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Hideyの「蛍の光の下で」

帰国に伴い長い間ご愛読いただいたこの日記を終了させていただきます。
もうこのサイトに文章を綴ることはありませんが
もしこの先もおつきあいいただけるようであれば
メールをいただければ幸甚です。
皆様、本当にありがとうございました。お元気で。

絵日記

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2002-03-25 Lonely Birthday
2002-03-22 Mamma Mia! リベンジ成功 2
2002-03-22 Mamma Mia! リベンジ成功 1
2002-03-18 Miracle Years 4
2002-03-18 Miracle Years 3
2002-03-18 Miracle Years 2
2002-03-18 Miracle Years 1
2002-03-16 チャリティ・オークション 2
2002-03-16 チャリティ・オークション 1
2002-03-08 Negotiation 3


2002-03-25 Lonely Birthday

日曜の朝の青空に教会の鐘が10回鳴り響き、日本が3月25日を迎えたことを知った。僕の生まれた日だ。その2時間前、僕は仕事で日本へ帰る妻を空港へ送った。彼女がボストンへ戻るのは4月2日のこと。今年の誕生日はひとりで過ごすことになった。昨年7月の彼女の誕生日には僕は既にボストンに来ていたのでお互い様ということになる。

妻が仕事で日本へ帰るのはこれで二回目だ。フリーランスで声の仕事をしているのでアメリカに住んでいることは大きなハンディキャップとなる。その分今後の武器にもなり得る英会話を習得しているのだが、バランスとしては正直マイナスの方が大きいだろう。そのマイナスを最小限にすべく、程よい間隔をおいてなるべく日本で仕事をするようにしている。コネクションを保ちつづけることが大変重要なのだ。もともとは僕の都合でこちらに連れてきたわけなので、それに協力するのは当たり前のこと。今回は横浜で大きなイベントがあるということで、彼女はいつものように企画書や原稿をスタッフからメールで受け取り、WEBで参考情報を収集していた。本当にITさまさまだ。

僕は今日で春休みが終わり、当然ほとんど手をつけていなかった予習にバタバタと追われており、寂しがる余裕もない。明日の授業の合間には恒例でセクションメートが蝋燭を立てた小さなケーキを僕の机に置き、“Happy Birthday to You”と歌ってくれるだろう。こちらでは誕生日を迎える者が自ら友人を招いてパーティーをすることが多いが、それはしないことにしている。ひとりでしみじみ人生を顧みるのも悪くない。(暗い)

寂しがる余裕もないと書いたものの、やはり空港から誰もいない家に帰ってくると、思ってもみなかった喪失感を味わうことになる。気を紛らすためにもいよいよWACC(資本コスト)の登場で本番を迎えたファイナンス2の予習をしていたら、12時ごろに電話が鳴った。既に中継地のシカゴに着いた妻からだった。時間があるので手持ち無沙汰でかけたと、彼女らしい素っ気ない物言いだったので、こちらから半ば強制的に「誕生日おめでとう」と言わせてしまった。やはり多少は寂しかったものと自覚してしまった。

reiさんも日記に書いていたが、歳をとることはいくつになっても喜ぶべきことだと思う。一年前には知らなかったこと、知らなかった人との出会いに感謝し、まだまだ未知の領域が人生に残されていることを祝いたい。この一年の収穫は大きかった。これからの一年も負けないくらい得るものの多い一年にしていきたい。十五のときに覚えた詩の一節は今もその輝きを失わず僕とともにある。
「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」

Happy 36th birthday to me.

