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Hideyの「蛍の光の下で」

帰国に伴い長い間ご愛読いただいたこの日記を終了させていただきます。
もうこのサイトに文章を綴ることはありませんが
もしこの先もおつきあいいただけるようであれば
メールをいただければ幸甚です。
皆様、本当にありがとうございました。お元気で。

絵日記

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2002-08-27 旅と文学 2
2002-08-27 旅と文学 1
2002-08-23 幻のスープ <修正版レシピ>
2002-08-21 幻のスープを求めて 2
2002-08-21 幻のスープを求めて 1
2002-08-11 心の里帰り 3
2002-08-11 心の里帰り 2
2002-08-11 心の里帰り 1
2002-08-04 列車で旅する歓び 2
2002-08-04 列車で旅する歓び 1


2002-08-27 旅と文学 2

今回の旅行は準備も慌しく、妻との妥協の産物という側面もあり、そんな大げさなテーマを掲げた旅にはならなかった。夫婦の骨休めの旅に誰がそんな厄介なものを持ち込むだろう。手にした小説もそれほど深く考えて選択したわけではなく、たまたま先日日本で購入した文庫本から三冊選んだだけだった。しかし気がつくと三冊ともドイツ人の手によるものだったというのは、確かに僕という人間の傾向を表しているのだと思う。

今回ドイツは旅の終わりに妻のある目的のためにミュンヘンに寄ったというだけだったし、「マルテの手記」などはパリに暮らすデンマークの詩人の話ということもあって、特に小説との関連性のある旅をしたというわけではない。それでも車窓の風景に、フランス軍から逃亡し身寄りのないドロテーアを連れ立ったヘルマンが「あなたの見ているのはわたしのところの家です。(中略)あそこのあの窓は屋根裏のわたしの部屋の窓で、多分あの部屋がこれからあなたの部屋になるでしょう」と語る場面が浮かんできたりする。僕と同様イタリアの健康的な精神性をこよなく愛し、二年近くにわたりイタリアを旅するも夢破れドイツに戻ったゲーテは、ドイツ国民的抒事詩の金字塔と言われるこの作品の中に密かにイタリアへの思慕を託したということだ。

最後にもう一度卒業旅行の話に戻る。ヴェッツラルを後にした僕はゲーテが人生の後半を過ごしたワイマールを訪れた。曇り空の下、人気ない公園を何気なく歩いていると、大きな廟にたどり着いた。見るとゲーテとシラーの霊廟と書いてある。地下に続く階段を下りるとそこには生涯の親友の傍らに横たわるゲーテの棺があった。まだ朝早く、僕の他に人は誰もいない。静寂の中、檻によって守られる棺の足元に僕は歩み寄った。しばらくそのまま佇みながら、自分が世界中で彼の魂のもっとも近くに立っていることに僕は感動していた。十三年前、まだ冷たく横たわっていた「壁」の向こう側の世界でのこと。今回も旧東ドイツ圏を列車で走ったが、当時の面影はまるでない。

先頭 表紙

りぃなさん、ドイツは家並がほんとに美しいところですよ!統一感のある小奇麗な木造の家が並び、どの家の窓辺にも赤やピンクの花がこぼれそうに咲いています。料理は渋いのが好みなら(ペッパーステーキ、ソーセージ、野菜の煮込みなど)いいけど、一般的には確かに美食とはいえないかもしれませんね。でもグラーシュズッペはあるよ! / Hidey ( 2002-09-03 22:42 )
lim.さん、ありがとう。今度一時帰国する妻に頼んで買ってきてもらいます。 / Hidey ( 2002-09-03 22:29 )
ドイツか〜♪一度でもいいから行ってみたい場所です。Hideyさんのイタリア人計画に対抗して、ドイツ人計画を立てようかな〜♪あ、でも美味しいご飯は必須ね。ドイツの料理文化、あんまりいい評判聞かないからな。。まずは行ってみないと!?ドイツのお料理は、いかがなんでしょう?? / りぃな ( 2002-09-03 14:51 )
はい、そのとおりです。ベルゲングリューンの作品です。短編だし、おとぎ話風で可愛いです。 / lim. ( 2002-09-02 13:42 )
夢樂堂さん、僕も学生時代は詩に傾注していました。谷川俊太郎も好きな詩人です。僕が今旅をするとしたらリルケと萩原朔太郎かな。 / Hidey ( 2002-08-31 12:14 )
ガス欠コインさん、偏るって時に大切ですね。特に僕らみたいな商売だと。何かひとつにどっぷりつかって本質を見極めた経験があればあとはそれを応用すればいいわけですからね。離れてからその場所について読むことの切ないまでの味わいはとってもよく分かります。往々にして先に街を見て後に読むという順序が正解ってこともありますね。「ニューヨーク・スケッチブック」、覚えておきます。 / Hidey ( 2002-08-31 12:13 )
Ecruさん、たしかにファウストなどは結構やっかいですけど、ここにご紹介した「ウェルテル」や「ヘルマンとドロテーア」などは非常に読みやすい作品です。特に「ウェルテル」は高橋義孝氏の翻訳が絶品です。「ウェルテル」は一生に一度は読むべき作品だと僕は(勝手に)思います。 / Hidey ( 2002-08-31 12:08 )
lim.さん、おっしゃること、とても分かる気がします。文学にしても音楽にしても、理性の裏に潜む深い情熱を感じることが多いです。ヘッセの「知と愛」という小説が好きなのですが、まさに理性と感情の調和を詠った名作で、ここにもドイツ人のバランスのよさが見受けられます。「スペインのバラ」、ネットで軽く調べてみましたがベルゲングリューンという人の著作でしょうか?ぜひ(日本語で)読んでみたいです。 / Hidey ( 2002-08-31 12:05 )
トモコさん、はじめまして。実は僕もトモコさんの文章が先日から気になっていたのですがついぞつっこみを入れられずにいました。Wetzlar、行かれたのですね。HPも読ませていただきました。演奏旅行だったのですね。思いのままに歩いていただけなのでまともな観光はできず、ちゃんとした見どころを押さえられなかったと思います。今度はバランスよく見てみたいです。これからもよろしく! / Hidey ( 2002-08-31 11:58 )
みるみるさん、偶然ですね。「統一物語」、読ませていただきました。実は1年生の終わりの「ビジネス、政府と国際経済」という授業の期末試験がドイツ統一についてのものでした。西側諸国には指標的に遥かに劣る経済状態でも一国の中ではそれなりの秩序があり、しかも東ならではの完全雇用システムがあったわけだし、EU統合をあせりハイレベルな経済指標を維持しようとする旧西ドイツとの統一は相当に歪みを生んだようですね。それを覚悟してまで東の人たちは自由を渇望したということですね。 / Hidey ( 2002-08-31 11:56 )
夢樂堂は旅に出るとき、谷川俊太郎の詩集を持っていきます。旅をしていると深く読めますからね。 / 夢樂堂 ( 2002-08-31 08:14 )
僕も偏った人間なので、よく気持ちがわかります(笑)。僕の場合、大学4年に上がる前に1ヵ月、アメリカ本土を回った時、女友達から貰った、ピート・ハミルの「ニューヨーク・スケッチブック」が印象に残っています。NYに一週間いて、離れてから読むようになったもので、感慨深い気分になった記憶があります。 / ガス欠コイン ( 2002-08-29 14:05 )
何かしらテーマのある旅というのは、素敵ですね。はずかしながらゲーテの本は、ひとつも読んだことがありません。難しそうで…。 / Ecru ( 2002-08-28 21:13 )
今大学時代の友人が、ドイツに語学留学しているんです。ドイツは言語を学ぶ限りでは厳格で規範的な雰囲気を感じますが、実際にはかなり情熱的なところなのかも、などと思いを馳せてみたり。 ドイツ文学といえば、誰の作品か忘れましたが『スペインのバラ』という短編を原典で読みました。なかなかの代物です。 / lim. ( 2002-08-28 07:55 )
わぁ、Wetzlarだなんて!実は私の大好きな町だったりします。ゲーテが云々なんていうのは全く知らずに行ったのですが、こじんまりしてていい感じですよね♪ / トモコ ( 2002-08-28 04:20 )
住んでいたところは別のところでした。駄文で誠に申し分けないのですがもし良かったら前に本家日記に東ドイツの事を書いているのでごらんになってください。統一物語 / みるみる@Atelier ( 2002-08-28 00:40 )
実はそこで勉強していました(笑)あまりの偶然にびっくり。とても素敵な文章ですね。あのころの懐かしい想いが湧き上がってきました。私も公園はよく散歩しました。日本人はまだ私が最初といっていいほどいなかったのですがとても好きな街で得るものは多かったです。旧東ドイツ人の葛藤と優しさにも触れることが出来ました。また懐かしい思い出をありがとうございます。 / みるみる@Atelier ( 2002-08-28 00:35 )
たらママさん!さっそくいらしていただいて嬉しいです。欧州デビューでパスポート!おめでとうございます。今度はご主人にあまり妥協せず好きなところ沢山行ってきてくださいね(笑)。ゲーテハウスは僕も行きました。 / Hidey ( 2002-08-28 00:07 )
ゲーテといえばフランクフルトのゲーテハウスに行ったことを思い出します。私は文学とはどんどん疎遠となっていますが。近々仕事で欧州デビューすることになり、パスポートを再び取得することになりました。Hideyさんも頑張ってください。 / たらママ ( 2002-08-27 20:43 )

2002-08-27 旅と文学 1

今回の旅行に際し僕は三冊の本を鞄に入れた。ゲーテの「ヘルマンとドロテーア」、リルケの「マルテの手記」、ヘッセの「郷愁」だ。はじめにお断りしておくが、僕は読書家というには程遠い人間だ。その分せっかく何か本を手にしたからにはそれが駄作だったり時間の無駄だったりすることには耐えられない。ことに大学時代に文学論の授業を取ったとき「文学は五十年の風雪に晒されてはじめてその真価が分かる」という尊敬する教授のひとことを聞いてからは、現代文学はめっきり読まないという非常に偏った人間になった。(この教授が唯一例外として挙げていたのが当時「羊をめぐる冒険」を書いたばかりの村上春樹だった)

自分自身の単純さと言ってしまえばそれまでだが、小説の背景となった国や街を旅することは、確かに作家の言葉や行間の思いをよりよく吸収することに役立つ気がする。

大学の卒業旅行の目的のひとつはゲーテの「若きウェルテルの悩み」の舞台となったヴェッツラルを訪れることだった。この小説をはじめに読んだのは高校三年のときだったが、それ以来常にこの作品は僕の中で特別な位置を占めていた。フランクフルトからそう遠くないこの小さな町に二十二歳のゲーテはドイツ帝国最高法院の見習いとして赴任し、既に許婚のいる身であるシャルロッテ・ブフに運命的な恋をする。しかし当時の世の掟により思いを遂げられないゲーテはヴェッツラルを去り、間もなく耳にした旧友の自殺に啓示を得てこの悲劇的な作品を著した。小説中ではワールハイムという仮名を与えられ、ウェルテルが愛しいロッテを求めて訪れたこの町を二十二歳の僕はひとり歩いた。

