )
キチンとしてるらしい日本人でも、団体行動は必ず乱れるもの・・・それが大人数となれば、尚更ですよね。私はよく帰国しますが、周りに日本のモノが少ないので、逆に懐かしいかもしれません。そうですね、もしもっと日本が近い?環境だと、帰らずにアメリカに居着いてるかなぁ、羨ましい。80人の外国人が大勢で移動するのは、なかなか見物だったでしょうね♪ 朝稽古の見学、してみたいなー、いーなーー! / りぃな@入れ違いですが、見に来ます♪ ( 2002-06-01 12:58 )

2002-05-31 Japan Trekご報告 2

さらに困ったことがあった。僕のスーツケースがないのだ。すぐにトラックしてもらったところ、重量の関係で僕を含め15人の乗客の荷物はアメリカン航空の違う便に乗ってシカゴ経由で成田に運ばれることになっているという。そのせいでシャワーこそ浴びられるものの着の身着のまま。それより困ったのはボストンの空港で両親のために買った生きたロブスター二匹を冷やし続けるドライアイスが蒸発してなくなってしまうだろうということだった。ロブスターだけは受け取れたので、時々窮屈そうに動いては発泡スチロールのケースをきいきい軋ませる彼らの物音を聞きながら一夜を過ごした。

翌日はさすがに順調に出発。エコノミークラスにも小型モニターと電話がついた画期的な旅客機ということだったが、目もくれず寝る。アルコールを口にする気にもならず、目が覚めれば一応画面は完成していたプレゼンテーションの英語のナレーションをパソコンに打ち込み続けた。そんな風にして十数時間のフライトはあっという間に過ぎ、これといった感慨もなく成田に降り立つ。

そもそもJapan Trekの始まる5月20日に先立ち急いで帰国したのは、19日に日本に着くことにより20日の月曜日を有効に活用、3人のうちの社員にお願いしてあるプレゼンテーションの内容を確認、さらに僕のパートのアップデートのための材料収集などをするためだった。そんな目論見はあっさり崩れ、20日の14:30に成田着。さらに件のスーツケース受け取りでもろもろ手間取り、会社に直行したものの着いたのは既に16:00になっていた。

まずは派遣元の能力開発室にいかにも学生というふざけた格好で到着。挨拶もそこそこに3人のプレゼンターと連絡を取り打ち合わせをする。ロブスターがまだ生きているかどうかとても気になる。複数の部署を私服のまま飛び回り打ち合わせを終え、タクシーで中野の実家に着いたのは19:30。ロブスターは喘ぎながら削り取った発泡スチロールにまみれつつもまだ体を動かしていた。なかなかつかめないほど大暴れしていたものの水を張った鍋に直行。40時間以上の長旅を生き抜いた後に5分で昇天。白ワインでおいしくいただかせてもらった。

多くの新しい体験に充ちた一年を終えそれなりに感慨の深いものになるはずだった僕の帰国は、このように落ちつかず、大変ストレスに充ちたものになったのだ。何かこの先の道の険しさを予感させる、不吉極まりない11日間の始まりだった。

(つづく)

先頭 表紙

スーパーしえろさん、ロストバゲッジしょっちゅうとは!この間うちの学校の日本人の女の子が南アフリカに着いた際やはりスーツケースがなくなり、最後まで行方不明で、服も全部現地で調達という可哀相なことがありました。今回は運営にかかわる多くの資料も入っていたので一瞬あせりました。 / Hidey ( 2002-06-05 02:06 )
Hirokoさん、ただいまです。旅行がなかなかできないようでちょっと悲しいですね。僕は20日のアメリカ帰国までほぼ毎日予定が埋まってしまい、死にそうです。ロブちゃん、手を合わせていただきました。 / Hidey ( 2002-06-05 02:04 )
おひさしぶりです!Hidey さまの困難に立ち向かっていく姿、というか、冷静な道筋のつけかたを読んでいると、とても励まされます。ちなみにロストバゲッジは私もしょっちゅうでした。おかげで交渉上手になりましたけどね。 / スーパーしえろ@未ログインごめん ( 2002-06-01 18:48 )
波乱に満ちたご帰国だったのですね。私も家からNYまで25時間の旅でしたが、それより15時間も長いなんて!! これからゆっくりなさってください。 自分で削った発砲スチロールにまみれたロブちゃん、なんかカワイソウ・・・。 / Hiroko ( 2002-06-01 12:34 )
パンドラさん、あらためてただいまです。おっしゃるとおり実りあるTrekになりました。キリンアラスカっていうのまだ飲んだことないので近々試してみます! / Hidey ( 2002-06-01 11:50 )
たまたまさん、調整してみたいと思いますが、昨日の夜だけでかなり今後の日程が埋まってしまいました。はらぽ〜んともまだ連絡を取っていません。ところでどちらにご連絡すればいいのかな? / Hidey ( 2002-06-01 11:49 )
むらりょうさん、ホテルまで届けてもらうとはラッキー。自転車を持ち歩くというところがむらりょうさんぽくてかっこいいですね。 / Hidey ( 2002-06-01 11:48 )
KATSUMIさん、余裕のあるスケジューリングのための犠牲は大きく、誰もが出席する一年の最後の泊りがけのパーティーを欠席せざるを得ませんでした。もっとも行ってたらほんとに死んでましたけど。ところでW杯はじまりましたね。これからKATSUMIさんの日記が益々楽しみです。 / Hidey ( 2002-06-01 11:46 )
浪花撫子さん、僕も似たような嫌味を言ってやろうかと思っていたのですが、最後は気力も失せました。AAはテロの標的になることが多かったのでやはり相当ぴりぴりしており、なんとボストンの空港ではロブちゃんの箱の紐を解きテープをはがし、ロブちゃんの姿を確認するという徹底振り。しかもその後自分で閉め直せと強要してくるし、持ちやすくなってた紐は無駄になったし。成田ではもうめんどくさくなったので「これはなんですか」との質問に「ロブスターです」と堂々と答え、そのまま出てきました。 / Hidey ( 2002-06-01 11:44 )
kofukuさん、結局ばたばたしてしまって一度もお声をかけることができず、大変失礼いたしました。最後のご旅行ですね。これからまた多忙な日々が続くかと思いますので、たっぷりご旅行をお楽しみください。 / Hidey ( 2002-06-01 11:37 )
akemiさん、ご婦人とはひょんなことからひまじんの話になり、とてもご興味を持ってらしたのでURLをお教えしました。もしこの文章を読まれているとしたらちょっと恥ずかしいです。 / Hidey ( 2002-06-01 11:35 )
ガス欠コインさん、ストレスははじめだけ。この後は充実の旅が続きます。ガス決コインさんの日記にもありましたが、昨夜の開幕戦、素晴らしかったですね。これから毎日ガス欠コインさんの日記がとても楽しみです。 / Hidey ( 2002-06-01 11:32 )
Rさん、ほんと、生まれ変わるとしてもこんなロブスターちゃんにだけは生まれたくないですね。ほんと可哀相なことしました。今日はこれから久々の日本の繊細なアサリでスパゲッティ・アレ・ボンゴレをつくります。 / Hidey ( 2002-06-01 11:30 )
プルーさん、お久しぶりです。プルーさんの気持ちがよく分かます。やはり日本の食事は美味しい。はじめはTrekの忙しさであまり食べてなかったのですが、このところ結構立て続けに飲んだり食べたりで、ちょっと体重が心配です。スポーツウェアとか持ってきたらよかったな。 / Hidey ( 2002-06-01 11:27 )
りぃなさん、またひまじんお休みに入られるようで、すれ違いですね。Trekの話はちょっと長ったらしくなってしまうかもしれないけど、自分たちのために書いておかなくてはと思います。 / Hidey ( 2002-06-01 11:25 )
邪夢猫さん、ロブスター、美味しかったんですけどやはり長旅の疲れのせいかいつもほどの美味ではありませんでした。帰国の際は母をアメリカに連れて行くので本場のおいしいのを食べさせてあげたいと思います。 / Hidey ( 2002-06-01 11:19 )
まうさん、それはそれは同情申し上げます。大変ですけどとても充実してらっしゃるのでは?僕にとってもこの留学で一番の思い出のひとつになりそうです。 / Hidey ( 2002-06-01 11:17 )
俺様さん、すっかりご無沙汰しました。さっそくのつっこみありがとうございます。ちょっと自己満の日記が続くかもしれませんが適当に読み流していただければ幸いです。 / Hidey ( 2002-06-01 11:14 )
おかえりなさい!  なぜかこの言葉が一番ぴったりくるの、今のキモチ。実りあるTrekだったんだろうなあ、とこれからアトの日記楽しみに待っております! / パンドラ@左手はキリンアラスカで。 ( 2002-06-01 08:22 )
わたしも誘ってください。はらぽ〜んさんのみでなくて、、、お誘い待っています! / たまたま ( 2002-05-31 21:17 )
荷物が出てきて良かったですね。私も自転車を預けたら大きすぎて別便にされた事がありました。その時はホテルまで届けてくれたので楽でした。 / むらりょう ( 2002-05-31 12:59 )
お疲れさまでした。到着するまでに疲れてしまうと、よりダメージ大きいですよね。でもその中でもトラブルを吸収できる余裕のあるスケジューリング、流石です。 / KATSUMI@W杯モード ( 2002-05-31 12:51 )
なんちゅう災難! うちやったら、ロブスターをAAのカウンター前でこれ見よがしに散歩させ、「ロブちゃん、待たせるけどごめんねー」とでも言ってやりますな。でも無事にご到着なによりです。 / 浪花撫子@NWはエコノミーでした。 ( 2002-05-31 12:26 )
ロジスティックスの混乱がすべてを狂わせてしまうのは何処も同じことですね.私はボストンを既に引き払い学校のインターナショナルトリップでベニスにきています. / kofuku ( 2002-05-31 08:38 )
御婦人と男性は本当に助かったのだろうなあ。巡り合わせの不思議。↓(下のあたしのつっこみ)だよねえ?そのお客さま方もただの観光ではなかったみたいなんだ。 / akemi ( 2002-05-31 07:45 )
お久しぶりでした。災難続きのようだったみたいですが、ストレスは癒えましたか。 / ガス欠コイン ( 2002-05-31 06:41 )
しょっぱなから波乱万丈ですね。続きが楽しみです。  それにもまして波瀾の生涯を終えたロブスターちゃん…。 / R ( 2002-05-31 05:29 )
まあ、久しぶりです。AAに乗って帰られたんですね。欠航だなんて災難だったけどロブスターや荷物が無事でなによりでしたね。それにしても忙しすぎですが。これからのんびりなさってくださいね。 / プルー ( 2002-05-31 04:25 )
分刻みの行動だったんですね!忙しかったり、大事なときに限ってアクシデントは起こるもの。。欠航なんか、特に! さて、いよいよTrek話の始まりなんですね☆わくわくv / りぃな@お忍び・・・。 ( 2002-05-31 03:58 )
お疲れさまでした。ロブスターちゃんも。おいしく食べてもらって生きていた甲斐があったというものです。飛行機が遅れるのは困りますよね、でも私はいままで一泊する、という事態には陥ったことがありません。これほど往復しているのに、かなりラッキーなのかも? / 邪夢猫 ( 2002-05-31 03:16 )
おつかれさまです!私もただいま米某大院生のJAPAN SUMMER STUDIOのアテンド中です。うー、くらくら。 / まう ( 2002-05-31 02:07 )
大変でしたね!読んだだけでクラクラしてしまいました。Japan Trekのお話も楽しみにしております!ではゆっくりお休みくださいませ。 / 俺様 ( 2002-05-31 01:58 )