先頭 表紙

おとじろうさん、どういたしまして。ありがとうございます。「取るのではなく重ねるもの」、いい言葉ですね。常に胸においておきたいです。 / Hidey ( 2002-04-12 15:23 )
今ごろすみません。お誕生日おめでとうございます。年は取るのではなくて重ねるものですね。 / おとじろう ( 2002-04-08 13:11 )
nameさん、ありがとうございます。「生きているだけで幸せ」って、目が開かれるようなお言葉でした。ほんの時々、生活の断片でそんなことを思ったりしますが、言葉にして心の隅に置いておけばなかなか重宝しそうな気がします。ありがとうございました。 / Hidey ( 2002-04-07 23:17 )
lamanchaさん、ありがとうございます。ほんとに飽きないくらい毎日何かがある生活です。それも結構楽しんでいます。日記を書くには事欠かなくていいですね。 / Hidey ( 2002-04-07 23:15 )
しまおさん、ありがとう。そしてご無沙汰です。お勉強の方はいかがですか?僕も何とか負けずに頑張ろうとはしています。皆さんのお祝いの言葉を励みにあと一ヶ月ちょっと頑張りたいと思います。そしたら三ヶ月の夏休み!(←ごめんなさい) / Hidey ( 2002-04-07 23:13 )
プルーさん、ありがとうございます。そしてお帰りなさい。充実のご旅行だったようですね。僕も一ヵ月半後の日本を夢見て自分に鞭打っているところ。ここに来て勉強が大変で、日記の更新もおぼつかなくなりましたが、何とか続けたいと思います。 / Hidey ( 2002-04-07 23:05 )
りるりるさん、ありがとうございます。冷静沈着とはとても言えませんが、寂しさの種明かしははるぴょんさんへのつっこみがえしの通り。いつまでもガキです。それはともかく充実した一年は心に誓っているところです。 / Hidey ( 2002-04-07 23:03 )
りりさん、ありがとうございます。そしてお久しぶり。お元気そうで何よりです。もういくつ歳をとっても余り変わらないしね。特に女性は年齢に比例した魅力ってすごくあります。いつまでも素敵な女性には自分より少し大人でいてほしい、なんて思ってしまいます。 / Hidey ( 2002-04-07 23:01 )
しっぽなさん、ありがとうございます。一人のバースデー、乙なはずだったのですが、結局予習がはかどらず、25日の夜、最後の10分だけビールで一人乾杯しました。来年はもっと楽しく祝ってやる! / Hidey ( 2002-04-07 22:58 )
わかな、ありがとう。そしてTrekの件、拙い僕をいつも支えてくれてありがとうございます。最近はTrekの方も皆気が張ってきているので、今度一回息抜きでぱっとやりたいね。そのときの仕切りはお任せを。 / Hidey ( 2002-04-07 22:57 )
Hirokoさん、ありがとうございます。今の世の中ネット経ちはつらいですよね。ADSL開通おめでとう。こちらもケーブルでとても快適です。考えたら後一年ちょっとしかこの生活は楽しめないので、さらに気持ちを引き締めて、積極的に生活を楽しんでいきたいと思います。 / Hidey ( 2002-04-07 22:55 )
みなみさん、ありがとうございます。高村光太郎はかつていくつも詩を読んだのですが実際のところ今は全く触れる機会がありません。今のように限界的な生活をしているときこそ、短くて強い言葉は心に刺さる気がします。今度日本に帰ったらいくつか詩集でも買ってこようかな。 / Hidey ( 2002-04-07 22:52 )
oggiさん、ありがとうございます。素敵かどうかは分かりませんが、もうしっかりおじさまです。せめて素敵という形容詞でもつけるべく努力したいところです。 / Hidey ( 2002-04-07 22:50 )
Rさん、ありがとうございます。怒られてしまいそうだけど、確かにこれがはじめて一人のbirthdayかもしれません。大人の世界はとげや毒もある分、素敵なことがもっと素敵に見えてくるのだと思います。Rさんは充分素敵な大人のようにお見受けしていますが。。。 / Hidey ( 2002-04-07 22:49 )
しゃむさん、ありがとうございます。本当にこんなに皆さんから祝っていただいて、一生忘れないと思います。皆さんとの素敵な絆を大切に素敵な一年にしたいと思います。 / Hidey ( 2002-04-07 22:46 )
りぃなさん、Thanks a lot!僕も年齢に見合った大人かと言われるとへこんでしまいそうです。だからこそまだ前を向いて生きていけるんだけど。人間ってどこかしら永遠に子供なのかもね。 / Hidey ( 2002-04-07 22:45 )
アナイスさん、ありがとうございます。僕は極端に孤独に強いところと寂しがりやなところとが同居している人間のようです。でも今回の寂しさの種明かしはしたのはるぴょんさんへのつっこみ返しの通り。アナイスさんの「おとなになること」の日記、読ませていただきました。いつまでもその視点は忘れないでいたいと思います。十五ってほんとうに何であんなに強くて繊細で美しい歳なのでしょうね。 / Hidey ( 2002-04-07 22:43 )
はるぴょんさん、ありがとうございます。後で分かったんですが、妻がいなくて寂しかったのももちろんあったと思いますが、単純に春休みがその日で終わって心が登校拒否をしていただけでは?という自覚に至りました。現実逃避のただのだだっ子です(笑)。こういうところだけは年齢並みになりたいところです。 / Hidey ( 2002-04-07 22:38 )
俺様さん、ありがとうございます。 / Hidey ( 2002-04-07 22:35 )
Emikoさん、ありがとうございます。妻は寂しくなかったんじゃないかな。いつでも飄々としている人だから。いつもパンクしそうになってますが、なんとか次の一年も懸命に生きていきたいと思います。 / Hidey ( 2002-04-07 22:32 )
ガス欠コインさん、ありがとうございます。ほんと、ひとつお兄ちゃんですね。いや、気にしないでがんがん飛ばしてってください。特にクリエーターさんはね。心が若くいられることが最大の資本ですからね。お互い捨ててはいけないものを捨てずに前向きに生きていけたらいいですね。 / Hidey ( 2002-04-07 22:31 )
あややさん、ありがとうございます。離れてみて見えてくることって本当に多いです。また少し馴れ合いになってきていたけど、少しこのへん反省しないとな、とか。そろそろお誕生日が近づいてきましたね。じたばたしないようにね(笑)。 / Hidey ( 2002-04-07 22:29 )
パンドラさん、ありがとうございます。「道程」、こんなにストレートなのに決して色褪せないいい詩ですよね。ストレートなだけに重みがあるのだと思います。ほんと、こんなにお祝いをいただけるとは思いませんでした。嬉しい限りです。この歳になってまたこうして友達の輪が広がっていることに感謝感謝です。いつも応援してくれてありがとう。 / Hidey ( 2002-04-07 22:26 )
たらママさん、ありがとうございます。確かに興味は失ってますね(笑)。でもこんなふうに前向きにいることを確認する機会になりつづけられればいい名と思っています。たらママさんのその姿勢にはいつも感服です。見習わせていただきたいと思っています。 / Hidey ( 2002-04-07 22:24 )
スーパーしえろさん、ありがとうございます。スペイン語はさっぱりなので、今度友人に訳してもらいたいと思っています。 / Hidey ( 2002-04-07 22:22 )
Ecruさん、ありがとうございます。そう、言い聞かせることが大事なんですよね。常に前を向いて歩いていきたいと願っています。 / Hidey ( 2002-04-07 22:21 )
鳥さん、ありがとうございます。勉強の中身が中心になってしまって英語自体はそれほど意識的に努力していないのが現状ですが、鳥さんを見習って2年間こちらにいただけの英語力を身につけて帰りたいとも思っています。 / Hidey ( 2002-04-07 22:20 )
真賀砂州子さん、ありがとうございます!南西から素敵な響きが聞こえてきたと思ったら。。。いや、本当に光栄です。お祝いに恥じないよい一年にしたいと思っています。 / Hidey ( 2002-04-07 22:19 )
KATSUMIさん、ありがとうございます。まだ故障中ですか!できなくなったこと...確かに年齢的な理由もあってあえて選んでやらなくなったことはありますけど、できるだけ本当に「できなく」はなりたくないものですよね。お互い頑張りましょう. / Hidey ( 2002-04-07 22:17 )
まゆ猫さん、ありがとうございます。はい、お勉強の日々です。辛いけど、毎日身につくことばかり。この脳みそがちゃんと記憶を留めていてくれるといいんだけど。 / Hidey ( 2002-04-07 22:13 )
むらりょうさん、ありがとうございます。お互い寂しいサラリーマン。まあ忙しいうちが華ですから。でもそろそろ自分のペースでお仕事を組み立てられてらっしゃるのでは? / Hidey ( 2002-04-07 22:12 )
reiさん、ありがとう。そちらも本当に忙しそうですね。でも本当に今度は素面のreiさんと飲む約束だからね。是非実現しないと。 / Hidey ( 2002-04-07 22:10 )
misatoさん、ありがとうございます。これまで以上に充実した1年間を心がけたいと思っています。これからもよろしくね。 / Hidey ( 2002-04-07 22:09 )
フィー子さん、ありがとう。昨日は久しぶりにゆっくり話せて嬉しかったです。こちらこそ末永くよろしくね。 / Hidey ( 2002-04-07 22:08 )
ちえちゃん、ありがとう。聞こえたよ!もうすぐ再会できますね。楽しみにしてます。 / Hidey ( 2002-04-07 22:07 )
mignonneさん、ありがとうございます。高村光太郎という高潔な人は、いつも仰ぎ見るには眩しすぎるんだけど、確かに折に触れ思い出してみると励みになりますよね。特に弱音を吐いてしまいそうなときなど。 / Hidey ( 2002-04-07 22:06 )
ゆーさん、ありがとうございます。実りあるかないかは本当に自分の努力次第。最後まで手を抜かないでやっていきたいと思います。 / Hidey ( 2002-04-07 22:03 )
マッキ〜さん、ありがとう。本当に祝ってもらえるのはうれしいことですよね。あのあと日本についた妻からあらためて「おめでとう」と電話をもらいました。今は妻も戻り、一緒にボストンの春を楽しんでいます。 / Hidey ( 2002-04-07 22:02 )
akemiさん、ありがとうございます。ほんと、特に幼稚園のときは一番年下のクラスということもあって、なかなか手のかかる子供でした。いまでもそれはある?akemiさんは本当に素敵に歳を重ねてらっしゃるのがよく分かります。 / Hidey ( 2002-04-07 22:01 )
しゃどう猫さん、ありがとうございます。情熱ばかりでなく、今年は落ち着きも身につけたいと思っています。 / Hidey ( 2002-04-07 21:59 )
peachさん、ありがとうございます。まさに妻が春を連れてきたようで、このボストンもようやく暖かくなってきました。気がつくと芝生が緑になっていたり、そこここに花が咲きはじめたりしています。キャンパスにも桜の木が一本あって、花がつき始めてます。 / Hidey ( 2002-04-07 21:58 )
れいじくん、ありがとう。Japan Trekの件、いつまでもおんぶに抱っこで申し訳ない。また近いうちに飲みたいね。 / Hidey ( 2002-04-07 21:56 )
happy birthday...私も、自分の年齢言うことに抵抗ありません。生きているだけで幸せ。年齢はその幸せの軌跡ですし。 / name ( 2002-04-05 01:16 )
遅れ馳せながら、お誕生日、おめでとう御座います!また色々な事がありそうな一年ですね♪ / lamancha ( 2002-04-04 02:51 )
しまった!忙しくてばたばたしていたら、遅刻しました。ごめんなさい!お誕生日おめでとうございます!奥様は日本に行かれてしまって、ちょっぴりお寂しそうですが、↓こんなにたくさんのお祝いが!ロンリーではないですね〜。 / しまお ( 2002-04-04 00:52 )
Hideyさん、お誕生日おめでとうございます。3月だからうお座かと思ってたら違いましたね。また新たな一年すばらしいものとなりますよう、祈ってます。 / プルー ( 2002-04-01 23:09 )
お誕生日おめでとうございます!普段は冷静沈着なビジネスマンのイメージなのに、奥様がいらっしゃらなくてちょっとさみしげなHideyさま。なんだか新たな一面を垣間見たような!?今年もさらに充実した年になるよう祈っています! / りるりる ( 2002-03-31 22:00 )
すっかり遅くなりましたが…お誕生日おめでとうございます!私もここにきてやっと、歳をとるのは悪くないことだと思うようになりました。よい1年になりますように。 / りり ( 2002-03-28 23:29 )
遅れ馳せながら。。。お誕生日おめでとうございます!! 一人のバースディもまた乙な物?実り多き人生を!! / しっぽな ( 2002-03-28 23:23 )
Hidey, Happy Belated Birthday!!! / Wakana ( 2002-03-28 09:00 )
Hidey様、お誕生日おめでとうございます! 遅くなってすみません。なにせADSLの(自分のPCの)工事に手間取って数日間NET絶ちをしておりました。もう2ケ月近くも前に開通していたというのに・・・(苦笑) たった今無事作業が終わり、この突っ込みが開通後初の突込みです。これからはイライラせずに快適にNETライフを楽しめそうです♪ Hideyさんにとって、さらにお勉強と幸せな結婚生活@ボストン♪  という有意義な一年になるといいですね。 / Hiroko ( 2002-03-28 02:53 )
おくればせながら お誕生日おめでとうございます。 僕の後ろに道は出来る 高村光太郎? ですか? / みなみ ( 2002-03-28 01:30 )
↓毎年、が抜けてましたわ。 / oggi ( 2002-03-27 21:36 )
お誕生日おめでとうございます。Hidey様は36年間、とても有意義な1年を過ごしている感じ。そしてとっても素敵なおじさまになりそうだわ。 / oggi ( 2002-03-27 21:35 )
お誕生日おめでとうございます!なんだか本当に淋しそうですけど、まさかこれが始めてひとりで迎えるBirthdayなのでしょうか? こどもの頃夢のようだった大人の世界は、優しいばかりの世界じゃないけれど想像以上に魅力的ですね。わたしも年齢ばかりじゃなく、はやく実を伴いたいものです。 / R@傲慢さも魅力になる。それが3月生まれ! ( 2002-03-27 06:41 )
Hideyさま、お誕生日おめでとうございます。きっとこの36歳は生涯忘れられないでしょうね。更にステキな一年になりますように。 / しゃむ ( 2002-03-26 14:16 )
♪Happy Birthday to- you--, Happy Birthday to- you--, Hapy Birthday Dear Hideyサーン, Happy Birthda-y to- you--♪ 私も年を取るのは、に賛成です。それだけ経験を重ねてきたってことですので♪ 年齢に見合った経験が無いってへこむ事もありますが(苦笑)これからも更に良い経験を重ねられますように...☆ / りぃな ( 2002-03-26 12:10 )
お誕生日おめでとうございます。幸せな1年でありますように。寂しがりやとは、意外です?15の時に感じた「何か」は、今の自分にまだ残っていると信じたいなあ。 / アナイス ( 2002-03-26 08:43 )
お誕生日おめでとうございます。何歳になってもお誕生日はやっぱりspecial!な日だと思います。Hideyさまにとっては少し淋しいバースデーになってしまったかもしれませんが、奥様もきっと同じように感じられているでしょうね。でも長いスパンで考えれば!これくらいなんてことないわ。これからもずっとお二人は一緒にいらっしゃるのだもの。 / はるぴょん ( 2002-03-26 05:47 )
お目出度うございます / 俺様 ( 2002-03-26 01:07 )
お誕生日おめでとうございます。日記から奥様とはなれて寂しい気分〜?が伝わってきました。奥様もきっとお寂しいんでしょうね。これからの一年が素晴らしい一年でありますようね。 / Emiko ( 2002-03-25 23:50 )
誕生日おめでとう。遅れてしまいました。僕も3月なので、ほぼひとつの歳の差ですね。そりゃあ、やっぱり寂しかったでしょう。僕もね、「ええ!もう37」とか言われても、全然気にならなくなりました。僕の場合は気にした方がいいのか(笑)。とにかく、Happy Happy Birthday! / ガス欠コイン ( 2002-03-25 23:20 )
お誕生日おめでとうございます。心のそこから。 ご夫婦の絆を感じます。離れた時間すらも深い愛情のスパイスになさっている様子がうかがえます。来月の今日、私も誕生日です。25日つながり〜 / あやや ( 2002-03-25 23:05 )
Hideyさま、お誕生日おめでとう!!! 『道程』は私も大好きな大好きな詩です。年をとるごとにずしんと重く、そしてチカラをくれるように思えます。空の向こうで、こんなにひまじんのみんながHideyさまのお祝いできるなんて、ステキだね。ますます、実り多い素晴らしい時間をすごされますように。 / パンドラ@Love! ( 2002-03-25 22:44 )
お誕生日おめでとうございます。意外に一人きりの誕生日にめげてらっしゃったんですね。私は自分の誕生日にはとっくに興味を失っていますが(時々何歳だか忘れてます)、年をいくつ重ねても自分の人生に悔いなし、でいたいと思っています。 / たらママ ( 2002-03-25 21:55 )
お誕生日おめでとうございます。高村光太郎のその詩は、私もとても好きです。スペインの古い詩に、似た一節があり、そちらのニュアンスも好きです。Caminante,no hay camino,se hace camino al andar.(Antonio Machado) / スーパーしえろ ( 2002-03-25 21:54 )
お誕生日おめでとうございます。益々充実の1年となりますように。歳をとることはいくつになっても喜ぶべきこと。わたしも自分なりにそう言い続けていきたいです。 / Ecru ( 2002-03-25 19:15 )
お誕生日おめでとうございます!素敵な1年になりますように。 / ( 2002-03-25 19:10 )
お誕生日おめでとうございます! ほんとに、いま、ちゃんと 大きな声で 北東に向かって歌いましたよ♪  / 真賀砂州子(マガサスコ) ( 2002-03-25 16:56 )
お誕生日おめでとうございます。よい一年になりますように! 実際、年を重ねるにつれ、できなくなったことばかりを数えてしまいがちですが、よい歳の取り方をしたいと思います。 / KATSUMI@まだ故障中 ( 2002-03-25 15:54 )
お誕生日おめでとうございます。この一年もまたお勉強の日々なのですね。頑張ってください。素晴らしい年になりますように。 / まゆ猫 ( 2002-03-25 15:35 )
お誕生日おめでとうございます。私も入社後数年間は狙われた様に誕生日に出張に行ってました。なんだかんだ寂しいですよね。 / むらりょう ( 2002-03-25 15:11 )
Hideyさん、心からお誕生日おめでとう。素敵な年になるといいね。お互い忙しいけど、また飲みに行こうね。 / rei ( 2002-03-25 14:48 )
お誕生日おめでとうございます♪今年も素敵な経験と素晴らしい感動ができる1年になりますように♪ / misato ( 2002-03-25 11:26 )
お誕生日おめでとうございます。ますます磨きがかかりそうですね!これからも末永くよろしくお願いいたします。 / フィー子 ( 2002-03-25 11:24 )
ハァピバァスデイトゥーユ〜♪(歌ってるつもり)日本から歌ってお祝いするね〜☆ / Chie ( 2002-03-25 11:23 )
お誕生日おめでとうございます。私も高村のこの詩、時々思い出しては励みにしています。すばらしい一年になりますように。 / mignonne ( 2002-03-25 10:01 )
お誕生日おめでとうございます。更に実りある1年となりますように!!!!! / ゆー ( 2002-03-25 09:30 )
お誕生日おめでとうございます。昨年の誕生日に、誰かに祝ってもらえるって言うのは素敵なこと!って改めてわかりました。来年は一緒に祝えるといいですね。 / マッキ〜 ( 2002-03-25 08:31 )
3月末の生れなのね。「大人の男性」のHideyちゃまが、甘えん坊の男の子に見えました。あたしも「年令を重ねること」は素敵だと思います。様々な経験とそれを乗り越えて糧にするには多くの時間が必要だからです。「お誕生日おめでとう」 / akemi ( 2002-03-25 08:27 )
お誕生日おめでとうございます。情熱的なHideyさん、今年も実りある年になりますように。素敵な日記を期待しています。 / しゃどう猫 ( 2002-03-25 08:19 )
申し訳有りません。。。成ってではなくて「待って」です。 / peach ( 2002-03-25 08:06 )
Hidey様、お誕生日おめでとうございます!!年男ですね!?この先お誕生日を一人で向かえる日が来るのでしょうか?それとも今日が最後でしょうか?人生何が先に成っていてくれているのか、扉を開いて見ないと解りませんが、夢多き一年間が始まりますね。今から暫らくチョッピリ!寂しい分、奥様が再渡米なさって来てからが、また楽しみですね!!キッと桜の名残を持って渡米して下さるのでワ!?春爛漫の素敵な季節にお生まれで、素敵で良い感じですね!お誕生日おめでとうございます!! / peach ( 2002-03-25 08:04 )
お誕生日おめでとうございます!いつまでもその(外見的+心の)若さをキープしてくださいね。 / れいじ ( 2002-03-25 07:11 )

