2001-10-05 ここにはおやすみしますという連絡が入っていました。
2001-09-29 TDR（東京ディズニーリポート）☆１『ワンス・アポン・ア・マウス』
2001-09-28 ちよっと映画から離れて・・・�B・・・いや今回は離れてないかも。
2001-09-27 『エドTV』
2001-09-26 『許されざるもの』
2001-09-25 『運動靴と赤い金魚』
2001-09-24 『すべりだい』後編
2001-09-23 『すべりだい』前編
2001-09-22 言い訳炸裂
2001-09-21 なにを思ったのか漫画紹介・・・　『うしおととら』

　みなさんのたくさんのつっこみありがとうございました。
返事も書かずに、休業してしまってご免なさい。
ようやく復活です。
この場を借りて、『どうもありがとう』

先頭 表紙

　　ディズニーランドといえば、アトラクション！スペースマウンテン、ビックサンダーマウンテンなどなど、見所はたくさんあります。しかし、わたしがまずはじめに紹介したいのは、ショーです。この「ワンス・アポン・ア・マウス」はディズニーのおなじみのキャラクターたちが全員集合でくりひろげる、笑いと感動のステージショウ。身長制限も年齢制限もないからどんなに小さいお子様でも大丈夫。開演時間をしっかりチェックしておけばそんなに並ぶ事も少ない！休日に関してはわかりませんが、少なくとも延々と立ったまま待たされることは無いはず。レジャーシートなど持っていって疲れたお子さんや、お父さんは休みながら待ちましょう。キャラメル味のポップコーンでも食べながら。

　幕が上がるといきなり有名キャラクターが総登場！楽しいダンスが始まります。ここで、ミッキーが舞台に居ない所が味噌。リーダーは真打登場！！ってな感じで、派手な登場を見せてくれます。ここがまず第一の見せ場ですね。それから先は、ミニーとセクシーなお姉さん達（お父さんも大満足です）のダンスあり、ドナルドの演奏会（ドリフ張りのベタベタなコントです。）あり、なにより見て欲しいのはグーフィーの華麗な（？）ダンスの三連発。タップ、クラシックバレエ（あっと驚く仕掛けもあり）そして最後はフラメンコ（これが意外と本格的なのです）　場内のボルテージが最高潮に達した所で、ファンタジックなエンディングへと突入していきます。　おすぎじゃないけど『とにかく御覧なさい』って言う感じです。

　ただ見るだけでも楽しいこのショーなのですが。もっと楽しむ方法を一つ、それはキャラクターたちを覚えていくと言う事、出てくるキャラクターを最も安価に見る方法はビデオ屋さんへいって『ミッキーマウス・グレイテスト・ヒッツ』というビデオを借りることです、もし時間とお金に余裕があれば、『美女と野獣』『ムーラン』なんていう最近のディズニーの定番映画なんかも見ておくと良いかも。、ムーランとかは見ておかないと、『なんて中国っぽい人が紛れ込んでるの？』って言う風になっちゃいますから。あ！忘れちゃいけないのはお子さんが居る方は事前に『バグズライフ』を見ておくこともお勧めします。だって予備知識ナシで見たら悪者に見えかねないから（笑）

　わたしがこのショーを気に入ったわけを最後に少し。初めてこのショーを見たときに、わたしの前の席に特殊学校の生徒さん達が居たんですね、多分この子達はライド系のアトラクションには乗れないだろうし（怖いものは特にね）夜にやるパレードも見れないと思うんです、やっぱり早く帰らなくちゃいけないでしょう？　そうやって遊園地に来てまでいろいろな制約を受けてしまう子達が。本当に楽しそうに笑っているんです。ミッキー達と一緒に踊って…感動しました、コレがショーっていうものなんだな、皆を楽しませるって言う事なんだな。ってそんなことを感じました、企業が作っている以上『夢と魔法の王国』なんていってもお金儲けをする事が根本的な目的のはずです、いま舞台上で行われている事はお金を取ってみせるショーなのです。でも『それでもいい』って思ったんです、ディズニーを好きでない人たちは言います。『あそこは計算された金儲け集団だ』と。良いじゃないですか、計算されていたって、あの子達は心底楽しんでいました。わたしだってそうです、そにあるのは紛れも無く『醒めることの無い夢』、魔法の王国は本当にあったのです。