2002-05-31 Japan Trekご報告 1

関西空港行きのバスは見慣れた顔で埋まっていた。重いスーツケースが次々と運び込まれる傍ら、最後の数人が我々スタッフに別れの挨拶をしにやってくる。一人ひとり時間をかけてhugしながら、この夏の充実やこれからの人生における多幸を祈りあう。この6月に卒業し、新たな生活を始める者も多くいるのだ。スタッフの一人は涙をぬぐった。バスがゆっくりと滑り出し、車中の人々と我々は名残惜しく手を振った。ようやく11日間にわたるJapan Trekが終わったのだ。

紆余曲折に充ちながらも大いなる成功と呼べる長旅の末、僕は今日の夕方京都から東京に戻った。夕食を終えひとしきり体を休めた後、こうして久しぶりにパソコンに向かっている。ひまじんにもすっかりご無沙汰してしまい、新しい記事ばかりのトップページに多少の違和感を覚えるのを禁じ得なかった。少しだけ時を遡ってこの大切な旅の記録を記したいと思う。

5月17日。前日に長く苦しい試験を終えたばかりの僕は、前日までと変わらぬ短い眠りから目を覚ました。この日朝10:00からの日本人スタッフによる最終打ち合わせのために僕は午前3:00に起きて運営マニュアルを完成させた。それぞれ有能なスタッフたちの簡潔にして的確なチェックを終え、最後に日本人らしくということでスタッフ全員が手を重ねて「頑張ろう、オー!」と気合を入れた。

荷造りも何もしておらず、僕の会社に関するプレゼンテーションなどまだまだ沢山の書類作成が残っていながら、僕と妻は大胆にも妻の友人夫婦の誘いに乗って、ボストン・レッドソックス対シアトル・マリナーズの試合を観戦した。とっくにチケットが売り切れていた試合だったため、32ドルの定価のところ40ドルを払ってダフ屋からチケットをゲット。イチローはきっちり5打数2安打2打点、佐々木もセーブを決め、マリナーズが勝った試合だった。ボストニアンたちが意気消沈する中、我々だけは結構満足して球場を後にした。

それからが本当の闘いだった。朝まで様々な作業と荷造りに追われ、睡眠は1時間のみで稀に見る大雨の中スーツケースを引きずり空港へ。ひとまずニューヨークへ向かった飛行機で僕はとことん眠りこけた。トランジットで成田行きのアメリカン航空を待っていたものの一向に搭乗の案内がない。メカニックが何やら騒々しく行き来するのを不安に眺めていたところ事態は最悪の結果に。機体の異常を修理するための部品が整わなかったため便は欠航。翌朝10:00に臨時便を運行することが決定した。

思わぬ事態に遭遇、言葉もままならず苦労をしていた60歳前後の日本人のご婦人と僕より少し若い男性を助けたことがきっかけで、この三人で一緒に無料宿泊の空港ホテルへ向かい、夕食をともにすることになった。ご婦人は息子さんがノースカロライナのロースクールに通っているためこのたびアメリカを訪れ、ニューヨーク観光の後ノースカロライナに戻る息子さんと別れた後この事態に遭遇。男性は大田区で電気配線工事を手がける小さな会社を経営、この度はボストンのビジネススクールに留学するお姉さんを訪ねての帰り道ということだった。ご婦人はとってもおっとりした上品な方で、僕を息子さんにでも重ねたのだろうか、とても親しく話をし、男性も誠実な人柄で、その信頼感のために小さくとも堅実なビジネスを導いてきた、というタイプの人だった。空港でも既に2、3時間ともに過ごしていた我々は、不思議なほどオープンにお互いのことを話しあい、楽しく食事をした。遠くから見たらあまり顔の似ていない母と兄弟に見えたに違いない。

(つづく)

先頭 表紙

たらママさん、そちらこそお疲れ様です。男同士もhugしますよー。今回はたくさんしました。もちろん最終日だけでしたけど。 / Hidey ( 2002-06-01 11:13 )
むらりょうさん、僕も中学生の頃シンガポール空港でエンジンが火を噴き、消防車が4、5台集まってきたにもかかわらずしばらく様子を見て飛んだということがありました。人生で始めて死を覚悟した瞬間でした。 / Hidey ( 2002-06-01 11:12 )
りぃなさん、さっそくのつっこみをありがとう。他のマリナーズの選手の打順では何事もないのですが、イチローの打順のときだけボストンファンから猛烈なブーイングが起こります。それだけ皆凄さがわかっているんですね。シアトルで彼を見たら凄いでしょうね。一度行ってみたいです。飛行場でのこういう出会いって久しぶりでした。どちらかというと匿名の人になって旅を楽しむのが好きな方なので。でもたまにはこういうのもいいものです。 / Hidey ( 2002-06-01 11:10 )
お疲れ様です。ちなみに、男性同士もhugするんですか。 / たらママ ( 2002-06-01 08:30 )
欠航って困りますね。ま、不完全なまま飛ばれるよりはいいですけど。うちの両親が乗った飛行機はエンジンから火を噴いて引き返したそうです。 / むらりょう ( 2002-05-31 12:03 )
生イチローは未だお目にかかったことがないんです。神戸にいる間に行けばよかったわっ。飛行場や機内で新しい縁が生まれるって、ありますよね♪ 嫌な状況の中にも、必ず救いは残されているものなんですね。 / りぃな ( 2002-05-31 04:01 )

2002-05-05 しばしお別れ

ニューイングランドの春らしく雨の日が続いてこのところジャケットが手放せないでいたが、今日は気温18度。陽の光が大気を青く染めあげ、若い緑がまだらに涼しげな影を落とす。ゆるやかに車でくぐり抜ける。至福だ。

古びた街は変わらず留まりつづけているのに、温かい陽差しを浴びただけですっかり違った景色になる。古い街の美点はうらびれた冬の空の下にあってもどこかしら人の心を切なく掴むところにある。その枯れた街ですら長かった冬ゆえに、この季節の訪れに表情がほころんで見える。

道を歩く人々は皆穏やかな顔をしている。これから数ヶ月、音曲もなく饗宴もない静かな祝祭の日々が続く。人々は眩しい陽差しを称え、恵みの季節が訪れたことに感謝し祝いあう。