2002-03-22 Mamma Mia! リベンジ成功 2

最後にABBAについて書こう。品のよいジャンクフードと冒頭に書いたが、教科書的なまでに理論上均整の取れた旋律、重みは伴わないものの相当に考え抜かれた歌詞は、確かに一時代を形成するに値するものばかりだ。僕は中学の終わりに英語に目覚め、当時流行っていた洋楽を片っ端から聴いていた頃ABBAに出会った。それきりだったのだが7〜8年前出張でアメリカに来たときニューヨークのタワーレコーズで売っていた4枚組のボックスを発作的に買ってしまい、それからは時々思い出したように聴いている。決して積極的に求めて聴くというものではない。

個人的にもっとも好きな曲は先にも書いた「The Winner Takes It All」だ。80年代に入りレコードのセールスも落ち込みを見せはじめ、グループの関係もギクシャクしだした頃、奇跡のように舞い降りた名曲だった。アグネタの若干頼りなげだが時に類ないきらめきを見せる歌声がこの曲にはよく似合う。スウェーデン人ながらアメリカ発音のもっとも華やかな響きを効かせたサビの部分が印象的だ。

ミュージカルは初めてという妻もすっかり感激した様子だった。これでようやく先日のリベンジ成功というところだ。6月にはJapan Trek後に母と伯母を連れてニューヨーク、ボストンと戻ってくるのだが、アメリカ自体初めてという二人がもっとも楽しみにしているのがブロードウェー・ミュージカルだ。今回はあれこれ相談して「Cabaret」のチケットを取った。言わずと知れたミュージカルの歴史を代表する作品のリバイバルで、まさにヨーロッパのキャバレーを模した劇場では食事や酒を注文することができるという。大人のエンターテインメントを堪能できる作品である。

あと1年ちょっとの間にいくつの作品が観られるだろうか。次に自分で行くときは、ダンス主体の幻想的な作品「Contact」や、禁酒法時代のシカゴのナイトクラブを描き、ジャズの生演奏もたっぷり楽しめる「Chicago」を狙いたい。車でたった3時間半、出費はほとんどホテル代のみというこの恵まれた環境にあるうちに、できるだけ話題作と言われるものは観ておきたいと思っている。

先頭 表紙

Hirokoさん、無事成功です。たしかに先日NYに行ったときは、春休みの卒業旅行ということももちろんあるでしょうけど、やたらと日本人が目につきました。ミュージカルでもちらほらいたし、その後にはいったジャズクラブでは周りは日本人だらけでした。なんにせよ正常化しているというのはいいことです。ところで「ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ」とか「窪塚君」って全然分からないんですが(笑)。 / Hidey ( 2002-04-07 23:28 )
すいません。「ソトロベリー(誤)」→「ストロベリー(正)」でした。 / Hiroko ( 2002-04-06 01:00 )
リベンジ、成功したんですね。おめでとうございます! 3月の、Hideyさん達ご夫婦がミュージカルを観に行かれた頃はちょうどテロ以降低迷していたNYのブロードウエーが以前と同じ活気を取り戻し、SOLD OUTも出た一週間だと新聞で読んだ気がします。「ABBA」→「ソトロベリー・オンザ・ショートケーキ」→「窪塚君」と連想してしまう私です(苦笑) / Hiroko@お久し振りです ( 2002-04-06 00:58 )
ぶちょー!はじめ僕の本名が出ていたのでいじっておきました。よろしくおねがいしますよ!ABBAについては確かに当時よりは今のほうが遥かにニュートラルな聴き方ができるし、時間が経つと許せるものってすごく分かります。その時代の既成事実として受け止められるから。 / Hidey ( 2002-03-29 21:24 )
リアルタイムのABBAはナンパなポップスって感じだったけど、時間は名曲を磨くんだな。でも、この話を読んでピンクフロイドのライブを思い出しました。ロジャーウォーターズのいないピンクのライブは正に音と光のスーパーエンターテイメントなんだけど、そこにメッセージ性は消滅している。同じ頃にベルリンでロジャーウォーターズがやったWallのライブと比較すると、その違いが歴然と見えてきます。まあ、君は見る時間もないかぁ。 / ぶちょー<さ> ( 2002-03-29 21:13 )
misatoさん、ありがとうございます。鳥さんへの返事にも書きましたが、ジャズもしっかり楽しんできました。ハーレムの方にもいいジャズクラブが多いらしいので、今度はそちらも挑戦したいと思っています。 / Hidey ( 2002-03-25 05:19 )
フィー子さん、そう、劇団四季は基本的にブロードウェーで流行ったのを日本語で上演するのが多いです。コンタクトもやるんですね。知らなかった。かけファミリーはNYでライオンキング観てくるらしいね。 / Hidey ( 2002-03-25 05:18 )
りぃなさん、おかえりなさい。レ・ミゼラブルは僕も近いうちに観たい舞台のひとつです。りぃなさんの劇評もいずれ是非聞かせてください。 / Hidey ( 2002-03-25 05:16 )
スーパーしえろさん、The Producersが映画になっているとは知りませんでした。今度予習で観てみよう。舞台もトニー賞総ナメで凄かったらしいですよ。 / Hidey ( 2002-03-25 05:14 )
鳥さん、このミュージカルを見た後、妻を一人ホテルに残してVillage Vanguardで夜中の1:00頃までJazzを楽しんでしまいました。しかも25ドルでドリンクつき!JazzもNYの魅力のひとつですね。 / Hidey ( 2002-03-25 05:13 )
ガス欠コインさん、「Chiquitita」も綺麗な曲ですよね。日本でもドラマで流行ったようだし。W杯が終わって仕事も一段落したらどうぞ大好きなNYでミュージカル三昧してください。 / Hidey ( 2002-03-25 05:11 )
りるりるさん、長いお休みもあっという間に終わってしまいました。いま少し焦りながらこのつっこみ返しをしてます(笑)。 / Hidey ( 2002-03-25 05:09 )
まゆ猫さん、ニュートラルな英語ならではの美しさってありますよね。スウェーデン人やオランダ人の英語ってそんな感じ。このミュージカルの本家はイギリスですので、チケットさえ取れれば遠くないですよ! / Hidey ( 2002-03-25 05:08 )
浪花撫子さん、やはり英語という言語が劇には適している言語というのもひとつありますよね。そういった言語文化をもつ人種だからこそ大きく演じても違和感がないし。こちらでしか味わえない種類の芸術をできるだけ味わっておきたいと思います。 / Hidey ( 2002-03-25 05:07 )
たらママさん、ABBAがザ・ベストテンというのも驚きですね。確かにミュージカルの英語は聴き取りにくいですよね。僕も妻のためにあらすじを訳しておいたのが役に立ちました。 / Hidey ( 2002-03-25 05:05 )
Alan Cumming、とてもよかったらしいですね。もうやってないみたいですけど。日本にも結構来てるんですね。バブルの頃だけかと思ってましたが。 / Hidey ( 2002-03-25 05:03 )
mignonneさん、批評はちょっと難しくてできませんが、観るたびに感想じみたものは書いてみたいと思います。mignonneさんの念願が早くかないますように。 / Hidey ( 2002-03-25 05:02 )
むらりょうさん、That's Me、僕も一番好きな曲のひとつです。高校時代によく聴いていたラジオの「百万人の英語」でテーマソングとしてかかっていたのが懐かしいです。そこまでABBAに思い入れがあるのならぜひ本場で観られた方がいいと思います。機会を作って是非どうぞ! / Hidey ( 2002-03-25 04:59 )
KATSUMIさん、「Dancing Queen」はこちらでもカラオケではお約束の全員揃って盛り上がりソングのようです。昨年うちの学校の連中とはじめて六本木のカラオケで会ったときは椅子の上に総立ちになって肩組んで歌って踊ってました。 / Hidey ( 2002-03-25 04:57 )
マイケルさん、「The Producers」!すごい話題ですよね。賞を総ナメだし。僕も近いうちに観たいと思っています。 / Hidey ( 2002-03-25 04:54 )
Emikoさん、ありがとうございます。僕が初めて観たのは色々評価の分かれるCATSでしたが、あの「Memories」の熱唱はやはり鳥肌が立ちました。僕も観光地としてのNYはそれほど興味がありませんが、ブロードウェーを有するNYが大好きです。 / Hidey ( 2002-03-25 04:53 )
まあ!成功されたんですね♪おめでとうございます。ところでジャズの生演奏も楽しめる作品なんて素敵。ミサトもジャズは大好きで、日中用、夜用とバージョン別にして聴いていた時期もあったくらい(笑)。あら、ジャズに反応しすぎちゃいました!そちらにいらっしゃる間にたくさんの素敵な作品に出会えるといいですね。 / misato ( 2002-03-24 19:22 )
先日劇団四季のライオンキングを観てきました。今度はコンタクトを見に行こうかと思っているの。よく知らないんだけどそちらでやってるのを日本語版でやるのが劇団四季なのかな?? / フィー子 ( 2002-03-24 12:32 )
おぉ、成功したんですね、よかったーvミュージカルはご縁がないな、と思っていましたが、CATSにレ・ミゼラブルと、そうでもないみたいです。今度NYに行く時は、本場のミュージカルを見たいものです。 / りぃな ( 2002-03-24 03:37 )
The Producersはむか〜し、アメリカで映画で見ました。すっごいおもしろかった!から、舞台でも是非見てみたい!あのユーモアのセンスはアメリカだと思いました。 / スーパーしえろ ( 2002-03-24 00:02 )
ジャズですか。いいな〜。ブルーノート(日本で、ですが)になら行ったことあるけど、むちゃくちゃ高いです。 / ( 2002-03-23 17:00 )
リベンジ良かったですね。前の件は笑わされました(笑)。ABBAと言うと、僕は「チキチータ」かな。僕も英語に目覚めたのは中学の時で、BeatlesやCarpentersが教科書でしたね。前の日記の時にも言いましたが、本物を見たいなあ、NYで。 / ガス欠コイン ( 2002-03-23 01:40 )
おめでとうございます、リベンジ達成!ひさびさの長いお休み、存分に楽しんでくださいね! / りるりる ( 2002-03-23 00:20 )
ABBAの魅力はまさに歌い易いメロディーとわかり易い歌詞ですよね。ネイティブな英語人じゃないところがミソだと思ってます。面白そうですね、このミュージカル。観に行きたいけど遠すぎる。 / まゆ猫 ( 2002-03-22 21:38 )
映画はひどくても、ミュージカルは「さすが本家」の貫禄ですよね。映画だけ、TVだけの俳優達と比べると、巧さが違います。舞台俳優もしかり。SNLでゲスト出演する英俳優達のおもしろい事。日頃シリアスな役をする人が、えらいおもろいって事が多々あります。 / 浪花撫子@オペラもええでっせ! ( 2002-03-22 16:05 )
ABBAがザ・ベストテンのゲストに登場してDancing Queenを歌った時のことをおぼろげに覚えています。ニューヨークでミュージカルを見たのはもう10年も前のことですが、英語ヒアリングに難があったので、ほとんど歌を聴いているだけでした。 / たらママ ( 2002-03-22 10:29 )
Cabaret、日本ツアーのカンパニーもよかったですが、ブロードウェイ版アラン・カミングのMC見てみたかったです。 / まう ( 2002-03-22 09:52 )
リベンジおめでとうございます!!私はNYへはまだ行ったことがないのですが、念願かなって行った際には必ずミュージカルとバレエを見たいと思っています。Hidey様の他の作品の批評、楽しみです。 / mignonne ( 2002-03-22 08:58 )
ABBA大好きでした。中学校の時に1人でABBA THE MOVIEを観に行きましたよ。初めて買ったレコードもThat's me.でした。そのミュージカル、観たいです。劇団四季ではやらないだろうなぁ。ちょっくら観に行くかなぁって、結婚したら出来ませんねぇ。NYに転勤しないかなぁ。 / むらりょう ( 2002-03-22 02:14 )
リベンジ、成功したんですね。おめでとうございます。お幸せそうで何よりです。ちなみに今日試合観戦後入った焼肉屋で「Dancing Queen」がかかっていました。あとはカルチャークラブとか。青春の1ページですね(笑)。 / KATSUMI@故障リスト ( 2002-03-22 01:15 )
リベンジ成功おめでとうございます。僕は「The Producers」が気になっています。Nathan Lane と Matthew Broderick はもう降りたらしいのですが... / マイケル ( 2002-03-22 00:51 )
レベンジ成功おめでとうございます。やっぱりブロードウェーはいいですよね。初めて見たときは英語のわからない私でも鳥肌が立つくらい感動しました。 / Emiko ( 2002-03-22 00:35 )