　□この作品の評価・・・・（☆☆☆☆）
　　　　　　　　＊五つ星が最高です




　

先頭 表紙

　ココ最近日記をサボっていたのにはわけがあるのです。わたしの世界で一番大好きなところにいってきたのですよ。何処かって？それはですね、ＴＤＬ　東京ディズニーランドです。『えー世の中がＴＤＳ、ＴＤＳ。って騒いでるのにランドのほうに行くのか？』と一緒に行ってくれた友達（横浜在住の珈琲屋さん、この日の為に休みを取ってくれたいい人）はブーブーいっていましたが。関係有りません、わたしには夢と魔法の王国しか見えません。いや確かに冒険の海も気にはなりますが・・・だって混んでるじゃないですかあそこは・・・並ぶのが大嫌いな我儘なわたしだったりします。というわけで、ここから上は『カウチ!!特別編ＴＤＲ』（東京　ディズニー　リポート）をお届けしたいと思います。

先頭 表紙

　いい映画を見た後や、ドラマの放送後にはまるでその人物になったような気分になってしまうわたしですが、実際になりたいのか？といえば答えは『NO！』です。だって始終TVに追いまわされたり、恋人が出来てもこそこそ隠れるように付き合わなきゃいけないし、ちょっと駐車違反でもしようものなら逮捕！・・・さらに、さらに、ワイドショーのコメンテーター達に『常識がない』とか言われてしまう。しかも『あんた達の方がよっぽど無責任で常識が無いわっ！人の落ち度でご飯を食べるなんて最低よっ！！』なんて本音も声を大にしては言えない。だったらTVのまえで無責任に突っ込みでも入れてるほうが幸せっていうものです。

　このエドTVはなんと24時間TVカメラに追い掛け回されて、生活を実況中継されてしまう男、マシュー・マコノヒー演じるエドの大騒ぎの日々を軽快なテンポで見せていくそんな作品です。面白いのはこのエド　30過ぎて、定職にも付かずビデオショップのアルバイトをしているし、恋人はいないし、住んでいるのは狭いアパートだし、別にどこにもとりえなんか無いのです。ほんとそこいらヘンにゴロゴロいるようなフリーターのお兄ちゃん、こんな番組ではたして視聴率が取れるんでしょうか？

　ところが人間っていうのは不思議なもので、見てしまうんですよ。この何の変哲も無い日常を、そして彼に変化が訪れる、いや正確にいうと彼を見る周りの人々の目線が変わっていくのです、そしてなんの変哲も無かった彼の日常は大きく変わり始めるのです。もちろん彼が何か凄い特技を身につけたわけではないし、実は絶世の美男子だったとか言う事ではありません、かれはただ　有名になっただけ　有名になった彼を使っていろいろな事をたくらむ人たち・・・ここがこの作品の肝です。

　TVっていうのは最初は夢の箱だったのでしょうが。今は大きな武器になりつつあります。久米さんが言ってたから　みのさんが言ってたよ。こんな言葉が良く聞かれます。そうなのですTVの影響力っていうのは絶大なのです。もしも自分がエドだったら、もしくは彼の恋人だったら、そんなことを考えながらご覧下さい。TVがちょっとだけ怖くなるかも？・・・（笑）

　
　　□この作品の評価・・・・（☆☆☆）
　　　＊五つ星が最高です　

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　最近TVをつけると、報復、反撃・・・こんな言葉ばかり聞かれます。「戦闘が長期化し、犠牲が出ることもいとわない。」なんて、言葉が聞かれるたびに。ラブ＆ピースって言葉は一体どこへ？と考えてしまいます。大体自爆テロなんて、考える方も、実行するほうもおかしいです。『命の重さは地球の重さ』って誰かが言ってたじゃないですか。

　この映画はれっきとした西部劇です。ナイフで体を傷つけられて醜い姿になってしまった娼婦の仲間たちがなけなしの貯金をはたいて賞金稼ぎを雇う。彼女達は仲間が傷つけられた報復に傷つけた男の命を奪ってやろうと考えているのです。　その賞金を目当てにすでに引退した伝説のガンマン　クリント・イーストウッド　演じるウィルと　モーガン・フリーマン　演じるネッドがキッドという若い賞金稼ぎに誘われて娼婦達の町　ビックウイスキーを目指す所から、この物語が始まります。ただこの作品　撃って殴って悪者をやっつけてすっきり爽快!!っていうわたしたちのイメージする西部劇とはちょっと違うのです。