こんな風に思ってしまうのはこの街に住み始めたからということもあるが、人生の季節がまた少し動いたからなのかもしれない。激情と倦怠を絶え間なく行き来した若い自分も嫌いではないけれど、こうして静かな心もちでいられる今の自分も悪くない。変化を怖れず成長しつづけていたいけれど、世界を眺める視点だけは定まっていたい。

日常はこんな穏やかな心もちからは程遠い。いよいよ期末試験を目前に控え、Japan Trekの準備は佳境に入り、親しい仲間たちの間にもエゴの衝突が生ずる。忙しさのせいにするのは嫌だけれど、確かに自然を見極め世を洞察する力が手のひらからこぼれ落ちてしまう。そんな中、今日の春の日差しは束の間の落ち着きを僕に取り戻させ、久しぶりに文章を書きたいという気持ちにさせてくれた。

とは言えこれからしばらくこの日記にはご無沙汰することになると思う。来週は最後の授業、再来週は期末試験。その翌週にはTrekが始まる。5月30日、関西空港で友人達を見送ったらようやく本当の夏休み。東京の親元で20日間ゆっくりすることにしている。たまっていた授業の話などを書けるのはその頃だろう。

変な話だけど、ひまじんのライターさんの日記を読むとき、どこか遠くのできことを目を細めるようにして読んでいたのだということに今さら気づいた。海を隔てるというのはそういうことなのだ。だから日本に帰ってひまじんにアクセスすることを想像すると不思議な気持ちになる。皆さんの話をひりひりするくらいの現実感をもって読んでしまいそうな気がする。

ともあれしばらくお別れです。今度は日本で、この日記の上でお会いしましょう。お元気で。

先頭 表紙

しまおさん、ほんとうにご無沙汰です!しまおさんの日記も読みたいのですが今日は自分の日記とつっこみ返しで精一杯になりそうです。明日にはぜひ読ませていただきます。お察しの通りこれからは友達シリーズで結構暇なしです。 / Hidey ( 2002-05-31 01:35 )
はらぽ〜ん、ようやく体が空きました。明日からはメール環境も整うと思うので、そしたら連絡します。ぜひうっちゃんと一緒に会おう! / Hidey ( 2002-05-31 01:33 )
ゆーさん、ご無沙汰です!まだ読んでいただけて嬉しいです。僕もゆーさんの近況を読ませていただきたいのですが。。。また日記はコンスタントに書いてまいります。お楽しみに。 / Hidey ( 2002-05-31 01:32 )
たまたまさん、19階で楽しくやってますか?商社の見学はちょっと何をみたらいいかが難しそうですね。先日行ったLawsonはばっちり三菱商事色でしたが。 / Hidey ( 2002-05-31 01:31 )
lim.さん、ありがとう。そちらは授業の方はどうですか?ちょっとは慣れてきた?またlim.さんの日記にもお邪魔したいと思います。 / Hidey ( 2002-05-31 01:28 )
peachさん、帰国は5月19日でした。それも紆余曲折あったのですけど。またゆっくりUPします。 / Hidey ( 2002-05-31 01:27 )
真我砂州子さん、キンカンは痛そうだけどムヒコーワあたりなら良さそうです。これからひりひりしながら皆さんの日記も回ってみたいと思います。Trek、少しずつご報告します。 / Hidey ( 2002-05-31 01:26 )
oggiさん、本とは僕、シーフードってどちらかというと苦手な方なんですよ。ようやく最近好きにはなってきたけど。黒木さん、確かに相変わらずご活躍のようですね。でもまだ日本のテレビはほとんど見られていないです。 / Hidey ( 2002-05-31 01:23 )
Ecruさん、すみません、あしたから夏休みとワールドカップを満喫します。Trekの報告は徐々にアップしていきたいと思います。 / Hidey ( 2002-05-31 01:21 )
りぃなさん、ほんと、特にこの歳になると自然とともに生きるということを感じるようになります。この11日間は実感としては結構長い時間でした。 / Hidey ( 2002-05-31 01:20 )
おとじろうさん、季節って人間にとってなんて大事なんでしょう。今は日本の初夏を味わい中です。 / Hidey ( 2002-05-31 01:18 )
misatoさん、嬉しい言葉をありがとうございます。正直既にボストンの風景が懐かしく、街というだけなら早くボストンに帰ってしまいたいです。 / Hidey ( 2002-05-31 01:17 )
reiさん、とってもステキな旅になりました。彼らがどう受け止めてくれたかについては追々書きたいと思います。reiさんも忙しいみたいだね? / Hidey ( 2002-05-31 01:16 )
Rさん、今回は季節はどんぴしゃでした。まず雨は降らない。それほどまだ暑くはない。気持ちの良い日々を過ごせました。神様が味方についたようです。Rさんは今年はご帰国するのかな? / Hidey ( 2002-05-31 01:14 )
邪夢猫さん、すっかりご無沙汰してしまいました。美味しいもの、食べてますよ。今度日記に特集して書きたいと思います。 / Hidey ( 2002-05-31 01:12 )
はるぴょんさん、そろそろご帰国ですね。僕は既においしいものはいっぱい堪能しています。和食はTrekで過剰なくらいに食べたので、むしろ日本のインド料理とかパキスタン料理に改めて感動しています。 / Hidey ( 2002-05-31 01:11 )
Hirokoさん、なんとか終えました。これからはとりあえず暇な日が続きますが、だれないように、ちょっとだけ引き締めてやっていきたいと思います。 / Hidey ( 2002-05-31 01:09 )
しゃむさん、体壊しかけたんですが、気力で直しました。ボストンにいた最後の頃は花粉症で死んでいたのですが、日本で直ってしまい、逆みたいです。今後もよろしくお願いします。 / Hidey ( 2002-05-31 01:08 )
りさ子さん、帰国しました。りさ子さんの好きなホイチョイの「気まコン」も久しぶりに読みました。あれ読むと一年後無沙汰した世相も3分で分かってしまいそうですね。 / Hidey ( 2002-05-31 01:07 )
ガス欠コインさん、戻りました。ようやくワールドカップが盛り上がってきましたね。テレビなどを見ては時々ガス欠コインさんのことを思い出していました。また熱気あふれる記事を楽しみにしています。 / Hidey ( 2002-05-31 01:05 )
夢樂堂さん、ご無沙汰してしまいました。温かいお言葉ありがとうございます。ようやく復帰です。今後ともよろしくお願いします。 / Hidey ( 2002-05-31 01:03 )
みかりんさん、ただいまです。今は日本の初夏を味わい尽くしています。またコンスタントに書いてまいりますので、これからもよろしくお願いします。 / Hidey ( 2002-05-31 01:02 )
Chieちゃん、ようやく戻りました!ちょっとフィー子さんとも相談して、ぜひ再会を果たしたいと思います。でもフィー子さん今体調悪いからね。。。妻はちょっと今回は無理そうです。今京都にて、4日からは友達とハワイ。その後はボストンにすぐ帰ってしまうのです。 / Hidey ( 2002-05-31 01:01 )
むらりょうさん、温かいお言葉ありがとうございます。Trekの最後は体調を崩しかけましたがなんとか大丈夫。これからはたっぷり時間ができるのでちょっとひまじん三昧しようと思います。 / Hidey ( 2002-05-31 00:58 )
しゃどうさん、ようやく終わりました。明日から夏休みと同時にワールドカップを堪能します。夏休み、ないんですか? / Hidey ( 2002-05-31 00:57 )
たらママさん、手堅いかどうか分からないけど、どうしようもなかったので目前のものから片付けました。明日からはもう少し落ちついて俯瞰して、今なすべきことをなしていきたいと思います。 / Hidey ( 2002-05-31 00:55 )
りりさん、なんとか忙しい日々にはけりをつけました。明日からはともすると自堕落になりそうな日々が続きます。せいぜい一年学んだことを忘れないくらいのテンションは保ち続けたいと思います。 / Hidey ( 2002-05-31 00:54 )
スーパーしえろさん、僕もスーパーしえろさんの日記は好きです。日記再開後には又お互い励ましあっていけるような日記が書ければと思います。これからもよろしくお願いします。 / Hidey ( 2002-05-31 00:53 )
パンドラさん、本当にご無沙汰です。同じ空の下にいますよ!パンドラさんはそろそろ明日に備えて寝てらっしゃる頃かな。とりあえずひとりラガーで乾杯してます。 / Hidey ( 2002-05-31 00:50 )
PAOさん、そういわれるとちょっとくすぐったい感じですが、ありがとうございます。ようやく体があき、明日からはゆっくりできます。ひまじんにも徐々に復帰していきたいと思います。 / Hidey ( 2002-05-31 00:49 )
ご無沙汰しております!そろそろ帰国なさっているのでしょうか。hideyさまのことだから休暇中も、お友達と会ったりだとか、なにかとお忙しいのかもしれないな、なんて勝手な想像をしています。いよいよ期末試験なのですね。よい報告お待ちしてます! / しまお ( 2002-05-25 13:55 )
Hidey様、たいへんたいへんご無沙汰しております。mediaoneがなくなってメールできなくなってしまいました。まさか日本に一時帰国するのに私に会わないつもりではないですよね。メールをください。 / はらぽ〜ん (r@harara.com) ( 2002-05-21 16:35 )
いよいよですね、ジャパントレック。スムーズにスケジュールが消化できますように!!! 日本で書かれる日記も、心待ちにしています! 今頃は試験直前・・・でしょうか?頑張ってください!!! / ゆー ( 2002-05-11 00:08 )
ご無沙汰しています。異動と引越がありドタバタして日記をずーと見てない間になんか面白いことやっていますねーー。我が輩やはらぽ〜んさんとの再会は考えてないのでしょうか????日本での商社の見学とか???19階で景色はいいですよーー。 / たまたま ( 2002-05-09 21:09 )
身体と旅路にお気をつけて。今度はお帰りなさいを言いに来ます。 / lim. ( 2002-05-09 16:26 )
もう、日本にいらっしゃるのでしょうか?久し振りの日本は如何ですか?日記の更新が楽しみです! / peach ( 2002-05-09 06:13 )
もうご出発なさっているのでしょうか? 海外にいらっしゃるのにそうではないような気がしたり、 でも やっぱり 遠くの風を感じたり。 ひりひりにならはったら キンカン塗ってください。(やっぱり やめてください。塗らんといてください。痛そうです。すいませんすいませんすいません。) ジャパントレックのご成功をお祈りいたします。 / 真賀砂州子(マガサスコ) ( 2002-05-08 23:00 )
↓頭に目に、文章が変でしたわ。失礼しました。おほほほほ / oggi ( 2002-05-08 22:11 )
Hidey様の日記を読んでいる時、自然と頭にロブスターが目に浮かぶの(笑) こうやってネットで身近に感じられるけど、住んでいる場所を聞いてしまうと、やはり距離を感じてしまうわ。久しぶりの日本、相変わらず黒木瞳さんは大活躍です。旦那様からのプレゼントのパール&ダイヤのネックレス(もちろん高そう!)してらしたわ。 / oggi ( 2002-05-08 22:10 )
まだまだハードな日々が続くのですね。でも、夏休みがあるんですね?うらやましすぎる。体に気をつけて。充実の日々の詳細をまた日記で教えて下さい。楽しみにしています。 / Ecru ( 2002-05-08 22:06 )
季節と人の感情ってリンクしますね。暖かくなれば、皆、開放感でオープンな傾向が強まる、そんな気がします。今週行こう、時間があっという間に経つんでしょうね・・・。どうぞ、無理はなさらないで下さいね。ぎりぎり、日本でお会いできるかも?ですね♪テストとトレックの成功をお祈りしています☆ / りぃな@つっこみはゆっくりじっくり。 ( 2002-05-08 12:34 )
忙しさを感じながらも季節を感じる心を持つ。心のひだがたくさんあるのでしょうね。私も心豊かに生きたい。ついでに懐も豊かに。休暇までがんばってくださいね。 / おとじろう ( 2002-05-08 11:11 )
Hideyさんの素敵な文章を読んだら、自然と未だ見ぬ街の情景が頭に浮かびました。かなりお忙しいと思いますが、どうぞお体にお気をつけて。成功お祈りしています。 / misato ( 2002-05-07 12:57 )
本当に時間が経つのって早いわ〜。Hideyさんのお友達にとっても素敵な旅になるといいね。Have a safe trip! / rei ( 2002-05-07 10:16 )
お勉強もいよいよ佳境ですね。Trekも大変そうですが、Hideyさまのセクションメイトの満足の声が聞こえる様です。この一年に学んだものを熟させたり、来年へのリフレッシュであっという間に終わってしまいそうですが、良い夏休みをお過ごし下さい。それにしても、5月6月に日本に帰られるなんて、羨ましいかぎり。わたしはどうしても7月の後半か8月になってしまうのです。 / R ( 2002-05-07 06:12 )
日本でゆっくりお休みして、美味しいものをたくさん食べてきてください。私が日本へ帰るのは6月末、入れ違いですね。 / 邪夢猫 ( 2002-05-07 04:23 )
お忙しそうですね。Hideyさまならそんな忙しさも楽しみに変えてしまわれるでしょうけれど、どうぞお体に気をつけて下さいね。私は6月に帰国予定です。これからもよろしくお願いいたします。 / はるぴょん@日本をでおいしいものを食べてね! ( 2002-05-06 23:53 )
Japan Trekもお勉強も佳境に入ったのですね。無理のない程度に頑張って下さい。身体が資本ですよー!まだまだ大変な日々が続くんでしょうけど、その後は有意義なお休みになるといいですね!次の日記も楽しみにしています! / Hiroko ( 2002-05-06 14:47 )
お体壊さないように気をつけてくださいね!試験&Trekの成功お祈りしています。 / しゃむ ( 2002-05-06 09:38 )
わお!帰国するんだ。ゆっくり骨休めしてね。 / りさ子 ( 2002-05-06 02:41 )
佳境を超えたら、ゆっくり休んで、エネルギーを充電してください。 / ガス欠コイン ( 2002-05-06 00:35 )
また日記の再開、首を長くして待っています。 / 夢樂堂 ( 2002-05-05 22:15 )
厳しい寒さを乗り越えて、身も心も春を感じているんですね。目標に向かってひたすら頑張るHideyさんに、大切なことを沢山教えてもらいました。どうかこれからも頑張って下さいね!日本できっと再会しましょう^^ / みかりん ( 2002-05-05 21:09 )
帰国したら会えるといいなぁ〜奥様ともお話したいし♪忙しそうだけど体調には気を付けてね! / Chie ( 2002-05-05 19:32 )
忙しいと思いますが、体調に気をつけて頑張って下さい。ひまじんは時間がある時に来るのが一番。楽しくなるし、心も豊かになるし。ではTrekもお気をつけて。 / むらりょう ( 2002-05-05 17:18 )
いよいよ、ですね。あっという間に時間が過ぎていくような気がします。体にはお気をつけて。期末試験と、Japan Trekが終れば、あとは本当の夏休みですね。今まで大変だった分、存分に堪能してくださいね。日記の更新、楽しみにしています。 / しゃどう@夏休み羨ましい。 ( 2002-05-05 14:56 )
プライオリティーは手堅く、頑張ってください。 / たらママ ( 2002-05-05 12:27 )
本当においそがしい日々なのですね。期末試験とJapan Trekのご成功をお祈りしてます。どうぞお体に気をつけて! / りり ( 2002-05-05 12:06 )
Hideyさまの日記を読むと、あたしもがんばろう!と思えます。(私なりにってことですが)早く帰ってきてね〜 / スーパーしえろ ( 2002-05-05 11:40 )
いよいよ、なのですね! しばしのお別れ・・・でも、次にHideyさまの元気な声がきけるのは、同じ日本の空の下だわ! たくさんの実り多いお話を、今からわくわくしながら楽しみに待っていますね。その日まで、どうぞお元気で! / パンドラ@Trek大成功お祈りしています ( 2002-05-05 09:11 )
困難にも真正面からひるまずにぶつかっていくHideyさんの日記を読んで、勇気付けられることが多々ありました。しばらく会えないのは寂しいけれど、また日本で登場される日を楽しみにしております。 / 走る酔人(PAO) ( 2002-05-05 08:10 )

