ムスメが火傷をした。
ううん。違う。
私が、火傷をさせた。
約束の時間に遅れそうになり、急いで昼食のパスタを沸騰している鍋に放りこみ。勢いで飛び散ってしまったそのお湯が、真下で遊んでいたムスメの頭を直撃した。
驚いて号泣するムスメ。
慌てて水道の水で冷やす。
その間、まさにスイッチを入れようと手にもっていて落としたキッチンタイマーが鍋の中でぐつぐつ煮えている。ペストカーレソースの具が入れ忘れられたまま温められていく。
でも、そんなことは大した問題ではない。
とにかく頭を冷やし続ける。ムスメはようやく泣き止んだ。
5分以上はやったと思う。
そのあとは保冷剤をフェイスタオルに包んでムスメの頭に固定させ、とりあえず、2人の昼食をすませた。
皮膚科の午後の受付は3時から5時。どちらにしても開いていない。
約束どおり、いつもの子育て広場に向かった。
まわりの人に「スパゲッティを茹でようとしたときに丁度はいはいしてきた娘に気がつかずに飛び散ったお湯で火傷させちゃったの。」と言い訳している自分がいた。
本当は違うのに。
そこで座って遊んでいたムスメは私の視野に入っていた。
単に不注意だった。
いつもなら人にどう思われようと平気なのに、ムスメがからむと保身にまわってしまう、ずるい私。
幸い、火傷はたいしたことがなく「そのくらいなら病院にいかなくて平気。」とみんなに言われた。
帰宅して疲れて一眠りしたムスメが起きてきたのは7時前。
夕食のために椅子に座らせるとうっすらピンク色に染まった頭には小さな水泡がいくつかできていた。
私は正気を失った。
かかりつけの皮膚科に慌てて電話。帰る直前のお医者様がつかまって、「応急処置として虫さされで処方したベトノバール軟膏を綺麗に水洗いした頭に塗ってガーゼで保護して、保冷剤で冷やして、明日の朝一番できてください」と指示された。
とりあえず、風呂上りに薬だけ塗って、今ムスメはすやすやと眠っている。
月曜日に赤ちゃんを冷めかけのヘアアイロンで火傷をさせてしまったヒトには「おこりうることだから。仕方がないわよ。」って声をかけたけれど。
いざ、自分の身に降りかかると・・・。
かなり落ち込んでしまう事態ではある。
私が悪いんだけど。
泣きたい気分。 |