2002-03-22 Mamma Mia! リベンジ成功 1

ABBAという名前を聞くと僕は決まって品のよいジャンクフードを思い出す。大して栄養があるわけでもなく美食と呼ぶには程遠いものの、小奇麗で味のバランスがよく、清潔にして均一だ。どんなに小馬鹿にしていても数ヶ月に一度の割合で中毒的に食べたくなる。

そのABBAがスウェーデンのドメスティックなポップグループから国際的なスターへと踊り出たのが1974年4月6日のこと。ロンドンで開催されたEurovision Song Contestという汎ヨーロッパの音楽祭でグランプリを獲得した日だ。それからちょうど四半世紀を経た1999年4月6日、ABBAの二つのBことBjornとBennyが音楽監督を務め、その伝説的なポップグループの楽曲を連ねたミュージカルがロンドンで誕生した。「Mamma Mia!」はもっとも辛辣な批評家の心をもさらい、名門プリンス・エドワード劇場にして無期限上演を決定、一躍世界的な話題作という地位を獲得した。

それからほぼ3年して、僕はようやくニューヨーク・ブロードウェイにてその作品を見ることができた。それも3月3日の日記に記述したとおりの紆余曲折を経てのことだ。今度ばかりは「間違いを犯せば即離婚の危機」と自らに言い聞かせ、チケットを忘れず持っていること、その日付、時間が間違っていないことを、5回以上確認した。お蔭で今回は間違いなくこの作品を観ることができた。ブロードウェー51丁目の、かつては「CATS」を18年間上演していたWinter Garden Theatreに、僕と妻は充分時間の余裕をもって到着した。

前の日記に書いたとおり作品はあくまで楽曲ありきで、22のABBAの曲を何とかひとつのストーリーにまとめるべく相当無理のある脚本となっている。さすがに楽曲にストーリーをはめただけあって歌詞が非常に意味を持ち、しかもオリジナルからほとんど詩句をいじっていない。結婚を目前に控えるSophieの初々しい愛とその母Donnaのしっかり蓋を閉ざしていたはずの三つの愛、主人公達の住む「島」が象徴する心の砦による呪縛とそこからの脱却―などと書くともっともらしいが、要はブロードウェー一流のドタバタ恋愛コメディーだ。ストーリーが歌詞に縛られてしまっている以上活路はシニカルなユーモアを盛った科白回しに求められ、それをブロードウェー的、予定調和的な観客の笑いが包み込む。本当の主人公というべき母親Donnaを演ずるベテランLouise Pitreが密かに劇を引き締めていた。

一流の歌と踊りが満載の金のかかった人間サーカスと割り切ればこの作品は素直に楽しめる。しかも誰の耳にも馴染みのある音楽と来ればこれはなかなか上質なエンターテインメントだ。メロディアスで歌詞が分かりやすいABBAの曲がミュージカルにはしっくりする。三人の昔の男達との再会に揺れるDonnaの心の内を歌い上げたタイトル曲「Mamma Mia」の詞のマッチの仕方、「Voulez-Vous」にあわせて繰り広げられる贅沢な群舞とコーラスのパーティーシーン、蘇りつつある愛にDonnaの自尊心が最後の抵抗を試みるシーンでの「The Winner Takes It All」などは圧巻であった。そして噂に聞いていたカーテンコール後のABBAオンパレードでの大合唱。観客は総立ちで体を揺らしながら馴染みの曲を一緒に歌っていた。

(つづく)

先頭 表紙

バニーさん、ゆっくり読んでね。めんどくさいのは飛ばしていいからね(笑)。 / Hidey ( 2002-03-25 04:51 )
むらりょうさん、確かに今は皆やってますね。それにしてもABBAって秀逸なネーミングですよね。 / Hidey ( 2002-03-25 04:50 )
ひさぶりにきたら日記大量アップでびくーりです。ゆっくり読むので待っててね(?) / バニー ( 2002-03-22 18:58 )
ABBAのBをひっくり返したアイデアが斬新だなって思ってましたが、その後、そのアイデアは漫才のB&Bにパクられてしまいました。三菱自動車のRVRにも。。。 / むらりょう ( 2002-03-22 13:00 )

2002-03-18 Miracle Years 4

「当時のシンプルな製造業においては」と書いたとおり、まだ産業構造が単純で、成功要因が熟練による生産性の向上に過ぎなかった時代においては、ここまで書いてきた政府主導の経済措置が大変効率的に機能した。しかしこの頃に確立し大きな成果をもたらした日本型経済基盤によって、我々はずっと後になって大きなしっぺ返しを食うことになった。

肥大化した官僚の権限は日本が経済大国になるにつれ腐敗を生み、様々な経済・社会問題の温床となった。通産省主導による過剰な競争の排除は、IT革命など産業構造の大きな変革が期待されたとき、変化を妨げる重い足かせとなった。大蔵省が日銀、商業銀行をコントロールしていたことは金融自由化を遅らせ、資本市場を膠着させた。銀行融資に依存する企業の資本構成は、バブル期の無反省な融資を導き、そのツケは不良債権となって今も尾を引いている。経済を支える健全な株式投資という思想はいまだに浸透せず、アメリカのニューエコノミーの原動力となったスタートアップ系企業のサポートは実現しない。旧来の雇用制度は既に錆びついた過去の経験だけでステップアップできるぬるま湯のような企業体質を生み、変化に対応できる柔軟性・戦略性を備えた人材は育たない。売上至上主義は利益管理を疎かにした垂れ流し的な負の成長をもたらした。

お気づきの通り、高度成長期というと必ず語られる「追いつき、追い越せ」といった精神論はほとんど排除され、純粋に政治経済的視点から徹底的に日本の奇跡を分析している。学問的に極めて正しいアプローチだが、せめて授業の外だけでも他の学生達に日本人にとっての肌感覚の高度成長期を知ってもらいたいと思い、授業開始前に10分間、ロシア人のElenaを真似てこの時代の日本を象徴するいくつかの写真を切り貼りしたパワーポイントのプレゼンテーションを行った。

玉音放送が流れる街頭ラジオの前で頭を垂れる大勢の日本人の写真をはじめに見せた。国民はそれまで天皇を神と信じ、その肉声を聞いたことすらなかったのだと解説した。次に進駐軍が意図的に撮影、公開し、日本国民に敗戦の意識を決定的に刷り込んだ、天皇とマッカーサーの記念写真を見せた。しかしこの会見でマッカーサーは天皇が高潔な紳士であることに素直に驚き、それがその後の日本への処遇に大きな影響を与えたことを話した。1950年、既に一部の消費者がデパートのバーゲンセールに興じる姿を見せ、50年代前半に次々と発売された洗濯機、カラーテレビ、冷蔵庫という三種の神器を見せた。力道山の写真を見せ、彼が外人レスラーを倒す姿に熱狂する国民のことを話し、彼らの心の奥底ではまだ戦争は終わっていなかったのだと話した。ようやく国の威信を取り戻させた東京オリンピック、それに付随して整備された新幹線などのインフラを見せた。「追いつき、追い越せ」「滅私奉公」に象徴される我々の父や祖父の世代は、誰もが心から国の復興を願って働き、そこには明治以前の封建制、その元となった儒教思想の影響もあるのだと私見を述べた。

BGIEの一番最後の授業には二つ目の日本のケース、「Japan: Beyond the Bubble」が予定されている。冒頭だけ読んでみたが、昨年6月の小泉政権の発足から始まっている最新のケースである。今度こそ少しは馴染みのある現代日本の政治経済に関し、日本人としての独自の視点でより大きなクラスへの貢献を果たしたいと思っている。5月中旬の授業だが、早めの段階でケースを読み、関連した資料を収集して知識を蓄えておきたい。