せわしなく列車を乗り継ぎながらも僕は三度目になるその小説をわき目も振らずに読みつづけ、夕闇の迫るヴェッツラルに到着するのとほとんど同時にそれを読み終えた。ウェルテルの壮絶な死にまだ気持ちが高ぶったまま僕はプラットフォームに降り立った。二月の冷たい雨の中、ウェルテルがロッテを思い描きながら眺めた美しい谷を下った。小説の描写と同じくその傍らに植えられていた菩提樹の下で、ゲーテの時代から立っていたと思われる古い教会が、蒼い夜空を背に濡れた石壁を黄色い街灯に晒す姿を暫く見つめていた。駅近くの小さな料理屋で強い酒を飲みすぎた僕は勝手のよく分からない町を彷徨い、何度か嘔吐しながらふらふらになってユースホステルを目指した。「わが美しかりし姿を見しさすらい人はきたるべし、きたりてわれを野面に求めさすらうべし。されどわれを見いださざるべし―」ウェルテルが最後にロッテを訪ね、自らの運命をケルトの古歌オシアンに重ねて朗読する場面が何度も蘇った。この旅の後僕はこの古典的名作をさらに深く愛するようになった。

(つづく)

先頭 表紙

↓「列車の旅というよりは」→「列車の旅は旅情というよりは」 / Hidey ( 2002-08-31 12:49 )
邪夢猫さん、そうそう、宿も行き当たりばったりで上限8000円程度。列車の旅というよりはマストでした。でもそこから学んだことは他の旅からまなんだことの数十倍大事なことでした。たった3週間弱の間に沢山の出会いや学びがありました。酔っ払ってユースホステルで寝ていたら、ドイツ人の女の子が他の男と間違えて僕の毛布をめくったりと、結構面白かったです(笑)。 / Hidey ( 2002-08-31 12:24 )
misatoさん、村上春樹は却って読みやすい作品のように思えてしまうのですが、独特の比喩とかが難しいのかな?いずれにしても現代の日本語の模範となりうる彼の文章は言語学習には適しているでしょうね。今度は英訳された彼の作品を読んでみようと思います。こちらに10作近く出てますので。 / Hidey ( 2002-08-31 12:19 )
Ecruさん、ほんとにそんなに読まないんですよー。「ねじまき鳥」、結構疲れますよね。つらい部分っていうの、すぐ想像が沸いてきます(笑)。あの本はアメリカでも相当評価が高いです。 / Hidey ( 2002-08-31 12:16 )
あぁ、若い頃の自由なそれでいてお金のない旅行っていいですよね。もう二度とあのようなことはできないだろうけれど。若きHideyさまの悩み?(笑) / 邪夢猫 ( 2002-08-30 05:36 )
ミサトもEcruさん同様、Hideyさんはぜったい読書家というイメージがあるのですよね・・。日本語を習得した(読み書きOK)海外の知人が村上春樹に挑戦したと言うので、どうだった?と聞いたところ「とてもとても難しい・・」との事でした(笑)。 / misato ( 2002-08-29 12:07 )
なんとなく読書家のイメージが…。村上春樹氏の、「ねじまき鳥クロニクル」を読んでいるところです。すっかり体力もついてきて、つらい部分もあわてずさわがず読んでいます。 / Ecru ( 2002-08-28 21:06 )
プルーさん、それは確か死後三十年を経過した作家ということではなかったでしょうか。「ノルウェイ」の永沢さんですね。教授の話と似通っていたのでかなり印象に残っています。まあでも誰もが同じように思うほど最近の小説は屑ばかりですけどね。 / Hidey ( 2002-08-28 00:05 )
「五十年の風雪に」うんぬんは村上春樹の小説にも出てきてたような、、、。もしかして、同じ教授の影響でしょうか。。 この文章もまた、彼の小説を読んでるみたい。私は旅には本を持って行くことはあまりないです。ガイドブックなどですでに重くなっているからという実際的な理由もあるのですけど、飛行機は別にして、電車などでは外をぼんやり眺めているのが好きだから。この前の帰国した際も日本の風景も飽きることはなかったみたい。 / デイドリーム趣向あり@プルー ( 2002-08-27 21:04 )

2002-08-23 幻のスープ <修正版レシピ>

先日の日記の文面から賢明な読者の方々はお気づきかもしれないが、実はウィーンで入手したグラーシュズッペのレシピをまだ僕は実践してつくってはいなかった。早速参考につくってみたいとおっしゃるつっこみがいくつかあったのでこれはまずいと本日実際につくってみた。途中何度も味見をしながら試行錯誤で舌の記憶に近づけたのだけど、その結果かなり初めのレシピから修正すべき点が見えてきたので責任上もう一度このスープのつくり方を書こうと思う。

煮込み始めてまず発覚したのが、当所では刻んだドライのものしか入手できないマジョラムが、牛肉の灰汁とともに浮いてきてしまうということ。マジョラムは灰汁を取ってから入れよう。

次に、味見をしたところちょっと味けがなさ過ぎる。急遽パプリカをはじめに入れたのと同量足して、そのあと妻が味見をした結果、野生の勘で冷蔵庫にあった市販のトマトスープを入れて正解。一気に味とコクが出てきた。トマトスープの代わりにトマトピューレと固形のビーフブイヨンを加えてもいいだろう。ちなみにアメリカのYahoo!で調べたレシピでは確かにホールトマトを使ったりしている。

そして60分煮込むとレシピにはあったが、忠実に実行すると僕が初めに書いたどろりとしたシチューになってしまうこと請け合い。40分〜45分程度で止めておくのがよいと思われる。また心配していたとおり、煮込む前からサイコロに切ったジャガイモを入れるというのは失敗だった。最後はほとんど溶けてしまっていた。せいぜい火を止める20分くらい前に入れたほうがよいだろう。

最後に塩加減。出来上がりは妻も合格をくれるほど美味しかったのだが、正直少ししょっぱかった。途中で入れたトマトスープに塩分が含まれているものの、初めに1ティースプーンの塩というのは少し多かったようだ。

ということで、修正版レシピは以下のとおり。

<グラーシュズッペのつくり方(2人分)>
・サイコロ状に切って塩と胡椒を振った牛肉200gを2テーブルスプーンのオイルで焦げ目がつくまで強火で炒める。
・牛肉を一旦取り出し、残ったオイルで薄切りにしたたまねぎ大半個分を弱火でよく炒める。
・パプリカ3テーブルスプーンを混ぜてさらに炒める。
・牛肉を戻し入れ、小麦粉1テーブルスプーン、トマトピューレ100g、固形ビーフブイヨン、水1カップを足して中火で煮る。
 (粉末状のマジョラムが入手できればここで1ティースプーン加える)
・水2.5カップを足し煮込む。20分ほどしたらサイコロ状に切ったジャガイモ1個分を入れ、さらに20分ほど煮込む。
 (刻んだ乾燥のマジョラムしか入手できなかった場合は、牛の灰汁を取った後に1ティースプーン加える)
・最後に塩、胡椒で味を調えてできあがり。

フィレンツェのエノテカ・ピンキオーリで帰り際にお土産としてもらった赤ワインをあわせて飲んだが相性はばっちり。主食は真っ赤に熟したトマトでつくったspaghetti all'arrabiata。夫婦ともに幸せな夕食になった。