　このウィルっていう男、昔は本当に強くて冷酷で残忍ないわゆるならず者　だったのですが。結婚した後は真人間になっていて、酒は飲まない、乱暴はしない、おくさんがなくなっているというのに、「妻にもうしわけない」と女遊びもしない。そんな男になっているのです。もちろん銃の腕はがたがたに落ちているし、かっこよく馬を乗りこなす事も出来ません。じゃぁなぜ、彼はもう一度賞金稼ぎに戻る事になったのか？といえばそれは子供のためなのです。
　
　ウィルの体からはガンマンだった頃の体力や技術はもう消えてなくなっています。でも記憶は残っているのです。たくさんの人を殺してしまった記憶。それが彼を悩ませます。どんなに『俺は変わった』といっても彼は決して許される事は無いのです。

　この映画の肝は勿論銃撃戦のシーンだったり、豪華なキャスティング（上の二人のほかに　ジーン・ハックマン　まで登場!!）だったりするのですが、それ以上に重要視されているのは、今回わたしが一貫して書いている　『命の重さ』っていうことです。重たい映画ですから、週末時間があるときにちょっと、とか　カップルで仲良くカウチポテト☆っていう風に見るのにははっきり言って不向きです。でも、この作品は必ず見て欲しい。映画の世界でもめちゃくちゃなバイオレンスとか、大迫力の銃撃戦なんていうものが目白押しのこういう時だからこそ是非ご覧になっていただきたいのです。そして考えて欲しいのです。『生きるって何なんだろう？死ぬって何なんだろう』っていうことを。


　　□この作品の評価・・・・（☆☆☆）
　　　　＊五つ星が最高です　　　

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　お父さんやお母さんが子供の頃の運動会には、一等賞筆箱　二等賞ボールペン　三等賞消しゴム見たいな感じでご褒美がもらえたらしいのですが、今の運動会にはそんなことはなく。たまたま粋なはからいをする先生が一昔前の宣伝のように『頑張ったヒトにも頑張れなかったヒトにも』とポカリスエットなんかを全員に配るくらい、でも本当は頑張ったヒトが報われるのが平等な世界だと思うのですがどうなのかな？

　ミル＝ファロク・ハシェミアン　（何と覚えにくい名前）演じるアリ少年はイランの決して裕福でない家庭の長男坊。病気のお母さんの変わりに出たお使いの途中で修理してもらったばかりの妹の靴をうっかりなくしてしまうのです。代わりの靴を買ってもらう余裕なんかウチにはないんだって事をアリくんも妹のザーラちゃんも良く知っています。そこでアリくんが考えたのは、アリくんの靴を二人で使うという作戦。一足の靴を交代ではいて学校に通うのです。このあたりのシーンは子供が子供らしく、真剣にたくましく生きている様子が実によく描き出されています。この作品の見所のひとつです。

　さてこの映画の肝は、マラソン大会のシーン、アリくんは一生懸命に走るのです。もう涙が出るくらい必死で、三等になる為に・・・え？どうせ走るなら一等を目指せばいいのにって？いえいえこれにはワケがあるのです。アリくんは何が何でも三等賞をもらわなければならないのです自分のためにじゃなくって妹のために。だってこのマラソン大会の三等賞のご褒美はキャンプへの招待と　運動靴！！

　この映画につまっているのは　やさしさ　です。親を理解してあげるやさしさ。妹をおもいやる気持ち、そしてアリくんの周りにいる人たちのこどもへのやさしさ。『グリーンマイル』なんかが持っているやさしさが部屋中をあたためるストーブだとしたらこの『運動靴と赤い金魚』のそれはマッチ売りの少女がすったマッチ　そういうあたたかさです。けしておおきくはないけど強い。そういうやさしさ、そういうあたたかさ。運動会の多いこのシーズン、練習の合間なんかに見てみたらいかがでしょう？きっと次の日はいつもより頑張れる・・・ハズ？　


