2001-04-29 大磯の海（回想）
2001-04-28 自分を見つめる時間
2001-04-21 １０４２９歩のマーチ
2001-04-17 新妻只今暗中模索中
2001-04-17 新妻只今欲求不満中
2001-04-15 お食事会をしました
2001-04-10 謝罪。
2001-04-10 一週間　Vol．２
2001-04-10 一週間　Vol．１
2001-04-03 あるクリスチャンのはなし

いつかの夜、堤防に腰掛け、大磯の砂浜を眺めていた。
ちなみに、ロングビーチではない。

おだやかな波が、砂浜を行きつ戻りつする。

波が戻っていくとき、砂浜は、月の光に照らし出され、まるでビロードのような輝きを放つ。

「砂浜がチョコレートでコーティングされていく・・・」
「おもしろい表現だな」ととなりでくすくす笑う彼。
・・・そう、今チョコレート食べたいの、わかった？



波は優しい。
砂の一粒一粒を、残らず包む。

そんなふうに、私の心もだれかに包んでほしい・・・。


いや、ちがう。

自分の心は、自分で見つめて、自分で包まなくては。


いろんなかたちの小さな砂粒を集めた私の心。
迷いながらも、自分の心を潤したいと願う波。

波を押し出してくれる月の引力は・・・私の大切な人達。

あまりにも控えめで、優しすぎて、あなた方の存在を当然のようにむさぼっていた。
こんなにも甘えておきながら、全部自分のちからでやってきたと思い込んでいた。
でも、私を輝かせてくれたのは、他でもない、あなた方だった。

あなた方を大切にするということは、どういうことなのか？

今の私に出せる答えは、今の自分のまま、胸を張って生きること。

私がもっと大人になれば、答えは変わるかもしれない。

・・・けどね。

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仕事を辞めたことは、私にとんでもない試練を与えたもうた。

自分を見つめる時間。

それはもう、あふれんばかりの。

彼は私を好きだという。
「どこが」と聞くと「それはいえない」と言う。
「なんで」と聞くと「きっとそれを気にしてしまうから」

ああ、やっぱりわかってるんだね、私のこと。
こんなにわかってくれてるんだ。

わたしのだめなとこです、それ。

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ここんとこ３日ほど、母と一緒に散歩に出かけている。
いわゆるウォーキングというヤツだ。

うちは両親とも歩くの大好き。
私は、海とか山とかを歩くのは好きだけど、家の付近を歩くのは余り気が進まなくて、今までは、たまに付き合って歩くくらいだった。
でも、仕事を辞めてからは、家にいると体がなまってしまってあまり寝付きが良くないし、結婚前に体を少しでも締めたいと思って、母と一緒に歩くようになった。

歩き始めると、これが楽しい。
人目も気にならなくなった。
そして、歩いていると、いろんな発見がある。
母といっぱい話ができる。
今日の散歩でのいくつかの発見や話を、書き留めておこう。

・　母は、もう何年も歩いているが、最近、いつもの散歩コースでよく遊んでいる見ず知らずの小さい子に、「あ、あのおばちゃん、知ってる〜♪」といわれたそうだ。「話したこともないけど、こういうこともあるのね〜」と嬉しそうに話してくれた。

・　ビンボウグサといわれる花には、よく似た２つの花がある。ひとつはハルジョオン、もう一つはヒメジョオン。どちらかは、花が稲穂のように垂れているが、他方は花はまっすぐ上を向いている。でも、どちらがなんだかまでは、忘れてしまった。

・　昨日、母にハナダイコンという、アブラナによく似た紫の花を教えてあげた。今日はその花の名を、母がきちんと覚えているかをテストした。結果は合格だった。

・　昨日、ある家の表札にあった「生天目」という苗字を母は読めなかった。でも私は読めた。で、ハナダイコンのついでにこの読み方もテストした。「え、えっと・・・、な、なまた・・・？」「う〜ん、近いね」「あっ！なまため！」「チッ、正解」