2002-04-20 Japan Trek途中経過 2

ほかに訪問する企業はNTTドコモ、新生銀行、ソニー、トヨタに決定した。観光的要素としては元高見山の東関部屋見学、築地市場訪問、箱根の温泉旅館宿泊、京都ガイドツアーなど。京都では同じくリーダーを務めるわかな嬢の活躍で、東福寺の福島老師自らの案内による禅堂拝観も予定されている。レセプションでは元大蔵省財務官の「ミスター円」、榊原英資慶大教授を初めとする著名なスピーカーによる講話もある。

先日の日記にも書いたが、今回のTrekは通常の旅行代理店主催のツアーとは異なるひねりのきいたツアーにしようと思っている。東京に到着する5月21日の夜はフィー子さん紹介、宿泊先の新宿にあるおいしい居酒屋でウェルカム・ディナー。まずは日本の庶民の味を知ってもらいたい。

翌日うちの会社を訪問したあとには「東京Scavenger Hunt」という企画を予定。Scavenger Huntというのは、もともとは指定されたいくつかの品物をお金を遣わずにいち早く手に入れることを競うというゲームだ。それを少し応用して、例えば「渋谷の109でコギャルと記念撮影」などの宿題を外国人学生に与え、時間は競わないが証拠写真を撮らせ、夜には報告会を実施する。言葉も通じず土地勘もない中苦労の末目的を達することにより、東京の街を肌で知ってもらうという主旨だ。

三日目の夜は我々スタッフが個人的にお薦めする店へ、参加者の選択による少人数のグループを連れていく個別ディナー。もんじゃ、ガード下の居酒屋、純正イタリアンなどを予定している。