よく知っているようで実は知らなかった日本に、このアメリカで出会うことができた貴重な授業だった。

先頭 表紙

あの時代を生きた人にはある意味いつまでもかないませんね。恵まれていればいるほど今の時代に生きている我々は責任が重いのでしょうね。あの時代が原因を作った歪みを是正していくうえでも。 / Hidey ( 2002-03-25 04:49 )
「誰もが心から国の、、」の部分を読んであるドラマのシーンを思い出しました。外国人設定の俳優の台詞、「日本は豊かな国のくせに」に対し、日本人設定の俳優が「戦後は何もなかった。だけど皆が一丸となって頑張って今の日本を築いたんだ」という台詞を返すシーン。現在もこの気持ちに変わりはないと信じているけど!次のケースも楽しみしています♪ / misato ( 2002-03-24 19:43 )
Ecruさん、そう言っていただいてほっとしました。次のケースを日記にするのも大掛かりな作業になってしまいそうですが、どうぞお楽しみに! / Hidey ( 2002-03-22 00:17 )
ガス欠コインさん、ご指摘の通りだと思います。MBAの勉強の意義も正にそこにあって、どんな構造変化にも対応できる理詰めのマネジメント能力を徹底的に教え込むのがアメリカのビジネススクールです。しかしそのビジネススクールの卒業生達ですら、ITバブルに呑まれてしまったのはとても皮肉なことでしたが。 / Hidey ( 2002-03-22 00:16 )
ぶちょう、確かにアメリカの学校だからこそ大局的な視点で学べたようです。日本の最近のマーケット事情にはすっかり疎くなってしまったので、今度じっくり教えてください。 / Hidey ( 2002-03-22 00:13 )
(lim.さんへつづき)相変わらず贅沢しまくりのコギャルなどを見てしまうと確かに「ほんとに不景気?」と思ってしまうけど、それは現代の日本が高いレベルの消費で経済を支えあっているからで、これで国民全員が生活必需品しか買わない生活をし始めたら、消費の落ち込みから一気に日本は崩壊してしまうでしょう。結局コギャルがブランド品を買ってくれてても、まだ経済が好転しないというのが実態なのです。 / Hidey ( 2002-03-22 00:11 )
lim.さん、言葉を返してしまうようですが、花屋はやはり生活必需品ではないことから不況なのだとニュースで言ってました。でも花屋の需要って大きくは景気に左右されるのでしょうけど、景気が悪いからこそブランド品のプレゼントなどをケチって花束にするとか一部逆行することもありそう。フリーターについては正にそうで、不景気で正社員が雇えないから低賃金のフリーターが求められるということで、やはりそれは不景気の象徴なのだと思います。 / Hidey ( 2002-03-22 00:07 )
TAKEさん、確かに体系的に社会を捉える機会ってなかなかないですからね。日曜朝の政治討論を見ていてもやはり大局は見えにくいですよね。 / Hidey ( 2002-03-22 00:02 )
KATSUMIさん、どういたしまして。僕は政治経済学部出身なのですが、大学ではむしろ古典的な勉強に比重が偏り、やはり現代の日本を学ぶことはできませんでした。選択科目には何かしらあったのかもしれないけど、それこそ日本人の一般教養として教えてほしいことだと思います。 / Hidey ( 2002-03-22 00:01 )
たらママさん、つっこんでいただくのを期待していました。さすがに鋭いご指摘。持ち合い...そうですよね、考えてみたらそれが大きな原因ですよね。そこまではケースにも出ていませんでした。さすがです。 / Hidey ( 2002-03-21 23:58 )
りぃなさん、お友達の参考になるかどうかはとても自信が持てません(笑)。次の話は相当先になりますが、何とか日記にまとめてみたいと思います。春休み、満喫してます! / Hidey ( 2002-03-21 23:56 )
長かったけどとても読みやすかったです。一気に読めました。ありがとうございます。次のケースも楽しみです。現代日本、外から見るとどんな風に語られるのでしょうか。 / Ecru ( 2002-03-20 23:03 )
でもそれより、毎度毎度違う日本人が、Hideyさんとまた違ったプレゼンをしてみるのもいいかと思います。 / ガス欠コイン ( 2002-03-19 22:17 )
ナショナリズムが動かしたというところまでは良かったのでしょう。しかし、成功によって、動かした役割を担った人間の権力が肥大化し、当初効果的だった産業ごとの寡占状態が、競争力を低下させたということなのでしょうか。Hideyさんがしたプレゼンが今後授業に加えられるようになれば、後の学生もその深い背景をもっと知れるのではと思います。 / ガス欠コイン ( 2002-03-19 22:15 )
これは面白いですね。個々の事柄は史実として知っていても、時系列的に関連付けて考えている日本人はなかなかいない気がしますね。ある意味でアメリカの視点で冷静に俯瞰できるが故の講義という気がします。「デフレ」と言われながら世界標準に近い価格のアパレルや、就職しなくても生きて行けるが故の失業率のアップをアメリカがどう見るのか、バブル後のケースも楽しみにしています。 / ぶちょう(さ) ( 2002-03-19 16:13 )
直接関係のある話ではないのですが、日本って本当に不況なんでしょうか?株価や雇用情勢を見ると確かに不況なのでしょうが、駅前に氾濫する花屋(花なんて豊かな証拠ですよね)や、自らフリーターを選択する若い世代なんかを見ていると、とても不況の世の中とは思えません。端から見ていると不思議な感じです。 / lim. ( 2002-03-19 10:34 )
今の我々(日本人)って、自身についての知識はあっても、全体像を思い描くことが出来なくなっている気がしてます。貴重なお話、ありがとうございます。 / TAKE ( 2002-03-18 20:44 )
教授の言うナショナリズムという一言。Hideyさんのプレゼンのあるものと、日本代表のサポーターにあるもの。似て非なるものが見えるような気がします。 / KATSUMI@故障リスト ( 2002-03-18 12:35 )
ありがとうございました。学校の歴史の「現代」は、諸々の事情で詳しく教えてもらえませんからね。勉強になります。 / KATSUMI@故障リスト ( 2002-03-18 12:33 )
なぜ株主リターンを追求する必要がなかったか。持ち合いだったからです。 / たらママ ( 2002-03-18 09:10 )
ご指摘の通り、こうしたシステムは産業構造の急変化が要求される時代になると機能不全に陥ります。産業政策の担い手側には(表面的には否定なさっても)既得権益が生じてしまい、自らの存在意義を否定するような産業革命を推進するわけにはいかないでしょう。リターンよりもマーケットシェア重視の企業経営戦略はおっしゃる通りです。金融はその典型。 / たらママ ( 2002-03-18 09:07 )
米国の場合、各省庁のトップは専門家が起用されているようですが(当然政権交代でクビ)、日本では長らく一党独裁体制にあった政治家たちが順送りで大臣になるのがほとんどだったと思います。ということで、国家公務員のキャリアの人たちは「自分たちが国の政策を担っている」というものすごいプライドとインセンティブのもとで激務に励まれて、日本の産業政策を担ってきたのだと思います。 / たらママ ( 2002-03-18 09:05 )
Hideyさんこそお疲れ様でした☆ 今、友達がヒストリーのリサーチペーパーで高度成長期について書いてるらしいんですが、参考に、とこの日記を紹介しました(笑)長所と短所は表裏一体、じゃないですけど、それに近いものを感じました。次はバブル経済なんですか?それについても、また、つらつらと書いていただければ嬉しいんですけど・・・☆ 良い春休みをお過ごし下さいませ♪ / りぃな@経済ってムズカシイ。 ( 2002-03-18 08:59 )
長ったらしくなってしまいましたが、ビジネススクールの学生とは言え、アメリカ人が学校で習う日本の最近の歴史を日本人の我々が知らないというは恥ずかしいことではないかと思い、つらつらと書いてしまいました。もちろんこんな話全部知ってる、という方も多いのでしょうが。今回の日記でケースから抽出した部分に関しては、元の量はその10倍近くありますので、これでも抜粋し、自分なりに分かりやすくまとめてみたつもりなのですが。。。最後まで読んでくださった方、ご苦労様でした。 / Hidey ( 2002-03-18 07:30 )

2002-03-18 Miracle Years 3

大蔵省の強みは何より中央銀行である日銀を手中に収めていたことだった。それによって財政政策・金融政策の両面で日本経済を直接コントロールできた。諸外国と比べ、日本の商業銀行の中央銀行への依存度は非常に高い。それは日本の諸企業の資本構成が海外の企業と比べ銀行融資に大きく依存し、そのため常に商業銀行は企業融資のための原資を日銀から借りる必要があったからだ。なぜ日本企業の資本構成が株主資本よりも銀行融資に偏っていたかというと、社会保障制度が不十分だったことから国民は預金を蓄え、株への投資は投機的であるとして社会的に敬遠され、さらに銀行は潰さないという政府の護送船団方式により安全で安価な資本が保証されたからだ。結局大蔵省は日銀をコントロールし、日銀は商業銀行をコントロールし、商業銀行は諸企業をコントロールするという図式ができあがった。このような一極支配の構図によって、大蔵省は通産省の意図した産業構造を作り上げる実際的な武器である資本を自在に操ったのだ。

ここで特筆すべきは、通産省も大蔵省もこれだけの権限を有しながら、官僚の腐敗がほとんど見られなかったという事実だ。ソ連をはじめとするあらゆる国の計画経済は必ずと言っていいほど官僚の腐敗に苛まれ、それが経済発展の足かせにもなる。ケースはこの時期の日本の官僚はなぜ例外なのかという理由には触れていなかったが、授業後に教授と話したとき、彼はナショナリズムがプラスに機能したことは否めないと認めていた。

忘れてはならないのは、通産省、大蔵省にこれだけの武器を与えて日本を再生させるというシナリオを書いたのが進駐軍だったということだ。進駐軍はその他にも日本再生のためのいくつかのシステムを構築していた。為替レートを1ドル360円に固定し日本の輸出製品の競争力を高めた。そして関税や輸入許可制度により国内産業を保護した。アメリカが日本の産業をこれだけ厚遇したのは、既に冷戦を闘っていたソ連に対し地理的に重要な位置を占める日本を戦略的な拠点にするために他ならなかった。またアメリカは外国企業による日本への投資を規制したが、これは日本を他の国の色に染めさせたくないという思惑からだった。

この他にもケースは日本の経済成長の要素に不可欠だったお馴染みの要素をいくつか紹介している。通産省、経団連、自民党による政官財の密接な関係、例えばイギリスなどに比べはるかに開かれた教育制度、そして年功序列・終身雇用・平等主義に代表される日本的雇用制度。特に雇用制度については、海外と比較すれば馴れ合いに過ぎない労組問題と併せ、政府の青写真を実現するのに安定的な労働力を供給するものとして評価された。

労働力に関連して、「和」の精神、高い企業倫理、国の発展に対する誇り、ほとんどスポーツにも似た経済成長率への執着が取り上げられていた。「新しい日本の建設」と「調和と誠実」を謳い上げた松下電器産業の社歌の訳文も載っていた。しかしこうした文化的要因に関する記述は非常に限定的だった。

また興味深い考察として、企業の目的が利益やリターンの極大化ではなく市場の拡大、マーケットシェアの極大化であったという指摘がある。これは画一化された賃金体系、終身雇用により労働力のコストがほぼ固定化していたこと、前述の通り企業の資本構成において株主資本の割合が低く、株主へのリターンが重要視されなかったことによる。当時のシンプルな製造業においては、生産を拡大することにより学習効果が得られ、その結果コストの低減が可能になり、結果経済も発展したということだ。

(つづく)

先頭 表紙

りぃなさん、何か官僚に個人的な恨みがあるの!?外務省のドタバタなんかも、海外にいると余計に恥ずかしいことでしたよね。 / Hidey ( 2002-03-21 23:54 )
そうなのーー、全ての悪の根源は官僚の腐敗〜!(私にとっては)エゴなしで働ける人はいないんですけど、でも、もう少し良い仕事してくれないかしらん。 / りぃな ( 2002-03-18 09:01 )

2002-03-18 Miracle Years 2

ではこのような英断を下せば、発展途上国は皆この「ジャパン・モデル」を模倣して同じような成功を収められるのだろうか。実際数多くの途上国がそれを試みたのだが、必ずしも成功に終わらないことは歴史が証明している。「Strategy」という別の授業の話になってしまうが、本当の「戦略」とは、あるひとつの差別的なコンセプトということでは必ずしもなく、そうした統一的コンセプトと一貫性のある数十という細かなアクティビティが有機的に絡み合う状態を指すのだという。このように木目細かく編み上げられた組織体であればこそ、他者は容易に模倣できず、持続的な成長が保証される。高度成長期の日本の戦略はまさにこうした細かな戦術の積み重ねであればこそどの国にも真似のできない戦略だった。そこにはもちろん独自の文化的要因もあった。

では、なぜ日本だけはこのような危険な賭けに勝つことができたのか、その戦略を探っていこう。

成功の要因の根本は政府主導型経済にあった。しかしケースは真っ先にこれは旧ソ連の計画経済とは似ても似つかぬものだと断っている。ソ連と違い、日本では政府と産業界が常にコミュニケーションを保ち、互いに情報を交換しながら共同で経済を動かしていったということだ。それでも官主導の計画的な経済成長には変わりない。その原動力となったのが通産省と大蔵省だった。

通産省は日本経済の意思決定センターの役割を果たし、重点化すべき産業のプライオリティを決め、さらに個々の企業にもプライオリティを与えた。通産省は産業をコントロールするための資金的な武器を擁していたわけではないが、常に政治的な影響力を行使することによって、日本にとってもっとも効率的と思われる産業界の姿を意のままに形成していった。