・　河原を歩いているとき、ふっと、昔はよく見たナズナがあまり見られないことに気付いた。さびしいことだ。

・　河原を歩いているとき、母が、うっかり乾いたウン○を踏みそうになり、私は体を張って阻止した。

・　河原沿いの家の庭木に、カラスが二羽留まっていた。・・・と思ったら、作り物のカラスですっごくびっくりした。あれは何のためにあるのだろう？

・　母は、昼食に私の作ったおろしそばをたらふく食べたのに、食後に大好きな南部せんべいを６枚も食べた。そのせいで、いつもよりペースがスローだった。

・　歩いている間、アメを２個なめた。

・　ついこの間までは、いっぱいに花を付けていた桜が、もうすっかり葉を茂らせていた。みどりがとってもきれいだった。

・　母にハコベという草を教えてもらった。

・　昨日家の前でゴルフの練習をしていたおじさんは、今日も頑張っていた。週末、ゴルフなのかな？

・　ある家の表札に「小酒」とあった。なんて読むのか相談したが、「おさけ」ということで話がまとまった。

・　途中、前を歩いている父を発見。走って追いつけとの母の命令を受け、私は走った。思ったより息が切れなかった。ちょっとホッ。ここから３人で歩くことになった。

・　父とは、昨日ケンカしていたが、普通に話していた。ケンカすると「もう二度と話すもんか」といつも思うのに、一日経つと平気でしゃべってる。これもいつものこと。

・　父はひどい花粉症で、マスクをして歩いていた。いつもすごい速いペースで歩いているのに、マスクのせいで息が熱くて苦しいらしく、ペースがかなり落ちていた。

・　珍しく、３輪自転車を見た。

・　今日は１０４２９歩、歩いた！

また明日も歩こ〜。

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朝になりました。
昨日の日記、すごくすごく後悔しています。
だって、恥ずかしい・・・。

これは日記。
でも、こうやって公開してる。
あれは本音。
でも、こんなに恥ずかしい。

ひまじん日記を始めて１ヶ月余り。
自分の書いたことに、みなさんがつっこみを入れてくださる。
初めて味わう喜び。

それを知れば知るほど、
自分をよく見せたい・・・っていう欲望が頭をもたげる。
もちろん、今までウソは書いていない。
でも・・・。

顔も名前も知らないみなさんに、見栄を張るの？
顔も名前も知らないみなさんと、こうやっていろんなことお話しできるのがひまじんのいいとこ。
顔も名前も知らないみなさんだからこそ、素の自分でお話しできるはずなんじゃないの？
それなのに、私は・・・。

自分をさらけ出す勇気。
夢、希望、欲望、エゴ、いろんなものを内に抱え、それらが渦巻いている自分。
やっぱり、さらけ出したい。だれかに聞いてもらいたい。
そして、自分のそういう過程を、こうして残すことの意義。

彼に話したくないわけじゃない。
友人達に話したくないわけじゃない。
まして、話せないわけじゃない。

いろんな人生を歩んでいる人々が集まる、このひまじんネットの魅力がやっぱり私を惹きつけるのだ。

今日、朝起きて、真っ先に昨日の記事を削除した。
でも、その瞬間、やっぱり残しておきたくなった。
だって、昨日の私の気持ちなんだもの。

いつか、彼や友人達に見つかったりして、やっぱり後悔するかもしれない。
でも、いい。
だって、それが今の私の気持ちなんだもの。

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今日で、もう１５日間。
彼とちゅう〜してない。
なぜって、なんか、忙しいからさ。

われら別居夫婦、週末婚にもなりゃしない。(あくまでも目的はちゅう〜！)

新妻只今欲求不満中。(漢文みたい)