lim.さん、azzurriさん、もし既につくっちゃってたらごめんなさい。これでかなり美味しくなると思います。さあもう一度、召し上がれ。


先頭 表紙

ナライフさん、料理をされるとは知りませんでした。適当にアレンジしてみてください。 / Hidey ( 2002-08-31 11:43 )
鐵子さん、わざわざおつくりいただいて嬉しいです!まさにパプリカが決め手。本来はハンガリーのパプリカをつかうべきだそうです。この本にはスウィート・パプリカかスパイシー・パプリカか明記されていなかったのですが、アメリカのサイトではスウィートとなってました。でも僕の味の記憶だとスパイシーで正解だと思います。オレガノはマジョラムと同属だそうですね。問題ないと思います。 / Hidey ( 2002-08-31 11:39 )
遅いつっこみで申し訳ありません。あまりにおいしそうですね!! 作ってみます。 / ナライフ ( 2002-08-27 19:01 )
先週の木曜日につくってみました。オーストリアで食べたことはあったのですが... パプリカが決め手かなぁ なんて思いました。マジョラムがなかったので オレガノを入れて.. おいしくできたのは Hideyさんのレシピのおかげです! ごちそうさまです! / 鐵子 ( 2002-08-27 17:57 )
lim.さん、さすがです!僕もほんとはそれほど牛肉は好きではないのですが(しかも悪名高きアメリカ牛)。リブロースを使ったらなかなか柔らかく美味しくできました。最近はじゅくじゅくの生トマト(水煮缶ではなく)をきちんと湯剥きして種を取ってつくるポモドーロ・スパゲティに夢中です。 / Hidey ( 2002-08-27 17:53 )
綺羅さん、僕は数えるほどの料理しかつくれません。自分の好きなものばっかり。しょせんは自分勝手なのです(笑)。ところで日記お辞めになるとのこと。せっかく交流させはじめていただいていたのに残念です。でも綺羅さんらしい潔い辞め方なので納得してお送りさせてください。お忙しい別件の方、頑張ってください。またいつか遊びに来てくださいね。 / Hidey ( 2002-08-27 17:50 )
パンドラさん、そうですね、この料理だけはいかにパンドラさんでも赤ワインがいいかも(笑)。お風邪、治られたようでよかったです。やっぱり愛情料理が効きましたか? / Hidey ( 2002-08-27 17:46 )
まる子さん、ドイツに住んでらしたんですか!屋台のグラーシュズッペって一度飲んでみたい!そう、僕もドイツ語名で覚えた料理だったのでせいぜいオーストリア料理かと思っていたらもとはハンガリーなんですね。まあパプリカの国ですからね。是非つくってみてください。 / Hidey ( 2002-08-27 17:45 )
azzurriさん、よかったー!責任感じちゃってましたよ。そうですね、9月になったらちょうどいい季節かもしれませんね。ウィーンに行くときはお知らせください。幻のスープのお店をお教えします。 / Hidey ( 2002-08-27 17:43 )
和代さん、はじめまして。僕も某所での和代さんのつっこみにとても気がまわって思いやり深い方だな、と思っていました。逆立ちなんてとんでもない。これはご覧のとおり簡単レシピですので是非お試しあれ!これからもよろしくお願いします。 / Hidey ( 2002-08-27 17:41 )
XiXiさん、はじめまして。実はあまり濃厚にはしたくなかったのですが。。。火加減失敗しました。また試してみます。ところでXiXiさんのページ、ハードコアでいいですね(笑)。あんないいページがあるとは気づきませんでした。渋谷陽一とか、懐かしい。 / Hidey ( 2002-08-27 17:36 )
TAKEさん、すごく美味しかったです!ほんと、この料理はいくらでもアレンジ可能ですから、色々試してみてください。 / Hidey ( 2002-08-27 17:34 )
みるみるさん、こちらこそさっそくお試しいただきありがとうございました。グラーシュズッペにまつわるみるみるさんのお話も読めて嬉しかったです。東ドイツはワイマールに行きました。そのことも書いた日記、アップさせていただきます。 / Hidey ( 2002-08-27 17:33 )
みなみさん、おいしかったよ。安ワインでもばっちりおいしいはず。一度は目で見た記憶だけで店外で再現しようとしたのですが二人とも記憶力が衰え、結局戻って堂々と書き写してきてしまいました(笑)。 / Hidey ( 2002-08-27 17:31 )
oggiさん、便利な夫です。妻は何もつくりたくないとき僕の数少ない得意料理を食べたいとのたまいます。さっぱりラザニア、いいですね。僕なら赤唐辛子をいっぱい刻んでかけてしまいそうだけど。 / Hidey ( 2002-08-27 17:29 )
スーパーしえろさん、ほんとにいろんなところに行ってらっしゃいますね。確かにハンガリーの味噌汁かもしれません。ちょっと今回ハンガリーはほとんど時間がなくて残念なことをしたのですが。でもパプリカだけは本場のを買ってきましたよ。 / Hidey ( 2002-08-27 17:27 )
邪夢猫さん、ご無沙汰していました。ほんと、人生でも今しかないという感じで旅行してしまいました。たまたまもう二度とないような泡銭をつかんだこともあって(笑)。お米ねえ。それも美味しそうですね。シチューもご飯にかけるとおいしいですもんね。 / Hidey ( 2002-08-27 17:25 )
Ecruさん、もう幻とは呼べませんね。でもやっぱり向こうで飲んだのはあっさりしているのに味がよく出てて、僕のつくったのより相当おいしかったです。自分では完全に真似できないくらいがちょうどいいかもしれませんね。 / Hidey ( 2002-08-27 17:23 )
しゃどうさん、二つ目のつっこみによるともう作っていただいたようですね。ごめんなさい、お返事が遅くなって。もう解決済みかと思いますが、ブイヨンはbouillon、でもよくスーパーで売ってるbeef brothってやつでいいですね。マジョラムはmajoramですね。これの完全に粉末になってるのが欲しいんだけど、僕のところにはないのです。 / Hidey ( 2002-08-27 17:21 )
夢樂堂さん、僕はまた器用じゃない方なのでよけいに真剣な顔になってしまうかも。でも大概ボサノバとか聴きながら気楽にやってます。 / Hidey ( 2002-08-27 17:18 )
PACHIさん、いらっしゃいませ。そして改めてレシピを実践いただきありがとうございました。僕は実はあまり牛は食べない方なのですが。これだけは特別。ヨーロッパでも牛ばっかりでそろそろ頭がスポンジ? / Hidey ( 2002-08-27 17:15 )
reiちゃん、これはいけるよ。僕のはどろっとしすぎたのでPACHIさんやみるみるさんの日記もご参照。 / Hidey ( 2002-08-27 17:13 )
misatoさん、これは僕も安定させるまでは時間かかるかも。こちらのアパートはまた電熱器なので火加減が難しいのです。是非つくってみてね! / Hidey ( 2002-08-27 17:09 )
akemiさん、そんな、プロの方に言われるほどの懲り方じゃないです(笑)。思いはたっぷりこめましたが。 / Hidey ( 2002-08-27 17:05 )
御心配には及びません。味見ながらホールトマトも入れたし、灰汁もとったし。おいしかったです。勿論お肉は食べてもらいました(笑)。 / lim. ( 2002-08-27 13:13 )
料理のできる男性はいいですね♪相方のためにも作って見ましょうかね(笑) ところで、日記止めることにしました。今までいろいろなつっこみありがとうございました。 / 綺羅 ( 2002-08-26 21:53 )
Hideyさまのお料理なら、必ずやワインが喜ぶはず!^^ これをいただく時は、絶対ビールはやめてワインにしよう。 アア、そろそろスープが美味しい季節だもんね^^ / パンドラ ( 2002-08-26 21:23 )
美味しく召し上がらせていただきました。ご馳走様でした。 / しゃどう@頬が緩みます。 ( 2002-08-26 18:15 )
昔々ドイツ(西ドイツの頃)に住んでいましたが、大好きでよく飲んでいました、グーラッシュズッペ!寒い冬に市場の屋台で飲んだり、旅行帰りアウトバーンの寂れた休憩所で飲んだり。それにしても今の今までドイツのものだと思っていました。何せ”ズッペ”ですし。(当たり前だ)私もぜひ作ってみます! / まる子 ( 2002-08-26 17:25 )
まだ作ってませんでした(笑)!もう少しひんやりしてきたら、作ろうと思っていたので、、、本場のお味もぜひ試してみたいです♪ / azzurri ( 2002-08-26 16:20 )
プルーさまの日記から飛んできました。すごい!毎日焼き魚に煮物和え物程度の台所しごとの私。逆立ちしても作れない食べられないですわ。(笑)おおよそ別世界にお住まいの方の日記ってとても楽しいですね。また来させてくださいませ。 / 和代@はじめまして。 ( 2002-08-25 20:38 )
すてきな思い出話とともに、美味しいレシピありがとうございました。さっそくつっこみいただいて、感激でした。マジョラム以外のハーブでも美味しくできましたよ。次は濃厚版に挑戦してみたいです〜。 / PACHI ( 2002-08-25 20:04 )
うわぁ〜♥濃厚でおいしそうで、ついツッコミたくなってしまいました(笑)。 / X i X i@お初まして♪ ( 2002-08-25 18:45 )
すごく美味しそうです(ごきゅん) 自分に出来る範囲にアレンジして挑戦してみたいです! / TAKE ( 2002-08-25 15:18 )
実はうちでも昨日の夕飯に早速作ってみました。こんなところで思いもかけずレシピに出会えて嬉しいです。ありがとうございました!美味しくいただきました。 / みるみる@Atelier ( 2002-08-25 13:40 )
うわー、おいしそう。今お腹がすいているのでなおさらです。ほんとに、おいしいワインが合いそう。 それにしても、お店でメニューを写し取るなんて、Hideyさん夫妻、なかなかやりますね。(笑) / みなみ ( 2002-08-25 10:40 )
Hidey様。お料理までやってしまうなんて素敵すぎるわっ!私は明日、カッテージチーズも入れたさっぱりラザニアを作る予定なの。 / oggi ( 2002-08-25 01:07 )
卒業旅行でヨーロッパに行ったとき、オーストリアではこのグーラッシュズッペばかり食べてました。貧乏旅行だったのでレストランにはめったに行けませんでしたが、チェーン店(オーストリア版マクドナルド、いや、吉野屋か)とこにもありました。ハンガリーのみそ汁みたいなもん?さっそく作ってみます! / スーパーしえろ ( 2002-08-24 12:48 )
お久しぶりです。とても充実した、今やるしかない!って感じの夏休みをお過ごしになったのですね。ご夫婦でキッチンに立ってらっしゃる姿が目に浮かびます。ハンガリー人の友人はこのスープの中にお米を入れたりしていましたよ。 / 邪夢猫@やっと夏休み明け ( 2002-08-24 03:36 )
おいしそう!これで、幻のスープが、いつでも楽しめますね。わたしも試してみようと思います。マジョラム探さないと。 / Ecru ( 2002-08-24 00:30 )
これは、、、美味しそうなので、試させていただきます。あの、それと、もしよろしかったら、ブイヨン、と、マジョラムの綴りを教えてください。材料、売ってるかな? / しゃどう@美味しそう。 ( 2002-08-23 19:13 )
料理していると、夢樂堂は真剣な顔をしているといわれるけど、これを見るとHideyさんもそうなんだろうな。 / 夢樂堂 ( 2002-08-23 17:41 )
ビーフシチュー系のお料理に見えるけれども、「スープ」というからにはサラサラ感を目指すのがポイントなんですね。牛肉の煮込み系が好きなので、思わずレシピをコピーさせていただいてしまいました。週末はこれに挑戦してみましょう。(^^) / PACHI@初めまして。 ( 2002-08-23 16:21 )
わ〜、すっごいおいしそうだ〜。私も作ってみます! / rei ( 2002-08-23 15:25 )
とーってもおいしそう!!これはHideyさんレシピを参考に早速作って、練習に練習を重ねて味を毎回安定させなくちゃ!(笑)。完璧ミサト好みのお料理です♪ / misato ( 2002-08-23 15:18 )
凝り性ですね〜^^ 好きな方はとことんやるからなあ〜、まいるわ。あ〜まじ美味しそう。↓でおはなし聞いてるからなおさらね♪ / akemi ( 2002-08-23 14:54 )

2002-08-21 幻のスープを求めて 2

場所的にはこの辺だったのではと記憶するあたりを二人でうろうろしていたら、とうとう妻が「あった!」と叫び僕を引っ張っていった。見ると店の名前は全然違うがその写真とまったく同じ舞台、同じ文字を刻んだ梁が店の奥に見えた。店の名と思った文字は実はドイツ語の一般名詞だったらしい。間抜けな話だ。

いよいよ再会とメニューをめくった僕は唖然とする。そこには10ユーロ程度のGoulaschとは別に3ユーロそこそこのGoulaschsuppeというものがあった。ドイツ語を学んだ方はお分かりだろう。Suppeというのはスープという意味で、実は僕たちが血眼になって探していたのはグラーシュではなくグラーシュズッペという名のまさにアペタイザーとして飲むスープだったのだ。注文してみたら正に正解。涙の再会を果たせたわけだが3年間の無知に二人は苦笑した。

それからというものウィーンの残り2日、そしてグラーシュ(及びズッペ)の故郷ブダペストでもこのスープを注文しつづけた。店によってはパプリカが強かったり小麦粉が多めだったりしたもののやはりみんな美味しい。でもやはり最上はこのホイリゲのものだった。今度は迷わないようにと僕たちはこの店の名前の入った写真を撮っておいた。

ウィーンを去る前日、王宮を見学して外に出ようとしたとき、お決まりの出口近辺の土産コーナーで妻が立ち止まり何やら手にとって凝視していた。何かと思うとオーストリア料理のレシピを満載した本で、彼女は早速グラーシュズッペのページを開けた。1000以上ものレシピが載っている本をこのスープのためだけに買うのもばかばかしいので、二人で協力してレシピを写し取った。店の人に怪しまれながらも何とか成功。グルメな読者の皆さんのためにここでご紹介しよう。多分色々なつくり方がある中でもっともシンプルなレシピだと思うので、これが僕の愛した味とは思わないように。

<グラーシュズッペのつくり方(2人分)>
・サイコロ状に切って塩と胡椒を振った牛肉200gを1テーブルスプーンのオイルで焦げ目がつくまで強火で炒める。
・牛肉を一旦取り出し、残ったオイルで薄切りにしたたまねぎ大半個分を弱火でよく炒める。
・パプリカ1.5テーブルスプーンを混ぜてさらに炒める。
・牛肉を戻し、小麦粉1テーブルスプーン、塩1ティースプーン、マジョラム1ティースプーンを混ぜ、水1カップを足し中火で煮る。
・水2.5カップを足し、サイコロ状に切ったジャガイモ小1個分を入れ、1時間煮込み、塩、胡椒で味を調えてできあがり。