四日目の午前中と五日目の終日は東京フリータイム。自由に行動してもらってもいいが、一応オプショナル・ツアーとして「東京アングラ文化探検」、「渋谷・原宿ショッピング」、「鎌倉の旧家でのお茶会」、「秋葉原探検」、「奥多摩澤乃井酒造見学」などのツアーを想定している。

京都での終日フリータイムには、一足伸ばして広島平和記念公園で改めて戦争と平和を問うオプショナル・ツアーも予定。これは僕もぜひ行きたいと思っている。

基本的に言葉が通じず、まちがいなく日本人と比べバラバラの行動を取るであろう70人の外国人学生達を引率することを考えると今から頭が痛む。分単位で我々のとるべき行動、指示系統、必要な備品などを書き込んだ進行表をこれから僕が作らなければならない。ホームページもまだ完全にはできていないので、これからの一ヶ月は週末はないに等しい。本当は今日から2泊3日でうちのセクションの男子学生30人でのモントリオール旅行に行くはずだったのだが、直前になってこれは無理だと思いキャンセルしてしまった。心残りではある。

それでも2200ドルの大金を払ってまで僕たちの国を訪れてくれる友人達のことを思うと、できるだけ実りあるツアーにしたいと思ってしまう。まあ昔から僕は単にこういうことが大好きなだけなんだけど。勉強さえなかったらそれこそ寝食を忘れてすべてを捧げてしまうところなのだが、相変わらず学びの遅い僕は忍び寄る試験の脅威も手伝いツアー企画と学業の両立に大変苦しんでいる。そんな訳で日記が一番犠牲になりがちなのですが、皆さんどうぞご理解ください。

先頭 表紙

akemiさん、「今日」と書かれたのは5月24日のことですよね。その日は全メンバー東京にいたはずです。25日は朝からスタッフの実家鎌倉に12人ほど外国人を連れて行ったツアーがありましたが。それも夕方には東京に戻っているので、偶然の一致でしょうね。でも不思議。 / Hidey ( 2002-05-31 00:47 )
peachさん、やっぱり無理してしまいました。でもお陰でTerkは大成功。しかもまだ生きています。peachさんには何でも読まれてしまいそうで怖いです。 / Hidey ( 2002-05-31 00:44 )
りぃなさん、ご無沙汰です。ようやく終わりました。またベット連絡を取らせていただきたいと思います。ようやく少し休めそうです。 / Hidey ( 2002-05-31 00:43 )
なんか妙に符合するんだけど・・・今日見えたお客さま...広島と京都と東京って。  まさかオプショナルの方? / akemi ( 2002-05-25 00:16 )
ヤッパリ〜ッ!?!今も無理していませんか?休める時には目一杯?お休みして、後悔の無いように納得の行くモノを…(どんなにブレ〜キを掛けてもネ、絶対に!?頑張り過ぎちゃいそうだモノ) / peach ( 2002-05-09 06:11 )
上でつっこみそびれましたので、こちらで・・・。トレックって、ホントにもうすぐなんですね!お手伝いって言っても、こちら日本にいませんが(汗)もし出来ることがあれば、いつでもどうぞ〜。そちらもファイナル頑張って下さいね! / りぃな ( 2002-05-09 03:02 )
わかな、ありがとう!本当に君の笑顔が支えだよ。。。(笑)取りあえずは試験を乗り切ろう! / Hidey ( 2002-05-05 06:11 )
Hirokoさん、ありがとう。僕は酒造見学、屋形船、広島ツアーを引率することになりそうです。梅田の高架下居酒屋、ぜひ入れます!広島と同じ日なので仲間に頼んどきます。 / Hidey ( 2002-05-05 06:10 )
PAOさん、ありがとうございます。ほんと、僕もオプショナルツアーまで全部参加したいくらいです。色々背景を解説するのが大変そうですが。 / Hidey ( 2002-05-05 06:08 )
フィー子さん、俺様さんと一緒にコギャルルックでどう? / Hidey ( 2002-05-05 06:07 )
りぃなさん、日記復活おめでとうございます。入れ替わりで僕が休載になりそうです。お手伝い、ぜひお願いしたい。そちらもそろそろフィアナルかな?頑張ってね。 / Hidey ( 2002-05-05 06:06 )
peachさん、ええ、何とか記憶に留めておいてこの間のことを記録したいと思います。授業の話もね。振れるところは振る、本当に貴重なご助言です。危うくそうしないで死ぬところでした。 / Hidey ( 2002-05-05 06:05 )
misatoさん、ほんとそんな感じです。こちらのセクション(クラス)はちょうど80人なので、まさに先生気分です。ところでオギャル、ネットで調べて何のことかようやく分かりました。ちょっとさすがにこちらの友人にもそんなのは見せたくないですね(笑)。 / Hidey ( 2002-05-05 06:03 )
lim.さん、HP、辛かったけど結構はまりました。おもしろい。でも確かにこの苦労は周りのスタッフには理解不能であるというのは辛かったです。 / Hidey ( 2002-05-05 06:02 )
reiさん、そちらも忙しいみたいだね。reiさんもこちらの友達を日本で案内したことはあるのでは?やはり嬉しいことですよね。identityを知ってもらうようで。俺様の乱入も楽しみです。 / Hidey ( 2002-05-05 06:01 )
俺様さん、いや、みんなで考えているツアーですので。109の方の仕込み、ぜひよろしくお願いします!もちろんルーズソックスで。 / Hidey ( 2002-05-05 05:59 )
邪夢猫さん、Scavengerはこれからそのテーマを考えようと思っています。色んな面白いところに行ってほしい。次から次へとアイデアが湧いてきそうです。 / Hidey ( 2002-05-05 05:58 )
mignonneさん、本当にあっという間に当日です。まあこれまでも200人のツアーを仕切ったりしたことはあるのですが、外国人となるとやはり大変でしょうね。でも道に迷ったってそれも経験。あまり気にし過ぎないようにしようと思います。 / Hidey ( 2002-05-05 05:56 )
たらママさん、ほんとにあっという間すぎて怖いです!時間よとまれ。ついでに試験もなくなれ(笑)。 / Hidey ( 2002-05-05 05:55 )
ガス欠コインさん、HP、結構仕上がってきました。ワールドカップのページも作ってしまいました!ちょっと忙しさのあまり途中から義務感の方が勝ってきてしまいましたが、先日のプレパーティーで参加者の顔を見て、また彼らに日本を見せる喜びが戻ってきました。 / Hidey ( 2002-05-05 05:53 )
KATSUMIさん、その方面のお仕事なのですか?それならほんと知り合い多そうです。僕自身はじめはスポーツイベントの部にいて、トヨタカップ、当時のXEROXスーパーサッカー、イタリアワールドカップなどの運営も手伝ってましたので、今でもその方面の社員とは交流があります。 / Hidey ( 2002-05-05 05:51 )
プルーさん、確かにみんな内容に比べれば高くないといってくれてます。リッチな学生も多いようですしね。サマーインターンでお金もいっぱい稼ぐでしょうし。ワールドカップは日本が進む可能性のある二つの試合のチケットを確保してあります。楽しんできます! / Hidey ( 2002-05-05 05:48 )
パンドラさん、ぜひご一緒してほしいところですが、うるさいですよー、あいつら。体を大切に、頑張ります! / Hidey ( 2002-05-05 05:44 )
マッキ〜さん、関西はまだあまりオプションツアーが充実してないので参考にさせていただきます。情報ありがとうございます。 / Hidey ( 2002-05-05 05:43 )
はなさん、はじめまして。せっかくつっこんでいただいたのにご挨拶が送れて申し訳ありません。今から言うのはなんだけど、この達成感はきっと今までのどんなハードな仕事ともことなるものがあると思います。今はただ邁進するのみ!これからもよろしく。 / Hidey ( 2002-05-05 05:42 )
フィー子さん、誤字、直ってるかな?それがあんまり楽しめてなかったのです。あまりに勉強との両立が辛くて。それさえなければねー。でも先日Pre-Trek Partyというのがあって、その準備も大変だったんだけど、初めて大勢の参加者を目の当たりにし、改めて日本人スタッフは一丸となってやる気になりました。喜んでもらえるって嬉しいよね。 / Hidey ( 2002-05-05 05:41 )
akemiさん、そのオプショナルツアーは残念ながら参加できないことになってます。また別途改めてね。よっしーくん退院おめでとうございます。でもそんな今バランスを崩してしまうってのはやっぱりそれが生きてるってことなんでしょうね。何かがハッピーに収まればそれですべておしまい、ってことではないですもんね、人生ってのは。これからもタフに動きつづけるakemiさんの日記を楽しみにしています。 / Hidey ( 2002-05-05 05:39 )
がんばろうね、Hidey!! / わかな ( 2002-05-02 15:15 )
大変でしょうけど、出発前になって疲れがたたって寝込む、なんてことのないよう、お身体にはお気をつけ下さいね。 / Hiroko ( 2002-05-01 10:40 )
わぉ! なんて楽しそうなツアーなのかしら。日本人でも充分でも楽しめそう!っていうか、日本人も知らない日本のような気も!? 私なら東京フリータイムには「鎌倉でお茶」か「秋葉原探検」「酒造見学」に参加したいです。あと京都からの終日観光に大阪、箕面の滝&温泉with梅田の高架下居酒屋ディナーも入れてくださいな♪(たこやきランチと)  もうすぐなんですねー! バッタリお会いできたらいいのになー♪ / Hiroko ( 2002-05-01 10:39 )
Japan Trekの成功お祈りしてます。でもとても面白そうな(わたしも参加したいと思えるほどの)企画ですねえ。 / 走る酔人(PAO) ( 2002-04-29 15:13 )
↓俺様!無理無理ー(笑) / フィー子@笑えた ( 2002-04-29 13:09 )
Hideyさんの新しい日記が読めないのは淋しいですけど、大仕事を抱えてはりますもんね。また経過をお知らせいただけたら嬉しいですvにしても、日本人の私でさえ参加してみたい内容です。大変でしょうが、120%満足してもらえるはず◎ お手伝い、出来たらいいんですけど(^^ゞ / りぃな ( 2002-04-25 18:44 )
Hidey様、落ち着かれてからでも思い出しながら、記録されて置くと振り返った時の感想も一塩でしょうね。凄く張り切られているHidey様が目に浮んで来る感じです。パワ〜レスに成らないように、振れる所は他の方にサポ〜トをお願いしながら、乗り切って下さいね。。。 / peach ( 2002-04-25 06:39 )
70人の引率というと修学旅行等で先生が2クラス受け持つような感じですね!コギャルの生息数はかなり低下して、今は「オギャル」が増加しているかもしれません(笑)でも更にもっと進化していたりして!? / misato ( 2002-04-23 18:57 )
ひゃー。HP製作ですか。がんばって下さいね。肩が凝るんですよね、あれ。眼も痛くなるし。 / lim. ( 2002-04-23 11:07 )
すっごい楽しそう!読んでるだけでわくわくしてしまいました。2200ドル払っても日本に行ってみたい、って思っている人達が70人もいるってすごいことだよね。Have a great time!(それにしても俺様ってやっぱり面白すぎる。好きだわ〜。) / rei ( 2002-04-23 04:09 )
さっすがはHidey氏。素晴らしいツアー内容ですな!俺様の役割はとりあえず109のコギャルの役でいいっすか?(謎) / 俺様 ( 2002-04-21 22:58 )
と〜っても面白そうです。特に「東京Scavenger Hunt」というのは楽しそう。Hideyさまは楽しむ、というよりお疲れ、って感じですよね。でもこの旅行をした学生たちはきっとHideyさまに心から感謝ですね。素敵なナビゲーターです。私もこんな旅行してみたい。 / 邪夢猫@まゆ猫改め ( 2002-04-21 21:27 )
ずいぶん先のような気がしていたのに、あっという間に出発当日を迎えてしまいそうですね!でも70人は恐ろしすぎる・・・ / mignonne ( 2002-04-21 20:17 )
私は自分だけの旅行企画だとどんなハードスケジュールでも厭わないんですが、それにしても70人を引率なんて想像つきませんし、気が遠くなりそうです。でも、気合いというか熱意が文章から伝わってきます。1ヵ月なんてあっという間ですよ。 / たらママ ( 2002-04-21 08:21 )
HP制作に対する気持ち、よくわかります。途方もない労苦があるでしょうが、頑張ってください。それが終わったら、休暇を得られるんでしょ。参加人数を聞いただけで、僕は逃げ出してしまいそうです(笑)。笑い事じゃないよな、とにかく頑張ってください。 / ガス欠コイン ( 2002-04-21 05:35 )
日本にいる私でも参加したい内容ですね。無理しないよう頑張ってください。ワールドカップやコンテンツ事業というと共通の知人がいそうですね(笑)。 / KATSUMI@故障リスト ( 2002-04-21 01:06 )
Hideyさんの会社見学っていうのがいいですね。でも70人も連れて行けるんですか。大変そうだわ。2200ドルでそんな色んなところへ行ってかけがえのない経験するんですもの、決して高いとは言えないと思います。あまり無理をなさらないよう、適当に力抜いてくださいね。 / ワールドカップももうすぐですね@プルー ( 2002-04-21 01:01 )
なんと魅力的な!! アアうらやましい、みなさんにまぎれてワタシもご一緒したいな(笑) Hideyさまのことだから、ツアー企画にも徹底してチカラを注がれているんでしょうね。超多忙の毎日、お身体は大切にしてね。 / パンドラ ( 2002-04-20 23:59 )
この春、神戸に震災の資料館だか何かがオープンするそうですよ!足を伸ばせるならそこに行ってみてはいかがでしょう。でも、修学旅行生で混みあいそうとか言ってましたが。。 / マッキ〜 ( 2002-04-20 18:06 )
わ〜70人の外国人の引率・・・すっごく大変そう。でも無事に終われば、すごい達成感ですよね。がんばってください! / はな@はじめましてのコニャニャチワ ( 2002-04-20 18:03 )
珍しく誤字があるあたり、忙しさがひしひしと伝わってきます(笑)。同時に実は楽しんでるという様子も。そのまま旅行会社に就職したりして。5月末は世界中の人たちが日本に来ているので(報道陣とか関係者)、秋葉原は外国人率高くなりそうですね! / フィー子 ( 2002-04-20 17:29 )
うげっ、、、想定されたオプショナル・ツアー先には…。。(笑) あたしはちょっと、精神のバランスを欠いているかも…、なこの頃。座禅会でも行こうかなあ。。あ、お寺でもお茶会やってるよ、多分。。 / akemi ( 2002-04-20 17:02 )