　　□この作品の評価・・・・（☆☆☆）
　　　＊五つ星が最高です。

先頭 表紙

　寝転んで見る東京の空は、真っ暗でなんだか得体の知れないものでした、そのあたりの空気が汚いということもあるのでしょう、黒い紙をべたっと空全体に貼り付けたカンジ。それを見ながら『なんでノストラダムス予言はずしたかなぁ』なんて考えていました。気持ちが後ろ向きになっているときは、考える事も悪い方へ引っ張られてしまうものです。『これじゃぁいけないんだよね。』わかっているのですが、じゃぁどうしたらいいのか分からない、大学時代にやめたはずのタバコをふかしながら。なんだか遅れて来た不良学生の青春を満喫してしまっている自分がそこにはいました。それから

　夢を見ました、何にも無いゆめです。ぽつんとひとりで　なんにもない場所に　立っているのか座っているのか判らないけど　とにかくそこに居るんです。　そして落ちていく　
　
　漠然として伝わらないかもしれませんが、とにかくそういう夢です。はっと目覚めると朝でした、ひんやりと冷たい朝の空気。張り付いた黒い紙はどこかに行ってしまって、抜けるような青い空。かすかに聞こえる小鳥の声　『ああ、いい天気、今日も頑張ろう！』となればいいのですが、わたしの口から出た言葉は　『う〜腰痛てぇ。』でした。どこまで言っても詩人になれないわたし、この寝相の悪い女はすべりだいからずり落ちて、コンクリートに抱かれて一晩を過ごしていたのです。ああ、かっこ悪い。　

　
　その日からわたしの帰りたくない病は落ち着きを見せ始め、三日もすると真人間の生活がおくれるようになりました。なぜ治ったのか、そんなことはわかりません、ただ、すべりだいでの一晩は、ちょっと子供時代に戻ったようなそんな夜でした。

　とりあえず、ずり落ちないようにしがみついてみるかな？　できることならよじ登ってみるかな？　そんな風にかんがえているわたしです。

『すべりだいは滑り降りるものだけど生きる事って言うのは、しがみつく、這い上がる、そういうことだよね？』と友人に聞いたら。『なに？お前サイババの本でも読んだ？』といわれてしまいました。その日の夕食のシチューが、彼のおごりのハンバーグステーキセット（￥2700）に変わったのは当然の成り行きだと言えましょう。

先頭 表紙

　つい一年程前の話なのですが、酔っ払ったわけでもないのに公園のすべりだいで寝てしまったことがあります、それも一晩しっかり、その当時仕事や人間関係やそんなもので自分がくたびれていたらしく。友達の家に転がり込んでみたり、漫画喫茶に一泊してみたり、今から考えればかなりめちゃくちゃな生活を送っていました。別に部屋に帰ったら借金の取立てやが来るわけでもないし、仲の悪くなった彼氏がいたわけでも、何か悪い事をして逃げていたわけではないのです。ただ、とても部屋には帰りたくなかった。それだけなのです。

　その日も帰りたくない病は続いていて、仕事が終わって、部屋にちょっとだけ戻り着替えてから『今日はどこへ行こうかな？』なんて思いながらぶらぶら繁華街を歩いていたのです。が、お酒を飲む気にも友達と話をする気にもならず、『でもどこかで落ち着かないと明日辛いよなぁ』なーんてのんびり危機感を味わいながら歩いていると繁華街を抜けて人気の無い通りに出たわけです。

　そこには小さな公園がありました、小さなブランコと名前はわからないけどあのぐるぐるまわるやつ、回しすぎて後で気持ち悪くなるあれです。それからなぜかこれだけはいっぱしのサイズのすべりだい…午後11時さすがに他に人は見当たりません。『ちょつと遊んでみようか？』なんて思い滑り降りてみると。あれ？すべりだいってこんなに短かったっけ？というくらいあっけない結末。なーんだ、やっぱり子供用なんだなとちょっとガッカリしたのですが。そのすべりだいにはもう一つの使い方があったのです。

　それが、ベットとしての使い方。季節はまだ暑さが残っている九月中盤、寝転がってみると金属で出来たすべりだいは冷たくて、なんだか心地いい感じがしたのです、『ちょっと休んでそれからどうするのか考えよう・・・』と、ホームレスよろしくすべりだいに寝転んだわたしなのでありました。　　