さあ、召し上がれ。

先頭 表紙

え、何か書いてありましたっけ?全然分からなかった(もしくは気にならなかった)なー。 / Hidey ( 2002-08-31 11:35 )
↓いや、もしや…?と思って聞いたんですけど、まさか、そうだとは…。(驚) だとすると、この間の、私の例の日記の後者に、不快に思われるような言葉が含まれてたことをお詫び申し上げます。しかも、お初だったのに、すみません。 にもかかわらず、冷静なHideyさんはホントに素晴らしい方ですね。←決してお世辞ではないです。(笑) / panda ( 2002-08-29 01:49 )
pandaさん、師匠だけは勘弁。そういうのはだめなんです。エンジ色、正解。でも何で知っているのでしょう?断片的な事実は書いても一文だけ読んで分かるようなヒントは書いた記憶がないのですが。。。 / Hidey ( 2002-08-27 16:57 )
↓また、わけ分からないつっこみしてしまいました。しかも、また、日記の内容に関係ないつっこみ、すみません。 私のつっこみ、削除してかまいません。 ホントに、申し訳ありません。 こんな奴ですけど、今後もよろしく。 / panda ( 2002-08-24 00:49 )
いろいろとアドバイス、ありがとうです。参考にさせてもらいます。結論は、もう少し先になると思います。 それと…、師匠って呼んでいいですか?(笑)いきなりすみません。 で、(さっそく?)師匠〜。師匠は…、エンジ色のガッコ出身ですか?(汗)あっ、変なこと聞いてすみません。 / panda ( 2002-08-24 00:47 )
azzurriさん、妻とは結構価値観が違うはずなのに、舌の構造だけはよく似ているようです。ホイリゲではグーラーシュズッペとともにウィーン名物の牛のコンソメも絶品でした。今度はそれもレシピを覚えたいと思います。lim.さんと同じく、もし早くもこの料理つくってしまってたらすみません。修正版のレシピを改めてアップしておきます。 / Hidey ( 2002-08-23 12:59 )
Emikoさん、ごめんなさい。酔ってて順番を抜かしてしまいました。なんとハンガリーの先生に習ってらっしゃるとは!ぜひぜひ本場のグーラーシュズッペ(ハンガリー語ではちょっと違いますが)のレシピを今度は教えてください! / Hidey ( 2002-08-23 12:57 )
みるみるさん、はじめまして。ドイツに留学なさっていたのですか。今回はドイツはほとんど回れませんでしたが僕個人はいくつかの理由からとても好きな国です。レシピ、ちょっと修正したものをアップしますのでそちらを参考にしてください。 / Hidey ( 2002-08-23 12:55 )
ブチョー、あの麻婆は陳建一氏のレシピそのままなので誰がどうつくっても本当に美味しいですね。一昨日妻のリクエストで久しぶりに僕もつくりました。こちらはちょっと肉の臭みが強いので、よく炒めるのがコツです。個人的に羊は苦手かな。噂のブチョーの料理も食べたいです! / Hidey ( 2002-08-23 12:53 )
lim.さん、ごめんなさい!もしそのままつくっちゃってたら。日記を書いた後に自分で作って相当味を調整しました。でも賢明なlim.さんのことだから味見しながらご自分なりに調整されたのではないかと勝手に想像しています。だけどlim.さん、肉は食べないんじゃなかったっけ?エキスだけで肉自体はR氏が食べるのかな? / Hidey ( 2002-08-23 12:50 )
あややん、やっぱり!?サウンド・オブ・ミュージックを巡る旅をしたって書いてたもんね。僕も書いたかどうか忘れたけどハネムーンではウィーンに行く前にザルツブルグをたっぷり満喫しました。もちろんサウンド・オブ・ミュージックゆかりの場所もね。 / Hidey ( 2002-08-23 12:46 )
ガス欠コインさん、僕も今回フィレンツェの小ぢんまりとた美味しいリストランテで食べたトリュフのタリアテッレが大ヒットでした。確かにリゾットも美味しそう。ペルージャ、次は絶対行きたいところです。日本人選手も在籍していそうですね。 / Hidey ( 2002-08-23 12:44 )
プルーさん、いえいえ、ご指摘のとおりブイヨンはあった方がよいようです。アメリカのyahoo!で検索したレシピだとbeef brothをたっぷり入れるように書いてありますし。ボロネーゼ、ぼくは一つ覚えでラ・ベットラの落合務師匠のレシピでつくっています。それによるとひき肉の他はトマト、たまねぎ、にんじん、セロリ、にんにく、ローズマリー、セージ、タイム、ローリエ、赤ワインで済むようです。店ではブロードなど入れるんでしょうね。 / Hidey ( 2002-08-23 12:42 )
マイケルさん、そうそう、本場ハンガリーの言葉ではグイヤーシュとなるようですね。僕はドイツ語圏のウィーンで食べたのでグーラーシュでしたが。メインディッシュも慣れれば美味しいと思います。よっぽど牛がお好きなようなら。でも決まってつけあわせで出てくるあの炭水化物ばりばりの白い物体(名前不明)はちょっと勘弁です。 / Hidey ( 2002-08-23 12:38 )
はじめまして。私はドイツに留学していた事もあってとても懐かしいです!ドイツ人が作ったものも食べたことがあるのですがレシピを聞かずじまいでした。是非今度作ってみたいと思います。 / みるみる@Atelier ( 2002-08-23 10:44 )
そういえば教えてもらった麻婆豆腐も美味かった。今や私の定番レシピ。でも羊の肉でやると更に美味いっす。お試しあれ。 / ブチョー ( 2002-08-23 10:08 )
奥様と二人で忘れられないスープを求めて、旅をされるなんて素敵ですね!本屋さんでレシピを二人がかりで写し取るお姿を想像すると、すごく微笑ましくて、羨ましいです♪幻のスープ、レシピ試させていただきますね〜! / azzurri@楽しみ♪ ( 2002-08-22 16:05 )
今習っているハンガリーの先生にマンマのスープの作り方を一度聞いて見ますね。 / Emiko ( 2002-08-22 15:50 )
今夏バテ中で固形物を食べられないので、今日はこのレシピを試してみま〜す。楽しみ楽しみ。運命のスープなんですね、きっと。 / lim. ( 2002-08-22 12:54 )
そういえば、ドロっとした感じのが出てきたときもありました。あれはベツモノだったのか・・。ドイツ語は挨拶とバウムクーヘンとオペラの歌詞しかわからん私は「お店によって色々違うのねぇ」などと思いながら食べてました。勉強になりました。 / あやや ( 2002-08-22 09:47 )
グラーシュ!私もほれ込みました。どうやら、私が食べたのも、suppeだった模様。オーストリア滞在中、毎日のようにオーダーしてました。ブダペストでも食べまくるゾ! / あやや ( 2002-08-22 09:45 )
僕はペルージャで食べた、トリュフの入ったリゾットの味が忘れられません。僕だけが注文し、分けてあげた仲間達が「しまった」と言った究極の味。今度行った時に見つかるかな。これなら僕でも創れそうですね。ご夫婦の思い出も効いた、いい話しでした。 / ガス欠コイン ( 2002-08-22 09:09 )
ブイヨンも入れないんですね。すごくシンプル。食べ物の不思議ってありますよね。私の場合ボロネーゼパスタ。ボローニャで食べたそれは、ぼろぼろっと肉だけでソースのない素朴な味でした。でもレストランで食べる味には何かがはいっていると思わせるものがあるんですが、まだ分かってません。ミラノのペックで売ってるミートソースの味はまさにそう。NYのレストランでも似たような味。でも家で作ると、、、。同じに出来ないんです。ふふふ、レシピをコピーしてるお二人の姿、微笑ましいです(私もやったことが)。 / プルー ( 2002-08-22 03:38 )
グイヤーシュともいいますよね? 確か「エド・ウッド」と言う映画の中でドラキュラ専門役者ベラ・ルゴシ(実在の人物、ハンガリー出身)が病床で「グイヤーシュを食べたい」とうわごとをいうシーンがありました。そっちは多分メインディッシュの方だと思うんですけど。 / マイケル ( 2002-08-22 00:36 )

2002-08-21 幻のスープを求めて 1

この3年間僕と妻は幻のスープを追ってきた。グラーシュ・スープというもともとはハンガリーのスープである。3年前の7月僕たちは新婚旅行でウィーンを訪れ、このパプリカが効いた汁気の多いさっぱりしたビーフシチューのようなスープに出会い、なかなかいけるねといくつかの店で注文を重ね、ついにウィーンの森と呼ばれる地域の入り口に当たるグリンツィングという町で究極のグラーシュ・スープに出会った。

ヨーロッパに詳しい人ならご存知かと思うが、このグリンツィングという町は、ホイリゲと呼ばれる夏場だけ開いてその年のワインを飲ませる田舎風レストランが鈴なりになっていることで有名な町である。大抵は高い木が屋根のように覆いかぶさる広い中庭にテーブルを並べ、ちょっとした楽器演奏などを聴かせる店になっている。僕たちは50軒以上はあろうと思われるグリンツィングのホイリゲからたまたま選んだ店に入り、パプリカの効き具合といい汁加減といい牛のコクの出具合といい、非の打ち所のないグラーシュ・スープに出会ったのだ。

日本に帰り、二度オーストリア料理店を訪れたことがあった。もちろんグラーシュ・スープに再会するためだった。一度目は有楽町の某店。さらっとして綺麗なオレンジ色をしたスパイシーなスープを心待ちにしていた僕たちは、かなり小麦粉とオイルがどろっと効いた正に濃い目のビーフシチューが出てたのに目を疑った。食べてみると見た目どおり結構しつこい。やはり日本のお店じゃだめだねとがっかりしながら店を出た。二度目は自由が丘の某店だったが結果は同じ。やはりウィーンに行かなければだめなのかと悲しくも納得した。

そして今回、奇しくも3年前と同じ7月18日の夜にウィーンに到着した僕たちは、ガイドブックに「グラーシュ専門店」ということで載っていた店を早速訪れた。沢山の種類のグラーシュがメニューに並ぶ中でスパイシーなハンガリー風と書かれたものを注文。3年ぶりの再会に胸は高鳴るばかりだった。しかし、またもどろりと黒っぽいシチューが出てきたのに我々の期待は軽く打ち砕かれた。やはりあれは幻のスープなのかと二人とも相当落胆してホテルに帰った。

しかしこんなこともあろうかと僕は手を打っていた。あのグリンツィングの同じ店に行けば間違いなく幻のスープに再会できる。しかし問題は似たようなホイリゲが一本道にずらりと並んだ中から果たして3年前と同じ店を探し出せるかということだった。そこで僕は新婚旅行の写真からその店で撮った写真を抜き出し持ってきていたのだ。幸い店の特徴がうまく表れた写真があったのでそれを持ってウィーン二日目の夜に僕たちはグリンツィングへ向かった。

ウィーン大学とヴォティーフ教会の間にあるショッテントーアという停留所からウィーン名物の市電で北西へ30分。リンク(中心街)内とは異なる郊外らしい街並みが見えはじめ、日暮れの低い山を背負ったその小さな町に着いた。記憶の通り、一本道に延々と軒を並べるホイリゲからは温かい灯りがこぼれ、どの店も素朴な美味しさを連想させる小洒落た店構えになっている。僕たちの手にした写真は店先を撮ったようなものではなく、むしろ店の奥でお抱えの楽隊が演奏する小さな舞台の上の梁のようなところに店の名前と思しき文字が刻まれているというものだった。従ってその文字と同じ名前の店を探して歩いたのだがなかなか見つからない。

(つづく)