2002-04-20 Japan Trek途中経過 1

今さらながらボストンは春だ。カリフォルニアの親友が春を連れてきたかのように、その日からくっきりと気候が変わった。ここ最近は20度を越える日が続き、火曜日には何と31度の最高気温を記録した。この2週間でそれまで裸だった街の木々がいっせいに緑に変わった。あちこちで小ぶりの桜が花をつけ、「ああ、ここにも桜があったんだ」と今さら気づくことしばし。先日妻とダウンタウンへドライブをした際、MITの講堂とチャールズ・リバーの間の道路の中央分離帯にたくさんの桜が花を広げていた。一番生長の遅い蔦もまだ皺の寄った赤子のように小さな葉をようやく茶色の煉瓦の上に這わせ始めている。

そんな中僕はこれまでに増して多忙な日々を送っている。勉強が大変なのはいつものことだが、ここへ来てJapan Trekの準備作業が重くのしかかってきており、ケースが読みきれないこともたまにある。日本人学生と日本で就職していた日系アメリカ人の合計9人で作業を分担しているのだが、皆同様に余裕がなくなってきているようだ。予想通り大人気のツアーとなり、正式に約80名の学生が参加することが決まった。その人数ゆえに作業が煩雑になっている部分も少なからずある。

僕個人は全体のディレクションやコーディネートという曖昧な仕事に加え、言い出しっぺとしてホームページを作成する役目を負うことになってしまった。その方面においてまったく素人の僕は、HP作成ソフト「フロントページ」をダウンロードし膨大な試行錯誤を重ねて初めてのホームページを作り始めた。謙虚に単純なものを作ればよいのだが、なまじビジュアルな表現の世界で生きてきた者としては実力がないくせに妥協ができない。シンプルでセンスのある体裁をこころがけ、なんとかそれっぽくなってきたので是非皆さんにもご紹介したいところだが、プライバシーに関わるところが多いので残念ながら控えさせていただく。

その忙しさに追い討ちをかけるかのように、このTrekで僕の会社を訪問することが正式に決まった。シカゴのビジネススクールで同じような日本へのツアーを開催したが、どんな世界的なメーカーよりも広告代理店の訪問が断然人気が高かったという情報をメンバーのひとりが披露。単純に日本のCMを見て特異な消費者感覚をつぶさに学べたことがとても受けたようだ。それは僕の会社のライバル企業だったのだが、せっかく僕がいるのでということで急遽そのように決定したのだ。

メーカーと違ってビジター用見学施設や素材といったものがまるで存在しない。新規クライアントへのプロモートに際しては、各営業が様々な資料をカスタマイズして加工するのが常である。しかもソニーやトヨタなら海外の学生も充分予備知識があるが、日本の広告代理店の名前など誰も知らないのだ。なぜうちの会社を訪れる意味があるのかという根本的な疑問から答えるべく、僕が初めに簡単なプレゼンテーションをしなくてはならない。

まずは理屈抜きで現在の日本を象徴する数々のうち制作のCMを見てもらい、それに続いて僕が日本のメディア文化におけるうちの会社の位置付けと役割、事業の幅、今後の課題と戦略などを簡単に話す。そのあとは大手クライアント担当の営業に登場してもらい、四媒体・プロモーション・イベント・CRMなどにまたがる横断的なキャンペーン事例を紹介してもらう。また日本の総合広告代理店、ことにうちの会社ならではということで、ワールドカップ作業や「ポケモン」、「千と千尋の神隠し」などのコンテンツ事業をその担当者に説明してもらう。