例えば通産省は銀行資本の行き先を決める権限は与えられていなかったが、銀行は常に通産省の指導を仰いだ。それによって銀行は保護や支援を約束されたからだ。また日本開発銀行を操って、重点的に資本注入すべき産業を決定することもできた。

通産省の基本方針は、企業間の過剰な競争を排除し少数の企業にその業界を委ねることだった。その理由は、まず重複した無駄な投資を避けられること、少数の企業に集中させることによってスケールメリットを生み出し業界全体のコストを押さえること、そして過剰な競争により社会全体の生産稼働率が低くなるのを避けることだった。具体的には進駐軍が制定させた独占禁止法を緩和し、条件付きでカルテルが可能になった。進駐軍が解体させた「財閥」も通産省の後押しによって「系列」という形で復活した。ビール、ガラス、アルミニウムなどの業界に見られるように、数社が市場を独占し、ともに安定的に成長していくという形を促した。

(つづく)

先頭 表紙

2002-03-18 Miracle Years 1

BGIE(ビジネス、政府と国際経済)の授業で日本の高度成長期を取り上げた。ケースタイトルは「Japan: The Miracle Years」。うちのBGIEのケースの中でも非常にクラシックなケースのひとつで、多分間違いなくバブルの絶頂の80年代には日本の成功の秘密を探るために既に使われていたものと思う。かつてはこのケースの分析に2日を費やしていたほどその重要性は高いものだった。残念ながら日本の「失われた10年」、そしてアメリカのニューエコノミー台頭を経て、その重要性は若干低くなったものと思われる。それでも教授は今日においてもまごうことなき経済のビッグプレーヤーである日本を探ることの意義を、授業の最初に何度も強調していた。これは歴史上数少ない政治経済のサクセスストーリーなのだと。

クラシックなケースと言いながらこのケースは何度も改訂されている。日本経済の奇跡の理由を探り当て、繰り返しそれを現代的なコンテクストで分析し直しているという。このケースを読む前は僕の知識・経験を通じていくらかでも授業に付加価値を与えられないかと思っていたが、そんなおこがましい期待はすぐに吹き飛んでしまった。僕の経済知識が乏しいこともあるし、ほとんどが自分の生まれていなかった時代の話ということ、日本の学校がそのような勉強を教えていないということもある。しかしなによりケースの分析の質が高く精緻なのだ。僕は自分が日本人であるということを一度忘れて、このケースから極東の小さな国の「奇跡の時代」の秘密を謙虚に学ぼうと決心した。「そんな知識はとっくにある」という方には申し訳ないが、無知な僕自身の整理のためにこの長い文章を書き記しておきたいと思う。

日本研究の第一人者で後に駐日大使も務めたハーバードのエドウィン・ライシャワー教授が戦後間もなく記した書簡の紹介から授業が始まった。ライシャワーによれば、天然資源が乏しく食糧の自給もままならないこの国で、唯一資源と呼べるのは安価な労働力のみである。そのような国に残された道は、労働集約的で戦前から日本が得意としていた繊維産業などを重点的に推進することだ。しかし日本の占領から解放されたアジア諸国こそ安価な労働力の宝庫であり、日本製品は国際的な競争力を持ち得なくなる。既に日本に未来はありえない、とのことだった。日本にもっとも詳しい知識人すら当時は日本の前途を絶望視していたのである。

しかし、日本は大英断を下す。ライシャワーも書いたとおり、従来の繊維産業では日本は競争力を持ち得ず、しかも繊維製品で獲得した資金では既に1億に近い民を食べさせることはできない。いちかばちか、資本と技術の集約を要し、論理的には日本にもっとも不向きな重工業によって海外から資金を還流し、それによって資源・食糧を輸入するという戦略をとったのだ。それはまさに大英断だった。なぜなら製鉄、製油、石油化学、自動車といった産業は、弾力的な需要により大きな成長が見込め、技術革新のペースや労働生産性の成長速度が速いため、将来的なノウハウの蓄積が期待できるからだ。しかし日本は戦後の荒廃からまだ遠くなく、戦争犯罪国の製品を好意的に輸入してくれる国があるかどうかも定かでないため、危険な賭けであることに変わりはなかった。日本はその賭けに勝ったのだ。

(つづく)

先頭 表紙

ガス欠コインさん、ライシャワー氏がその後どのような気持ちで日本の発展を眺めたのか、ちょっと調べてみたいと思います。 / Hidey ( 2002-03-21 23:53 )
Rさん、それはまたすごい話ですね。日本の成功の歴史をおつくりになったおじい様だったのですね。ほんとに今の政治は大局を語っているように見えても実は末端の部分では目先のことや私利私欲にとらわれてばかりで、問題が多すぎますね。 / Hidey ( 2002-03-21 23:51 )
しゃむさん、それは偶然でしたね。僕もライシャワー氏のことはもっと詳しく知りたいと思っています。うちの学校にライシャワー研究所という名の日本研究のための施設があるのです。 / Hidey ( 2002-03-21 23:49 )
りぃなさん、今の政治家、官僚じゃちょっと難しいでしょうね。人の敷いたレールを辿るような方法論しか取れなさそう。 / Hidey ( 2002-03-21 23:48 )
ライシャワーのこの大英断までは、何となく憶えています。さあ、次、見よう(笑)。 / ガス欠コイン ( 2002-03-19 21:58 )
わたしの祖父はGHQ本部に呼び出され3日間帰らなかったことがあるそうです。結果、Hideyさまの挙げられた分野のひとつをリードすることになったとか。 大英断できた理由には、敗戦によって何もかも失い、これ以上落ちようがなかったというのが強いでしょうね。今の日本がいくら景気が底をついたと言っても最も豊かな国のひとつであることに変わりはないし、大変革を行わなくても今すぐにはどうにかならないでしょうから。もっと先を見てくれ、と思います。 / R ( 2002-03-19 04:51 )
昨日ライシャワー博士の葬られた海を眺めつつ、ハル夫人の伝記を読んでいました。それも読み進むうちにおうちが目と鼻の先だったことにびっくり。 / しゃむ ( 2002-03-19 03:28 )
なるほど、奇跡的な事だったんですね。今の政治家が同じ場面にぶちあたったら、はたして同じところに賭けられるんでしょうか?もし、その時代の政治家が今の日本をみたら、どういう政策をとるんでしょう?仮定は仮定ですが、気になります。 / りぃな ( 2002-03-18 08:46 )

2002-03-16 チャリティ・オークション 2

“Hidey’s drawing”というだけでは誰も買ってくれないかと思い、忙しい中サンプルとして、ある雑誌広告に使われていた「ティファニーで朝食を」のオードリー・ヘプバーンを模写し、飾っておいた。実はそれが結構受けて、なんとオークションシートには延べ19人の名前が並んでしまった。中には明らかに自分が金持ちであることをひけらかすためだけにあらゆるシートに名前を書きまくる奴がいて、僕も彼のために絵を書かなくてはならないのかと心配していたが、最終的にはガールフレンドにその肖像画をプレゼントしたいという極めてまともなZaid君が105ドルで落札してくれた。

オープンビッドの方は、勝ち負けを争う臨場感からか、それともチャリティということで相場感覚をあえて無視したからか、非常に高額の落札が相次いだ。1,000ドル以上のリゾートツアーというのもあった。買う奴もすごいがそれを無償で提供する奴ももっとすごい。結局こいつらお金が余っているんだなとほとほと感心してしまった。

僕はそんなわけにはいかないので、メキシコ人の友人Rodrigoが奥さんと一緒にもてなしてくれるメキシカンディナーを競り落とした。これもオープンビッドだったため、何と115ドルを要する落札となってしまった。これを落札しないとなにも金銭的な貢献ができないなと妥協しての出費だった。

セクションきっての伊達男、アルゼンチン出身のGabrielによるプライベートダンスレッスンというのが一番盛り上がった。女の子達がキャーキャー言いながら競って値を吊り上げるのだが、値の上がり方がちょっとスローになるとGabrielが一枚ずつ服を脱いでゆき、また値段が吊り上がる。結局Marieというフランス人の女の子が100ドルで落札。Gabrielはその値段に少し不服そうだった。

狂乱の一夜の売上はなんと17,163ドル。81人の学生がひとりにつき27,000円以上拠出したという計算になる。まあ多くの人が救われることだし悪いことではないんだけど、どうしてもボンボン学生の道楽といった感が最後まで拭えなかったというのが正直なところだ。

いよいよ明日から一週間の春休み。おろそかになっている復習などもしたいと思うが、やはり生活に余裕ができるのはうれしい。たまたま英会話学校が休みの妻と充実した時間を過ごしたいと思っている。もちろんその時間には先日失敗したMamma Mia!のリベンジも含まれている。たまっていた話もようやく日記に書けそうだ。