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2002-08-11 心の里帰り 3

あとで知った話だがこのモンテフィアスコーネという町こそ、Est! Est!! Est!!!という日本でもよく売っている安くてさっぱりした白ワインの産地なのだ。12世紀のはじめにドイツのハインリッヒ5世が自分の戴冠式のためローマへ向かったときのこと。同行した酒好きのドイツ人司教が従者の騎士フッガーに先回りをさせてあらかじめ美味しいワインを見つけるよう命じた。フッガーはさらに下僕マルティンに下見をさせ、美味しいワインに出会ったらその酒蔵の扉にEst(ラテン語で「ある」という意味)の文字を記すよう命じた。そのマルティンがモンテフィアスコーネで飲んだワインに感動し、Est! Est!! Est!!!と3つ並べて文字を書いたというのがこのワインの名前の由来だそうである。

束の間の一人旅を満喫した僕はその日の夕方妻を連れてもう一度モンテフィアスコーネの山道を登った。今度はすっかり雲も晴れ、斜面を埋め尽くす褐色の瓦屋根が夕陽に輝き、ボルゼーナ湖が夕闇に青を深めていく様を二人で眺めた。

いい雰囲気で文章を締めくくろうかとも思ったがどうしても紹介したいおまけの話がひとつ。ヴェネツィアで例によって朝6時前からひとり散歩に出た僕はサン・マルコ広場から水辺に出たところで信じられない光景に出会った。歳の頃40〜50代の男性中心の日本人の団体20名ほどがいて、ツアー客も朝から大変だなと思っていたら、なんと彼らはラジオ体操を始めた。早朝で人はまだ少なかったものの偶々そこに居合わせた人々は躊躇なく奇異の目を注いだ。僕もあっけに取られて見守っていると、その団体は今度はリーダーの号令に従い何やら誓いの言葉を運河に向かって大声で叫び始めた。余りよく聞き取れなかったものの、その言葉の内容とその後の調べを総合すると、多分彼らは超有名家電メーカーの今は亡き創立者によって設立された私塾のOB・OGではないかと思われる。日本の行く末を憂慮し切磋琢磨するのは立派なことだが軍隊と見まがう彼らの行動には正直寒気を覚えた。志を立てるのにアイコンは要らない。密かに自分に誓えば済むことだ。

兎も角もそんなわけで僕のイタリア人化計画は今のところ順調に進みつつある。今度は妻には悪いがひとりで行き当たりばったりにイタリアの田舎町を巡礼し、さらに一段階歩を進めたいと思う。あのお気楽なメンタリティが備わるのに24年で足りるかどうか、ちょっと疑問は残るけれど。

先頭 表紙

pandaさん、再度つっこみありがとうございます。どなたかも書いてらしたとおり、今回の問題はどちらかが一方的に悪いとかということではなく、むしろネット上のコミュニティにつきものの普遍的な問題だったのではないかと思います。そういう意味ではpandaさんがある種魁的な存在となってこのひまじんに在籍する我々の十字架を背負っているのかもしれません。僕のできることはその渦に直接巻き込まれなかった幸運なものとして冷たいほど客観的に問題を解きほぐすということだけです。これからも一緒に考えていきましょう。 / Hidey ( 2002-08-23 12:36 )
最後に、Hideyさんの素敵な日記に、このようなつっこみして申し訳ありません。読まれたら、削除してかまいません。 日記の内容に関係ないつっこみ、乱文で失礼しました。 / panda ( 2002-08-22 00:41 )
某氏へのつっこみの中で書かれてたように、私にはつっこみ入れにくいとは思いますけど(事実、私も、ここにこうして、つっこみ入れるのにかなり勇気がいりました。意を決して入れてるくらいです。笑)、私としては歓迎ですので、どうぞ、遠慮なく入れて下さい。辛口つっこみも歓迎。(笑) これからも、よろしくお願いします。 / panda ( 2002-08-22 00:39 )
冷静に、きちんと文章にして的確に相手に伝えることができるということには、本当に心打たれました。 きっかけはあまり良くないですけど(?)、Hideyさんのような素晴らしい方に出会えたことを光栄に思ってます。 それで、あつかましいとは思いますけど、私に対して、今後、この件について、どのように対応していったらいいか、アドバイスして頂けたらと思ってます。 / panda ( 2002-08-22 00:38 )
遅くなりましたけど、某氏の件では、某氏への助言、っていうか、”代弁”ありがとうございました。←代弁っていうのは、私が思っていたことをHideyさんが全て言って下さったからです。 つっこみ、全部読まさせてもらいましたけど、全てと言っていいほど同感だったのです。私のことを全て知ってるのでは・・・と怖くなるくらいでした。(笑) / panda ( 2002-08-22 00:37 )
lim.さん、ダイビングよりも、うっとり中のlim.さんが目に浮かんできました。貸し本屋という方もいればアイスクリーム屋という方もいる。その人らしさが出ておもしろいですね。 / Hidey ( 2002-08-21 23:54 )
ちえちゃん、お久しぶり。エル・トゥーラもピンキオーリも日本のに比べると全然安いんですよ。もちろんイタリアの中では飛びぬけて高いけどね。まあ確かに今回は泡銭が手に入ったお陰でちょっとホテルもいいところばかりでした。ウィーンのインペリアルに妻は大感動。でもチェコ(プラハ)があんなに素晴らしい国だったとは夫婦そろって驚きました。きっとちえちゃん大好きだよ。 / Hidey ( 2002-08-21 23:53 )
ガス欠コインさん、フィレンツェというかあの周りのトスカーナは本当にすばらしいところですね。行きたかったけど今回は諦めた町に、フィレンツェから車で1時間くらいのサン・ジミニャーノという町があります。緑の畑が小高くなっているところにぽつんと現れる、やはり壁に囲まれた小さな町です。Italia 90、やはりKorea Japanを見た後でも僕にとっては一番です。 / Hidey ( 2002-08-21 23:50 )
reiさん、そんな正直に言わなくたって(笑)。。。まあ僕の実像を知ってる人は確かにそう言うかもね。でもパスタ好きは異常なくらいで、この10年、週最低5回はパスタを食べています(カレーもそれくらい食べてるけど)。京都の熟女、いいねえ!(←コーフン) じゃあ、妻と勝負だ。 / Hidey ( 2002-08-21 23:46 )
りぃなさん、モンテフィアスコーネは本当にお薦めしますよ。湖といえば、ヴィテルボに行く途中によったアングィラーラという町も、湖のほとりに坂の美しい瀟洒な建物が段々に並び立つ、よい町でした。イタリアに行ったら絶対レンタカーしたほうがいいと思います。 / Hidey ( 2002-08-21 23:43 )
しゃどうさん、しゃどうさんは毎回タフな旅をなさる方のようだから、行った場所への思い入れもとても強いでしょうね。すばらしい悩みだと思います。アラスカのお話、これからじっくり読ませてください。 / Hidey ( 2002-08-21 23:40 )
azzurriさん、その命名も当然イタリアにはまったところから来ているのかとお察ししますが。azzurriさんのイタリア旅行記、かつて読ませていただいたことあります。本当にあのブドウ畑、ひまわり畑、車窓を流れていくのが印象的でした。そう、貯金が必要なんですよね。。。(急に現実的な悩みが。。。) / Hidey ( 2002-08-21 23:38 )
PAOさん、3ヶ月とは羨ましい!大仕事もイタリアン・ペースでできたらいいですね。まあPAOさんのことだから楽しみつつ仕事もこなされるのでしょうけど。イタリアでも当然PAOりますか!?向こうの軽めのビールもなかなかいけますよね。 / Hidey ( 2002-08-21 23:36 )
misatoさん、パリはもしかしたら僕は仕事で早々に住む可能性もありうるところです。妻もそれならと喜んでしまっている始末。歴史の重みがあって僕も大好きな町です。今度はフランスの田舎町を是非旅してみたい。ペペロンチーノ、みんな大好きですね。僕もたまにシンプルに食べたいときはイタリアンパセリをたっぷり刻んで作ります。さすがに年季が入ってるので味は安定してますよー。相当辛口だけど。 / Hidey ( 2002-08-21 23:34 )
まる子さん、海外の学校も検討されているんですか。TOEFLとかその他の試験とか色々大変ですね。僕もGMATは結構苦労しました。ところで村上春樹はほとんど読んでいるのですが「うずまき猫」はまだでした。ボストンの話が出てくるとは、さっそくNYの紀伊国屋でも行ってみないと。確かに彼はボストンの郊外にタフツ大学に籍を置いていた関係でちょっと住んでいたようですね。貴重な情報ありがとうございます。 / Hidey ( 2002-08-21 23:31 )
まる子さん、ジェラートは嫌いではないですが(というかむしろ好きなほう)、甘いものは一般的に食べないのです。年々野菜の料理が好きになる僕にとってはイタリアはやっぱりあっているのかもしれません。魚もおいしいですしね! / Hidey ( 2002-08-21 23:28 )
ナライフさん、イタリア未体験とは意外!ナライフさんこそ僕にも増してイタリア狂になって突き進んでしまいそうなイメージがありますが。是非近いうち行ってみてください。まずはセリエA観戦ツアーですね。田舎町をお薦めします。 / Hidey ( 2002-08-21 23:26 )
しゃむさん、遠い夢でも、何か目標を持って日々生きられるって大事なことですね。これまで住んだところが好きというのはよく分かります。東京のことなんだかんだけなしながらも、自分の選んだ場所はやっぱり特別。あの風景が今も懐かしいです。ボストンもきっとそのうちたまらない郷愁をもって思い出すのでしょうね。 / Hidey ( 2002-08-21 23:24 )
Emikoさん、ハワイに別荘!僕も参加してみたいくらいです。ハワイって行ったことないんですよね。御多分に洩れず「ダンス・ダンス・ダンス」を読んでからというもの長期ハワイに行くのもいいなあなんて朧げに思ってはいるのですが。来年がチャンスかな。 / Hidey ( 2002-08-21 23:21 )
パンドラさん、素敵に生きるってきっと地道な努力もいっぱい伴うんでしょうけどね。でも夢は大切ですね。そう、イタリアの白ワインは大げさでなく水のようにさらりと。いずれ向こうでお会いしましょう。 / Hidey ( 2002-08-21 23:19 )
Ecruさん、ご主人と一緒にかなえられる夢なら素晴らしいことですね。僕のは今のところ勝手に進行中の夢なので果たして妻のリアクションはどうなることやら。。。? / Hidey ( 2002-08-21 23:18 )
あややん、それは野菜をワインで煮たような料理?(だからまだ言葉はわかんないんだってば!) / Hidey ( 2002-08-21 23:17 )
おとじろうさん、お風邪は大丈夫ですか?プロジェクトM!とっても気になる命名。。。M、M、、、うーん、浮かんでこない。。。 / Hidey ( 2002-08-21 23:15 )
夢樂堂さん、貸し本屋とは!それは本を沢山お持ちだからでしょうか?素敵な方と一緒なら本当に幸せでしょうね。僕もそのときには遊びに行かせてください。 / Hidey ( 2002-08-21 23:13 )
マイケルさん、なんとNew Yorker!僕はそれはちょっとないなあ。仕事で住むことはあるかもしれないけど。トマトの話、なんとなく聞いたことあります。ほんと不思議ですね。それにしてはアメリカのトマト、パスタにはそれほど向かないのは何故?やはりヨーロッパの肥沃な土壌といい出会いをしたのですね。 / Hidey ( 2002-08-21 23:11 )
akemiさん、僕も目下のところ目先の努力で精一杯ですが、それだけに夢を見たいところはあります。現実逃避か(笑)? / Hidey ( 2002-08-21 23:09 )
たらママさん、あらためて、お世話になりました。僕の日記を読みつづけていただけるとのこと、本当に嬉しいです。イタリア、是非行ってみてください。僕も仕事量だけはたらママさんに負けず働いていましたが、それだけに人生観が変わりました。晩年の夢、いつか聞かせてくださいね。 / Hidey ( 2002-08-21 23:08 )
KATSUMIさん、向こうへ行く度に不動産屋のウィンドーいっぱいに貼られた写真つきの物件情報を眺めては、「おー、買えるじゃん!」とにわかに現実感をもたせてニンマリしてます。KATSUMIさんほどフリークではないけどセリエAにおらがチームができたら素敵でしょうね。 / Hidey ( 2002-08-21 23:05 )
私は田舎の南の島で、アイスクリーム屋さんをしながらダイビングして暮らしたいです(うっとり)。 / lim. ( 2002-08-20 07:52 )
おひさしぶり〜!!イタリア楽しめたかな?!私今海外行きたい病がむずむずしてるの。とってもリッチな旅行だったみたいね☆ / ログインできないの、、、ちえ ( 2002-08-19 19:39 )
でも確かに、あのメンタリティを獲得するのに、24年は短いかも知れませんね(笑)。楽しい話しをありがとう。 / ガス欠コイン ( 2002-08-19 03:20 )
だけど、あの'90年のイタリアW杯が、Hideyさんの記憶に深く残っているのが、純粋に嬉しいなあ。 / ガス欠コイン ( 2002-08-19 03:17 )
僕はイタリア人に産み落とされたかったと、'90年のイタリアW杯の時、思いました(爆)。でも、そんな過去を回想してもしょうがないから、24年後、イタリア人として、会いましょうか(爆)。僕はフィレンツェがいいかなあ(笑)。別に僕はイタリア人にならなくてもいいかなあ。フィレンツェ、もしくは南部の街で、ただフットボールを観ていたい(笑)。 / ガス欠コイン ( 2002-08-19 03:15 )
イタリア人計画か...ごめん、あんまり想像できない...でも、60才になってイタリア人計画を実行してるHideyさんの事は、ぜひとも見てみたいわぁ。ちなみに私は京都の熟女計画でどうかしらん。(笑) / rei ( 2002-08-16 07:28 )
進め、プレ・イタリア人♪下手な目標より、わくわくしますね。その湖、ぜひ見てみたいです。人生の歯車にいい影響を与えそう♪ / りぃな ( 2002-08-15 22:35 )
旅に出るたびに、将来住みたいところが、またひとつ、増えてしまうので困っています。贅沢な悩みかしら? / しゃどう ( 2002-08-15 11:46 )
イタリア人計画・・・azzurriも昔、イタリアに行った時にすっかりハマってしまいました。Hidey様のようにゆっくりと旅をする時間はなかったのですが、お金を貯めてイタリアで暮らそう!・・・と計画していたことも。一面のぶどう畑やひまわり畑・・・「今」じゃなくても、Hidey様みたいに老後を過ごすのもいいですね♪(貯金の猶予期間も延びるし) / azzurri ( 2002-08-14 17:02 )
この秋出張でイタリアへ行くことになりそうです。たぶん3ヶ月弱。大仕事が待ってそうなので盆明けから大忙し。 / 走る酔人(PAO) ( 2002-08-13 23:08 )
リタイア後・・。ミサトは今の気分的にだったら巴里人がいいかな(笑)。パリの雰囲気が大好きなので。パスタ、ペペロンチーノにたまに挑戦するのですが毎回微妙に違う味付けになってしまいます。ミサトもリタイア後の人生計画これから本格的に練ることにします♪ / misato ( 2002-08-13 18:11 )
Hideyさんはボストンにいらっしゃるんですね。私も二度目の学校選びは国内だけでなく海外も視野に入れて検討しています。日記、初日分からじっくり読ませていただきます。楽しみです。村上春樹氏の「うずまき猫のみつけかた」には、度々ボストン話が出てきます。面白いです。また読み返したくなりました。 / まる子 ( 2002-08-13 16:14 )
素敵な計画ですね。心から羨ましい。私はまだ目先のことで頭がいっぱいだし、色々と目移りしてしまって、まったく困ってしまいます。(笑)イタリアといえば・・・ジェラート!! これまた羨ましい。(笑) / まる子 ( 2002-08-13 16:09 )
実はイタリアには未だに足を踏み入れたことがなく、サッカー、音楽、ワイン、料理、ファッション等々で僕自身大変お世話になっているのですが… 会社を辞めてイタリア料理屋を始めた友人もおり、Hideyさんの日記を読んで、これまでの自分の30余年を後悔しております。 / ナライフ ( 2002-08-13 09:21 )
美味しく美しい旅行記ですね!私たちもどこに住もうかといつも話しています。これまで住んだ所も好きだし、これからもっと好きになる土地との出会いもあるでしょうしね。 / しゃむ ( 2002-08-13 01:08 )
老後計画?今まで全く考えたことなかったです。以前はSENRI様とハワイに別荘を買う予定だったのですか・・・・ / Emiko@とーってもハワイ好き ( 2002-08-13 00:02 )
最初からずっと、読み進みながらすごくうきうきと、嬉しくなりました。 Hideyさまの笑顔が、イタリアの太陽にむかって大らかに微笑む日のことを想像すると、わくわくします。 Est!Est!!Est!!!はたぶん、飲んだことあるかな。ワインは水のようにさらりと飲みたいね。白ワインをおひさまにかざして飲むなんて最高! / パンドラ ( 2002-08-12 21:41 )
イタリア人化計画、楽しそう。わたしも夫と色々計画しています。皆、それぞれ思いが叶うといいですね。 / Ecru ( 2002-08-12 19:44 )
Ombra mai fu di vegetabile cara ed amabile soave piu. / あやや ( 2002-08-12 15:34 )
いいですね。イタリア人化計画。私も老後設計始めてます。それに向かうためにもプロジェクトMを作りました。牛歩でしか進んでませんけどイタリア人と同じ気分で急がずに出来ることから始めようと思ってます。 / おとじろう ( 2002-08-12 11:38 )
夢樂堂はリタイアしたら、オキナワの離島で貸し本屋などやりたいと思っています。客は一日に5人もくればいいな。 / 夢樂堂 ( 2002-08-12 08:01 )
自分はジジイになったら New Yorker になりたいと思っております。ところで今やイタリア料理に欠かせないトマトはアメリカ大陸発見以前はヨーロッパには無かった、と聞いたことがあります。それ以前のイタリア人はどんなパスタを食べていたんでしょうね。 / マイケル ( 2002-08-12 05:07 )
いいな〜そういう計画、、というか目標?!素敵ですね〜 あたしには今のところ老後の企画はない。毎日目先のことだけでいっぱいいっぱいだ・・・う〜ん^^; / akemi ( 2002-08-12 00:17 )
私も密かに自分の晩年の夢を持っています。たぶんかなわずに終わるとは思いますが。イタリアは行ったことありません。そのうち行きます。 / たらママ ( 2002-08-11 23:45 )
イタリア人になりたいと思うこと、よくあります。でもそのための努力をしたことは無かったなあ・・・(笑)。セリエAに“おらがチーム”を感じたいと思います(BでもCでもよいのですが)。 / KATSUMI@休養中 ( 2002-08-11 22:35 )