ドライブ、連れてって〜〜〜。
海が見たいよ〜〜〜。
一緒に原っぱでおべんと食べよ〜〜〜。
都会をぶらぶらは、もう飽きた〜〜〜。
ぎゅう〜してちゅう〜して〜〜〜。

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４月１４日(土)　晴れ　大安

今日は、彼の家族と私の家族での、お食事会でした。
私達の結婚に際し、堅苦しい結納はやめにしようとの私達の希望がかなったかたちです。

上野にほど近い料亭で、両家は初めて顔を合わせました。

彼は兄弟二人、私は姉妹二人。
血液型は彼の両親は彼パパ・ママがＡ型、兄弟共にＯ型。ウチは父Ａ型・母Ｏ型、姉妹共にＡ型と対照的。彼ママは「Ａ型とＯ型って相性いいんですってね〜♪私達って、家族ぐるみで相性いいみたいですね♪」とごきげんだった。

みゆ父は、ビシッとスーツで決め、「ざっくばらんに〜」を連発しながら、次から次へと話題を振りまき、頑張ってくれました。父が私をさして「コイツ(が生まれたとき)、私にそっくりな顔してチン○がなかったときにはがっくりしましたよ〜」と言い出したときは焦りました。ざっくばらんっていっても・・・ねぇ？

こんな感じで、11:00から始まった会はにぎやかな談笑に終始し、気付くと閉店の3:00。時間の経つのも忘れた楽しい会だったのでした。
そして、彼ママの「アメ横のチョコレートのたたき売りのところに行きたい！」との要望により、みんなでアメ横をぶらぶら。私は彼ママと共に、そのチョコレート屋探し。「私、二木の菓子でバイトしたことあるのよ〜、二日でやめたけど」なんて話を聞きながら思ったよりも小さなスペースに目指すお店を発見。思わず見とれている私に、彼ママが「はい♪」と言ってくれたのは、大きなビニール袋にめいっぱい詰め込まれたチョコレート。「これで千円ですって〜すごいわね〜」あまり上野方面に来ることがないと言う彼ママは、無邪気にはしゃいでいました。

4:00、上野駅にてお別れ。
彼の両親も、ウチの両親も、お互いに「うまくやって行けそうだ」との好感触。あとは私達二人が、しっかりやっていく姿を見せねば！・・・と気持ちを新たにしました。
みゆ母は「これで安心したわ〜」といって喜んでいました・・・が、今日になって体調をちょっと崩してしまいました。きっと、気疲れしちゃったのね・・・。
ってことで、今日からしばらくは、みゆ母に代わって私が主婦。みゆ父の喜ぶお酒の肴をうんと作っちゃうぞ〜。

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ルイ・アームストロングさん、あなたの名前が思い出せなくて、思わず「ストロング金剛」って言っちゃって、ごめんなさい。

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昨日までのあれこれのつづき。

７日(土)　
　彼と新居を探しにゆく。
　私も彼も、今まで実家で暮らしており、家探しは初めての経験。不動産屋に入っただけで「ねえ、どんな家にするぅ〜〜〜♪」と興奮気味の私を尻目に、やや緊張気味の彼。目の前に並べられた物件のコピーに、もはや、私の脳には「家賃の予算」という言葉はなかった・・・。「内見、内見」とささやく私に、「そんなこと、予算外の家なのにできないよ」とつれない返事。
　それでも、３件の不動産屋をまわり、彼自身、「この予算でいい家を探すのは難しい」と悟り、いよいよ私の思うつぼに・・・。私は、はじめの不動産屋で目を付けていた物件について、ここぞとばかりに熱く語った。「ちょっと高いけどさ〜、内見だけでもさせてもらおうよ〜。目を肥やしておくことも必要だよ〜。ねぇ〜〜〜。」「じゃ、行ってみるか」
　よしきた！！これであの家が手に入る可能性は７０％にアップだ！
　そして・・・決まった。その家に。作戦大成功！新築のテラスハウス。ロフトつき。駐車場も敷地内。閑静な住宅街。まわりには家族のにぎやかな声・・・。いいじゃん！いいじゃん！
　こんなに安易に決めていいのかと思うくらいの素早さだったが、ま、こういうのは巡り合わせ。うまくいくときゃうまくいくのさってことなのです。

