二人でいれば鬱陶しいと思うこともしょっちゅう。
でも、一歩外に出てしまえば彼女は「自慢の娘」だと実感させられる事があった。
それは「子供のサインの受けとめ方」という講演会での出来事。
小さな集まりにはもったいないようなエライ先生がくると言うので大きな期待に胸を膨らませていった。
講演がはじまり、ござの上を好き勝手に遊びまわる子供たち。その様子について専門的なコメントをつけていく先生。おもちゃの取り合いが多発していくなか「人数に対するおもちゃの必要数ってあるのよ。それを満たさないなら無いほうがいいの。」と突然言い出した。 確かに本題から少しずれつつあったけど、それなら最初から撤去するようにどうして指示しなかったのかとも思った。
ボランティアの先輩ママさんたちが考えてかき集めてくれたおもちゃ。それを後から否定するような言い方に少し嫌な気分になった。
そして事件は起こった。
「今、男の子が勝手におもちゃを持って行っちゃったでしょ?あれはお母さんがそばにいて『貸してねって言うのよ』って教えてあげないとね。」と。
先生が指したその先にいたのは見紛うことなきわが娘。確かにグレーのシャツにデニムのパンツで一瞬男の子に見えたかもしれない。でも良く見るとピンクのゴムで髪を結んでいるの。
そしてもっと大事なのは。ムスメが勝手におもちゃを持ってきたわけじゃないということ。私は最初から見ていた。
ムスメは初対面の子供が手に持っているものを勝手にとりあげたりはしない。きちんと「お願いの動作」をする。そしてよっぽどの事が無い限り相手が飽きて手を離すまで辛抱強く待っている。そのときだって、おもちゃは床に放置されていたのだ。それを待っていた彼女は落ちていたおもちゃを拾ってきただけ。そういう状況をちゃんと見てないくせに、「例」として取り上げられたことに私はハラをたてた。
ああ、親ばか。
私自身が、悪い例として取り上げられることにはある程度寛容なのにムスメのことになると冷静ではいられないことに驚いた。
きっと他の誰も気に留めてなかったような出来事なんだけど。
そのあとは内心むっとしながらも会をもりあげなきゃという義侠心に駆られて質問コーナーに手を上げ続けた私。最後に指名されて質問した。
「野菜が苦手です。私のときは泣いても最後は諦めて食べます。それがパパやおばあちゃんがいるときは10分でも15分でも代わりにお菓子をくれと泣き続けるんです。今までは『パパがいるときは特別ね。』と言ってあげちゃってたんですけど、特別はつくらないほうが良いですか?」
それに対して先生は側にいた保健婦さんに「野菜がどんなに大切か説明してあげて?」。
もうここで私はキレかけ。そんなこと説明されなくてもわかってる! だから相談してるんやんけ!
先生から「特別というのをつくると子供は混乱するからちゃんとパパやおばあちゃんと話し合って、一貫した態度で。」という答えは最終的には貰えたけど。
でも。あんまり有難くなかったな。
エライ先生には身近な話じゃなくてすばらしい話を聞きたかった。
って、やっぱり憎まれ口ですね。
※ツレとムスメの合作。鳩らしい・・・。(爆) |