2002-08-11 心の里帰り 2

ワールドカップの作業の拠点となったのはローマの北側の丘の上のカヴァリエリ・ヒルトンというホテルだった。ローマの街が一望でき、右手にはサン・ピエトロ寺院が見えた。朝は緑の美しいジョギングコースを走り、仕事を終えた夕方は中庭のプールで泳いだ。結局はバブリーで人工的な桃源郷だったのだが(当時ワールドカップの利権を一手に握っていたうちの関連会社も既に倒産してしまった)時に洗われて今は綺麗な思い出として記憶している。ローマから田舎町へ行く前に、レンタカーでこのホテルとその近くにあったやはり眺望の美しいリストランテを目指したのだが、ぐるぐるそれらしいところを廻ったものの見つけることはできなかった。丘は思っていた以上に広く道は複雑だった。それでも、大会の拠点となり最近ではASローマ在籍当時中田英寿がそのホーム・スタジアムとして活躍したスタディオ・オリンピコは容易に見つかった。丘の陰からぬっと姿を現した白い屋根や巨大な石像に、埋もれていた思い出がいくつも蘇ってきた。ローマの街も同じだった。ふとした街裏の情景に、現地スタッフたちと夜遅くまでバールで騒いだことなどを思い出した。相棒のダリオは今はどこでどうしているだろうか。

ローマに2泊した後僕たちはレンタカーで1時間半くらいのヴィテルボという街を訪れた。幾重ものなだらかな丘を成して緑の畑が傍らに続く一般道を小さなルノーで延々走った。途中に通った、真っ直ぐな並木道に沿って建てられた家並や崖と崖の谷間にひっそりと佇む集落も風情があった。ようやく着いたヴィテルボは中世に栄えた町らしく周囲を石壁に囲まれ、その中に住宅地や商業地区や教会を秩序正しく配していた。この町が他の町と違うところは、かつて教皇が繁くこの土地を訪れ今もその館が残っていること、そして中世の石造りの家々の佇まいをそのまま留めたサン・ペレグリノという地区があり、人々が今もそこに住み続けているということだ。僕たちはこのヴィテルボから北に少し離れたところにあるコテージ風のホテルに泊まった。

ホテルに着いたときから気になっている風景があった。ヴィテルボと反対の方角に遥かに続く平原の果てに、段々に重なる家がそのまま町を成す小さな山が見えた。二日目の雨まじりの朝、妻がまだ寝ている間に僕はひとりで車を走らせその山を目指した。山は突然始まりそれとともにモンテフィアスコーネという名のその町が始まっていた。上り坂を何度かターンしながら程近い山頂へ登っていった。頂上近くにある町の中心には古い噴水があり、そこから何本か坂に沿って降りていく道に小ぢんまりとした店が並んでいた。

車を停めてさらに上まで階段を上がっていくと山頂には庭園があった。綺麗に手入れされた花壇に白い靄が漂う。先程からたちこめている低い雲に覆われた山頂は完全な静寂に包まれ、僕の他に誰も姿は見えない。庭園の奥にはかつての教皇の城塞がひっそりと聳えている。振り返ると白い雲が眼前を足早に通り過ぎ、突然手に触れるほど間近な距離に大きな丸い聖堂が浮かび上がった。山の頂に超然と立つサンタ・マルゲリータというその聖堂はまるでこの世のものではないかのように流れる雲の中に浮かんでは消えた。

登ってきたのとは反対側の斜面に沿って小さな階段を降りた。そのままなだらかな坂を下っていくと、斜面に遮られて見えなかった山向こうの眺望が開け、巨大な湖が眼下に広がった。ボルゼーナ湖というイタリアでは五番目に大きいという湖だった。相変わらず周囲に人影はなく、僕はその雄大な風景を独り占めしながらしばらく湖と対峙していた。