*最後に僕のサンプルデッサンのオードリーを添付しておきます。


先頭 表紙

ちえちゃん、年賀状かなんかでつまらないイラストは描いたことがあったかもしれないけど。。。ちえちゃんって器用だから何でもできそうだけどな。 / Hidey ( 2002-03-21 23:47 )
すごーーい!Hideyさんがこんなに絵が上手だなんて知らなかったよ〜見た事なかったものね?私はまったく絵の才能がないから尊敬しちゃう!! / Chie ( 2002-03-20 08:51 )
まゆ猫さん、僕も映画としては、そしてオードリーの可愛らしさとしては、圧倒的に「ローマ」が好きです。ファッションで言えばこの絵と同じ「ティファニー」かな。 / Hidey ( 2002-03-18 05:36 )
Emikoさん、これは芸術ではないので、模写するだけなら何万回も線を書きつづければモデルと同じ線は再現できるものです。楽しい春休み。。。にしたいと思ってます! / Hidey ( 2002-03-18 05:35 )
Rさん、お金でなくて行動であらわしたとしても、そこでの自己満足が勝っているか、思いやりが勝っているかというと、同じように難しいことですよね。僕自身は自分の自己満足を見通して自分を責め抜いた後に贖罪に近い形で人に善を施すパターンが多いです。(←告白) / Hidey ( 2002-03-18 05:33 )
夢樂堂さん、メンテの対象が多すぎて大変な春休みになってます。 / Hidey ( 2002-03-18 05:30 )
浪花撫子さん、とっても納得して読ませていただきました。情けは人のためならずってね。でも人によってはチャリティやボランティアの善性を全否定する人がいるけど、実際善行を行っている自分の意識を完全に消せる人はいないと思うけど、それでも絶対的に善意の人というのはこの世にたくさんいるのだと思っています。いずれにしてもおっしゃるとおり、「でも、ええこととしよう」ですね。 / Hidey ( 2002-03-18 05:29 )
KATSUMIさん、確かに機会はないよりあったほうがいいでしょうね。Gabrielはバティとはちょっと違うタイプでした。あんなに逞しくなく、甘いマスク、という感じ。 / Hidey ( 2002-03-18 05:26 )
oggiさん、なんとお答えしていいのか分かりません(笑)。 / Hidey ( 2002-03-18 05:25 )
鳥さん、僕もオードリーの映画はかなり見ています。オークション、他にも色んなサービスがありましたよ。 / Hidey ( 2002-03-18 05:24 )
まうさん、はじめまして。クリエーティビティについてはお手上げなのですが、眼ということではできるだけあるがままにものを見ようと心がけているので、とてもうれしいお言葉です。 / Hidey ( 2002-03-18 05:23 )
たらママさん、なんとシャープペンで書きました。ただ単に精緻に書くだけなら細い方が便利です。僕もかなりマンガにははまってしまい、少なからず絵の上でも影響を受けてしまっています。 / Hidey ( 2002-03-18 05:21 )
ガス欠コインさん、確かにあのボンボンのシンガポール人の絵は描きたくない。彼の知り合いの女性ならまだしも、あの金太朗のように贅沢で太ったような彼の絵は絶対イヤです! / Hidey ( 2002-03-18 05:20 )
PAOさん、分かります!僕も描きながら肩と腕のラインには惚れました。脇のところの微妙な皺もね(笑)。 / Hidey ( 2002-03-18 05:17 )
akemiさん、美空ひばり、そうだったんですか!?温かいお言葉、ありがたいのですが、本当に自分では無価値な絵と思ってしまっています。極端な話鉛筆タッチで再現できるコピー機があれば済んじゃうわけですからね。 / Hidey ( 2002-03-18 05:16 )
peachさんのお美しいお姿なら是非。そう言えば妻の絵は一度も描いたことがありません。彼女もそういうガラではないのです。 / Hidey ( 2002-03-18 05:15 )
おとじろうさん、結局僕の絵を落札してくれたZaidは、同じ学校に通うガールフレンドの希望でキャンパスの風景を描いてくれとのこと。ちょっと大変そうだけど人物画よりはフラストレーションがなくていいかもしれません。クリエーティビティのなさを余り気にしなくていいから。 / Hidey ( 2002-03-18 05:13 )
Ecruさん、休みにまかせて早速重くて長い日記を書きました。つっこみようがないくらい重くて長いです。ごめんなさい。 / Hidey ( 2002-03-18 05:11 )
りぃなさん、本職から見ればこれが無価値な模写に過ぎないことはよくお分かりですよね。本当の創造力をお持ちの人を僕は尊敬します。いつかりぃなさんの作品を見させていただきたいものです。 / Hidey ( 2002-03-18 05:10 )
mignonneさん、僕はクリエーティビティがないので、絵については敢えて忠実な模写に留めています。自己表現はとってもできません。 / Hidey ( 2002-03-18 05:09 )
スーパーしえろさん、オードリーは古今東西最も好きなアメリカ人女性のひとりです。 / Hidey ( 2002-03-18 05:07 )
しゃどう猫さん、よく見ると左右が微妙に不対象。まだまだです。 / Hidey ( 2002-03-18 05:07 )
Hideyさまは、オードリーお好きですか? どの作品が一番のお好み? わたしはやっぱりローマです。ヘアースタイルが好き、男物のガウン着ているところが好き。 / まゆ猫 ( 2002-03-18 02:53 )
どうしてそんな多彩なのでしょうか?ちょっぴり神様を憎んでしまいそうです♪奥様とどうぞ楽しい春休みを・・ / Emiko ( 2002-03-18 01:18 )
わたしも撫子さまに同意です。自分はこれだけやった、という保障にもなります。それでも、しないよりはした方がもちろん良いのだけど。誰が出しても、どんな心から出してもお金はお金。有効活用できればそれで良いと、『お金を出すだけ』と言われ続ける日本人は思いたいですけど、ね。 / R ( 2002-03-17 17:02 )
春休み、メンテナンスにあてるといいですね。 / 夢樂堂 ( 2002-03-17 12:12 )
チャリティというのは、実は「慈善を施している」側が救われる事が多いんやないかと思います。「人を助ける事ができる立場でよかった」とでもいうんでしょうか。うちも夫の仕事関係で、年に3回程「資金集め」パーティーがありますが、ほとんど「着飾ってご馳走を食べる罪悪感(?)をまぎらわすため、お金を出す」集まりみたいなもんです。芸能人のチャリティなんて特にそうですわね。ほとんどが、ぱっとしない人達が、お金と引き替えにカメラを構えてもらってる。 / 浪花撫子@でも、ええこととしよう。 ( 2002-03-17 09:42 )
加えて、アルゼンチンの伊達男でガブリエルといえば、「バティストゥータ」を思い浮かべてしまいました(笑)。 / KATSUMI@故障リスト ( 2002-03-17 00:44 )
絵が描ける人と楽器がひける人は無条件で尊敬します(笑)。でも金持ちの道楽にしても、それを還元する機会があるのは良いことだと思います。日本では自分の金でもないのに垂れ流す人、多いですからね。 / KATSUMI@故障リスト ( 2002-03-17 00:43 )
絵もお上手だなんてすごいわ。やはりプリンスだわ。 / oggi@本当に ( 2002-03-17 00:39 )
最初、写真かと思いました!私もオードリー好きで、部屋にポストカード飾ってます。//物じゃなく、ダンスレッスンなんかもオークションできるんですね! / ( 2002-03-16 22:39 )
デッサンと文章を拝見して、眼が冴えてる方だなあ、と。うらやましい才能です。 / まう@はじめまして ( 2002-03-16 22:35 )
これは木炭デッサンですか?それとも鉛筆?高校で一応絵画部に出入りしていましたが、絵は本当に下手でマンガばかり読んでいました。これだけ表情が描ける人がうらやましいです。 / たらママ ( 2002-03-16 22:25 )
「何のだと」→「何なのだと」 / ガス欠コイン ( 2002-03-16 21:14 )
う〜ん、いい味出してるなあ。僕は絵の才能には乏しかったから。昔、New Orleansで写真から描いてもらったことがあったなあ。おっと、何の話しだ(笑)。それにしてもお金とは何のだと改めて思いますね。善意などなくとも、金持ちであることをひけらかしたいがために、高額で落札した奴が役に立つ。Hideyさんのは、まともな奴に落札されて良かったですね。だいぶ、気分が違うでしょう。 / ガス欠コイン ( 2002-03-16 21:12 )
口の表情と肩から腕にかけての線に惚れてしまいました。 / 走る酔人(PAO) ( 2002-03-16 20:08 )
美空ひばりも若かりし頃、オードリーを真似た衣装で歌っていましたね。  Hidey画伯のデッサン、ぬくもりが感じられて素敵です。なんでも「うまい」だけではつまらなく、そこにあたたかみが宿ってこそ「いいなあ」と思えるのでしょうね。 / akemi ( 2002-03-16 19:48 )
Hidey様、素敵ですね!!そう言えば絵に書いて頂いた事は無いので、お願いして見たい位ですが、やっぱりチョッと恥ずかしいワ!?奥様も描いて差し上げていらっしゃるのかしら?浪漫チックですよね。 / peach ( 2002-03-16 18:44 )
上手い!私はまたHideyさまが落札なさった絵かと最初思いました。素晴らしい。よい春休みを。 / おとじろう ( 2002-03-16 18:33 )
ほんと何でもできるんですねー。すごいな。明日から春休みですか。日記の更新楽しみです。 / Ecru ( 2002-03-16 18:33 )
素晴らしい☆ 太刀打ち出来ないので退散しますv / りぃな@しっかりしろアート専攻のくせに! ( 2002-03-16 18:09 )
多才なんですのね!!私は芸術、特に絵画に関してはまったくだめで・・・純粋に絵で自己表現できる方を尊敬してしまいます。 / mignonne ( 2002-03-16 18:04 )
Hideyさまって、絵も描けるんだ〜。オードリー・ペップバーン、きっぱり!って感じ。 / スーパーしえろ ( 2002-03-16 17:22 )
うわぁお、すっごく綺麗なデッサンですね。凄いっ! / しゃどう猫 ( 2002-03-16 16:55 )

2002-03-16 チャリティ・オークション 1

昨日セクション(クラス)主催によるチャリティ・オークションがあった。伝統的に開催されている行事で、学生達がめいめいに品物やサービスを持ち寄ってオークションを行い、集まったお金をすべて慈善事業に寄付するという仕組みだ。どんな事業に寄付すべきかということもセクションミーティングにより投票で決定した。南アフリカやタイ出身の学生が自国の貧しい子供達に教育の機会を与えるプログラムを紹介したり、アメリカの学生が皮膚がん基金や孤児養育の施設などを紹介したりし、集まった金額によるだが基本的には大小10のプログラムに寄付をすることになった。

チャリティの精神の真偽についてはなんとも言えない。聞くからに彼は日々こういったことを真面目に考えて生きているんだなという学生もいるし、こいつは何やらビジネスエリートのたしなみのように考えているのではという輩もいる。いずれにせよ裕福な学生の手元に遊んでいる金があるのなら、恵まれない境遇の人たちに再配分されることに依存はないので、僕もそれ以上は真剣に考えないことにした。

提供するのはモノでもサービスでもよいということだったので、あらゆる種類のドネーションが集まった。ちょっと例を挙げると、お手製のキルト、レッドソックス対ヤンキースのボックスシートチケットといったものから、車による学校送迎一週間分、学校近くの寮の部屋での昼寝の権利、各国の学生による郷土料理のおもてなし、海軍出身の学生によるペンタゴンツアー、そして人気のBGIEの教授の家でのディナー、これも大人気の担任教授の愛車ハーレーでタンデムツーリングなど、多岐に渡っていた。

僕はといえば、妻がいつかフリーマーケットででも出品しようとしていた博多人形、そして僕の自筆の肖像画デッサンを提供することにした。自分の写真なり恋人の写真なりを持ってきてくれればそっくりに鉛筆で模写するというものだ。子供の頃絵の教室に通っただけだが、その後も下手の横好きで時々描くことがあった。それでもかれこれ10年以上はまともに絵を描いていない。まあチャリティオークションだから下手でも許されるだろうということで意を決して出品することにした。

お祭好きの学生達とあって当日の盛り上がりは凄かった。学校併設のスペースを貸し切り、ビールはほとんど飲み放題、本格的なタコスディナーにBGMはサルサ、ドレスコードはリゾートファッションといった具合で、南アフリカの子供達のことなどすっかり忘却の彼方であった。

100を超える品物やサービスが集まり、基本的にはドネーション一点ずつの説明書きが壁に掲示され、それに対応してテーブルに並べてあるオークションシートに名前と金額をどんどん書き込んでいくという形式だった。誰かが10ドルと書けば、また誰かが15ドルと書き足していくというわけだ。高額商品は別途通常のオープンビッド形式で、「50ドル!」「60ドル!」という参加者の競り合いを司会が仕切るという形を取った。

(つづく)

先頭 表紙

2002-03-08 Negotiation 3

しかし実際のビジネスの交渉は、必ずしもゲームのようには行かない。三対三での、とある食品会社での賃金を含む労働条件をめぐる労使交渉のシミュレーションがあった。ケース上には一応「労働者の人権のために」など心情的な要素も盛られているのだが、シミュレーションである限り、我々学生は結局お互いに何を犠牲にして何を得、釣り合いを取るかというところにすぐ向かってしまう。それぞれの要素が体系的に数値化されて、取引により自分の得点をいかに向上させるかという交渉になる。

授業の一番最後に、我々の行った労使交渉が、実はホーメルというソーセージ、コンビーフ等を加工する大手企業での実話に基づいたものであるとの種明かしがあり、交渉の一部始終を追ったドキュメンタリー映画を観た。組合側はプロのニゴシエーターを雇い、彼のメディアを利用したイメージ戦略により労使の闘いは全国規模の関心事となった。企業側は意地でも屈しないとの姿勢を貫き、交渉期限が迫っても双方の主張は平行線を辿り、ついにストに突入する。

組合側は勢いづくが、思いのほか企業側が粘りを見せる。なんとストは20週間を超え、組合側にはほころびが見えはじめる。稼ぎがなく、それほど裕福でない労働者の中には、仲間の罵声を浴びながら工場に戻る者も出はじめる。裏切り者を阻止しようと、雪の中工場の門前に車を集めてバリケードをつくったりもする。はじめは徹底抗戦の姿勢を見せていた中心的メンバーも、「仲間を裏切ったり企業に屈するのは死ぬほど辛いが、妻も子供も家計のために働きに出て、自分だけが何もできずぶらぶらしていることにはもう耐えられない」と涙ながらに語り、とうとう彼らも工場に戻る。結局出戻った労働者、新規雇用の労働者で工場は生産性を回復し、最後まで闘いつづけた多くの組合員は完全に職を失った。壮絶な闘いに終止符が打たれた。