　　　　

先頭 表紙

　気が付けば、実際の日にちと日記の日にちがとんでもなくずれ込んでしまっているわたしです。抜けた日の分は飛ばしてしまえばいいのですが。そういうことをするとなんだか嫌なのです、目次の数字は１，２，３、と順序よく並んでいないと気持ちが悪いのです。そんなわけなので、今から一気に埋めてしまおうと画策しているのですが。穴埋めみたいに映画を紹介してしまうと。映画制作者の方々に申し訳ない気がするので。なにか自分のことでも書いて穴埋めしてやろうと考えたわたし、という訳で、ここから上2編ほどエッセイもどきが登場しますが。あんまり気にしないでください。決して映画のネタが切れたわけではありません。。。こういうとネタが切れたみたいだな（笑）

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　カウチ特別編『うしおととら第三十一章　ブランコをこいだ日　』
　
　男の子っていうのは泣かないものなのです。泣いていいのは嬉しいときだけ。あとはぐっと我慢しなきゃならない。そういうものだと幼稚園の先生は言っていました、彼女のいう強い男の子は『やさしくて、たくましくて、そしてウソをつかない。』そういうものなのだそうです。やさしい男の子は多いけど、たくましい子は減ったような気がします。漫画からも、現実からも。

　『蒼月潮はウソが嫌いだ』　とこういう書き出しでこの章は幕を開けます。この潮くんは獣の槍という妖怪をやっつけることの出来る槍を持っていてこれまでもたくさんの悪い妖怪をやっつけてきている正義のヒーローそれも絵に書いたような熱血直情型の男の子、彼がものすごく強い妖怪「とら」と一緒に　はるか昔から悪事を繰り返しつづける　「白面の者」という妖怪をやっつけるために旅をしているわけです、がこの章は　白面　とは関係なく飛行機事故で唯一生き残ったミノルという少年と潮くんのエピソードが綴られます。

　唯一の生き残りであるはずのミノル君は遭難して山の中に居る間中お父さんと一緒に居たというのです。もちろん彼の父親は飛行機事故で亡くなってしまっているのですが彼はお父さんと居たというのです。もちろん彼のそばにいたのはお父さんではないのです。ただ彼は事故のときに目を怪我してしまっていて誰がそばにいたのか見ていないのです、わかっているのは、ミノル君のそばに優しい誰かがいて、そのひとが彼の面倒を見ていたということだけです。

　一方そのころ、潮くんの住む町で、目をえぐられて殺されるという猟奇殺人が多発します。犯人は妖怪漫画ですから、もちろん妖怪その名を　サトリといいます　人の心を読んでしまうというやっかいな敵です、これ以上犠牲者を出さないためにも妖怪はやっつけなければなりません。でも、サトリは・・・・皆さんもうお分かりですね、これがこのお話の肝です。

　この話、とってもとってもよく出来ています。このまま映画にしてしまいたいくらい、監督はティム・バートンあたりでやって欲しいです、きっと『シザーハンズ』に匹敵するくらいの名作になること間違いなしです。何がすごいのかというと、その構成力、そしてセリフのセンス。わたしはこういう絵柄はあんまり好みじゃないのですが。そんなことはまったく気になりません、ただただ圧倒されるばかりです。作品全体にもそれは反映されていてきっとこの人第一話を書き始める時点でこの作品のすべてが見えていたんだろうなぁって思ってしまいます。もしそうでないのなら、「うしおととら」は漫画の神様が産み落とした奇跡なんでしょうね。

　そうそうタイトルになっている　ブランコ　なんですがラストのラストで登場します。もう涙なくしては読めません。　『蒼月潮はウソが嫌いだ』　この言葉を胸に刻み付けて一気に最後までお読みください、最後の４ページ　今ではめったに見られなくなってしまった　男の子が懸命にブランコを漕いでいます、必読です。

　　□この作品の評価・・・・（☆☆☆☆）
　　　　　＊五つ星が最高です。

　　　　　　　補足：ブランコをこいだ日は小学館　少年サンデーコミックス
　　　　　　　　　　「うしおととら」の１９巻〜２０巻にまたがって掲載されています

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