(つづく)

先頭 表紙

2002-08-11 心の里帰り 1

僕は既に自分の老後の生活についてはっきりと心に決めてしまっている。六十になり仕事を辞めた後僕はイタリア人になるのだ。観光客でごったがえす街を避けて緑豊かな片田舎に暮らし、太陽の恵みをいっぱいに吸い込んで真っ赤に熟したトマトを朝市で仕入れ毎日美味しいパスタをつくって食べるのだ。綺麗に花で飾りつけられた窓ごしにマンマが子供たちを怒鳴りつける声が聞こえてくる古い家を気ままにスケッチするのだ。そして群雲が月と戯れる静かな夜には安物の白ワインをグラスに注ぎ、大好きな音楽や映画に耽るのだ。

この遠い夢が天啓のように僕に舞い降りたのは、以前日記にも書いたように1990年のワールドカップイタリア大会の作業で40日間イタリアを訪れ、シチリアの浜辺で熱い太陽の下に寝そべっていたときのことだった。以来僕は着々とイタリア人化計画の準備に取り掛かっており手始めに料理を学びつつある。次は語学だがいずれもゆっくり取り掛かる。イタリア人はことを急いてはいけないし何しろまだ24年も先の話なのだ。いずれにせよ聖地を定期的に訪れることは欠かせないし今回も都合一週間ほどイタリアに滞在した。

今回の訪問の目的は取りも直さず本物のパスタの味を舌で確かめ直し、12年前ワールドカップ作業の拠点としてもっとも長く時間を過ごしながら以後一度も訪れていなかったローマの街を久しぶりに歩き、いずれ僕が移り住む町の参考にローマ郊外の田舎町をいくつか訪れることだった。

12年前イタリア料理と決定的な出会いをしたスペイン広場裏手の小奇麗なリストランテを探したが頼りない記憶だけでは上手くいかなかった。しかし諦めて入った何のことはない店で食べたスパゲッティ・アル・ポモドーロに僕はこの国の偉大さを再認識した。店構え同様何のことはない料理なのだがちゃんと美味しい。所詮はトマト、玉ねぎ、にんにく、オリーブオイルだけでできるソースに程よく茹でたパスタを絡めるだけの単純な料理なのだ。だからそこそこの店に入れば程度の差こそあれちゃんと美味しい料理になる。その偉大なる単純さを発見したこの国の人々を称え、その単純な料理法に堪える食材を産みつづけるこの国の肥沃な大地に感謝を捧げた。

12年前そうしたのと同じように、毎日必ず一食は単純なスパゲッティ・アル・ポモドーロかスパゲッティ・アッララビアータ(spaghetti all’arrabiata)を食した。店によってはオイルが若干強かったりバジルやオレガノが加えられていたりしてそれがまた微妙に異なる味わいを醸して嬉しい。このイタリアで最高峰といわれる店の味もやはり知っておかなくてはと、ローマではエル・トゥーラ、フィレンツェではエノテカ・ピンキオーリに入った。アンティパストの繊細な味わいや、大胆な食材の取り合わせを完璧な料理に仕上げるシェフの腕前には唸らざるを得なかったが正直僕が本当に幸せを感じるのは単純なポモドーロや、ハーブとレモンを上手く使っただけのチキンのエスカロップだったりするのだ。もともと余り金のかからない体質なのかもしれない。でも「イタリア料理なんて高い金払って食うもんじゃない」というラ・ベットラの落合務師匠の言葉の意味が本当に分かったような気がする。ただしさすがエノテカ・ピンキオーリ、4種のお薦めトスカーナ・ワインをセレクトしてもらった際に出てきたバタールは絶品だった。

(つづく)

先頭 表紙

Rさん、この日我々のテーブルについてくれたのはイタリア人のソムリエだったのですが、帰り際に日本人の若い修行中のソムリエの方が出てきて、「日本のピンキオーリにも行っていただいたとお聞きしたので、お礼に」と赤ワインを1本いただきました。店外だったので歯を見せて爽やかに笑ってましたよ(笑)。 / Hidey ( 2002-08-21 23:02 )
ピンキオーリ、やたらと日本人ソムリエを増やしていますね。あの、絶対に歯を見せないソムリエっぽい微笑みって、海外で見るとなんとも奇妙でたまりません(笑)。 / R ( 2002-08-16 00:38 )

2002-08-04 列車で旅する歓び 2

ウィーンからブダペストへの比較的短い路線でその少女は僕たちと通路を隔てた座席に座った。オフホワイトのシャツに膝上まである綿の半ズボンを穿き、荷物の詰まった大きなスポーツバッグを抱えていた。肩まで届く亜麻色の髪で小さな眼鏡をかけていた。十六、七歳といったその少女は端整な、少年のような顔立ちをしていた。列車が走り出すと彼女は体を横に向けて窓の外を眺めはじめた。彼女は一時間以上そうしていた。彼女の背後から、流れ行くハンガリーの草原を追う彼女の瞳を想った。黄金色に輝くハンガリーの草原も美しいが若くひたむきな彼女の後姿はそれにも増して美しかった。あの年齢特有の心の震えが彼女を捉えているんだろうなと思った。彼女を現実に引き戻したのは彼女の足元に歩み寄ってきた三歳くらいの男の子だった。彼女は深い笑みを浮かべながら彼女の組んだ足と戯れる男の子を見遣り、足を左右に軽く振ってみせた。

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最後に現実的な旅の知識。今回僕がヨーロッパの列車を乗り継ぐにあたり利用したのはユーレイル・セーバーパス(一等)というもの。15日間17ヶ国内の一等車両乗り放題で大人ひとり486ドルだ。二人以上で同じ行程を旅する場合はひとり572ドルのユーレイルパスと比べてお得なセーバーパスが利用できる。日本でも旅行代理店を通じて購入できるが、今はレートがいいので国際料金で買った方が日本国内料金の67,100円と比べて一万円近くお得だった。短い日程で少数の国のみ旅行する場合は人気5ヶ国のみ利用可能なユーロパスというものもある。

もうひとつおまけ。列車の旅と言えばいい映画があるのでご紹介したい。タイトルの邦訳はひどいが「恋人までの距離(ディスタンス)」(原題:Before Sunrise)は秀逸だ。イーサン・ホーク演じるアメリカ人青年と、僕がこよなく愛するジュリー・デルピー扮するフランス人学生がヨーロッパの車中で出会い、翌朝には別れることを前提にしながらウィーンの街を散策し、さりげなくも繊細な会話を重ねつづけるというもの。ほとんど会話だけで構成された実験的な作品になっている。余りに好きなのでもう4回くらい観たと思う。なかなか言い得た解説文があったのでご興味ある方はこちらまで。