現実の世界での交渉は、汗や涙の匂いがし、命の重みを纏う。失敗の代償はあまりにも大きく、それは人の人生を大きく狂わせることもある。苦労知らずの学生達が理論好きの教授のもと、仮にも「ゲーム」と名のつくような学問の体系の中で学ぶ交渉術が、文字通り机上の論理として砕け散る現実を見たことに、僕は心の底で安堵していた。

先頭 表紙

パンドラさん、このケースでは結局勝ち目はなかったのでしょうね。争点もほとんど給与だけだったようだし、実際には。クリエーティブな解決方法の余地がなかったようです。勉強が相変わらずきつくて余り元気じゃなかったですが、明日から一週間春休み。日本は桜が記録的に早かったようですね。こちらも記録的に暖かく、来週はいい休みになりそうです。 / Hidey ( 2002-03-16 15:37 )
Hirokoさん、こちらこそお久しぶり。どんどんと言うほどには全く書けていないのが現状です。ほんとはもっと書き記したいことがあるのですが、勉強がきつくて今は平日には書けません。でも明日から一週間春休みなので、ちょっと頑張って書きたいと思っています。お暇なときにゆっくりどうぞ。 / Hidey ( 2002-03-16 15:34 )
しゃむさん、MBAの授業、成績や試験さえなければこんなに楽しい授業はないのでしょうけど。。。思えばGMATとの闘いから始まったのですね。もうコツとか忘れちゃったな、きっと。 / Hidey ( 2002-03-16 15:32 )
はるぴょんさん、詳しくは知らないのですが、映画を観ていた限りでは、そのプロのnegotiatorも多少職業的過ぎるところがあって、外からのイメージとしてはどっちもどっちだったかもしれません。ホーメルは今でも有名な企業で、財務状況はわかりませんが、商品、知名度は高いようです。 / Hidey ( 2002-03-16 15:30 )
むらりょうさん、WIN-WINの可能性はたくさんあると思うのですが、特に日本では企業風土やつまらないこだわりから思い切れないことが多いですよね。僕の本業である広告でいえば、最近はサントリーと富士フィルムのタイアップが話題のようですが、そういう発想はいつでもあったのです。思い切れない企業が多すぎただけ。 / Hidey ( 2002-03-16 15:28 )
kofukuさん、すみません、ご無沙汰してます!お元気ですか?もうご帰国が近くなってきてしまいましたね。ぜひ近々お会いしたいと思います。改めてご連絡します。情報システム系の話も興味あります。色々教えてください。 / Hidey ( 2002-03-16 15:25 )
ブチョーさん、一瞬吉村さんかと思っちゃいましたよ。「沈まぬ太陽」、実はまだ読んでいないのですが、いい本らしいですね。僕もちょっとしたきっかけであの会社の事故の話はいつまでも心に引っかかっています。落ち目のアーチストの例としてBilly Joelを上げてしまいましたが、彼は今Elton Johnと全米を回って大人気のようです。Piano Man、ぜひぜひ歌いましょ!いつものメンツ集めてくださいね。 / Hidey ( 2002-03-16 15:23 )
浪花撫子さん、ほんとにタフなニゴシエーターという感じ!とても胸に響くつっこみでした。特にうちの学校の卒業生は若くして傲慢な奴が多くて、それが武器だったり限界だったりするようです。人間どこへいっても両端の真理を押さえることが肝要なのでしょうね。 / Hidey ( 2002-03-16 15:19 )
nameさん、そうですね、現実離れしているのではという疑問も残りますが、根本の精神は大事だし、現実の中にそういうチャンスを見つけていけるよう前向きになれれば本当にいいことだと思います。 / Hidey ( 2002-03-16 15:16 )
misatoさん、さすがに交渉事の達人ですね、その方は。分かってらっしゃる。僕の過去のビジネス体験でもそういった経験はそれほど多いわけではないのですが、商売柄異業種タイアップを仕掛けるというのが多くて、そういった意味では根本は体に染みついているかもしれません。 / Hidey ( 2002-03-16 15:15 )
鳥さん、はじめまして。かっこいいというよりはほんとにボロボロになっています。英語にご興味をお持ちなんですね。これからも日記を楽しみにしています。交渉術、確かに日本でももっと増やしていい学問だと思います。 / Hidey ( 2002-03-16 15:12 )
KATSUMIさん、孫子は確かに先見の明がありますよね。余り詳しくないのですが、「実虚篇」かな?おっしゃるとおり、お互いの優先順位の際にこそ活路があるわけですが、なかなか見えにくいんですよね。それを見せ合うことが大切と広く教えているということだけでも、この学問の意義は大きいと思います。 / Hidey ( 2002-03-16 15:09 )
りぃなさん、思っていたことを代弁していただいて、ありがとうございます!きっと両方の要素が大事なんでしょうね。 / Hidey ( 2002-03-16 15:04 )
たらママさん、最近の管理職研修は、MBA方式を模倣したものが多いようですね。でもその本場でもまだ教育法は試行錯誤のようで、うちの学校でも毎年カリキュラムが大きく変わったりするようです。確かにアメリカ人の論理的な割り切り方は交渉においては強いですね。日々実感しています。 / Hidey ( 2002-03-16 15:03 )
ガス欠コインさん、机上の論理だろうと理想が追及できる限りにおいてはより学んでみたいのですが、やっぱりそれだけじゃないな、というのは正直ありましたね。人を幸せにできる論理、そして現実の厳しさのなかで人を思いやる気持ち、その両方があればいいんですけど。 / Hidey ( 2002-03-16 15:00 )
Ecruさん、最後の例の話は、もともと街と企業が一体化していただけに、かつての街が完全に死に、新しい街が出来上がったそうです。悲しいことです。 / Hidey ( 2002-03-16 14:58 )
クマさん、どこかで聞いたような科白。。。現実から逃れているモラトリアムといえば本当にうちの学生はそうなんですけどね。ただし徹底して理論を追及する強さも確かにあるのです。だからこそ実業界ではその力を発揮している人が多いのですが。 / Hidey ( 2002-03-16 14:56 )
あややさん、リトルダンサー、いいらしいですね。いずれ暇を見つけてみてみたい映画のひとつです。つっこみの件、お気遣いなく。暇のあるとき、気が向いたときにいただけるだけで充分うれしいです! / Hidey ( 2002-03-16 14:55 )
組合が企業に勝つには、どうすればよかったのかなあ・・・って考えてみました。でもやっぱりわからない。現実は重いですね。Hideyさま、お元気ですか? 日本はもうちらほら桜がふっくらほころんでいますよ。 / パンドラ ( 2002-03-16 08:30 )
あーん、どんどん更新されていってるぅぅぅぅぅぅ・・・。Hideyさんの日記は読み応えがあり、じっくり噛み砕いて読みたいので大切に取ってあるんですよ。で、時間のある時にゆっくり読もうと・・・。突っ込みいれる間もなく新しい日記がぁ・・・。時間見つけて今度ゆっくり突っ込ませてくださいね♪ / Hiroko@お久し振りです! ( 2002-03-15 00:56 )
ケースだけを読むと損得で考えてしまいますが、個々のドラマをみてしまうとそれだけでは計りえないものがありますね。Hideyさまのお話を伺っているとMBAの授業楽しそう!その前にGMAT50点も取れなさそうですけど・・・(笑) / しゃむ塔<bセージありがとうございました ( 2002-03-13 02:05 )
組合側が雇ったnegotiaterはメディアを利用したということですが、その後の企業イメージはどうなったのかしら。日本だと「非情な会社」(情だけでやっていけるものではないけれど)というレッテルを取り去るのはかなり難しいと思うけど、アメリカではその「強さ」が評価の対象になったりするのでしょうか。 / はるぴょん ( 2002-03-12 15:16 )
実際のビジネスでもWIN-WINの落とし所を探るのですが、見つからない事が多いです。出来るだけ多くの情報を把握しなさいって事なんでしょうね。 / むらりょう ( 2002-03-11 18:05 )
Negotiation 面白そうです.私もとればよかった.「手に職」とばかり情報システム系の科目ばかり取ってしまったのがよかったのかどうか....もうすぐボストンを離れると思うとやはり寂しいです.たまには連絡くださいねHidey君. / kofuku ( 2002-03-11 17:05 )
つきなみですが、「沈まぬ太陽」はインパクトあったなぁ。半官半民(死語?)だと組合も大変だし、ベースが実話ってのがやはり強烈でした。帰国したらまた”PianoMan”合唱しましょ。 / ブチョー ( 2002-03-11 12:08 )
日本の経営者達は、制服着て現場に立ったり、営業に出て頭を下げたりという経験があるけど、アメリカの場合、ブルーカラー業務(現場)を経験した経営者ってほぼ皆無でしょ? どっちがいいかは判らんけど、自分の百分の一以下の収入の労働者達を容赦なく解雇できるのも、学生の頃から、理論としての経営を実施しているからなんでしょうねえ。 / 浪花撫子@タフ ネゴシエーター ( 2002-03-11 11:22 )
こういう勉強、私は大好きでした。皆が幸せになれるnegotiationならいいですよね。 / name ( 2002-03-10 21:22 )
交渉事の上手い知人に秘訣を聞くと「皆がハッピーになる様にする事」と一言。そしてそれを実践していく事によってまた新たな成功を呼べるのですって。皆がハッピー・・要はそこなのですよね。 / misato ( 2002-03-10 00:29 )
はじめまして!ボストン留学中とはかっこいい。交渉事…苦手です。欧米では交渉術を学問として習うんですね〜。私も習いたい! / ( 2002-03-09 16:40 )
孫子ではないですが、相手の欲しているものと自らの欲していることの優先順位が理解できれば落しどころは見えると思いますが。現実にはそれが明らかにならないまま交渉することが多くて、それが問題の種になっている気がします。100を常に得ようとすると、最後のケースのように悲劇的な結末を迎えてしまいますね。 / KATSUMI@故障リスト ( 2002-03-09 14:57 )
2までは、さすがは交渉術!と思って読んでたんですが、この最後で、目から鱗です。現実は学問と違ってホント生々しいですね。痛みを分かる人か、あくまで非情になれる人、どっちががネゴシエーターに向くのか、って考えちゃいました。 / りぃな ( 2002-03-09 11:47 )
最近は日本の企業研修請負業者が企画する管理職研修にもnegotiationというメニューがあるみたいですよ。どの程度やってもらえるかは知りませんが。こういう能力って、日本の学校じゃ教わることもほとんどないでしょう。私は時々アメリカ人の交渉戦術の巧みさというか狡猾さに驚いたり脅威に感じることがあります。 / たらママ ( 2002-03-09 00:25 )
現実はオレンジのようにはいかないですね。そうですか、基になる現実があったわけだ。机上の論理として砕け散ることに安堵するという、Hideyさんの気持ちが良くわかります。まさに旧国鉄がそうでしたね。Hideyさん他、生徒のみなさんが、現実にそういう決断を迫られた時のことを考えると、シュミレーションの種を明かすやり方は、正しいと僕は思います。それにしても、日々、緊張の連続ですね。 / ガス欠コイン ( 2002-03-08 23:56 )
すべてA子さんB子さんの例のようにいけば、どんなにいいでしょう。最後の例は、この時期なんだか胸にこたえます。 / Ecru ( 2002-03-08 23:39 )
現実から逃れているモラトリアムの弱さかなぁ・・・・ / クマ ( 2002-03-08 20:32 )
サウト→スト / あやや ( 2002-03-08 18:08 )
リトルダンサーという映画のワンシーンでも、父親が息子の夢をかなえるためにサウト破りをして仲間から石を投げられるシーンがありました。今回も思うところ多い文章でした。毎回楽しく読ませていただいてますが言葉少なくてごめんなさい。 / あやや ( 2002-03-08 18:08 )

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