(つづく)

先頭 表紙

またようやく暖かさが戻ってきたみたいですね。会社に来てもらうのは嬉しいのですが、とにかく準備がたいへん。でも久しぶりに自分がうちの会社の社員であることを実感しました。不思議な気持ちです。 / Hidey ( 2002-05-05 05:35 )
こちらも3月以降、一気に暖かくなってきてます。クレイジー・オクラホマなので、ここ最近はまた冷えてますが・・・。ご自分の会社を訪問してもらう、なんてステキな反面、ちょっとドキドキですね!私も訪ねてみたいもんです♪MBAのベンキョ+ホームページに旅行の企画・・・ホント、お疲れ様です!風邪にはお気を付けて〜☆ / りぃな ( 2002-04-25 18:30 )

2002-04-12 ボストン観光案内 2

クインシー・マーケットというのは19世紀初頭に建てられた三つの細長い建物からなる食品中心のマーケットなのだが、現在はニューイングランドゆかりの品々を売る店や通常のブティックが並んでいる。建物の中には土産物を満載した小さな屋台が所狭しと並んでおり、なかなか壮観だ。この日は春の二日目でとても暖かかったので僕たちは建物の外にテーブルを並べたシーフードカフェで昼食を摂った。同じ並びに歴史的な集会場、ファニュエル・ホールが立っている。独立戦争以前からの建物で、大陸からの独立を説く論客がここで演説をしたという。

子供達がクインシー・マーケット前の広場で大道芸人に夢中になっていたので、先ほどからそわそわしていた親友の奥さんを連れて、彼女のお目当てのヘイ・マーケットへ歩いた。新鮮な野菜や果物がどれもほとんど一束1ドルという安さで並んでいる。狭い歩道にそって無数の小さな露店が並び、そこに大勢の客が詰め掛けるので、まるでラッシュ時の新宿駅のような混雑ぶりだ。彼女は子供達のためのイチゴとブドウを買ってかえった。

クインシー・マーケットを後にし、ボストンきっての高級住宅街、ビーコン・ヒルへ向かう。その名の通りなだらかな坂が縦横に縫う瀟洒な煉瓦造りの住宅街。ガス灯が等間隔に道を飾り、これからの季節は煉瓦の壁を這う蔦が古い家並を彩ることになる。あまりの美しさに親友夫婦はすっかり眠りこけた子供達を僕とともに車に残し、写真撮影に興じていた。

いよいよ僕の通う学校へ向かうのだが、街の中心部からチャールズ・リバー沿いに学校へ向かう道がまた美しい。車を走らせる左手すぐにヨットが白い帆を広げる川が臨め、その向こうには古く背の低い建物を足元に従えた二本のタワーが聳えている。建物に灯が点りはじめる夕暮れ時は特に壮観だ。この通りに沿って、右手にMIT、左手の川向こうにボストン大学、そしてもう少し行くと狭くなった川の左右に僕の学校が現れる。右が四年制大学のドミトリー、左が僕の通うビジネススクールだ。

親友も一番の目当てと言っていたビジネススクールを案内した。これも煉瓦で統一された均整の取れた数々の建物が、ようやく緑色に生え変わり始めた芝生の上にしっとりと佇む。既に慣れていいはずの僕は今でもこの学校の美しさに我を忘れてしまうことがある。図書館、僕が毎日学ぶ校舎、昨年できたばかりの壮麗な学生会館などを案内すると、彼も奥さんも何度も溜息をついてその美しさに呆然としていた。

その夜は彼らを僕のアパートに招き、ひとつ覚えのパスタやアンティパストをご馳走した。この日のパスタはナスとたまねぎ、ケーパーを使ったトマトソースと、恒例のボンゴレの二種類。スタンフォードの学生らしく彼が買ってきてくれたナパのRobert Mondaviのシャルドネをあけた。女の子たちが持ってきたトランプで僕たちも子供にかえったように他愛のない遊戯に興じた。あっという間に時は過ぎ、名残惜しく彼らをタクシー乗り場まで送った。

彼は一年間のプログラムなので今年の7月に帰国する。6月に一時帰国からアメリカへ戻る僕とはすれ違いなので、次に会えるのは1年以上先ということになる。社の派遣制度による今回の留学を経て、僕たちの運命はこれまで以上にうねった道筋を描き出すことだろう。20年来の友人ではあるが、この先には僕の知らない彼がいて、僕の知らない僕がいる。20年後僕たちはどんな新しい言葉を語っているだろう。手つかずの未来はいついかなるときも麗しい。


*写真はうちの学校の図書館


先頭 表紙

ガス欠コインさん、フィー子さんを通じてご連絡するかと思います。 / Hidey ( 2002-05-05 05:33 )
I see.です。 / ガス欠コイン ( 2002-04-21 05:37 )
たまたまさん、ご無沙汰!日記は時々読ませてもらってるけどね。新オフィスってどこに行ったの?新しい仕事は何をしてるのかな?うちと関わりがあるというとメディア系のお仕事かな?こちらのメールアドレスは、以前のmediaoneの方のドメインを、attbi.comに直していただければ届きます。学校のアドレスは当然生きています。 / Hidey ( 2002-04-20 16:07 )
ricaさん、それは懐かしいでしょうね。なるほどどちらの大学にしても素晴らしい大学。ご近所さんだったんですね。最新の日記にも書きましたがもうこちらは春真っ盛り。もう少しで新緑も全開というところです。ボストンにお越しの際はぜひご連絡ください! / Hidey ( 2002-04-20 16:03 )
lim.さん、ぜひ付いてきちゃいましょう!この街は学校の好きなlim.さんには格別かもしれません。ハーバード、MIT、タフツ、BUなどいくつあるか知れません。ボストン市の平均年齢は26歳とのこと。MITはメインの建物や有名な講堂がとても風格があり、いつ通っても素敵です。お越しの際にはぜひご連絡を。とっておきのボストンととっておきの食をご用意して待ってます。 / Hidey ( 2002-04-20 16:01 )
はるぴょんさん、お褒めのお言葉、ありがとうございます。でもこの景色を前に僕の文章など無力。まさにアメリカでは一番歴史のある街のひとつであるボストン。ぜひ訪れてほしいです。 / Hidey ( 2002-04-20 15:56 )
フィー子さん、僕も神戸の試合、手紙がきたよ。お互いよかったよかった。フィー子夫妻が来てくれるのはいつ頃になるかなー。フィー子さん冬も好きと言うけど、雪はさっさと片付けられてしまうので、やっぱり緑の美しい春、夏をお薦めします。 / Hidey ( 2002-04-20 15:54 )
misatoさん、ぜひぜひ来てください!僕がこちらにいる間だったらよろこんでご案内しますよ。バークリーの界隈はいつもあそこの学生が一風変わった雰囲気を醸し出しています。ご存知の通りこの街にはボストンシンフォニーもあります。まだ観に行ったことがないんだけど、先日たまたま寿司屋で小澤征爾さんと遭遇。すっかり舞い上がって一緒に記念写真など撮らせてもらいました。 / Hidey ( 2002-04-20 15:51 )
ガス欠コインさん、もうすぐ本番だというのに(だからこそ?)お忙しそうですね。W杯期間中は休養!…というわけにはいきませんよね。済みません。とっちーも忙しいみたいで、前にガス欠コインさんのことを書いたメールを出したのですが、いまだに返事がきません。今度6月にでも一緒にお会いしましょうか? / Hidey ( 2002-04-20 15:48 )
しゃむさん、嬉しいお言葉をありがとうございます。昔の大切な友人は沢山いますが、いくつになっても新しい出会いを大事にしたいと思っています。そういう意味では昨年からの数多くの出会いはとても貴重でした。一生のつきあいがまた沢山生まれるといいなと思っています。 / Hidey ( 2002-04-20 15:46 )
KATSUMIさん、ほんとによい街ですよ。いつの日かぜひどうぞ! / Hidey ( 2002-04-20 15:44 )
たらママさん、15年前も全然変わってないでしょうね、その辺は。僕は18年前にメイン州に留学していたときに二度ほど訪れたのですが、ホストファーザーの運転する車で夜のチャールズリバーに沿って走りながら、彼が僕の今の学校を指差して、「あれが・・・・・だよ」と教えてくれたことが不思議と記憶の片隅にあります。まさかそこで自分が勉強するとは夢にも思いませんでした。 / Hidey ( 2002-04-20 15:43 )
マイケルさん、その映画は観たことがありません。今度休みにでもビデオ屋で観てみよう。競馬場はまだ見たことがありません。どこにあるのかな? / Hidey ( 2002-04-20 15:35 )
むらりょうさん、MBAの学位は取れないのですが、スタンフォードやMITにはそのような制度があります。それとヨーロッパのMBAは基本は1年間ですよね。 / Hidey ( 2002-04-20 15:34 )
ほんとーご無沙汰しています。今日から新オフィスでがんばります。本社の19階なんで、、見渡しはいいです。また再会したいですね、、、これからの新役割はいろんなことできて、貴社とも絡む可能性あるのでそのときはよろしくお願いします。メルアド後日おくります、、、でも、貴方のアドレス変わったんですかね? / たまたま ( 2002-04-19 09:19 )
情景が目に浮かんできてとってもなつかしいです〜、ホントに!ちなみに大学は・・・Hideyさんが日記(全体) の中に書かれていた大学のうちの1つです。うふ。近いうちにボストン行きたいです〜。 / rica ( 2002-04-18 11:58 )
指導教官が夏にMITに行くので、付いていっちゃおうかなあ... / lim. ( 2002-04-17 17:30 )
古い、歴史のある建物や街並が好きなので、いつかぜひ訪れてみたいです。Hideyさんの文章はいつ見ても素敵。情景がくっきり思い浮かぶの。 / はるぴょん ( 2002-04-17 02:37 )
こ、これが図書館・・・。想像以上です。どうも読んでいるとやはり西海岸とはだいぶ雰囲気が違いそうですね。西海岸しか知らないので東への憧れがもともと強いのだけどさらにいっそう強くなってきました!下の文章に出てくる、煉瓦に蔦がからまる古い住宅街。ああ、ああ、素敵・・・。 / フィー子 ( 2002-04-15 23:34 )
Hideyさんの日記拝見してボストンにぜひ行ってみたいーって思ってしまいました。たまたま先日友人の知り合いの方がバークリー音楽学院で勉強していたという話しをされていて、ボストンという街がとても印象に残っていたのでミサトにとってすごくタイムリーな日記でした♪手つかずの未来ってとってもいい言葉ですね・・・。 / misato ( 2002-04-15 12:23 )
超多忙につき、すっかりご無沙汰しておりました。自分の日記の更新はいつ出来るかな。思い出の街が蘇ったようで、嬉しい原稿でした、ありがとう。そういえば、木曜日、聖路加付近でとっちーとバッタリ。メールでも来たら、僕のハンドルネームでも教えてやってください。立ち話だったので言い忘れてしまって(笑)。 / ガス欠コイン ( 2002-04-13 13:17 )
昔からのお友達って、何年経ってもその時にタイムスリップしたような気がしますよね。Hideyさまの情景描写、なんだか私までボストンにいる気がしました。 / しゃむ ( 2002-04-13 11:18 )
ボストン、良い町なんですね。一度行ってみたいですが、近いうちには無理そうで残念です。 / KATSUMI@W杯専念 ( 2002-04-13 02:28 )
クインシー・マーケットにビーコン・ヒル、なつかしいです。15年前に行きました。ボストンは本当に観光スポットが豊富でいいですよね。 / たらママ ( 2002-04-12 22:43 )
以前ボストンが舞台の 「Next Stop Wonderland」という映画を見ました。主人公の元配管工が海洋学を勉強しながらパートタイムで水族館で働いているのです。もちろん水族館やその近所?の競馬場も出てきましたし、ホエールウォッチングのシーンもありました。 / マイケル ( 2002-04-12 19:26 )
1年間のプログラムなんてあるんですね。会社を辞めて行ける期間ですね。。。しかし、そんなに信頼でき、境遇をわかってくれるアドバイザーが近くに居てくれるって幸せですよ。 / むらりょう ( 2002-04-12 18:08 )