先頭 表紙

ナライフさん、僕も今回何冊か本を持っていきましたが、あれだけ長い車中も容易に本を読む間など与えてくれませんでした。安易に日本を卑下するわけではないけれど、実際のところ家並みの統一感、風景の中でのバランスなど、ヨーロッパは10ランクぐらい上ですね。毎日見ていてもうっとりします。 / Hidey ( 2002-08-21 22:58 )
私も学生時代に1人でヨーロッパを電車で旅したことを思い出しました。暇つぶしにと思って用意していた本にほとんど手をつけず、景色を眺めたり客と喋っていました。日本だと少なくとも新幹線にはこの趣はないですね… / ナライフ ( 2002-08-13 09:08 )
たらママさん、以前たらママさんがヨーロッパに行ったときのことを書いた日記を思い出しました。毎日のように英語を使われながらパスポートがないってちょっと悲しいですね(笑)。でもそのうち時間的余裕ができたら是非たらちゃんの見聞のためにもまたヨーロッパにいらっしゃれればいいですね。僕は個人的にアメリカの100倍くらいヨーロッパが好きです(笑)。 / Hidey ( 2002-08-11 21:34 )
ガス欠コインさん、僕もイタリアで電車に乗りながらコインさんのペルージャの旅のことを想ったりしました。ペルージャはちょっとだけ方向が違うんですよね。あそこもサッカーを別にしてもとてもよいところだそうですね。次回のイタリア巡礼一人旅では候補地のひとつです。イングランドトレイン、日本で外国を感じる二度とない経験になったのでしょうね。僕は98年にパリ〜ナント間のTGVジャパン・トレインに乗りました(笑)。 / Hidey ( 2002-08-11 21:31 )
azzurriさん、今回ユーレイルのためユーロスターだけは乗れませんでした(笑)。あれがあればもうちょっと時間を短縮できたのですが。自転車が積める車両、いくつか遭遇しました。ご存知のとおり何の障害もなく駅の中に入れるヨーロッパではプラットフォームを自転車が走るという風景は日常茶飯事ですね。北海道、いいな。今は日本の旅こそ渇望しているの状態です。 / Hidey ( 2002-08-11 21:27 )
夢樂堂さん、シベリア鉄道!僕の中学時代からの夢でした。トルストイ巡礼の旅をしたいとずっと思っていました。生半可にできることではないのでじっくり計画中です。無樂堂さんの旅日記も楽しく読ませていただいています。 / Hidey ( 2002-08-11 21:23 )
Ecruさん、僭越ながら羨ましさを通してでも何かを刺激することをさせていただけていたら本望です。旅行願望は人間の本能なのかもしれませんね。映画、ほんとお薦めです。僕も自分で書いた後にまた久しぶりに観たくなってまた借りてきてしまいました。是非お楽しみください。 / Hidey ( 2002-08-11 21:21 )
 ぶちょー、おっしゃるとおりツールの真っ最中でした。「ツールを追いかけて...」っていうの、ぶちょーらしくていいですね。老後と言わず部分的にでも夢がかなっていくといいですね。僕は自分の旅に精一杯でホテルで夜スポーツニュースを見てると毎日トップニュースでやってるな、という感じでした。街角の自転車屋に電動自転車を未だに探したりはしてしまったけど。 / Hidey ( 2002-08-11 21:18 )
reiさん、そうだね、車の旅も確かにいいものです。大学時代に親友と3人で代わる代わる運転して北海道一周のテント生活をしたのが懐かしい。飛行機の旅の楽しみはあの独特の疲れのために最近枯渇しつつあるけど(笑)。関西旅行、楽しんできてね。僕も次はひとりで車に乗って日本を巡りたい。ジュリー・デルピー、納得されちゃった?あの清らかさと妖艶さ、天使と悪魔が同居した感じが大好きなのです。 / Hidey ( 2002-08-11 21:14 )
たまたまさん、またまた本文に関係のない話をありがとう(笑)。確かに商社は厳しいみたいね。だからこそ商社出身でMBAを目指す人も後が絶えないみたいだけど。 / Hidey ( 2002-08-11 21:10 )
綺羅さん、そう言っていただけると嬉しいです。とかく個人的なものになりがちな旅行記をいささかでも普遍的に楽しんで読んでいただけるようにできればと心がけました。 / Hidey ( 2002-08-11 21:08 )
KATSUMIさん、まさに手段が目的ですよね。漱石か誰かが小説で書いていたような記憶がありますが、僕も移動は目的でなければ気がすまない人です。卒業旅行でのユーレイルでは12時間以上の旅はざらでした。今回は妻も一緒なので最長は9時間くらいだったかな。それだけ時間があっても本を読むのももったいなくて憚られるくらい旅の風景っていいものです。 / Hidey ( 2002-08-11 21:06 )
ウサ子さん、いらっしゃいませ。イタリアとオーストリアの国境ですぐさま家の感じが変わったのが印象的です。イタリアのあのひなびた感じも好きだけど、オーストリア(&ドイツ)の小ぢんまりと清潔な感じも大好きです。正に移り変わる風景がヨーロッパという大陸の複雑な歴史を感じさせてくれるので、鉄道以外の旅はなかなか考えられないですよね。 / Hidey ( 2002-08-11 21:02 )
あいちゃんさん、いらっしゃいませ。ウィーンの情景、本当に美しかったですね。雨の後の夜の石畳なんか見てると、これだからやっぱりヨーロッパじゃないと!って思ってしまいます。アメリカではあの風景は残念ながら成り立たないのです。 / Hidey ( 2002-08-11 20:58 )
misatoさん、嬉しい言葉をありがとうございます。僕は原則的に風景写真は撮らないのですが、それはせっかくの旅の記憶が中途半端な腕前の写真を通してしか思い出せなくなってしまうから。目で見た感動が永遠に失われてしまいますよね。その代わり文章で残しておけば心の記憶が瑞々しいまま保存することができるので、この日記でも自分のためにも情景の浮かぶ文章を心がけました。映画、是非観てみてください。なかなか知的な雰囲気が漂っていいです。 / Hidey ( 2002-08-11 20:56 )
lim.さん、「青春」という名のつくあの切符ですね(笑)。僕も三度ほど利用しました。高校で一度、大学で一度、なんと社会人で一度。いずれもかけがえのない友人たちと関西や四国方面への旅でした。たしかにあの切符の旅は心に残ります。卒業旅行での初めてのユーレールは18切符の3倍くらい過酷な日程の一人旅。強烈な印象が残っています。 / Hidey ( 2002-08-11 20:50 )
pandaさん、僕は逆に(イギリスを除く)ヨーロッパのほうがお互い英語は第二外国語であるもの同士ということで帰って気楽です。それにほとんどまったく英語の通じない環境で四苦八苦するのもコミュニケーションの原点を感じてなかなかいいものだと思ってしまいます。 / Hidey ( 2002-08-11 20:45 )
ヨーロッパが私を呼んでる!とっても行きたくなりました。でも、行けるメドなし、パスポートもなし、の身であります。 / たらママ ( 2002-08-09 23:39 )
何だか、ローマ→ペルージャ、ペルージャ→フィレンツェの旅を思い出しながら、楽しく読ませてもらいました。『恋人までの距離』、多分観た記憶があります。確かに、ひでえ邦題ですね(笑)。最近、最も印象に残っている列車の旅は、新潟まで行った“Maxイングランド・トレイン”かな(笑)。帰りの在来線も楽しかったけど。 / ガス欠コイン ( 2002-08-09 21:47 )
先日、北海道を電車での〜んびりと旅をしました。ヨーロッパの列車旅は是非ともしてみたいと思っています。まだユーロスターにしか乗っていないので。そういえば、ヨーロッパの列車には自転車を積み込む車両があると聞きました。時間があれば、列車と自転車の旅もいいなぁ〜。 / azzurri ( 2002-08-07 16:21 )
大陸なら列車の旅もいいですね。シベリア鉄道とかカナダ横断を一度電車でしたい気分です。く、 / 夢樂堂 ( 2002-08-07 12:04 )
もうずっと旅行に行ってないので、羨ましく読んでます。映画、何やらひどく好みっぽいので、週末にでもビデオ屋さんで探してみようと思います。 / Ecru ( 2002-08-06 20:06 )
ひょっとして、Hideyがヨーロッパいったのはツールドフランス中なのでは?日本ではJ‐sky3で全行程生中継でした。ツールを追いかけてフランスを旅するのが子供の頃からの夢でした。できればそれにモナコGPとル・マン、できればマン島TTも・・・まあ老後の楽しみか?フランス全土が1ヶ月に渡って熱狂自転車レース、Hideyは何か片鱗でも感じたりしましたか? / ぶちょー ( 2002-08-06 10:15 )
misatoさん同様、頭の中でいろいろイメージしながら、楽しく読ませてもらいました。ありがとう。やっぱり旅はいいなぁ。電車でも、車でも、飛行機でも、それぞれの良さがあるよね。私も今年の冬に友人と電車で関西旅行を計画中です。(日本人なのに、国内旅行をあんまりしたことがないの。温泉も行ったことないんだよ。)それにしても、ジュリー・デルピーをこよなく愛しているっていうところ、やけに納得しきってしまいました。(笑) / rei ( 2002-08-06 09:42 )
全然、海外駐在の話がでないよーー。MBA枠もうちのカンパニー(部門)だと厳しいらしくて、、、、、そうこういっているうちにメーカーの友達が駐在きめまっくてる!!あーあ、商社冬の時代。Hideyさんの奥さんと今度はダブルDしましょ。 / たまたま ( 2002-08-06 09:19 )
なんだかキレイな風景が浮かんでくるようです。きっと楽しい旅だったのでしょうね(^^) / 綺羅 ( 2002-08-06 00:37 )
列車で旅するのは昔から大好きです。8時間各駅停車に揺られるとか、時間が出来るとしています。移動手段なのに、そこも目的地だったりしますよね。 / KATSUMI@休養中 ( 2002-08-05 23:26 )
ヴェネツィアからウィーン何回か乗りました。懐かしい。ヨーロッパではまず鉄道な私です。移りゆく風景をのんびり見るのは楽しいものです。 / ウサ子@はじめまして ( 2002-08-05 18:21 )
お邪魔しに来ました〜!「恋人までの距離」みましたよ!!!とにかく情景がとても綺麗な映画だったことを覚えています。。。 / あいちゃん ( 2002-08-05 17:24 )
いつも思うのですけれど、Hideyさんの文章は読んでいくうちに様々な情景が色をつけながらどんどん目に浮かんできて、とても惹き込まれます。今回の日記拝読して次回はぜひ列車の旅をしてみたいと思いました・・。ところで早速映画の解説HP見てみました!Hideyさんの文や解説文を読んで、かなりミサトが好きな雰囲気の映画に違いないという気がしています。どうでもいい何でもない会話にこそ意味があると思っているし(笑)。ビデオやさんで探してみます。 / misato ( 2002-08-05 17:03 )
おかえりなさい。列車の旅といえば、大学時代に友人や後輩数名と、18切符を勝って一日中電車で行動したものです。懐かしいです。すごく楽しかった記憶しか残っていません。 / lim. ( 2002-08-05 13:29 )
列車の旅って、いいですよね。車と違って、のんびり風景を楽しめるし。 ヨーロッパ、一度行ってみたけど、言葉が通じないから気が引けてしまって…。(笑) なもんで、旅日記見て楽しませてもらってます。 / panda ( 2002-08-04 09:34 )

2002-08-04 列車で旅する歓び 1

昔よく日本地図を広げては聞いたこともない町の名前にまだ見ぬ風景を浮かべ、車を走らせてふらりと旅に出ることがあった。ヨーロッパの地図の場合は少し想像と現実がかけ離れる場合はあるものの要領は一緒だった。そうして僕は二週間の卒業旅行に出、はじめてヨーロッパの大地を踏んだ。異なるのはそれが車ではなく列車の旅だということだった。

以来ヨーロッパの国々は何度も訪れたが、今なお見知らぬ町は見知らぬ表情を浮かべて僕を迎える。いつまでたっても朧げな町と町の位置関係が、トーマスクックの時刻表の路線図のページを開いた途端何本もの線で結ばれて綺麗に座標を定める。面白そうな町と路線を選び出し時刻表のページをめくる。聞いたこともない町の名前がずらりと縦に並ぶ。近未来の自分の姿を浮かべながら時間の辻褄をあわせて旅程を組み上げる。旅には明らかに旅すること以前の楽しみが存在する。

どんなに克明に調べ上げて旅を組み立てても、列車は地図にも路線図にも名前の見当たらない町をいくつも駆け抜けてゆく。僕はそんな「名前のない町」を車窓から眺めるのがたまらなく好きだ。この旅でも僕はいくつもの「名前のない町」に出会った。

ローマからフィレンツェへ向かいキウージやモンテプルチアーノを過ぎた辺りだろうか。トスカーナらしい見渡す限りの麦畑にイトスギがまばらなシルエットを描く。その果てににわかに堆くなった丘がぽつんと佇む。緩やかな丘に沿って家並が見える。丘の天辺に守護聖人のように教会が聳える。広い大地を慎ましく切り取りこの丘を領地と定めて町を守ってきた中世の人々が目に浮かぶ。そして今なおこの町を守りつづける人々が浮かぶ。

ヴェネツィアから北東のウィーンを目指し六時間ほど、ミュルツツシュラークの程近く。緑の畑を切り裂きながら列車は旅人のまだ見ぬ村に道を拓いてゆく。山々が複雑なカーブの稜線をその村へ注ぎ、列車はカーブに沿って山肌を削りながら等しく距離を置いて村を迂回する。僕は壺の底に置かれたようなその村を窓から見下ろす。名前のない村に人々は田畑を耕し褐色の小さな屋根の下に仄かな灯りをともす。山々の陰影が教会や役場や集会所を覆ってゆき、村が夕闇に馴染んでいく。列車は言葉をかけることもなく村を半周して通り過ぎてゆく。

時折列車は予兆もなく僕の心の中にだけあった風景を眼前に広げてみせる。プラハを出た列車は曇天に押し潰されながらドイツとの国境を目指し西へ走った。街を離れ大地が大きく波打ち始めた。夏というのに枯れた野原にところどころ黒い岩がむき出している。背の低い木々が不吉なざわめきを立てる。緩やかに隆起した大地はその天辺で枯草が暗く淀んだ空とせめぎあいながら明確な地平を描く。しばらく走ると大地の起伏が失われ、枯草が見渡す限りの平らな地面を覆い始めた。遥か向こうに黒々とした森が死の入り口のように静かに横たわっていた。ここからが森なのだとはっきりと分かるほど森は唐突に始まっていた。それらの風景を僕は見たことがないはずなのに異様な既視感が僕を襲った。それは何かの小説だったかもしれないし僕の心そのものかもしれない。いつも靄の向こうに見え隠れしていた光景がくっきりした輪郭をもって現れる様を僕は胸苦しくなりながら見つめる。列車はそんなことにはお構いなしに次の駅を目指して走り続ける。

(つづく)

先頭 表紙

りぃなさん、多分本当に目で見たことはなかった風景なんだと思います。僕自身がある心模様になったときに浮かべていた、僕の心そのものだったような気がします。そういう意味では心象を実際の風景の中に見たという逆説的な体験になりました。 / Hidey ( 2002-08-21 22:55 )
どこか遠い昔に見覚えのある景色なんでしょうね、きっと。自分じゃないけど、確かに自分が覚えのある。んふふ、謎かけになっちゃいましたね。私も、そういう感覚は覚えがありますよ。 / りぃな ( 2002-08-15 22:29 )

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