８日(日)　
　彼と銀ブラ。
　結婚指輪をそろそろ探そうか・・・ということで来てみた。ドライブばかりで、あまり都会のデートをしない私達。おててつないでルンルン♪
　日頃、ブランドにはあまり興味を示さない私であるが、結婚指輪には憧れがあった。その名はテ・ィ・フ・ァ・ニ・ー。
　そこで、またまた、おねだりみゆみゆ、発動！「ねぇ〜〜〜、ティファニーにしようよぉ」「そうだな、一生身につけるものだし、そうしよっか」
　やったぁ！！またまた作戦大成功！ついでに伊東屋によって、招待状用のペーパーアイテム一式も決める。もひとつついでに新宿の電気屋で、冷蔵庫や洗濯機なんかも見てみた。
　昨日、今日と、ズバスバといろんな事が決まってゆく、この爽快感に、二人、しばし酔う・・・。　

９日(月)　
　キーマカレーを作る。
　母は、友人と動物園へ。ほんと、カワイイヒト。
　午後５時３０分。みじん切り開始。タマネギ４個、ショウガ１個、ニンニク４片、にんじん１本、ピーマン２個、ピクルス５本、レーズン大さじ８杯、クルミ６個・・・。ひたすら切る！切る！切る！ついでに爪も２カ所、削いでしまった。
　午後８時、完成。今日一日寝かせれば、明日はもっとおいしくなるだろう。
　ここんとこ、というより、ケンカ以来、両親の喜ぶ顔がみたくてついついはりきってしまうのは、なぜなんだろう。

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昨日までのあれこれを書いておこう。
なぜかというと、この「ひまじん日記」をはじめたきっかけは、結婚までのあれこれを書き留めておこうという目的であったことを、思い出したからである。

３日(火)　

　ふと思い立ち、ユザワヤにて、ウェルカムベアキットを購入。３割引セール中で、かなりのお得感あり。
　母は、「あんた、何ぬいぐるみセットなんか買って来てんの？え？結婚式で使う？お母さん、そんなくま、見たことないわよ。え？今どきはそうだって？へぇ、変なことすんのねぇ。」
　いきなりのやる気をそぐ発言、感激の至り・・・。

４日(水)　
　11:00起床。
　昨日のベアのことを思い出し、さっそく作ってみようと思ったが、小学校から愛用の裁縫箱が発見できず、断念。ついに押入にガサ入れするときが来たか・・・。

５日(木)　
　母とケンカ。
　言いたいことを言って、いつも父と衝突する私に、「あんたもあともう少しで家を出るんだから、ちょっとは口の利き方、考えなさいよ。」あとちょっとで家を出ることと、言いたいことを言うのは関係ないじゃろーが！
　長女の私は、父との衝突が妹の何十倍も多い。やっぱ、妹って、私のことを見て育っているから、親への口の利き方とかもうまいし、要領がいいと思う。妹のことは大好きだし、そういうのがむかつくという事じゃなくて、母の言葉に、「妹は、すなおでそんなこと言わないのに・・・もっと考えなさいよ」的な匂いがして、腹が立った。
　「お父さんもお母さんも、次男、次女でしょ。一番上の気持ちなんて分かっちゃいないんだよ。結婚前だからって、妹みたいに素直になんかなれない。いいじゃん、私がいなくなったら、妹と３人で仲良く平和に暮らせばさ。」今、思い返してみると、半ば、だだをこねるようであるな。私って、こども〜〜〜。
　でも、父の私への要求は、妹よりも確かに厳しい。口調もきつい。ひねくれたくなっちゃうときだってあるのさっ！
　その後、母は「散歩に行く」と言って出かけていき、１時間後、父と一緒に帰ってきた。すると、父の様子がなんか変。やけに優しい。さてはお母さんめ、お父さんを待ち伏せして、私とのケンカのこと、しゃべったわね。お母さんに直接聞いた訳じゃないから予測だけど、そんな気がする。
　・・・夕食後、ご機嫌で食器を片づける私がいた。