2002-04-12 ボストン観光案内 1

翌朝は11:00に親友とその家族を迎えにホテルへ向かった。この日は一日彼らを案内してボストン観光。ボストンはすべてが凝縮された小さな街で、簡単に見どころを廻ることができる。僕自身あまり観光名所には行かないのでこれまで取り上げたことがなかったが、この機会に友人を連れて回ったコースを辿りながらボストンの見どころをご紹介したい。

小さな赤いシビックに彼らを乗せてBoylston Streetを東へ向かった。この通り沿いにはボストンを代表するプルデンシャル・タワーと一面ガラス張りのジョン・ハンコック・タワーという高層ビルが立っている。ジョン・ハンコック・タワーの目の前には1877年に建てられたロマネスク様式のトリニティ教会がある。毎週金曜にはパイプオルガンのコンサートを無料で楽しめるという。

Boylston Streetに並行して、煉瓦造りの小ぢんまりとした建物が連なるショッピングストリート、Newbury Streetが東西に走る。ファッション、雑貨、レストランとあらゆる店が建ち並び、Boylston Streetの現代的な表情とは好対照を成している。この二本の通りを歩けばほとんどの有名ブランドショップをカバーすることができ非常に効率的だ。ここにないブランドといえばブルガリくらいだそうだ。

Boylston Streetを東に進むと、左手に緑の美しいボストン・コモンという大きな公園が見えてくる。市民の憩いの場であるだけではなく、ハイドパークやセントラルパーク同様、集会、演説、演劇など、誰もが分け隔てなく街の知的なリソースに接することができる場所でもある。

ボストン・コモンの終わりの交差点を右折するとシアター・ディストリクトが現れる。代わる代わる訪れるブロードウェー・ミュージカルの地方公演を一年中楽しむことができ、現在はエルトン・ジョン作曲、ティム・ライス作詞による「アイーダ」を上演中だ。すぐに左折すると一変してそこはチャイナタウンだ。漢字の看板が並び、心なしか建物も雑然としている。

港に沿った環状の通りを北に上がり、再び街の中心側へ向かって左折すると高層ビルの建ち並ぶフィナンシャル・ディストリクトが現れる。ニューヨークに本拠を置くあらゆる金融系の企業が所狭しと建ち並び、そこの部分だけ空が狭く、さながら小ウォール街といったところだ。

しばらくその界隈をジグザグと廻り再び港へ出ると、そこには巨大なニューイングランド水族館が立っている。ちなみにこの港からはホエール・ウォッチングのための船が出ている。僕も高校生の頃メイン州の友人達と鯨を見に行ったことがあるが、船の真下を鯨が潜り抜け、船が大きく傾いた後にその巨大な姿を水面に現したことときの驚きは今もよく覚えている。

しばらく湾岸通りを北へと進むと、港のカーブに沿って北へ向かっていた道が西へと折れ曲がる。そこがノースエンドと呼ばれる区域で、一本中へ入るとちょっとしたイタリア人街となっている。イタリア料理店が立ち並ぶHanover Streetを進む。他のどの通りとも風情が違い、夜歩くとまるでローマの裏道といった感じだ。限りなく並ぶリストランテについつい期待してしまうが、そこはアメリカのイタリアン。正直あまりお勧めできる店はない。

そのまま街の中心部へ戻ると、ボストンの観光ガイドには必ず登場するヘイ・マーケットという主にイタリア系住民による金曜と土曜だけ開かれる露店の市場が見えてくる。そのすぐそばにはボストンを代表する観光名所クインシー・マーケットがある。我々は近くの駐車場に車を停めて、しばらくこのクインシー・マーケットとヘイ・マーケットでぶらぶらすることにした。

(つづく)

先頭 表紙

りぃなさん、日記を読ませてもらいましたが冬の方がいいようですね。僕はボストンに母と伯母を連れて戻り、また落ち着くのは6月末になります。7月上旬からはヨーロッパに2週間ほど行こうと思ってるし。すれ違いそうですね。冬に会いましょうか。 / Hidey ( 2002-05-09 10:02 )
実は、日本に帰る前に・・・とか思ってたんですけど、その時は多分6月、Hideyさんは日本・・・♪冬休みでしたら、お酒も解禁になりますので、やはり冬休みにしようかなー、と・・・(苦笑) / りぃな@あとはGW以降かしらん。 ( 2002-04-25 18:49 )
りぃなさん、ぜひリベンジにどうぞ!冬休みといわず、夏休みにでも来てもらえれば、一番美しいボストンをお目にかけられるし、僕も個人的にご案内できると思います。去年8月、僕も既にいたんですよね。どこかの街角ですれ違ってたかもしれないね。ほんと、よかったら遊びに来てね。 / Hidey ( 2002-04-20 15:32 )
プルーさん、ぜひ機会があったら遊びにいらしてください。これからは気候もいいしね。Harvard界隈は本当に古都ボストンって感じがしますよね。最近は暖かい夜が多く、Harvard Squareに人が多く出ている中を歩いているととても幸せな気持ちになります。 / Hidey ( 2002-04-20 15:30 )
懐かしいな〜。去年の8月の旅行の時、ボストンも少し観光したんですよ。ツアーだったので、ゆっくり見れなかったのが残念です。今度いく時はもっとじっくり見てまわりたいです。冬休みに、もう一回リベンジに行こうかしら〜♪ / りぃな@何故か中国人用のツアーで... ( 2002-04-14 13:55 )
ジョン・ハンコックはシカゴみたいで、トリニティ教会はNYみたい、なボストン。もう長いこと行ってないです。ワシントンへは何やかやと行くこともあるのに、不思議ですけど。ボストンといえば、ロブスターとおいしい牡蠣。それとハーバード大の界隈。対照的なのがMITね。Hideyさんがいらっしゃる間にボストンへも訪れたいです。 / プルー ( 2002-04-12 22:57 )

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