６日(金)　
　辞めた職場に、荷物をとりに行った。
　自分のデスク周辺のものを段ボールに詰めはしたが、あまりにも量が多いので、改めて車で取りに行くことになっていたのだ。
　車の運転に、いまいち信用のない私を心配して、母が助手席に同乗。・・・と言っても、運転はできないし、地図も読めない。よって、手助けにはならないが、精神安定剤としての役割が９９％。何も考えていない母は「ドライブ〜♪」とはしゃいでいた。もっとも、前日の夜、あまりにも丁寧に説明する父のおかげで、道のりは丸暗記してしまっていたのだが・・・。
　天気も良かったこの日、桜並木を眺めつつ、道路も運転も上々。たわいもない、いろんな話ができた、いい時間だった。

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私と一緒に会社を去る友人がいる。
彼女はクリスチャンである。

彼女とはこの１年のつきあいだが、本当に献身的に人に奉仕する人で、はじめは「何もそこまで気を遣わなくても・・・」と思うほどの心配り。こちらが恐縮してしまうほどだった。彼女の行為の裏に、何かあるのではないかと、邪推すらしてしまいそうになる。
そんなこともあってか、周りの人たちも少々、彼女とのつきあい方にとまどっていたようだった。でも、あるとき彼女がクリスチャンだと知って、失礼にもその時初めて、私は「ああ、そうか。本当にこの人は純粋に周りの人を大切にしているんだな」とわかり、急速に親しくなっていった。
彼女がクリスチャンだという理由だけで、彼女を丸ごと信じてしまう私を単純だと思うかもしれないが、それはやはり、彼女の人柄ゆえなのだ。

そんな彼女が、３月いっぱいで退職すると聞いた。
私は理由を尋ねた。すると彼女は、家の事情も含めて、いろいろな話をしてくれたのだった。

彼女のおばあちゃんは、少し前から痴呆を患い、お母様がその看病をしている。おばあちゃんはお母様をとても慕っており、病院へ行くのもいつも一緒とのこと。そんなおばあちゃんをご両親とも大切にしているのだったが、やはり痴呆の看病による疲労は、並大抵ではなく、彼女と過ごす時間が、ご両親にとっての大切な安らぎであった。それを十分に理解している彼女は、東京で一人暮らしをしている自分にできうる手助けに限界を感じ、ついに、仕事を辞めて、おばあちゃんのケアをはじめ、ご両親と過ごす時間を作ることを決断したというのだ。

「どうしてそこまでして？」ときっと多くの人が思うだろう。私もそう思った。仕事の合間を縫って、両親を助ける、それで十分ではないかと。そして、ご両親もそこまで望んでおられないと言うのに。

しかし、彼女は言った。
「痴呆というのは、本人にとってもつらい病気だけれど、でも、実際に一番大変なのは、看護する人。一生懸命看護している母を自分ができる限り、助けたいんです。一番心配なのは、おばあちゃんにもしもの事があったとき、今まで看護に没頭していた母が倒れてしまうこと・・・。これは痴呆老人を一人で看護している場合によくあることなんです。私、母にもし、そんなことがあったら、きっと、仕事を続けていたことを後悔します。どうして母についていてあげなかったんだと、後悔してもしきれないでしょう。だから、仕事を辞めるんです。」

彼女の言葉に、私は感動した。
聖書をきちんと読んだことがないからよくわからないけれど、本当に、ここまで自分のやりたいことを、何事もないようにきっぱりとあきらめることができるなんて・・・。大切な人のために・・・。
キリスト教の真の精神を、彼女から学ばせていただいた気がする。

今、世界中で、宗教に絡んだ戦争が絶えず、「信仰」というものを信用できずにいた。
まあ、宗教にもいろいろあるんだし、詳しく知らない自分があれこれ言えないのだけれど、知らない人間の立場から見れば「あなたの宗教では、『自分の信仰と相対する信仰を持つ人間は攻撃せよ』とでも教えているのか？解決の方法は、血を流すこと以外にないのか？」などと言いたくなる。
魔女狩りなど、時代背景もあるのだろうが、これがキリスト教を信じるものの行為なのかと、理解に苦しむ・・・。

『周りの人を大切にすることが自分の幸せ』
そんな気持ちを本当に持つ彼女が、いつまでも幸せであってほしいと願う。

先頭 表紙